CVX:シェブロンの配当推移

エネルギー,ダウ30銘柄,バフェット銘柄,配当

シェブロン(CVX)配当利回りと株価分析【2025年11月更新版】

シェブロン(Chevron Corporation)の配当利回りと株価をチャート(直近90日間)で見てみます。

権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを図る指標)等も確認してみます。

【2025年11月26日更新】 シェブロンは2025年10月に、2025年第4四半期向けの四半期配当を1株あたり$1.71(年率$6.84)とすることを再確認し、38年連続増配を継続中です。2025年11月時点の株価水準からみた配当利回りは、おおよそ4.5%前後となっています。[1][2]

配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート

年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等

年平均の配当利回りや配当成長率、配当性向、年間の一株配当($)、平均株価、通年EPSの推移を確認してみます。データはシェブロンの年次報告書・10-Kおよび配当情報をもとに作成しています。[3]

配当 平均株価 年EPS
平均利回り 成長率 配当性向 年計
2024* 4.42% 5% 70% 6.84 154.2 9.72
2023 3.77% 6% 53% 6.52 160.2 11.36
2022 3.57% 7% 31% 5.68 158.9 18.28
2021 5.10% 3% 65% 5.31 104.2 8.14
2020 5.84% 8% -174% 5.16 88.3 -2.96
2019 3.98% 6% 309% 4.76 119.6 1.54
2018 3.73% 4% 58% 4.48 120.2 7.74
2017 3.87% 1% 89% 4.32 111.5 4.85
2016 4.29% 0% -1589% 4.29 99.9 -0.27
2015 4.44% 2% 175% 4.28 96.4 2.45
2014 3.49% 8% 42% 4.21 120.5 10.14
2013 3.24% 11% 35% 3.9 120.2 11.09
2012 3.26% 14% 26% 3.51 107.6 13.32
2011 3.06% 9% 23% 3.09 100.9 13.44
2010 3.64% 7% 30% 2.84 78.1 9.48
2009 3.79% 5% 51% 2.66 70.2 5.24
2008 2.98% 12% 22% 2.5 84.9 11.67

2024*行の配当データ(年計$6.84、平均利回り4.42%、配当性向70%)は、2024年通期EPS $9.722025年11月時点の年率配当$6.84(四半期配当$1.71×4)の組み合わせによる概算です。[3]

一貫した配当成長の実績

【2025年更新】 シェブロン(CVX)は2025年時点で38年連続増配を継続しており、米国を代表する「配当貴族」としての地位をさらに強化しています。[1]

シェブロン(CVX)の配当実績は、エネルギー市場の大きな変動にもかかわらず、驚くべき一貫性を示しています。2025年時点で38年連続増配を継続しており、S&P500構成銘柄の中でも長期の増配実績を持つ「配当貴族」(25年以上連続増配企業)としての地位を確立しています。[1] 特筆すべきは、2020年のCOVID-19パンデミックにより55億ドルの純損失を計上しながらも増配を実施し、投資家への強いコミットメントを示したことです。この配当の堅実さは、同社の財務基盤の強さと長期的な株主還元への揺るぎない姿勢を反映しています。[8]

配当成長率の推移

CVXの配当成長率は、市場環境に応じて変動しながらも、長期的にはプラス成長を維持してきました:

  • 2008〜2013年:好調な原油市場で力強い成長(5〜14%)
  • 2014〜2017年:原油価格下落期も増配継続(0〜8%、平均2〜3%台)
  • 2018〜2020年:業績回復に伴う増配加速(4〜8%)
  • 2021年:パンデミック後の慎重な成長(3%)
  • 2022〜2024年:エネルギー価格変動下での持続的増配(5〜7%程度)
【2024年実績】 2024年はおよそ5%の配当成長率となり、その後2025年1月の増配決定により四半期配当は$1.71(年率$6.84)へ引き上げられました。[1]

このパターンは、同社が景気循環や原油価格サイクルに対応しながらも、配当の継続的成長にコミットしていることを示しています。特に注目すべきは、2016年と2020年という厳しい市場環境下でも配当増加を維持した点で、これはエネルギーセクターでは珍しい実績です。BPが同期間に大幅な配当削減を行ったのとは対照的に、シェブロンは配当を「聖域」として保護する姿勢を貫いてきました。[8]

