DE:ディアアンドカンパニーの配当推移

資本財,配当

【2026年5月更新】 本記事は、Deere & Companyの2025年度通期決算、2026年度第1四半期決算、2026年度第2四半期決算、2026年2月に宣言された四半期配当、2026年度通期見通しを反映して更新しました。2025年度は農業機械サイクルの調整局面により減収減益となりましたが、年間配当は6.48ドルへ増加しました。2026年度も四半期1.62ドルの配当を維持しており、2026年5月3日終了の上半期では、売上高・収益229.81億ドル、Deere帰属純利益24.29億ドル、希薄化後EPS8.97ドルでした。[1][2][3]

ディア・アンド・カンパニー(Deere & Company、ティッカー:DE)の配当利回りと株価をチャート(直近90日間)で見てみます。

権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを見る指標)等も確認します。Deereは農業機械・建設機械の景気循環を受けやすい企業なので、EPSだけでなく、営業キャッシュフロー、設備投資、金融サービス部門の負債もあわせて確認する必要があります。

配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート

年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等

年平均の配当利回りや配当成長率、配当性向、年間の一株配当、平均株価、通年EPSの推移を確認します。

Deereの決算期はおおむね10月末〜11月初旬で終了します。そのため、平均株価は会計年度に合わせた期間で見るのが望ましいですが、長期比較では年次ベースの平均株価と若干ずれる場合があります。

配当 平均株価 年EPS
(希薄化後)
平均利回り 成長率 配当性向 年計
2026E 約1.22%
(5月22日終値)
0% 約35〜39%
(会社純利益見通しから概算)
6.48
(現行年率)
529.15
(5月22日終値)
概算16.6〜18.5
(純利益見通しから概算)
2025 1.37% 10% 35% 6.48 473.3 18.50
2024 1.31% 16% 23% 5.88 448.3 25.62
2023 1.31% 16% 15% 5.05 384.5 34.63
2022 1.08% 21% 19% 4.36 404.5 23.28
2021 1.00% 19% 19% 3.61 362.7 18.99
2020 0.91% 0% 35% 3.04 334.6 8.69
2019 1.76% 18% 30% 3.04 172.7 10.15
2018 1.64% 8% 36% 2.58 157.6 7.24
2017 1.60% 0% 36% 2.40 149.7 6.68
2016 2.10% 0% 50% 2.40 114.3 4.81
2015 2.98% 8% 42% 2.40 80.6 5.77
2014 2.52% 12% 26% 2.22 88.0 8.63
2013 2.28% 11% 22% 1.99 87.4 9.09
2012 2.08% 18% 23% 1.79 86.0 7.63
2011 1.91% 31% 23% 1.52 79.5 6.63
2010 1.40% 4% 27% 1.16 82.9 4.35
2009 1.86% 6% 54% 1.12 60.1 2.06
2008 2.69% 16% 23% 1.06 39.4 4.70

※2025年の平均利回りは、年間配当6.48ドルを平均株価473.3ドルで割って計算した概算です。2026Eは2026年5月22日終値529.15ドルと現行年率配当6.48ドルで計算しています。2026EのEPSは、会社の通期純利益見通し4.5B〜5.0Bドルを、2026年度上半期の希薄化後平均株式数およそ270.9百万株で割った概算です。[2][4]

Deere & Companyの配当と財務分析:堅実な成長と農業機器産業のリーダー

着実に成長する配当の実績

Deere & Companyの配当実績は、農業機器産業特有の周期性にもかかわらず、長期では安定した成長を示しています。2008年の1株当たり1.06ドルから2025年には6.48ドルへと、17年間で約511%の増加を達成しました。2025年度も年間配当は6.48ドルへ増え、2026年2月には四半期1.62ドルの配当が宣言されています。[1][3]

ただし、Deereは景気循環に左右される資本財企業です。配当は安定的に増えていますが、EPSや営業キャッシュフローは農業機械需要、建設機械需要、金利、農産物価格、在庫サイクルの影響を受けます。そのため、単に増配実績だけを見るのではなく、低迷期でも配当性向が無理のない範囲に収まっているかを確認することが重要です。

配当成長率の推移と最新動向

DEの配当成長率は、農業市場のサイクルや事業環境を反映して変動していますが、長期的には堅実な成長を維持しています:

  • 2008〜2010年:4〜16%の安定した成長
  • 2011〜2014年:11〜31%の高い成長率
  • 2015〜2017年:成長減速期(8%、0%、0%)
  • 2018〜2024年:8〜21%の増配を継続
  • 2025年:年間配当を5.88ドルから6.48ドルへ引き上げ、約10%の増配
  • 2026年:2026年2月時点では四半期1.62ドルを維持し、現行年率配当は6.48ドル

