トランプ政権と米国株投資

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【AMZN】アマゾンの株価と決算

更新日:

アマゾンを日頃、やたらと使っている筆者にとって、この企業は半ばインフラになりつつあります。

古本屋とCDレンタルを不要にし、さらには小売全般を食い尽くそうと狙っているアマゾン。ブルームバーグHPの解説では「主な製品は、書籍、音楽、ビデオテープ、コンピューター、電子機器、家庭・園芸用品など」と書かれており、近年の多角化が反映されています。

アマゾンは本と映画だけでなく、最近はクラウドで稼ぎ、食品や日用品にまで関心を持ち始めました。近年はクラウドサービスの充実ぶりが際立っています。そのパフォーマンスと、躍進の原動力になったベゾスの考え方に焦点を当ててみましょう。

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主な指標を概観

主要指標のデータは以下の通りです(出所はグーグルファイナンスなど)。

19/1/2株価1465.2
19/2/1株価1626.2
株価上昇率11.00%
52週高値2050.5
52週安値1265.9
EPS20.2
PER80.52
配当(利回り)-
時価総額(億$)7952
株式数(億)4.9

株価推移(チャートと伸び率)

まず、株価の推移を見てみます。


青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線です。

明らかな危険信号が点灯しています。

株価伸び率をもう少し詳細に見てみます

★1:各年の株価伸び率(※18年終値は12/31)
AMZN

初値

最安

最高

終値

上昇率

2018

1172

1189

2039.5

1502

28%

2017

757.9

753.7

1195.8

1169.5

54%

2016

656.3

482.1

844.4

749.9

14%

2015

312.5

287

694

675.9

116%

2014

398.8

287.1

407.1

310.4

-22%

2013

256.4

248.2

404.4

398.8

56%

2012

176.4

175.9

261.7

250.9

42%

2011

181.4

161

246.7

173.1

-5%

2010

136.3

108.6

184.8

180

32%

2009

51.1

48.4

142.3

134.5

163%

2008

95.4

35

96.3

51.3

-46%

★2:各年初から2018/12/31までの伸び率
18年~

17年~

16年~

15年~

14年~

13年~

28%

98%

129%

381%

277%

486%

12年~

11年~

10年~

09年~

08年~

-

751%

728%

1002%

2839%

1474%

-

四半期決算(予想と実値)

18年第4四半期決算の概要は以下の通り。

  • EPS:予想5.51$⇒結果6.04$
  • 売上高:予想719.5億$⇒結果724億$
  • 営業利益: 38億$(+78%)
  • 第1四半期の売上高:新ガイダンス560~600億$
  • 同営業利益:新ガイダンス23~33億$

予想値

次に、ロイターが調べた四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます(2019/2/1、売上単位は100万ドル)。

売上予想

平均

上限

下限

期間

2019

279639

293109

271904

通年

6-19

63597

67069

61299

4半期

3-19

61049

64399

59009

4半期

売上

予想

結果

9-18

57057

56576

481

0.84

6-18

53379

52886

493

0.92

3-18

49785

51042

1257

2.53

12-17

59830

60453

623

1.04

9-17

42170

43744

1574

3.73

EPS予想

平均

上限

下限

期間

2019

26.79

36.8

21.44

通年

6-19

6.33

7.78

5.11

4半期

3-19

4.44

7.03

3.34

4半期

EPS

予想

結果

9-18

3.12

5.75

2.63

84.28

6-18

2.5

5.07

2.57

102.5

3-18

1.26

3.27

2.01

159.67

12-17

1.85

2.16

0.31

16.87

9-17

0.03

0.52

0.49

1955.34

※決算予想では米国会計基準(GAAP)とは異なる「非GAAP基準」の数値が多用されています。これは各社が経営実態を踏まえて調整した数値です(売上とEPSの数値が後述のGAAP基準での数値と異なる場合は、非GAAP基準の数値)

四半期決算(GAAP基準)

GAAP基準での四半期会計の実績は以下の通りでした

AMZN売上高営業利益純利益EPS
09-2017437443472560.52
12-201760453212618563.75
03-201851042192716293.27
06-201852886298325345.07
09-201856576372428835.75

(以下、次節の通年決算も含めて、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます。

損益計算(売上、純利益等)

売上高

営業CF

同マージン

純利益

2008/12

19166

1697

8.9%

645

2009/12

24509

3293

13.4%

902

2010/12

34204

3495

10.2%

1152

2011/12

48077

3903

8.1%

631

2012/12

61093

4180

6.8%

-39

2013/12

74452

5475

7.4%

274

2014/12

88988

6842

7.7%

-241

2015/12

107006

11920

11.1%

596

2016/12

135987

17272

12.7%

2371

2017/12

177866

18434

10.4%

3033

※同マージン=営業キャッシュフローマージン。15~35%程度あれば優良な数値。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや営業利益率など

営業利益率

EPS

DSO

2008/12

4.3

1.49

14.6

2009/12

5

2.04

13.5

2010/12

4.4

2.53

13.7

2011/12

2.1

1.37

15.8

2012/12

1.1

-0.09

17.7

2013/12

1

0.59

19.9

2014/12

0.2

-0.52

21.3

2015/12

2.1

1.25

20.5

2016/12

3.1

4.9

19.8

2017/12

2.3

6.15

22.1

※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。DSOが急増する企業は要注意。

バランスシート

総資産

総負債

株主資本

自己資本率

2008/12

8314

5642

2672

32.1%

2009/12

13813

8556

5257

38.1%

2010/12

18797

11933

6864

36.5%

2011/12

25278

17521

7757

30.7%

2012/12

32555

24363

8192

25.2%

2013/12

40159

30413

9746

24.3%

2014/12

54505

43764

10741

19.7%

2015/12

64747

51363

13384

20.7%

2016/12

83402

64117

19285

23.1%

2017/12

131310

103601

27709

21.1%

 

