CRM(セールスフォースドットコム)今後の見通し

SaaS(クラウド+サブスク),ダウ30銘柄,情報技術

セールスフォースドットコム(salesforce.com, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


直近決算

2月26日(米国時間)にセールスフォースドットコム(Salesforce Inc)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想2.61$→結果2.78$
・売上高:予想100.4億$→結果100億$(前年同期比+8%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想2.62$→結果2.53~2.55$
・売上高:予想99.1億$→結果97.1~97.6億$
《通年》
・EPS:予想11.19$→結果11.09~11.17$
・売上高:予想414.6億$→結果405~409億$
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました。

企業概要

セールスフォースは法人向けクラウド型顧客関係管理(CRM)ソフトウェアを提供する大手企業です。

従来のオンプレミス型システムとは異なり、Salesforceは柔軟性と拡張性に優れたプラットフォームを基盤としており、世界中の数十万社に採用されています。

売上の90%以上はサブスクリプション方式(定額課金)による収益であり、残りはプロフェッショナルサービスによるものです。

営業支援、顧客サービス、マーケティング、コミュニティ運営など、多様な業務支援ツールを提供することで、企業の業務プロセス効率化とデジタルトランスフォーメーションを強力に後押ししています。

その主要製品・サービスと事業領域は以下の通りです。

・Sales Cloud:営業活動を効率化するためのツール。顧客情報、リード、商談管理、予測分析など、営業プロセス全体をサポートします。

・Service Cloud:顧客サポートを支援するツール。チャット、コールセンター統合、ケース管理などにより、問い合わせ対応の効率化を図ります。

・Marketing Cloud:メールマーケティング、ソーシャルメディア連携、ウェブ解析などを通じたマーケティング自動化とパーソナライズ化を支援します。

・Community Cloud:顧客やパートナーとのオンラインコミュニティ構築を支援し、情報共有と連携を促進します。

・Commerce Cloud:デジタルコマースを支援するツール。オンラインストアの構築や運営、顧客管理、マーケティングなどを統合的に提供します。

・Salesforce Platform:企業独自のアプリ開発が可能なプラットフォーム。柔軟性と拡張性に優れており、様々なビジネスニーズに対応できます。

これらの製品・サービスに加え、MuleSoft(データ統合)、Datorama(データ解析)、Tableau(データ可視化)、Vlocity(業界特化型クラウドソリューション)などの買収を通じて、製品ラインナップを充実させています。

そのビジネスモデルは、サブスクリプション型クラウドサービスに基づいています。

企業は月額または年額の定額料金を支払うことで、各種CRMアプリケーションを利用できます。

このサブスクリプションモデルは売上の90%以上を占めています。

残りの約10%は、システム導入支援やコンサルティングなどのプロフェッショナルサービスによるものです。

また、AppExchangeを通じたエコシステムの構築やパートナーシップ戦略も、Salesforceの成長を支える重要な要素です。

社史をさかのぼると、Salesforceは、Marc Benioff氏らによって1999年にサンフランシスコで設立され、インターネット経由で利用できるクラウドサービスとして急成長しました。

クラウドコンピューティングという新しい概念を基盤に、革新的なCRMサービスを提供。

2004年にはNASDAQ上場を果たしました。

創業以来、Salesforceは積極的なM&A(合併・買収)戦略と革新的なサービス投入により、市場シェアを拡大してきました。

2016年にはデマンドウェア社を買収し、コマース・クラウドを立ち上げたことで、デジタルコマース支援分野にも進出。

外部ツールとの統合も積極的に行っており、2018年にはGoogle Analyticsとの連携を発表しました。

近年では、AI技術を活用した「Einstein」の導入し、顧客データの自動解析とパーソナライズされた提案を実現。

MuleSoft(データ統合)、Tableau(データ可視化)などの企業買収を通じて、製品ラインナップを充実させています。

クラウドプラットフォーム上でのアプリケーション開発環境の充実や、IoT、ブロックチェーンとの連携も推進。

【出典】

【事業構成】

graph
【地域別売上高】

Posted by 南 一矢