【AMZN】アマゾンの株価と決算

2019年8月7日

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アマゾンを日頃、やたらと使っている筆者にとって、この企業は半ばインフラになりつつあります。

古本屋とCDレンタルを不要にし、さらには小売全般を食い尽くそうと狙っているアマゾン。

昔は古本やCDやDVD等の中古品販売が中心でしたが、近年はPCと周辺機器までをも取り込み、幅広く生活雑貨全般にレンジを広げてきました。

2006年からは、新規事業としてアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)を開始し、クラウドでもシェアが拡大し続けています。

電子書籍リーダーのキンドルや、AIアシスタントの「アレクサ」を搭載した「アマゾンエコー」も注目されています。

17年には自然食品スーパーのホールフーズマーケットを買収。ネットとリアルの融合を目指しています。

(*18年12月時点での地域別売上高は、米国が68.8%、ドイツは8.5%、英国が6.2%、日本が5.9%、その他が10.5%)

近年は目をみはる成長を遂げてきましたが、そのパフォーマンスと、躍進の原動力になったベゾスの考え方に焦点を当ててみましょう。

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主な指標を概観

主要指標のデータは以下の通りです(出所はグーグルファイナンスなど)。

1/2株価 1465.2
8/2株価 1823.2
株価上昇率 24.4%
52週高値 2050.5
52週安値 1307
EPS 24.12
PER 75.59
配当(利回り)
時価総額(億$) 9019
株式数(億) 4.9

株価推移(チャートと伸び率)

まず、株価の推移を見てみます

青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線です。

株価伸び率をもう少し詳細に見てみます。

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は8/2)
AMZN 初値 最安 最高 終値 上昇率
2019 1465.2 1500.3 2021 1823.2 24%
2018 1172 1189 2039.5 1502 28%
2017 757.9 753.7 1195.8 1169.5 54%
2016 656.3 482.1 844.4 749.9 14%
2015 312.5 287 694 675.9 116%
2014 398.8 287.1 407.1 310.4 -22%
2013 256.4 248.2 404.4 398.8 56%
2012 176.4 175.9 261.7 250.9 42%
2011 181.4 161 246.7 173.1 -5%
2010 136.3 108.6 184.8 180 32%
2009 51.1 48.4 142.3 134.5 163%
2008 95.4 35 96.3 51.3 -46%
★2:各年初から2019/8/2までの伸び率
19年~ 18年~ 17年~ 16年~ 15年~ 14年~
24% 56% 141% 178% 483% 357%
13年~ 12年~ 11年~ 10年~ 09年~ 08年~
611% 934% 905% 1238% 3468% 1811%

四半期決算(2019予想など)

次に、ロイターが調べた四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます(2019/7/29。売上単位は100万ドル)。

売上高(予想と結果)

予想 平均 上限 下限 期間
2020 330432 346376 311766 1年
2019 278160 283405 270574 1年
12-19 87001 90731 83718 3カ月
9-19 68515 69841 65696 3カ月
売上 予想 結果
6-19 62451 63404 953 1.5
3-19 59687 59700 13 0.0
12-18 71873 72383 510 0.7
9-18 57057 56576 -481 -0.8
6-18 53379 52886 -493 -0.9
3-18 49785 51042 1257 2.5
12-17 59830 60453 623 1.0
9-17 42170 43744 1574 3.7

EPS(予想と結果)

予想 平均 上限 下限 期間
2020 34.3 46.09 22.85 1年
2019 24.67 34.14 19.72 1年
12-19 6.82 10.01 3.74 3カ月
9-19 5 9.18 3.35 3カ月
EPS 予想 結果
6-19 5.56 5.22 -0.34 -6.1
3-19 4.72 7.09 2.37 50.2
12-18 5.64 6.04 0.40 7.1
9-18 3.12 5.75 2.63 84.3
6-18 2.50 5.07 2.57 102.8
3-18 1.26 3.27 2.01 159.5
12-17 1.85 2.16 0.31 16.8
9-17 0.03 0.52 0.49 1633.3

※決算予想では米国会計基準(GAAP)とは異なる「非GAAP基準」の数値が多用されています。これは各社が経営実態を踏まえて調整した数値です(売上とEPSの数値が後述のGAAP基準での数値と異なる場合は、非GAAP基準の数値)

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。

損益計算(売上、純利益等)

売上高 営業CF 同マージン 純利益
08/12 19166 1697 8.9% 645
09/12 24509 3293 13.4% 902
10/12 34204 3495 10.2% 1152
11/12 48077 3903 8.1% 631
12/12 61093 4180 6.8% -39
13/12 74452 5475 7.4% 274
14/12 88988 6842 7.7% -241
15/12 107006 12039 11.3% 596
16/12 135987 17272 12.7% 2371
17/12 177866 18434 10.4% 3033
18/12 232877 30723 13.2% 10073

※同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや営業利益率など

営業利益率 EPS DSO
08/12 4.3 1.49 14.6
09/12 5 2.04 13.5
10/12 4.42 2.53 13.7
11/12 2.11 1.37 15.8
12/12 1.11 -0.09 17.7
13/12 1 0.59 19.9
14/12 0.2 -0.52 21.3
15/12 2.09 1.25 20.5
16/12 3.08 4.9 19.8
17/12 2.31 6.15 22.1
18/12 5.33 20.14 23.4

