MU(マイクロンテクノロジー)今後の見通し

AI(人工知能),半導体,情報技術,株価•決算

マイクロンテクノロジー(Micron Technology, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

直近決算

MU(マイクロンテクノロジー)は3月18日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想8.79$→結果12.2$
・売上高:予想191.9億$→結果238.6億$(前年同期比+196%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想10.57$→結果18.75~19.55$
・売上高:予想225.3億$→結果327.5~342.5億$
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。

企業概要

マイクロン・テクノロジー(Micron Technology, Inc./NASDAQ: MU)は、DRAM・NAND・NORなどの半導体メモリーとストレージ関連ソリューションを提供する大手企業です。クラウド/AIデータセンター、モバイル、PC、産業・車載など幅広いエンド市場に供給しています。2025年度通期の売上高は373.78億ドル、純利益は85.39億ドルでした(2025年度通期、2025年8月28日終了)。[1]

子会社・拠点を通じ、米国・日本(広島)・台湾・シンガポール・マレーシア・中国・インドなどに製造体制を構築しています。2025年Form 10-Kでは、自社施設に加えて一部工程で外部委託も活用していると説明されています。米国ではアイダホ州、ニューヨーク州、バージニア州などへの投資計画を進め、先端DRAMやHBM向けの製造・後工程能力を強化しています。[2][3]

主要ブランドは「Micron」です。従来は「Crucial」も消費者向けSSD・メモリの代表ブランドでしたが、2025年12月にMicronはCrucial消費者向け事業からの撤退を発表し、2026年度第2四半期末までに小売・EC・代理店向けのCrucial製品出荷を終了する方針を示しました。なお、既存製品の保証サポートは継続するとしています。ゲーミング向けのBallistixは2022年に終息しており、消費者向けリテール事業は中核ではなくなっています。[4]

その事業は4つの事業ユニットに区分されます。従来のCNBU/MBU/SBU/EBUから、2025年度第4四半期に市場セグメント重視の新体制へ再編され、現在の報告セグメントはCMBU(Cloud Memory)CDBU(Core Data Center)MCBU(Mobile and Client)AEBU(Automotive and Embedded)です。2025年度のセグメント売上高は、CMBUが135.24億ドル、CDBUが72.29億ドル、MCBUが118.59億ドル、AEBUが47.53億ドルでした。[5]

DRAM/HBM:サーバー、AIアクセラレータ、PC/モバイル、車載向け。2024年2月にHBM3Eの量産を開始し、2025年度にはAIデータセンター向け需要を背景にHBM、高容量DIMM、低消費電力サーバーDRAMが急拡大しました。2025年度通期のDRAM売上高は285.78億ドルで、全社売上の約76%を占めました。2025年にはEUVを用いる1γ(ワン・ガンマ)DRAMの出荷を開始し、2026年3月にはNVIDIA Vera Rubin向けに設計されたHBM4 36GB 12Hの高量産を発表しています。[6][7][8]

NAND(SSD含む):クライアント/データセンターSSD、モバイルストレージなど。2024年に第9世代3D NAND(G9 NAND)に基づくSSDの量産出荷を開始し、2025年度通期のNAND売上高は85.03億ドルでした。2026年3月には、PCIe Gen6対応のMicron 9650データセンターSSDを高量産中と発表しており、AIデータセンター向けストレージでも製品世代の移行が進んでいます。[9][10]

NOR・特殊メモリ:産業・車載・宇宙向けなど特殊用途に対応します。2025年度通期の「Other(主にNOR)」売上高は2.97億ドルで、DRAM・NANDに比べると規模は小さいものの、信頼性や長期供給が重視される用途で使われます。[11]

製品ソリューション:モジュール/SSD/マネージドNAND/マルチチップパッケージなど、システムレベルの提案とカスタマイズを展開します。2025年Form 10-Kでは、Micronの製品はコンポーネント、モジュール、SSD、マネージドNAND、マルチチップパッケージ、ウェハーなど複数の形態で販売されると説明されています。[12]

最新業績と動向(2026年):AI需要の加速を背景に、DRAM、HBM、データセンターSSDの需要が大きく伸びています。2026年度第2四半期(2026年2月26日終了)の売上高は238.60億ドル、GAAP純利益は137.85億ドル、GAAP希薄化後EPSは12.07ドルでした。事業ユニット別では、CMBUが77.49億ドル、CDBUが56.87億ドル、MCBUが77.11億ドル、AEBUが27.08億ドルの売上高を計上しました。会社側は2026年度第3四半期について、売上高335億ドル±7.5億ドル、GAAP粗利率約81%、GAAP希薄化後EPS18.90ドル±0.40ドルを見込んでいます。[13]