ROAとROEなど

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合

★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合

★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る〔下表では資本が負債の何倍かを表記〕)

ROA

ROE

流動比率

単位

%

%

倍率

2008/12

8.7

33.3

1.3

2009/12

8.2

22.8

1.33

2010/12

7.1

19

1.33

2011/12

2.9

8.6

1.17

2012/12

-0.1

-0.5

1.12

2013/12

0.8

3.1

1.07

2014/12

-0.5

-2.4

1.12

2015/12

1

4.9

1.08

2016/12

3.2

14.5

1.04

2017/12

2.8

12.9

1.04

キャッシュフロー

営業CF

投資CF

財務CF

フリーCF

2008/12

1697

-1199

-198

1364

2009/12

3293

-2337

-280

2920

2010/12

3495

-3360

181

2516

2011/12

3903

-1930

-482

2092

2012/12

4180

-3595

2259

395

2013/12

5475

-4276

-539

2031

2014/12

6842

-5065

4432

1949

2015/12

12039

-6450

-3882

7450

2016/12

17272

-9876

-3740

10535

2017/12

18434

-27819

9860

8376

 

ジェフ・ベゾスの発想とは

最後に、アマゾンのCEOであるジェフ・ベゾスの発想を見てみます。

アマゾンの株価上昇により、ベゾス氏の純資産は1051億ドルに達したとも報じられています。注目が集まる同氏の考え方が、フォーブスの記事で紹介されていたので、その概要を整理してみましょう。

参考記事は以下の3つ(実質2つ)です。

★2015/03/20:「ジェフ・ベゾス 10の名言(1)」「ジェフ・ベゾス 10の名言(2)

★2018/01/13 11:30:「ジェフ・ベゾス的思考」を手に入れる10の方法

ジェフ・ベゾスの名言:ベスト10

変わらないものを軸に戦略を立てよ。
「選択肢はより多く、価格はより安く、配達はより迅速で確実に」⇒これが顧客が「変わらず求め続けるもの」とされています。

顧客に執着せよ。
ベゾスは会議室に誰も座らない椅子を持ち込み、そこに顧客がいると思って話せと幹部に述べています。

我々は長期間にわたって誤解されることを厭わない。
新規事業は道楽に見えるが、花開くまで5~7年かかっても問題なし。

会社には2種類ある。高く売るために努力する会社と、安く売るために努力する会社だ
後者を目指したのがアマゾンの歩みでした。

顧客のニーズから逆算せよ。
キンドルもこの発想の産物です。顧客重視の姿勢はウォルマートに学んだともいわれています。

アマゾンの企業文化は「調和」と「情熱」だが、いざどちらかを選ぶとなれば、我々は「情熱」をとる。
筆者には「調和」がどこにあるのか、疑問視しています。「調和」を持ち出すのは外向けのポーズではないでしょうか。

発明家になりたければ失敗を恐れるな。
ベゾスいわく「なにかを学べるなら、つまずきも人生の一部だ」

時間を10%とすると、かつては3%をサービスの構築に、残りの7%をプレゼンに充てたが、時代は変わった。これからは逆だ。
プレゼン7割、サービス3割の企業からは買いたくありません。確かに、これはもっともな話です。

誰もがコールセンターで働けるようにならなければいけない
ベゾスは自身も含め、全管理職に毎年2日間のコールセンタートレーニングを受けさせているといわれています。ベゾスに電話を取ってもらいたいです。

今日はインターネットの1日目だ。
これは1997年にアマゾンが出した最初の株主への手紙です。学ぶことが膨大にあることを名文句で表現しています。

ジェフ・ベゾスの決断:10の指針

フォーブス誌には、10の決断の指針も書かれていました。

  1. 情報を7%集めたところで決断を:9%になるまで待つと手遅れになる
  1. 競争を無視:他社を気にして模倣するよりも、自社サービスの充実が第一

 

  1. 1%の可能性に賭けよ:ベゾスいわく「100倍の利益が返ってくる可能性が1%あれば、必ず賭けるべき」
  1. 現状の成功に甘んじるな:配当金なしで成長にすべてをつぎ込むのも、このスタンスの表れ
  1. 特異な文化の形成:開拓や発明を愛する人のための独自の文化づくりを薦める
  1. プロセスに進化を阻ませない:アマゾンは大企業病を認めない
  2. 全てを分解する:従来の商品配送の過程を分け、ベゾスは独自の商品配送方法を再構築。
  3. ビジネスを「役所仕事」にしない:スタートアップの精神が第一
  4. 失敗の達人になる:失敗後の対処ができる人材にならないと挑戦はできない
  5. 長期的視点を大事にする:現在の成功も長期的視点の賜物です。

ベゾス氏の発想はいろいろな面で参考になります。

長期で見た戦略が優れているからこそ、投資先としてお金が集まっているわけです。

ヘビーユーザーの一人として、今後のアマゾンの発展に期待したいものです。

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