【AI】シースリーエーアイの株価と決算
シースリー・エーアイはビリオネアのトム・シーベルが設立した企業向けAIのプラットフォームをサブスクリプション方式で提供する企業です。
現在、企業向けのAIソフトウェアを提供する企業が乱立し、使いにくいAIプラットフォームがあふれかえっていますが、C3AIは、この状況を、汎用性の高いプラットフォームを提供することで解決しようとしています。
草創期のPCの世界ではOSが乱立しており、最後にはウィンドウズかマックという形に整理されましたが、現在のAIプラットフォーム市場は乱戦状態が続き、その乱立がユーザーにある種の不便さをもたらしているため、そこを解決することで、シーベルは、かつてのゲイツのようなメジャープレイヤーとなることを狙っているわけです。
C3AIがカバーしているのは、予知保全や不正検知、センサーネットワークの健全化、供給ネットワークの最適化、エネルギー管理、マネーロンダリングの防止、顧客エンゲージメントなど、広範な領域にわたり、すでに米空軍等の公的機関、MMMやシェル等の大企業に採用されています。
CSAIのプラットフォームに関しては、第三者機関による比較検証で、同じ開発作業がAMZNのAWSの26分の1、MSFTのAzureの18分の1で可能になるとの結果が報告されています。
かなりの優れものらしく、ORCLで活躍した前歴を持つシーベルのカリスマ性もあって、CSAIは今後、BtoBで売上を伸ばしていくことが期待されているわけです。
主な指標を概観
まず、主要指標のデータを見てみます(指標と株価はgooglefinance関数から取得)。
1/4株価 | 131.1 |
3/2株価 | 98.5 |
株価上昇率 | -24.87% |
52週高値 | 183.9 |
52週安値 | 90 |
β値 | – |
EPS | -0.57 |
PER | – |
配当利回り | – |
時価総額(億$) | 94 |
株式数(億) | 0.9 |
株価推移(チャートと伸び率)
次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。
株価の推移を1年ごとに見てみましょう。
★1:各年の株価伸び率(※21年終値は3/2株価) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
AI | 初値 | 終値 | 上昇率 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2021 | 131.1 | 98.5 | -25% | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2020 | 100 | 138.8 | 39% | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
★2:各年初から21/3/2までの伸び率 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
21年~ | 20年~ | 19年~ | 18年~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
-25% | -2% | – | – |
四半期決算(2020予想など)
さらに、四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。
(※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載。データの主な出所は英語版のヤフーファイナンス。現在、決算結果は発表待ちの状態)。
EPS:予想と結果
予想 | 2/28 | 1月前 | 2月前 |
Y:2022 | -0.87 | -0.87 | – |
Y:2021 | -0.46 | -0.46 | – |
Q:21/4 | -0.2 | -0.2 | – |
Q:21/1 | -0.16 | -0.16 | – |
EPS | 予想 | 結果 | 差 | % |
21/1 | -0.16 | -0.13 | 0.03 | 18.8 |
売上高:予想と結果
予想 | 2/28 | 1月前 | 2月前 |
Y:2022 | 235 | 235 | – |
Y:2021 | 177 | 177 | – |
Q:21/4 | 48 | 48 | – |
Q:21/1 | 47 | 47 | – |
売上 | 予想 | 結果 | 差 | % |
21/1 | 47 | 49 | 2 | 4.3 |
ガイダンス(売上高)
2021 | Q1予想 | Q1結果 | FY予想 | FY結果 |
21/1 | 48 | 50~51 | 177 | 181~182 |
通年決算(GAAP基準)
最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。
損益計算(売上、純利益等)
AI | 売上高 | 営業CF | 同マージン | 純利益 |
19/4 | 92 | -35 | -38% | -33 |
20/4 | 157 | -61 | -38% | -69 |
同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。
EPSや営業利益率など
AI | SG(%) | EPS | DSO |
19/4 | -0.47 | 252.96 | |
20/4 | 70.6% | -0.97 | 109.87 |
※SG(セールスグロース):売上高成長率(前年度比)
※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。
バランスシート
AI | 総資産 | 総負債 | 株主資本 | 自己資本率 |
19/4 | 267 | 433 | -165 | -61% |
20/4 | 305 | 488 | -183 | -60% |
ROAとROEなど
AI | ROA | ROE | 流動比率 |
19/4 | -10% | 20% | 219% |
20/4 | -20% | 37% | 347% |
★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合
★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合
★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る指標
キャッシュフロー
AI | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
19/4 | -35 | -96 | 54 |
20/4 | -61 | -124 | 120 |