配当利回りの魅力

CVXの配当利回りは、長期的に市場平均を上回る魅力的な水準を維持しています。原油価格の低迷期(2015-2016年)や市場混乱期(2020年)には特に高い利回りを提供し、収入重視の投資家にとって魅力的な投資先となっています。

【現在の状況】 2025年11月時点で、四半期配当$1.71(年率$6.84)と株価水準を踏まえた配当利回りはおよそ4.5%前後と、依然として魅力的な水準にあります。[1][2]

特に注目すべき点は:

  • 市場環境に応じて3%〜6%の範囲で推移する配当利回り
  • 原油価格低迷期には高い利回りを提供し、防衛的な特性を発揮
  • 長期的に見て株価上昇と配当成長の両方で投資家に報いている

この安定した配当利回りは、シェブロンの「高品質エネルギー配当株」としての地位を強化しています。特に、BPなどの競合他社と比較して、配当の持続可能性と成長の両面で優位性を持っています。また、市場環境が悪化した際の配当利回りの上昇は、株価の下落幅が配当の成長によって部分的に相殺されていることを示しており、景気循環性の高いエネルギーセクターにおいて重要な「ダウンサイドプロテクション」を提供しています。

注目ポイント:シェブロンは38年連続増配の「配当貴族」として、市場環境に左右されない安定した配当成長を実現しています。[1] 同社は原油価格の変動に対して、配当を保護するため、必要に応じて資本的支出の削減、非中核資産の売却、短期的な負債増加などの施策を実施します。株主還元を最優先する姿勢は、特に不安定な市場環境下での投資家の信頼を高めています。さらに、2025年7月には約550億ドル規模のHess買収を完了し、ガイアナ沖Stabroek鉱区や米国シェールでのポジションを大きく強化する一方、投資額と株主還元のバランスに配慮した財務規律も維持しています。[6]

配当性向の持続可能性

CVXの配当性向は、原油価格サイクルに伴って大きく変動します。2015年(175%)、2019年(309%)といった高い配当性向や、2016年と2020年には純損失により計算上マイナスとなる期間もありました。一方で、好調な2022年には31%と低水準の配当性向を記録しています。

【2024年実績】 2024年通期EPS $9.72と、2025年11月時点の年率配当$6.84を組み合わせたベースで見ると、配当性向はおよそ70%となります。前年(2023年)の約53%からは上昇したものの、依然として持続可能な範囲内とみることができます。[3]

配当性向変動の理解:エネルギー企業特有の純利益の変動性が配当性向に大きく影響しています:

  • 2015-2016年:原油価格急落による減益と資産減損で配当性向が急上昇
  • 2019年:下流事業の一時的要因による収益悪化で配当性向が309%に
  • 2020年:COVID-19パンデミックによる原油価格暴落で純損失を計上
  • 2022年:エネルギー価格高騰による過去最高益で配当性向が31%に低下
  • 2024年:原油価格の正常化と現行配当水準(年率$6.84)を前提とした場合、配当性向は約70%に上昇

このような極端な配当性向の変動は、会計上の一時的要因による純利益の変動が大きく影響しています:

  • 資産減損:市場環境の変化による資産評価の見直し
  • 在庫評価:原油価格の急激な変動による棚卸資産の評価損益
  • 税制変更:法人税率や税控除の変更による一時的影響
  • 統合・再編コスト:合併や事業再編に伴う一時費用

シェブロンの強みは、純利益の大きな変動にもかかわらず、営業キャッシュフローが一貫して配当をカバーできる水準を維持している点にあります。2020年の厳しい環境下でも、営業CF(10,577M$)は配当支払いをカバーできる水準でした。2024年も営業CFは31,500M$と高水準で、現行配当水準を十分に賄える水準です。[4] 現在の年率配当$6.84を前提とした配当性向はおよそ70%であり、今後も持続可能な配当政策を継続できる余地が残されています。[3]