このパターンは、農業および建設機器市場のサイクル、世界的な経済環境、そして同社の戦略的優先順位の変化を反映しています。特に注目すべきは、2016〜2017年の農業市場の低迷期においても配当を維持し、その後の回復期に積極的な増配を再開した点です。

2025年度は、農業機械需要の調整により純利益が2024年度の71.00億ドルから50.27億ドルへ減少しました。それでも、年間配当は6.48ドルに増え、EPS18.50ドルに対する配当性向は約35%にとどまっています。景気循環下でも配当余力は残っているといえます。[1]

配当性向の持続可能性と2025〜2026年の状況

配当性向(1株配当 ÷ EPS)は、DEの配当政策の健全性を示す重要な指標です。その推移を見ると:

  • 2008〜2014年:おおむね20%台の健全な水準
  • 2015〜2016年:収益低迷期に42〜50%へ上昇
  • 2017〜2020年:30〜36%前後へ回復
  • 2021〜2023年:好業績により15〜19%の低水準
  • 2024年:23%と長期平均に近い水準
  • 2025年:EPS低下により35%へ上昇したが、なお健全な範囲
  • 2026E:会社純利益見通し4.5B〜5.0Bドルをもとにすると、概算配当性向は30%台後半

2025年の配当性向35%について:2025年度の配当性向上昇は、農業機械需要の軟化、在庫調整、関税影響、ミックス悪化などでEPSが2024年度の25.62ドルから18.50ドルへ低下したためです。しかし、35%という水準はなお健全であり、配当支払い能力に大きな問題があるとは見にくい水準です。[1]

2026年度上半期の確認点:2026年度上半期の希薄化後EPSは8.97ドルでした。現行年率配当6.48ドルを半期換算すると3.24ドルで、上半期EPSに対する単純な配当負担は約36%です。通期純利益見通し4.5B〜5.0Bドルを前提にしても、配当性向はおおむね30%台後半に収まる計算です。[2]

持続可能な配当性向の特徴:DEの配当性向は、好況期に低下し、低迷期にやや上昇する傾向があります。これは、景気循環のある企業として自然な動きです。重要なのは、低迷期でも配当性向が過度に高くならないことです。2025年度の35%、2026Eの30%台後半という水準は、過去の低迷期と比較しても十分に管理可能な範囲です。

財務パフォーマンスと成長見通し(2026年5月更新)

以下の表では、売上高、営業CF、純利益はM$(百万ドル)単位、営業CFマージンは%単位で表示しています。

主要財務指標の推移(2025年通期・2026年Q1/Q2データ追加)

年度 売上高
(Net sales & revenues)
営業CF 同マージン 純利益
(Deere帰属)
希薄化後EPS
2026 上半期 22,981 1,042 5 2,429 8.97
2026 Q2 13,369 1,773 6.55
2026 Q1 9,611 -890 -9 656 2.42
2025 45,684 7,459 16 5,027 18.50
2024 51,716 9,231 18 7,100 25.62
2023 61,222 8,589 14 10,166 34.63
2022 52,563 4,699 9 7,131 23.28
2021 43,983 7,726 18 5,963 18.99
2020 35,514 7,483 21 2,751 8.69
2019 39,258 3,412 9 3,253 10.15
2018 37,358 1,822 5 2,368 7.24
2017 29,738 2,196 7 2,159 6.68
2016 26,644 3,770 14 1,524 4.81
2015 28,863 3,759 13 1,940 5.77
2014 36,067 3,526 10 3,162 8.63
2013 37,795 3,254 9 3,537 9.09
2012 36,157 1,168 3 3,065 7.63
2011 32,013 2,326 7 2,800 6.63
2010 26,005 2,282 9 1,865 4.35
2009 23,112 1,985 9 874 2.06
2008 28,438 1,949 7 2,053 4.70

※2026 Q1は2026年2月1日終了四半期、2026 Q2は2026年5月3日終了四半期です。2026年度上半期の営業CFは1,042Mドルです。Q1単独では営業CFがマイナス890Mドルでしたが、Q2を含む上半期ではプラスに転じています。[2]

収益性と効率性の分析(関税影響を含む)

DEの財務データからは、農業機器業界特有の景気循環性と、同社の長期的な収益力が見て取れます:

