CRWD/ZSの比較:クラウドストライクとズィースケーラーの違いとは
CRWDとZSを違いを踏まえて比較します。(2025年6月更新)
クラウドストライク(CrowdStrike)とジースケイラー(Zscaler, Inc.)は、新しいクラウドベースのサイバーセキュリティ事業の代表的な銘柄です。
その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。
これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移(XLK:Technology Select Sector SPDR Fundを含めて比較)
※チャート右目盛り:10年国債利回り
※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。
株価推移や成長率比較については以下の関連記事を参照
決算(予想:結果)
マーケットにおけるEPSと売上の予想値の変動を更新してみます。
決算の予想:結果については以下の関連記事を参照
★クラウドストライク(CRWD)決算:予想と結果 売上&EPS
【クラウドセキュリティ対決】クラウドストライク(CRWD) vs ゼットスケーラー(ZS)!最強の矛か、最強の盾か?
サイバー攻撃が高度化・巧妙化する現代において、企業を守る「サイバーセキュリティ」は最も重要なIT投資の一つです。その中でも、従来のセキュリティの常識を覆したクラウドネイティブのリーダー企業が、クラウドストライク(CRWD)とゼットスケーラー(ZS)です。
本記事では、驚異的な成長を続けるこの2社のビジネスモデル、業績、そして将来性を徹底的に比較・分析します。
彼らは競合しない?「ゼロトラスト」における役割の違い
両社は「ゼロトラスト・セキュリティ(何も信頼しない)」という共通の概念を掲げていますが、守る対象が異なります。
- クラウドストライク (CRWD) →「エンドポイント」を守る
PC、サーバー、スマートフォンといった、ネットワークの末端に接続される端末(エンドポイント)を保護するリーダーです。マルウェア感染や不正アクセスから端末そのものを守る役割を担います。例えるなら「屈強なボディガード」です。 - ゼットスケーラー (ZS) →「通信(ネットワーク)」を守る
ユーザーがインターネットや社内アプリにアクセスする際の「通信経路」を保護するリーダーです。全ての通信をゼットスケーラーのクラウド経由にすることで、安全な通信だけを許可します。例えるなら「鉄壁の検問所」です。
このように、守る領域が違うため、多くの企業は両社のサービスを組み合わせて導入しており、彼らは競合よりもパートナーとしての側面が強いのです。
比較サマリー:端末のCRWD、通信のZS
項目 | クラウドストライク (CRWD) | ゼットスケーラー (ZS) |
---|---|---|
セキュリティ領域 | エンドポイント・セキュリティ (EDR) | クラウド・セキュリティ (SASE/SSE) |
プラットフォーム | Falcon Platform | Zero Trust Exchange |
配当方針 | 配当なし | |
フリーキャッシュフロー マージン |
約30% | 約25% |
業績と成長性の詳細分析
両社とも、SaaS(Software as a Service)ビジネスとして驚異的な成長を続けています。ARR(年間経常収益)や売上高は毎年30%以上のペースで拡大しており、まさに「ハイパーグロース株」と呼ぶにふさわしい実績です。
年 | CRWD 売上高 (前年比) | ZS 売上高 (前年比) |
---|---|---|
2024 | $3.06 B (+36.6%) | $1.96 B (+48.1%) |
2023 | $2.24 B (+54.2%) | $1.32 B (+60.6%) |
2022 | $1.45 B (+65.9%) | $0.82 B (+56.1%) |
2021 | $0.87 B (+81.6%) | $0.53 B (+42.1%) |
2020 | $0.48 B | $0.37 B |
※B=10億ドル。両社は決算月が異なるため、各社会計年度に基づき比較しています。
結論:あなたに合うのはどちら?
両社への投資は、どちらのセキュリティ領域がより重要性を増していくかと考えるかによりますが、多くの専門家は両方が必要不可欠だと考えています。
「全てのデバイス」を守る重要性に賭けるなら → クラウドストライク (CRWD)
リモートワークやIoTの普及により、守るべき端末は爆発的に増え続けています。その一つ一つを確実に保護するCRWDのソリューションは、今後も需要が拡大し続けるでしょう。フリーキャッシュフロー・マージンが高く、経営効率に優れている点も魅力です。
「クラウド化」という大きな潮流に乗るなら → ゼットスケーラー (ZS)
企業が自社でデータセンターを持たず、全ての業務をクラウド上で行うのが当たり前になる時代において、その通信の安全を確保するZSの役割はますます重要になります。企業のITインフラの根幹を担うため、一度導入されると解約されにくい(スイッチングコストが高い)という強みがあります。
最終的な結論として、この2社は競合というよりは補完関係にあるため、「どちらか一方」ではなく、「両方を保有する」ことで、クラウド時代のサイバーセキュリティという巨大な成長テーマ全体に投資する戦略が有効です。
※本ページの分析は2025年6月9日時点の公開情報に基づいています。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任において行ってください。