財務パフォーマンスと成長見通し

以下の表では、売上高、営業CF、純利益はM$(百万ドル)単位、営業CFマージン(表記は同マージン)は%単位で表示しています。

主要財務指標の推移

年度 売上高 営業CF 同マージン 純利益
2008 273,005 29,632 11 23,931
2009 171,636 19,373 11 10,483
2010 204,928 31,354 15 19,024
2011 253,706 41,095 16 26,895
2012 241,909 38,812 16 26,179
2013 228,848 35,002 15 21,423
2014 211,970 31,475 15 19,241
2015 138,477 19,456 14 4,587
2016 114,472 12,690 11 -497
2017 141,722 20,338 14 9,195
2018 166,339 30,618 18 14,824
2019 146,516 27,314 19 2,924
2020 94,692 10,577 11 -5,543
2021 155,067 29,187 19 15,625
2022 235,916 49,602 21 35,465
2023 194,799 35,609 18 21,369
2024 202,792 31,500 16 17,661

収益性と効率性の変動

CVXの財務データからは、エネルギー産業特有の景気循環性と、同時に効率的な事業運営が見てとれます:

  • 売上高は原油価格に連動して変動し、2011年の253,706M$から2020年には94,692M$へと大幅に減少
  • 営業CFマージンは景気循環を通じて11%〜21%の範囲で推移し、業界平均を上回る安定性
  • 純利益は2022年に過去最高の35,465M$を記録する一方、2016年と2020年には赤字を計上
  • 2021年以降は高水準の収益性を維持し、2024年も原油価格正常化の中で安定した業績を継続
【2024年実績】 2024年は売上高202,792M$、営業CF31,500M$、純利益17,661M$を記録し、2022年のピークからは水準を落としつつも堅調な収益性を維持しました。[3][4]

特筆すべきは、シェブロンの営業CFマージンが業界平均を一貫して上回り、特に2018-2023年の期間は18-21%という高水準を維持していることです。これは同社の効率的な事業運営、低コスト生産資産へのポートフォリオシフト、そして厳格なコスト管理の成果と言えるでしょう。また、2024年も16%前後の営業CFマージンを維持しており、原油価格環境の正常化にもかかわらず、高い収益性を確保しています。[4]

安定したキャッシュフロー基盤

以下の表では、営業CF、投資CF、財務CFはM$(百万ドル)単位で表示しています。

年度 営業CF 投資CF 財務CF
2008 29,632 -17,081 -10,400
2009 19,373 -16,572 -3,546
2010 31,354 -20,915 -5,165
2011 41,095 -27,489 -11,769
2012 38,812 -24,796 -8,980
2013 35,002 -35,609 -3,821
2014 31,475 -29,893 -4,999
2015 19,456 -23,808 2,815
2016 12,690 -16,370 25
2017 20,338 -8,320 -14,554
2018 30,618 -12,290 -13,699
2019 27,314 -11,458 -19,758
2020 10,577 -6,965 -3,736
2021 29,187 -5,865 -23,113
2022 49,602 -12,108 -24,978
2023 35,609 -15,232 -30,109
2024 31,500 -15,400 -23,500

シェブロンの強みは、その安定したキャッシュフロー創出能力にあります。石油メジャーとしての規模と効率性を活かし、景気循環を通じて堅調なキャッシュフローを確保しています:

  • 2020年のパンデミック時でも10,577M$の営業CFを確保
  • 2022年には過去最高の49,602M$の営業CFを記録
  • 2023-2024年も3万M$超の高水準を維持
  • 2021-2024年の財務CFの大幅なマイナスは、積極的な株主還元と負債削減を反映
【2024年ハイライト】 2024年は株主に対して総額270億ドルを還元し、その内訳は自社株買い152億ドル、配当118億ドルでした。[5] 投資CFは-15,400M$と、資本効率に配慮しつつ将来成長に向けた選択的投資を継続する水準でした。[4]

投資CFに注目すると、シェブロンは市場環境に応じて投資規模を柔軟に調整していることがわかります。2020年(-6,965M$)と2021年(-5,865M$)のパンデミック時には投資を抑制し、その後の2022-2024年には回復基調となっています。また、2024年の投資CFはキャッシュフロー創出力とのバランスを取りながら、パーミアン盆地、ガイアナ沖、豪州LNGなど資本効率の高いプロジェクトへの選択的投資を反映しています。