  • 売上高は2016年の26,644Mドルから2023年に61,222Mドルへ拡大した後、2024〜2025年は需要調整により減少
  • 2025年度の売上高は45,684Mドルで、2024年度の51,716Mドルから12%減少
  • 2025年度の純利益は5,027Mドルで、2024年度の7,100Mドルから29%減少
  • 2025年度のEPSは18.50ドルで、2024年度の25.62ドルから低下
  • 2026年度第2四半期は、売上高・収益13,369Mドル、純利益1,773Mドル、EPS6.55ドル
  • 2026年度上半期は、売上高・収益22,981Mドル、純利益2,429Mドル、EPS8.97ドル
  • 2026年度通期の会社純利益見通しは4.5B〜5.0Bドルで据え置き
【2025年度の実績】 2025年度は、農業機械需要の調整を受けて減収減益となりました。世界全体の売上高・収益は45.684Bドルで前年比12%減、Deere帰属純利益は5.027Bドルで前年比29%減、希薄化後EPSは18.50ドルでした。ただし、同社はこの局面を「サイクルのこの段階としては強い結果」と位置づけており、在庫管理とコスト管理を重視しています。[1]

2026年度第2四半期の特徴:2026年度第2四半期は、世界全体の売上高・収益が13.369Bドルとなり、前年同期比で5%増加しました。純利益は1.773Bドル、EPSは6.55ドルで、前年同期の1.804Bドル、6.64ドルからは小幅減少です。大型農業機械は弱い一方で、小型農業機械・芝管理と建設・林業部門が補っています。[2]

この業績サイクルは、DEが農業機器業界のリーダーとして、市場の浮き沈みを乗り越え、長期的な成長と収益性の向上を実現する能力を示しています。特に、精密農業、デジタル技術、建設機械、金融サービスを含む複合的な事業基盤が、単一市場への依存を和らげています。

セグメント別に見た2026年度第2四半期

セグメント Q2 FY2026
売上・収益
前年同期比 Q2 FY2026
営業利益/純利益
コメント
Production & Precision Ag 4,503M$ -14% 706M$ 大型農業機械の需要低迷が継続。営業利益は前年同期比-39%。
Small Ag & Turf 3,485M$ +16% 719M$ 出荷増と価格実現が寄与。営業利益は前年同期比+25%。
Construction & Forestry 3,790M$ +29% 561M$ 建設・林業が大きく回復。営業利益は前年同期比+48%。
Financial Services 1,366M$ -1% 190M$
(純利益)
利ざや改善などで純利益は前年同期比+18%。

2026年度第2四半期は、全社では売上高・収益が増加しましたが、中身を見ると二極化しています。大型農業機械を含むProduction & Precision Agは減収減益でした。一方、Small Ag & TurfとConstruction & Forestryは堅調で、特に建設・林業部門の回復が全社業績を支えています。[2]

強化されたキャッシュフロー基盤(2025年通期・2026年上半期)

以下の表では、営業CF、投資CF、財務CFはM$(百万ドル)単位、営業CF成長率は%単位で表示しています。

年度 営業CF 成長率 投資CF 財務CF 配当支払 自社株買い
2026 上半期 1,042 +83% 93 -1,627 878 500
2026 Q1 -890 1,822 -2,490 441 302
2025 7,459 -19 -2,057 -4,579 1,720 1,138
2024 9,231 7 -6,464 -2,717 1,605 4,007
2023 8,589 83 -8,749 2,808
2022 4,699 -39 -8,485 826
2021 7,726 3 -5,750 -1,078
2020 7,483 119 -3,319 -980
2019 3,412 87 -3,924 509
2018 1,822 -17 -8,176 876
2017 2,196 -42 -1,662 4,286
2016 3,770 0 -1,177 -2,406
2015 3,759 7 -1,059 -2,138
2014 3,526 8 -2,881 -288
2013 3,254 179 -4,821 407
2012 1,168 -50 -4,004 3,880
2011 2,326 2 -2,621 140
2010 2,282 15 -2,109 -1,010
2009 1,985 2 -57 470
2008 1,949 -29 -1,426 -649

DEのキャッシュフロー推移には、業績の周期性とともに、長期的な改善トレンドが見て取れます:

  • 2025年度の営業CFは7.459Bドルで、2024年度の9.231Bドルから減少
  • 2025年度の配当支払は1.720Bドルで、営業CFに対する配当支払い比率は約23%
  • 2025年度の自社株買いは1.138Bドルで、2024年度の4.007Bドルから縮小
  • 2026年度上半期の営業CFは1.042Bドルで、前年同期の568Mドルから改善
  • 2026年度上半期の配当支払は878Mドル、自社株買いは500Mドル

