AVGO(ブロードコム)今後の見通し

半導体,情報技術

ブロードコム(Broadcom Inc)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(QCOM/AVGO:クアルコムとブロードコムを比較)を参照

直近決算

2024年9月5日(米国時間)にブロードコム(Broadcom Inc)は四半期決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.21$→結果1.24$
・売上高:予想129.7億$→結果130.7億$(前年同期比+47%)
★ガイダンス
《四半期》
・売上高:予想141.3億$→結果140億$
・税引き前利益(EBITDA) +64%
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました

企業概要

ブロードコム(Broadcom Inc)は情報通信技術を支える基盤となる半導体とインフラストラクチャソフトウェアを提供する世界的なリーディング企業です。

通信機器、データセンター、ネットワーキング、産業機器、自動車、スマートデバイスなど、幅広い分野で利用される半導体製品を提供。通信、データセンター、ネットワーキング分野において、圧倒的な市場シェアと技術力で他社との差別化を実現しています。

カリフォルニア州サンタクララに本社を置き、ファブレス企業として製品の設計・開発は自社で行い、製造は外部委託しています。

ハードウェア製品に連動するインフラストラクチャソフトウェアを提供することで、顧客は総合的なネットワークおよびITインフラのソリューションを単一ベンダーから調達でき、運用効率やコスト削減に貢献しています。

その社史は、1991年にヘンリ・サミュエリ教授とヘンリ・ニコラスの学生によって創業されたBroadcom Corporationに始まります。

1998年にNASDAQに上場し、通信向け半導体市場で急速に成長しました。

2016年には、ファブレス半導体大手のAvago TechnologiesがBroadcom Corporationを買収し、社名をBroadcom Inc.に変更しました。

Avago Technologiesは、もともとハイエンドスマートフォン向けのRFフィルターやパワーアンプ、有線インフラ、企業向けストレージなどを手がけていましたが、買収後は事業領域を統合し、より広範な半導体製品とソリューションを提供する体制へと再編されました。

2020年には、シマンテックの法人向け事業を買収し、ソフトウェア事業を強化しました。

一方、米中貿易戦争の初期には、半導体技術流出を安全保障上の懸念から、米国政府の大統領令により、クアルコム(QCOM)の買収が阻止されたこともありました。

AVGOは中国市場での売上比率が高いため、米中関係の動向には注意が必要です。

その事業は以下の分野に分かれます。

★コンピュート&ネットワーキング

スマートフォン、基地局、ルーター、スイッチ、SOHO向け製品、イーサネットIC、無線LAN送受信ICなど、ワイヤレスおよび有線通信機器向けに幅広い製品群を設計・提供しています。

これらのチップセットは、通信速度の向上、低消費電力、高い信頼性を実現し、グローバルな通信インフラの構築に不可欠な役割を果たしています。

高性能プロセッサ、ネットワークチップ、ストレージ用コントローラなど、クラウドコンピューティング環境や大規模データセンターで必要とされる製品を提供しています。

急速に拡大するデータセンター需要に応え、デジタル社会の基盤を支えています。

企業や都市向け高速ネットワーク、ホームネットワーク向けのルーターやスイッチなど、各種ネットワーキング製品を通じて、デジタルインフラの最適化と効率化を支援しています。

★インフラストラクチャソフトウェア

ハードウェア製品と連動したソフトウェアソリューションを提供し、顧客のネットワーク管理、セキュリティ、データストレージ管理など、ITインフラ全体の効率化を実現しています。

企業や通信事業者向けに、クラウド管理ソフトウェアやネットワークセキュリティソリューションを提供することで、製品単体だけでなく、総合的なシステムソリューションとして付加価値を創出しています。

AVGOは最新のプロセス技術を用いたチップ設計により、通信速度の向上、低消費電力化、高い信頼性を実現し、各種通信機器の性能向上を推進。

ネットワーキングおよびクラウド向けソフトウェアソリューションにおいて、AI、ビッグデータ、機械学習技術を活用し、企業のITインフラ運用効率やセキュリティの向上に貢献しています。

世界各地に研究拠点を設置し、産業界や学術機関との協力を通じて、革新的な技術開発を継続的に推進しています。

【出典】

Posted by 南 一矢