キャッシュフロー分析のポイント:シェブロンのキャッシュフロー管理は「安定性と成長のバランス」を重視しています。好調な時期(2021-2024年)には豊富なキャッシュを株主還元(配当と自社株買い)と負債削減に振り向け、財務基盤を強化。同時に、高収益が見込める重点プロジェクトへの選択的投資を継続し、将来の成長基盤を構築しています。この規律ある資本配分が、配当の持続可能性を高めています。[4][5]

健全な財務基盤

以下の表では、総資産、総負債、株主資本はM$(百万ドル)単位、自己資本率は%単位で表示しています。

年度 総資産 総負債 株主資本 自己資本率 負債比率
2008 161,165 74,048 86,648 54 85
2009 164,621 72,060 91,914 56 78
2010 184,769 78,958 105,081 57 75
2011 209,474 87,293 121,382 58 72
2012 232,982 95,150 136,524 59 70
2013 253,753 103,326 149,113 59 69
2014 266,026 109,835 155,028 58 71
2015 264,540 110,654 152,716 58 72
2016 260,078 113,356 145,556 56 78
2017 253,806 104,487 148,124 58 71
2018 253,863 98,221 154,554 61 64
2019 237,428 92,220 144,213 61 64
2020 239,790 107,064 131,688 55 81
2021 239,535 99,595 139,940 58 71
2022 257,709 97,467 160,242 62 61
2023 261,632 99,703 161,929 62 62
2024 258,000 104,000 154,000 60 68

シェブロンの資本構成は、石油メジャーの中でも特に健全性が高いと評価できます:

  • 自己資本率は概ね54%〜62%の高水準で推移し、業界平均を大きく上回る
  • 負債比率は2008年の85%から2020年に一時81%まで上昇したものの、その後は60%台前半〜後半で安定
  • 総資産は2010年代前半に拡大した後、効率化と資産ポートフォリオの見直しにより適正規模を維持
  • 株主資本は長期的に増加傾向にあり、配当と自社株買いを継続しながらも財務健全性を維持
【2024年実績】 積極的な株主還元により株主資本はやや減少したものの、自己資本率は60%、負債比率は68%と、依然として健全な水準を維持しています。[4]

資本構成の変化には、以下の要因が影響しています:

  • 2008-2013年:積極的な投資拡大期で総資産が増加
  • 2015-2016年:原油価格の急落による資産評価の見直しと効率化
  • 2020年:パンデミックによる一時的な負債比率の上昇(81%)
  • 2021-2023年:原油高によるキャッシュフロー増加と負債削減で財務基盤を強化
  • 2024年:高水準の株主還元強化に伴う株主資本の減少と、バランスシートの最適化

この強固な財務基盤は、不安定なエネルギー市場において重要な競争優位性となります。特に、原油価格が低迷する局面でも、配当維持と戦略的投資を継続できる余力を持っていることが、長期的な株主価値創造につながっています。また、比較的低水準の負債と高い自己資本比率は、融資コストの低減や投資機会への迅速な対応能力向上にもつながっています。

まとめ:長期配当投資家にとってのCVXとは?

シェブロンは、エネルギー業界の変動性の高い環境においても、長期的な株主価値の創造と安定した配当政策を両立させてきました。原油価格サイクルや地政学的リスク、エネルギートランジションの課題にもかかわらず、38年連続増配を達成し、米国株式市場において「配当貴族」としての地位を確立しています。[1]

同社の強みは以下の点にあります:

  • 38年連続増配という優れた配当実績(S&P500指数の「配当貴族」)
  • 業界トップクラスの財務健全性(高い自己資本率と保守的な負債水準)
  • 安定した営業キャッシュフロー創出能力(原油価格低迷期にも耐性あり)
  • 効率的な低コスト生産資産へのポートフォリオ最適化
  • 垂直統合型ビジネスモデルによる市場変動への耐性
  • 規律ある資本配分と投資効率の向上
  • 低炭素事業への段階的・実用的アプローチ
【直近の成果(2024〜2025年)】

