ASML:今後の見通し

ADR銘柄,半導体,情報技術,株価•決算

ASMLホールディング(ASML Holding N.V.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(TSM(タイワンセミコンダクター)とASMLを比較)を参照

直近決算

【CNBC記事和訳】半導体製造装置大手ASML、AI半導体需要の堅調さを背景に2026年の業績見通しを引き上げ(4月15日)
●純売上高: 88億€(104億ドル)/予想は85億€
●純利益: 28億€/予想は25億€
●同社は以前、第1四半期の売上高を82億~89億€の間と予測していた。同社は現在、2026年の純売上高を360億~400億€の間と見ており、従来の340億~390億€という予測を上方修正した。
→決算は根強いが、受注額をASMLが公表しなかった最初の四半期となり、米中対立の間で不安も残る
(Chip giant ASML raises 2026 guidance as AI semiconductor demand stays strong)

企業概要

ASMLホールディング(ASML Holding N.V.)は、オランダに本社を置く半導体製造装置メーカーで、リソグラフィー(露光)技術を中核に、先端EUV/High-NA EUVから既存のDUV、計測・検査、ソフトウェア、保守サービスまでを世界の主要チップメーカーに提供しています(2025通期・2026年Q1時点)。[1][2]

現代のPC、スマホ、自動車、AIサーバーなどに不可欠な半導体の微細化を支える基盤技術として、ASMLは極端紫外線(EUV、13.5nm)と、その次世代であるHigh-NA EUV(開口数0.55、解像度8nmクラス)を展開しています。2025通期には48台のEUVリソグラフィーシステム、279台のDUVリソグラフィーシステム、208台の計測・検査システムを販売し、同分野のリーディングカンパニーとしての地位を維持しました。[1][3]

ASMLはユーロネクスト・アムステルダムおよびNASDAQに「普通株(registered ASML Euronext Amsterdam shares/registered ASML NASDAQ shares)」として重複上場しており、NASDAQで取引される銘柄もADRではなくNew York Registry Sharesとして扱われます(2025年12月31日時点)。[4]

1984年設立。EUVの量産適用と装置の高スループット化を進めると同時に、計測・検査やソフトウェア制御を含むエコシステムを強化してきました。High-NAでは2023年に初号機モジュールを出荷し、2025年4月には量産対応を意識したTWINSCAN EXE:5200Bの初号機を顧客へ出荷しました。ASMLは、TWINSCAN EXEプラットフォームが2027年に高量産を支援し始めると見込んでいます。[5][6]

(EUVリソグラフィー装置:13.5nmの短波長光を用いて極微細回路を高精度に転写する技術。High-NAは開口数0.55の新光学系により解像度とコントラストを高め、配線密度・性能向上に寄与する次世代EUVプラットフォームです)[3]

ASMLのフォトリソグラフィー・プラットフォームは、フォトマスクのパターンをウェハーへ露光転写する工程で使用され、先端ロジック/メモリ量産の要です。顧客には先端ファウンドリー、IDM、メモリメーカーが含まれ、AI関連インフラ投資に伴う先端ロジックやHBM/DDR5向けメモリ投資が、2025通期から2026年Q1にかけて需要を押し上げています。[2][7]

研究開発には継続的に巨額投資を行い、光学・機械・真空・制御ソフトなど学際領域の人材・サプライヤーと連携しています。2025通期の売上高は327億ユーロ、粗利率は52.8%、純利益は96億ユーロ、研究開発費は47億ユーロでした。2026年Q1には売上高87.67億ユーロ、粗利率53.0%、純利益27.57億ユーロを計上し、ASMLは2026通期売上高見通しを360億〜400億ユーロ、粗利率を51〜53%としています。[1][7]

一方で、米中の技術覇権や各国の輸出管理強化は事業リスクとなります。米国の規則更新(2024年12月)、オランダの輸出管理拡張(2025年1月)、さらに2026年4月に米国議会で提案された対中半導体製造装置規制案などにより、中国向けDUV装置・保守サービスを含む事業には不確実性が残ります。ただしASMLは、2026年Q1時点の通期見通しレンジが、輸出管理をめぐる進行中の議論による潜在的な影響を織り込める幅を持つと説明しています。[7][8][9]

ミニ解説:ASMLの競争優位は、EUV/High-NA EUVという代替困難な光学・メカ・ソフト一体の装置群と、周辺計測・保守・アップグレードを含む強固なエコシステムにあります。短期的には輸出規制と中国売上比率の変動がリスクですが、AI向け先端ロジック、HBM/DDR5、次世代微細化の需要は、2025通期から2026年Q1にかけて同社の成長見通しを支えています。[1][7]

【注】(出典リンク)

  1. 会社概要・2025通期ハイライト → ASML Annual Report 2025ASML Annual Report 2025 – Financials(確認日:2026-05-10)
  2. 事業内容・リソグラフィー総合ソリューション → ASML Annual Report 2025ASML Q1 2026 Financial Results(確認日:2026-05-10)
  3. EUV/High-NA EUVの仕様概説 → ASML Products – EUV Lithography SystemsASML TWINSCAN EXE:5000(確認日:2026-05-10)
  4. 株式上場の形態(Euronext Amsterdam/NASDAQ、registered shares) → ASML Investors – SharesNasdaq – ASML Holding N.V. New York Registry Shares(確認日:2026-05-10)
  5. High-NA初号機モジュール出荷(2023年) → ASML Story: 5 things about High-NA EUV(確認日:2026-05-10)
  6. TWINSCAN EXE:5200B出荷とHigh-NA量産ロードマップ → ASML 2025 Annual Report(SEC提出版)ASML 2025 Annual Report – Strategic Report PDF(確認日:2026-05-10)
  7. 2026年Q1実績・2026通期見通し → ASML Press Release: Q1 2026 Financial Results(確認日:2026-05-10)
  8. 米国の規則更新への対応(2024年12月発表) → ASML Press Release: updated export restrictions(確認日:2026-05-10)
  9. 対中輸出規制をめぐる2026年4月の追加動向 → Reuters(2026-04-03)Reuters(2026-04-07)(確認日:2026-05-10)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