技術・製造のトピック:DRAMは1β(ワン・ベータ)を主力世代として量産しつつ、EUVを使う1γへ移行しています。2025年度第4四半期には、日本の広島工場に1γ対応のための初のEUV装置を導入したと説明されており、台湾に続いて日本拠点でも次世代DRAM対応が進んでいます。NANDはG9 NANDへ世代交代し、データセンターSSDを含む高性能ストレージ向けに展開しています。米国では、アイダホ州ボイシ、ニューヨーク州クレイ、バージニア州マナサスを含む大型投資計画を進め、2025年6月には米国投資計画を約2,000億ドル規模へ拡大すると発表しました。[14][15]

規制リスク:中国のサイバースペース管理局(CAC)は2023年5月、重要情報インフラ分野におけるMicron製品の新規調達を制限する決定を公表しました。Micronは2025年Form 10-Kで、この決定が特に中国国内のデータセンターおよびネットワーキング市場に影響していると説明しています。また、AI関連製品や半導体製造装置をめぐる米中輸出管理、関税、地政学リスクも引き続き注視点です。[16]

ミニ解説

  • 何が変わったか:2025年度第4四半期から報告セグメントが、従来のCNBU/MBU/SBU/EBUから、CMBU/CDBU/MCBU/AEBUへ再編されました。AIデータセンター向けのHBMとクラウドメモリーをより明確に切り出す体制です。[5]
  • ブランド戦略:Ballistixは2022年に終息し、さらに2025年12月にはCrucial消費者向け事業からの撤退を発表しました。AIデータセンター向けのHBM、DRAM、SSDに生産能力を振り向ける方針がより鮮明になっています。[4]
  • 投資家目線:短期はHBM4、1γDRAM、データセンターSSDの増産と価格環境が利益ドライバーです。中期は、米国・日本・台湾を含む製造投資の立ち上げ、EUV導入、AI需要が通常DRAM・NANDの需給まで引き締めるかが重要な焦点になります。[13][15]

【注】(出典リンク)

  1. 事業概要・2025年度通期業績 → Micron Form 10-K 2025(PDF)Micron 2025 Form 10-K(SEC Filing Details)(確認日:2026-05-10)
  2. 製造拠点・自社施設と外部委託の説明 → Micron Form 10-K 2025(PDF)Micron Corporate Profile(確認日:2026-05-10)
  3. 米国投資・HBM後工程能力強化 → Micron U.S. ExpansionMicron IRニュース(2025年6月12日)(確認日:2026-05-10)
  4. Crucial消費者向け事業からの撤退・Ballistix終息 → Micron IRニュース:Crucial Consumer Business Exit(2025年12月3日)The Verge:Ballistix EOL(2022年2月17日)(確認日:2026-05-10)
  5. 報告セグメント再編・2025年度セグメント別売上高 → Micron Form 10-K 2025(PDF)(確認日:2026-05-10)
  6. HBM3E量産開始 → Micron IRニュース:HBM3E Volume Production(2024年2月26日)(確認日:2026-05-10)
  7. 1γDRAM出荷開始・DRAM売上 → Micron IRニュース:1γ DRAM Shipment(2025年2月25日)Micron Form 10-K 2025(PDF)(確認日:2026-05-10)
  8. HBM4高量産・NVIDIA Vera Rubin向け設計 → Micron IRニュース:HBM4 / PCIe Gen6 SSD / SOCAMM2(2026年3月16日)Micron FY2026 Q2 Presentation(PDF)(確認日:2026-05-10)
  9. 第9世代3D NANDの量産出荷 → Micron IRニュース:G9 NAND Volume Production(2024年7月30日)Micron日本語リリース:第9世代NAND(確認日:2026-05-10)
  10. PCIe Gen6対応Micron 9650データセンターSSD → Micron IRニュース:HBM4 / PCIe Gen6 SSD / SOCAMM2(2026年3月16日)(確認日:2026-05-10)
  11. NOR・その他売上高 → Micron Form 10-K 2025(PDF)(確認日:2026-05-10)
  12. 製品形態(コンポーネント、モジュール、SSD、マネージドNAND等) → Micron Form 10-K 2025(PDF)(確認日:2026-05-10)
  13. 2026年度第2四半期業績・事業ユニット別売上・2026年度第3四半期見通し → Micron FY2026 Q2決算リリース(2026年3月18日)Micron FY2026 Q2 Presentation(PDF)(確認日:2026-05-10)
  14. 広島工場のEUV導入・1γ対応 → Micron FY2025 Q4 Presentation(PDF)Micron Form 10-K 2025(PDF)(確認日:2026-05-10)
  15. 米国投資計画の拡大(約2,000億ドル規模) → Micron IRニュース(2025年6月12日)Reuters(2025年6月12日)(確認日:2026-05-10)
  16. 中国CACによる重要情報インフラ向け調達制限・地政学リスク → Micron Form 10-K 2025(PDF)Reuters(2023年5月22日)(確認日:2026-05-10)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

EPSと売上:予想:結果

【出典】

Posted by 南 一矢