  • 世界全体の生産量は前年比で一桁台後半の伸び、米国では二桁増加と高い成長を実現
  • 株主還元総額270億ドル(配当118億ドル+自社株買い152億ドル)[5]
  • メキシコ湾のAnchorなど重要プロジェクトが進捗し、将来の生産基盤を強化
  • 2025年1月発表の5%増配により、年率配当は$6.84へ[1]
  • 2025年7月、約550億ドル規模のHess買収を完了し、ガイアナ沖と米国シェールの成長ポテンシャルを大幅に拡大[6]

一方で、投資家が留意すべき点としては:

  • 原油価格サイクルに伴う収益変動性
  • 長期的なエネルギートランジションへの対応リスク
  • 炭素税や環境規制強化による収益性への潜在的影響
  • 電気自動車普及加速によるガソリン需要減少リスク
  • 再生可能エネルギー企業との競争激化
  • 地政学的リスク:資源国での政治的不安定性や資源ナショナリズム
  • 資産評価損のリスク:気候変動政策強化に伴う座礁資産化

投資家へのポイント:シェブロンは「安定性と成長のバランス」を重視するエネルギーセクターの代表的な配当銘柄です。同社は配当を最優先事項とし、38年間の連続増配実績は、景気循環を通じた配当コミットメントの強さを示しています。特に、インカム重視の投資家にとっては、4.5%前後の魅力的な配当利回りと、増配による「インフレヘッジ」機能が魅力です。[2] 同社は伝統的な石油・ガス事業からの安定したキャッシュフローを基盤に、低炭素事業への段階的移行を進めています。この実用的アプローチは、短期的な配当の安全性と長期的な事業の持続可能性のバランスを取るものと評価できます。強固な財務基盤と低コスト生産資産のポートフォリオを持つシェブロンは、様々な市場環境下でも配当を維持・成長させる能力を持っており、長期的な配当投資家にとって核心的な保有銘柄と位置づけられるでしょう。

よくある質問

シェブロンの連続増配記録は今後も続くと期待できますか?

シェブロンの38年連続増配という実績は、今後も継続する可能性が高いと評価できます。同社は配当を経営の最優先事項として位置づけ、2016年や2020年といった厳しい市場環境下でも増配を継続してきました。この持続可能性を支える要因として、(1)堅固な財務基盤(自己資本率60%、負債比率68%)、(2)低コスト生産資産へのポートフォリオシフトによる収益性向上、(3)柔軟な資本支出計画(必要に応じて投資を抑制)、(4)直近3年の営業CFが配当総額の概ね2〜3倍という十分なカバレッジ、が挙げられます。[3][4][5] また、石油メジャーとしての規模と垂直統合モデルは、市場変動への耐性を高めています。短中期的には、パーミアン盆地やガイアナ沖など高収益プロジェクトの拡大が、安定したキャッシュフロー基盤を強化するでしょう。長期的なエネルギートランジションはリスク要因ですが、同社は実用的アプローチで対応しており、配当の安全性を最優先する姿勢は変わらないと考えられます。

シェブロンはエネルギートランジションにどのように対応していますか?

シェブロンのエネルギートランジション戦略は「実用的・段階的アプローチ」が特徴で、急激な事業転換ではなく、既存の強みを活かした計画的移行を目指しています。具体的には、(1)主力の石油・ガス事業での炭素強度削減(メタン排出量削減、フレアリング廃止など)、(2)自社技術・知見を活かせる低炭素事業(再生可能燃料、水素、CCUS:炭素回収・利用・貯留)への選択的投資、(3)2050年カーボンニュートラル目標に向けた段階的移行、という3つの柱で進めています。年間数十億ドル規模の低炭素関連投資が計画されており、従来事業のキャッシュフローを毀損しない範囲での拡大を志向している点も特徴です。[7] これにより、配当の安定性を損なうことなく、エネルギートランジションへの対応を進めることができると考えられます。

2016年と2020年の赤字にもかかわらず配当を増加できた理由は何ですか?