※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。DSOが急増する企業は要注意。

バランスシート

総資産 総負債 株主資本 自己資本率
08/12 8314 5642 2672 32.1%
09/12 13813 8556 5257 38.1%
10/12 18797 11933 6864 36.5%
11/12 25278 17521 7757 30.7%
12/12 32555 24363 8192 25.2%
13/12 40159 30413 9746 24.3%
14/12 54505 43764 10741 19.7%
15/12 64747 51363 13384 20.7%
16/12 83402 64117 19285 23.1%
17/12 131310 103601 27709 21.1%
18/12 162648 119099 43549 26.8%

ROAとROEなど

ROA ROE 流動比率
単位 % % 倍率
08/12 8.7 33.3 1.3
09/12 8.15 22.75 1.33
10/12 7.07 19.01 1.33
11/12 2.86 8.63 1.17
12/12 -0.13 -0.49 1.12
13/12 0.75 3.06 1.07
14/12 -0.51 -2.35 1.12
15/12 0.99 4.94 1.08
16/12 3.19 14.52 1.04
17/12 2.83 12.91 1.04
18/12 6.85 28.27 1.1

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合

★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合

★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る〔表では資本が負債の何倍かを表記〕)

キャッシュフロー

営業CF 投資CF 財務CF
08/12 1697 -1199 -198
09/12 3293 -2337 -280
10/12 3495 -3360 181
11/12 3903 -1930 -482
12/12 4180 -3595 2259
13/12 5475 -4276 -539
14/12 6842 -5065 4432
15/12 12039 -6450 -3882
16/12 17272 -9876 -3740
17/12 18434 -27819 9860
18/12 30723 -12369 -7686

ジェフ・ベゾスの発想とは

最後に、アマゾンのCEOであるジェフ・ベゾスの発想を見てみます。

アマゾンの株価上昇により、ベゾス氏の純資産は1051億ドルに達したとも報じられています。注目が集まる同氏の考え方が、フォーブスの記事で紹介されていたので、その概要を整理してみましょう。

参考記事は以下の3つ(実質2つ)です。

★2015/03/20:「ジェフ・ベゾス 10の名言(1)」「ジェフ・ベゾス 10の名言(2)

★2018/01/13 11:30:「ジェフ・ベゾス的思考」を手に入れる10の方法

ジェフ・ベゾスの名言:ベスト10

変わらないものを軸に戦略を立てよ。
「選択肢はより多く、価格はより安く、配達はより迅速で確実に」⇒これが顧客が「変わらず求め続けるもの」とされています。

顧客に執着せよ。
ベゾスは会議室に誰も座らない椅子を持ち込み、そこに顧客がいると思って話せと幹部に述べています。

我々は長期間にわたって誤解されることを厭わない。
新規事業は道楽に見えるが、花開くまで5~7年かかっても問題なし。

会社には2種類ある。高く売るために努力する会社と、安く売るために努力する会社だ
後者を目指したのがアマゾンの歩みでした。

顧客のニーズから逆算せよ。
キンドルもこの発想の産物です。顧客重視の姿勢はWMT(ウォルマート)に学んだともいわれています。

アマゾンの企業文化は「調和」と「情熱」だが、いざどちらかを選ぶとなれば、我々は「情熱」をとる。
筆者には「調和」がどこにあるのか、疑問視しています。「調和」を持ち出すのは外向けのポーズではないでしょうか。

発明家になりたければ失敗を恐れるな。
ベゾスいわく「なにかを学べるなら、つまずきも人生の一部だ」

時間を10%とすると、かつては3%をサービスの構築に、残りの7%をプレゼンに充てたが、時代は変わった。これからは逆だ。
プレゼン7割、サービス3割の企業からは買いたくありません。確かに、これはもっともな話です。

誰もがコールセンターで働けるようにならなければいけない。
ベゾスは自身も含め、全管理職に毎年2日間のコールセンタートレーニングを受けさせているといわれています。ベゾスに電話を取ってもらいたいです。

今日はインターネットの1日目だ。
これは1997年にアマゾンが出した最初の株主への手紙です。学ぶことが膨大にあることを名文句で表現しています。

ジェフ・ベゾスの決断:10の指針

フォーブス誌には、10の決断の指針も書かれていました。

  1. 情報を7%集めたところで決断を:9%になるまで待つと手遅れになる
  2. 競争を無視:他社を気にして模倣するよりも、自社サービスの充実が第一
  3. 1%の可能性に賭けよ:ベゾスいわく「100倍の利益が返ってくる可能性が1%あれば、必ず賭けるべき」
  4. 現状の成功に甘んじるな:配当金なしで成長にすべてをつぎ込むのも、このスタンスの表れ
  5. 特異な文化の形成:開拓や発明を愛する人のための独自の文化づくりを薦める
  6. プロセスに進化を阻ませない:アマゾンは大企業病を認めない
  7. 全てを分解する:従来の商品配送の過程を分け、ベゾスは独自の商品配送方法を再構築。
  8. ビジネスを「役所仕事」にしない:スタートアップの精神が第一
  9. 失敗の達人になる:失敗後の対処ができる人材にならないと挑戦はできない
  10. 長期的視点を大事にする:現在の成功も長期的視点の賜物です。

ベゾス氏の発想はいろいろな面で参考になります。

長期で見た戦略が優れているからこそ、投資先としてお金が集まっているわけです。

ヘビーユーザーの一人として、今後のアマゾンの発展に期待したいものです。