2025年のキャッシュフロー評価:2025年度の営業CFは7.459Bドルと、2024年度から減少しました。これは、需要調整局面に入ったことを反映しています。ただし、配当支払1.720Bドルに対して営業CFは十分大きく、配当の現金カバーは良好です。自社株買いは2024年度の4.007Bドルから2025年度の1.138Bドルへ抑制されており、景気循環局面に応じて株主還元の強弱を調整していることがわかります。[1]

2026年度上半期のキャッシュフロー評価:2026年度上半期の営業CFは1.042Bドルで、配当支払878Mドルを上回りました。ただし、年初の季節要因や在庫・売掛金の動きにより、通期の営業CFは下期の運転資本次第で大きく変動します。配当維持の安全性を見るうえでは、営業CFの通期着地と、金融サービス部門を含む資金調達環境を継続確認する必要があります。[2]

キャッシュフロー分析のポイント:DEのキャッシュフローパターンは、「投資→収穫→株主還元」のサイクルを示しています。市場環境が良好な時期に強いキャッシュフローを生み、配当と自社株買いを拡大し、低迷期には自社株買いを調整しながら配当を維持する設計です。2025〜2026年度は、その調整局面に当たります。

健全な財務基盤と資本構成(2025年通期・2026年Q2)

以下の表では、総資産、総負債、株主資本はM$(百万ドル)単位、自己資本率は%単位で表示しています。

年度 総資産 総負債 株主資本 自己資本率 負債比率
2026 Q2 107,001 79,541 27,413 26 290
2026 Q1 103,436 77,079 26,307 25 293
2025 105,996 79,989 25,956 24 308
2024 107,320 84,395 22,843 21 369
2023 104,087 82,201 21,886 21 376
2022 90,030 69,673 20,357 23 342
2021 84,114 65,680 18,434 22 356
2020 75,091 62,147 12,944 17 480
2019 73,011 61,580 11,413 16 540
2018 70,108 58,803 11,288 16 521
2017 65,786 56,212 9,557 15 588
2016 57,919 51,374 6,520 11 788
2015 57,948 51,190 6,743 12 759
2014 61,336 52,271 9,063 15 577
2013 59,521 49,254 10,266 17 480
2012 56,266 49,404 6,842 12 722
2011 48,207 41,393 6,800 14 609
2010 43,267 36,963 6,290 15 588
2009 41,133 36,310 4,819 12 753
2008 38,735 32,202 6,533 17 493

DEの資本構成には、着実な改善と財務基盤の強化が見られます:

  • 自己資本率は2016年の11%から2025年度末には24%へ改善
  • 2026年度第2四半期末の自己資本率は約26%へ上昇
  • 負債比率は2016年の788%から2026年度第2四半期末には約290%へ低下
  • 2026年度第2四半期末の総資産は107.001Bドル、総負債は79.541Bドル、株主資本は27.413Bドル
  • 金融サービス部門を持つため、単純な負債比率は高く見えやすい

2026年度第2四半期の財務:2026年度第2四半期末時点では、総資産107.001Bドル、総負債79.541Bドル、株主資本27.413Bドルです。現金・現金同等物は7.905Bドル、現金・現金同等物および制限付き現金は8.135Bドルです。流動性は一定程度確保されていますが、金融サービス部門の借入と金利環境は引き続き監視が必要です。[2]

まとめ:長期配当投資家にとってのDEとは?(2026年5月更新版)

Deere & Companyは、農業および建設機器産業のリーダーとして、景気循環性と技術革新のバランスを取りながら、長期的な成長と安定した株主還元を実現してきました。

同社の強みは以下の点にあります:

  • 2008年以降、長期で見て大きく増加してきた配当実績
  • 2025年度も年間配当6.48ドル、約10%の増配を達成
  • 2025年度の配当性向は約35%で、低迷局面でも健全な範囲
  • 2026年度上半期の配当負担も、EPS比でおおむね30%台に収まる点
  • 強力なブランド力と市場リーダーシップ
  • 精密農業やデジタル技術への戦略的投資
  • 小型農業機械・芝管理、建設・林業部門の回復余地
  • 2026年度通期純利益見通し4.5B〜5.0Bドルを維持している点
  • 世界的な食糧需要増加と農業効率化という長期的な追い風

一方で、注意すべき点としては:

  • 農業市場の周期性と短期的な業績変動
  • 農産物価格や農家所得への依存
  • 大型農業機械需要の低迷
  • 関税コストの上昇と、関税関連の戻り益を除いた実力値の見極め
  • 地域的・季節的な天候リスク
  • 高度な技術への移行に伴う研究開発投資の増加
  • 金融サービス部門を含むため、負債水準や金利環境の影響を受ける点
  • 株価上昇時には配当利回りが1%台前半にとどまり、利回り面の割安感が薄れやすい点