シェブロンが2016年(-497M$の損失)と2020年(-5,543M$の損失)という厳しい状況でも配当増加を継続できた理由は複数あります。まず、これらの純損失は主に資産減損など非現金項目によるもので、営業キャッシュフローはプラスを維持していました(2016年は12,690M$、2020年は10,577M$)。[8] 加えて、シェブロンは「配当を守るための複数層の防衛策」を実施:(1)資本的支出の大幅削減、(2)非中核資産の売却加速、(3)厳格なコスト削減プログラムの実施、(4)必要に応じた短期的な負債増加、(5)自社株買いの一時停止によるキャッシュ保全。こうした多角的アプローチにより、厳しい市場環境でもキャッシュフローを確保しました。さらに、シェブロンは「配当は景気循環を通じて維持・成長させるべき」という経営哲学を持っており、一時的な業績悪化で配当政策を変更することは株主の長期的利益に反すると考えています。この長期視点の配当政策が、38年間の連続増配を可能にしていると言えるでしょう。

シェブロンとエクソンモービル、どちらが配当投資に適していますか?

シェブロンとエクソンモービルは、どちらも米国を代表する石油メジャーで、長期連続増配の実績を持つ優良配当銘柄です。両社の比較ポイントとしては:(1)連続増配実績では、エクソンモービルが約43年連続増配であるのに対し、シェブロンは38年連続増配です。(2)財務健全性では、シェブロンの自己資本率(約60%)がエクソンモービルをやや上回っています。(3)事業ポートフォリオでは、エクソンモービルが化学事業でより強みを持ち、シェブロンはLNG(液化天然ガス)やガイアナ沖・パーミアン盆地資産で優位性があります。(4)投資効率では、近年シェブロンがROEやROCEでやや優位な傾向があります。(5)配当成長率は両社とも年率3-8%程度で推移しています。どちらが優れているかは投資家の優先事項によりますが、シェブロンはやや保守的な財務運営と段階的な成長戦略を特徴とする一方、エクソンモービルはより長い増配実績と規模の大きな低炭素投資を特徴としています。安定性を重視する投資家にはシェブロン、長期実績を重視する投資家にはエクソンモービルが向いているかもしれません。実際には、エネルギーセクターのリスク分散の観点から、両社を保有するポートフォリオ構築も合理的な選択肢です。

※本記事は投資判断の参考として財務データを分析したものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっては、ご自身の判断と責任のもとで行ってください。

【参考情報】 本文中の財務データ・配当データは、シェブロンの年次報告書(Form 10-K)、決算リリース、IR資料および主要な金融情報サイト等をもとに整理しています。

【注】(出典リンク)

  1. 配当実績と38年連続増配 → Chevron Investors(配当・株主還元情報)Nasdaq「38年連続増配に関する解説記事」(2025年1月増配言及)(確認日:2025-11-26)
  2. 現在の配当利回りと株価水準(2025年11月時点) → Chevron Stock & Dividend InformationMacrotrends(CVXの配当利回り推移)(確認日:2025-11-26)
  3. 2022〜2024年の売上高・EPS・純利益等 → Chevron Annual Report / Form 10-K 2024Nasdaq「Chevron Announces Fourth Quarter and Full-Year 2024 Results」(確認日:2025-11-26)
  4. 営業CF・営業CFマージン・キャッシュフロー構造 → Chevron Form 10-K/Supplement to the Annual Report(Cash Flow Statement)同2024年通期決算リリース(CFO 31.5Bなど)(確認日:2025-11-26)
  5. 2024年の株主還元総額(270億ドル)、配当118億ドル・自社株買い152億ドル → Chevron Newsroom「Fourth Quarter 2024 Results / Shareholder Distributions」Nasdaq転載リリース(確認日:2025-11-26)
  6. Hess買収(約550億ドル、2025年7月完了) → Chevron Newsroom「Chevron Completes Acquisition of Hess Corporation」Reuters「Chevron completes $55 billion acquisition of Hess」(確認日:2025-11-26)
  7. エネルギートランジション戦略と低炭素投資 → Chevron「Climate Change Resilience / Energy Transition」Sustainability Report(低炭素投資計画の概要)(確認日:2025-11-26)
  8. 2016・2020年の赤字と営業CF → Chevron Form 10-K 2016 / 2020(Income Statement & Cash Flow Statement)Annual Report アーカイブ(長期業績データ)(確認日:2025-11-26)

Posted by 南 一矢