BRK.B(バークシャーハサウェイ)今後の見通し

バフェット銘柄,金融

バークシャーハサウェイ(Berkshire Hathaway)の株価チャートの推移と主な指標(目標株価やPERなど)を確認します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

直近決算

8月4日(米国時間)にBRKは決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想5.01$→結果5.17$
・売上高:予想919.6億$→結果925.2億$(前年同期比-1%)
★出所
公式HP
・予想値はestimizeを参照しました。

🏢 バフェット引退について

ウォーレン・バフェット氏(94歳)が2025年末にCEO退任を発表!
後継CEOには、グレッグ・アベル氏(62歳)が2026年1月1日より就任予定。バフェット氏は会長職に留まる見通し。

💼 企業概要

バークシャーハサウェイは「オマハの賢人」ことウォーレン・バフェット氏が率いる世界最大の投資会社です。時価総額1.1兆ドル超を誇り、従業員数40万人を擁する巨大コングロマリットです。

バフェット氏は筆頭株主(約16%保有、1,600億ドル相当)であり、現在は会長兼CEOの地位にあります。1965年から60年間にわたって同社を率い、年率19.9%のリターンを実現し、株主に5,502,284%の驚異的な累積リターンをもたらしました。

👑 経営陣交代

グレッグ・アベル次期CEO(62歳、カナダ出身)は、20年以上バークシャーに在籍し、現在は非保険事業担当副会長を務めています。バークシャーハサウェイエナジーのCEOとして同事業を年間売上2,700億ドル規模まで成長させた実績を持ちます。バフェット氏より「実行力に優れたハンズオン型経営者」と高く評価されています。

💼 事業構造

🛡️ 保険事業(中核事業)

バークシャーハサウェイの中核は保険事業で、以下の3つの主要部門から構成されています:

  • GEICO:米国最大級の自動車保険会社
  • バークシャーハサウェイ再保険グループ:世界有数の再保険事業
  • バークシャーハサウェイプライマリーグループ:特殊保険・損害保険

保険フロート(2025年Q2): 1,710億ドル
保険料収入から支払までの差額累積資金を投資に活用し、大きな収益源となっています。2024年の保険引受利益は90億ドル(前年比51%増)を記録。

🚂 非保険事業

事業部門 主要内容 特記事項
BNSF鉄道 北米最大級の貨物鉄道網(32,500マイル、28州) 2010年260億ドルで完全買収
バークシャーハサウェイエナジー 電力・ガス事業、再生可能エネルギー 米国最大の風力エネルギー生産者
パイロット・トラベルセンター 北米最大のトラックストップ運営 2023年完全買収(年間売上517億ドル)
製造業 プレシジョン・キャストパーツ、建材、工業製品 多様な製造業ポートフォリオ
サービス・小売業 マクレーン流通、自動車販売、消費者向けブランド デイリークイーン、シーズキャンディーズ等

📊 投資ポートフォリオ(2025年Q1時点)

株式ポートフォリオ総額: 約2,580億ドル
現金・現金同等物: 3,441億ドル(記録的高水準)

🔝 主要保有銘柄(時価ベース上位10位)

順位 銘柄 保有比率 評価額 特記事項
1 Apple (AAPL) 25.76% 約668億ドル 3億株保有(以前の40%から縮小)
2 American Express (AXP) 15.77% 約408億ドル 数十年にわたる長期保有
3 Coca-Cola (KO) 11.07% 約285億ドル 1988年から保有継続
4 Bank of America (BAC) 10.19% 約263億ドル 一部売却(3分の1減少)
5 Chevron (CVX) 7.67% 約198億ドル エネルギーセクター投資

🌏 国際投資

日本の5大商社への投資拡大
三井物産、三菱商事、丸紅、住友商事、伊藤忠商事の5社に投資。2025年3月に持分を拡大し、長期的な日本市場へのコミットメントを示している。

💰 最新財務業績(2025年Q2)

主要指標

  • 営業利益: 111.6億ドル(前年同期比4%減)
  • 純利益: 123.7億ドル(前年同期比59%減)
  • 1株当たり簿価(クラスA): 464,454ドル(前年同期比10.9%増)
  • 11四半期連続で株式の純売り越し(2025年前半で45億ドル売却)

📈 投資哲学と戦略

バフェット氏の投資哲学は「優良企業の長期保有」に基づいています。「我々のお気に入りの保有期間は永遠です」という有名な言葉の通り、配当成長株強固なブランド力持続可能な競争優位性を持つ企業に集中投資しています。

⚠️ 現在の投資環境

バフェット氏は現在の市場について「非常に稀にしか膝まで浸かるほどの投資機会は見つからない」とコメント。記録的な現金保有高は、魅力的な投資機会の欠如を反映しているとされています。

🔮 今後の展望

  • 経営体制の移行: Greg Abel新CEOのもと、より実行力重視の経営スタイルへの転換
  • 事業の最適化: 低収益事業の改善・再編成
  • 巨額現金の活用: 大型M&A案件への機会を模索
  • ESG重視: エネルギー事業での再生可能エネルギー転換
  • 後継者育成: Abel氏によるバークシャー文化の継承と発展

Posted by 南 一矢