2026年時点の投資家へのポイント:DEへの投資は、「安定した配当利回り」だけを狙う銘柄というより、農業機械・建設機械サイクルの底打ちと、精密農業・デジタル化の長期成長を組み合わせて評価する銘柄です。2025年度は減収減益でしたが、配当性向は約35%にとどまり、2026年度第2四半期では建設・林業と小型農業機械が全社業績を支えました。配当利回りは2026年5月時点で約1.2%と高くありませんが、増配余地と長期成長力を重視する投資家に向いた銘柄といえます。

よくある質問(2026年5月更新)

関税の影響でDEの配当は安全ですか?

2026年時点でも、DEの配当は比較的安全と見られます。2025年度はEPS18.50ドルに対して年間配当6.48ドルで、配当性向は約35%でした。2026年度の会社純利益見通しは4.5B〜5.0Bドルで、2025年度よりやや低い水準を想定していますが、現行年率配当6.48ドルを大きく脅かす水準ではありません。ただし、関税コスト、大型農業機械需要、金利環境がさらに悪化する場合は、増配ペースが鈍化する可能性があります。[2]

2025年度の営業CFが前回推計より低くなった理由は何ですか?

前回記事では2025年度営業CFを10.5Bドル程度とする推計値を置いていましたが、実績は7.459Bドルでした。需要調整、運転資本の変化、在庫や金融サービス部門の動きなどが影響しています。実績ベースでは2024年度の9.231Bドルから減少しましたが、それでも配当支払1.720Bドルを十分に上回っており、配当維持に必要なキャッシュは確保されています。[1]

DEの株価529.15ドル(2026年5月22日終値)は割高ですか?

2026年5月22日終値529.15ドルに対し、現行年率配当6.48ドルの利回りは約1.22%です。2025年度EPS18.50ドルを基準にするとPERは28倍台、2026年度純利益見通しから概算したEPS16.6〜18.5ドルを基準にするとPERはおおむね29〜32倍程度です。配当利回りだけで見ると割安感は乏しいため、投資判断では2026年度の純利益見通し4.5B〜5.0Bドル、次の農業サイクル、精密農業・自動化投資の成果を合わせて見る必要があります。[2][4]

農業市場の軟化はいつまで続きますか?

会社は2026年度第2四半期決算で、Production & Precision Agricultureの売上が前年同期比14%減となる一方、Small Ag & Turfは16%増、Construction & Forestryは29%増となりました。大型農業機械市場はなお厳しいものの、事業ポートフォリオ全体では底堅さも見られます。回復の先行指標としては、小型農業機械・芝管理部門、建設・林業部門、受注状況、在庫水準、農産物価格、金利動向を見る必要があります。[2]

※本記事は投資判断の参考として財務データを整理・分析したものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっては、ご自身の判断と責任のもとで行ってください。

数値はいずれも公表資料にもとづきますが、簡略化や四捨五入により実際の開示値と若干異なる場合があります。詳細な出典は本文末の【注】をご確認ください。

ミニ解説: DEは高配当株ではありません。2026年5月時点の利回りは約1.2%にすぎません。見るべきポイントは、低迷期でも配当性向が30%台に収まる収益力、農業機械サイクル底打ちの可能性、精密農業・自動化・建設機械部門の回復です。配当利回りよりも、長期増配力と景気循環後の利益回復力を重視する銘柄です。

【注】(出典リンク)

  1. 2025年度通期決算・EPS・配当・営業CF・バランスシート → 一次情報:Deere「Fiscal 2025 Fourth Quarter and Full Year Earnings Release」SEC EDGAR「Deere 2025 Q4 Results 8-K」(確認日:2026-05-23)
  2. 2026年度第2四半期決算・上半期業績・2026年度純利益見通し・セグメント動向 → 一次情報:Deere「Fiscal 2026 Second Quarter Earnings Release」Deere「Second Quarter 2026 Press Release PDF」(確認日:2026-05-23)
  3. 2026年2月宣言の四半期配当1.62ドル → 一次情報:Deere「Quarterly Dividend, February 25, 2026」Deere Investor Relations「Stock Information」(確認日:2026-05-23)
  4. 株価・時価総額・PER・配当利回り計算 → 参考情報:Macrotrends「Deere Stock Price History」StockAnalysis「Deere & Company」(確認日:2026-05-23)
  5. 長期財務データ・過去年次比較 → 一次情報:Deere Annual Reports → 補助:Macrotrends「Deere Financial Statements」(確認日:2026-05-23)

Posted by 南 一矢