【AI】シースリーエーアイの株価と決算
シースリー・エーアイはビリオネアのトム・シーベルが設立した企業向けAIのプラットフォームをサブスクリプション方式で提供する企業です。
現在、企業向けのAIソフトウェアを提供する企業が乱立し、使いにくいAIプラットフォームがあふれかえっていますが、C3AIは、この状況を、汎用性の高いプラットフォームを提供することで解決しようとしています。
草創期のPCの世界ではOSが乱立しており、最後にはウィンドウズかマックという形に整理されましたが、現在のAIプラットフォーム市場は乱戦状態が続き、その乱立がユーザーにある種の不便さをもたらしています。
そのため、これを解決することで、シーベルは、かつてのゲイツのようなメジャープレイヤーとなることを狙っているわけです。
C3AIがカバーしているのは、予知保全や不正検知、センサーネットワークの健全化、供給ネットワークの最適化、エネルギー管理、マネーロンダリングの防止、顧客エンゲージメントなど、広範な領域にわたっています。
すでに米空軍等の公的機関、MMMやシェル等の大企業が採用しており、モデルケースとしてはエネルギー大手のBKR(ベーカーヒューズ)が注目されています。
CSAIのプラットフォームに関しては、第三者機関による比較検証で、同じ開発作業がAMZNのAWSの26分の1、MSFTのAzureの18分の1で可能になるとの結果が報告されています。
かなりの優れものらしく、ORCLで活躍した前歴を持つシーベルのカリスマ性もあって、C3AIはBtoBでの業績拡大が期待されています。
主な指標を概観
まず、主要指標のデータを見てみます(指標と株価はgooglefinance関数から取得)。
1/3株価 | 31.5 |
5/20株価 | 18.2 |
株価上昇率 | -42.14% |
52週高値 | 76.9 |
52週安値 | 13.4 |
β値 | – |
EPS | -1.51 |
PER | – |
配当利回り | – |
時価総額(億$) | 19 |
株式数(億) | 1 |
株価推移(チャートと伸び率)
次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。
株価の推移を1年ごとに見てみましょう。
★1:各年の株価伸び率(※22年終値は5/20株価) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
AI | 初値 | 終値 | 上昇率 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2022 | 31.5 | 18.2 | -42% | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2021 | 131.1 | 31.3 | -76% | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2020 | 100 | 138.8 | 39% | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
★2:各年初から22/05/20までの伸び率 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
22年~ | 21年~ | 20年~ | 19年~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
-42% | -86% | -82% | – |
四半期決算(2021予想など)
さらに、四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。
(※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載。データの主な出所は英語版のヤフーファイナンス。現在、決算結果は発表待ちの状態)。
EPS:予想と結果
予想 | 5/16 | 1月前 | 2月前 |
Y:2023 | -0.95 | -0.95 | -0.94 |
Y:2022 | -0.79 | -0.79 | -0.79 |
Q:22/7 | -0.26 | -0.26 | -0.26 |
Q:22/4 | -0.29 | -0.29 | -0.29 |
EPS | 予想 | 結果 | 差 | % |
22/1 | -0.27 | -0.07 | 0.20 | 74.1 |
21/10 | -0.28 | -0.23 | 0.05 | 17.9 |
21/7 | -0.28 | -0.37 | -0.09 | -32.1 |
21/4 | -0.26 | -0.24 | 0.02 | 7.7 |
21/1 | -0.16 | -0.13 | 0.03 | 18.8 |
売上高:予想と結果
予想 | 5/16 | 1月前 | 2月前 |
Y:2023 | 334 | 334 | 334 |
Y:2022 | 252 | 252 | 252 |
Q:22/7 | 74 | 74 | 74 |
Q:22/4 | 71 | 71 | 71 |
売上 | 予想 | 結果 | 差 | % |
22/1 | 67 | 70 | 3 | 4.5 |
21/10 | 57 | 58 | 1 | 1.8 |
21/7 | 51 | 52 | 1 | 2.0 |
21/4 | 51 | 52 | 1 | 2.0 |
21/1 | 47 | 49 | 2 | 4.3 |
ガイダンス(売上高)
※21Q4の売上ガイダンスは数字記載がないので通年ガイダンスからQ1、Q2、Q3の値を引いて算出。
2021 | Q予想 | Q結果 | FY予想 | FY結果 |
22/1 | 72 | 81~82 | 250 | 251~252 |
21/10 | 66 | 66~58 | 246 | 248~251 |
21/7 | 56 | 56~58 | 245 | 243~247 |
21/4 | 51 | 50~52 | 240 | 243~247 |
21/1 | 48 | 50~51 | 177 | 181~182 |
通年決算(GAAP基準)
最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。
損益計算(売上、純利益等)
AI | 売上高 | 営業CF | 同マージン | 純利益 |
19/4 | 92 | -35 | -38% | -33 |
20/4 | 157 | -61 | -39% | -69 |
21/4 | 183 | -38 | -21% | -55 |
同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。
EPSや売上成長率など
AI | SG(%) | EPS | DSO |
19/4 | -0.45 | 253 | |
20/4 | 71% | -0.97 | 109.9 |
21/4 | 17% | -0.9 | 95.9 |
※SG(セールスグロース):売上高成長率(前年度比)
※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。
バランスシート
AI | 総資産 | 総負債 | 株主資本 | 自己資本率 |
19/4 | 267 | 433 | -165 | -62% |
20/4 | 305 | 488 | -183 | -60% |
21/4 | 1196 | 135 | 1061 | 89% |
ROAとROEなど
AI | ROA | ROE | 流動比率 |
19/4 | -12% | 20% | 219% |
20/4 | -23% | 38% | 347% |
21/4 | -5% | -5% | 942% |
★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合
★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合
★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る指標
キャッシュフロー
AI | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
19/4 | -35 | -96 | 54 |
20/4 | -61 | -124 | 120 |
21/4 | -38 | -767 | 887 |