DOW:ダウ・インクの配当推移

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【2026年7月版】ダウ・インク(DOW)の配当利回りと業績分析|Q2黒字回復と減配後の安全性

【2026年7月版】ダウ・インク(DOW)の配当利回りと業績分析|Q2黒字回復と減配後の安全性

【2026年7月更新】
2025年通期決算、2026年第1・第2四半期決算、四半期配当0.35ドル、2026年7月24日の株価、信用格付け、コスト構造改革「Transform to Outperform」、経営トップの交代を反映しました。

2026年Q2は売上高120.92億ドル、GAAP純利益8.02億ドル、営業EPS1.44ドル、フリーキャッシュフロー6.92億ドルとなり、2025年の赤字から大きく回復しました。ただし、販売数量は前年同期比1%減であり、回復の中心は価格上昇とコスト削減です。[1]

ダウ・インク(Dow Inc.、ティッカー:DOW)の配当利回り、配当削減後の安全性、株価、キャッシュフロー、負債、化学市況の回復度を確認します。

Dowは2025年7月、四半期配当を0.70ドルから0.35ドルへ50%削減しました。現在の年率配当は1.40ドルです。2026年6月12日には459回目となる連続配当を支払いましたが、2026年7月26日時点では次回配当はまだ宣言されていません。[2]

配当利回りと株価の推移:3か月チャート

最新配当と権利落ち日

宣言日 1株配当 基準日 権利落ち日
通常ルール
支払日 連続支払回数
2026年4月9日 0.35ドル 2026年5月29日 2026年5月29日 2026年6月12日 459回目
2026年2月12日 0.35ドル 2026年2月27日 2026年2月27日 2026年3月13日 458回目
2025年10月9日 0.35ドル 2025年11月28日 2025年11月28日 2025年12月12日 457回目
2025年7月24日 0.35ドル 2025年8月29日 2025年8月29日 2025年9月12日 456回目
2025年4月10日 0.70ドル 2025年5月30日 2025年5月30日 2025年6月13日 455回目

※米国株の通常の現金配当では、T+1決済移行後、基準日が営業日であれば原則として基準日と権利落ち日が同日になります。証券会社の表示を取引前に確認してください。[4]

次回配当は未宣言です。

2026年7月26日時点で、次回の四半期配当はまだ取締役会から発表されていません。現行年率1.40ドルは、直近の0.35ドル配当が今後も維持されると仮定した参考値です。

年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS

年間配当とEPSの推移を確認します。Dowは2019年にDowDuPontから分離して現在の上場企業となったため、比較対象は原則として2019年以降とします。

年・期間 配当 平均株価/
基準日株価
GAAP EPS 営業EPS
参考利回り 成長率 配当性向 年計
2026年上半期 約4.69%
7月24日現在
0%
四半期単価
約54%
営業EPS比
0.70
上半期

1.40
現行年率
29.84
7月24日
0.25 1.30
2025 約7.78% -25%
年間合計
N/A
赤字
2.10 26.98 -3.70 -0.94
2024 約5.29% 0% 約178%
GAAP EPS比
2.80 52.9 1.57 1.71
2023 約5.23% 0% 約341% 2.80 53.5 0.82
2022 約5.01% 0% 約45% 2.80 55.9 6.28
2021 約4.59% 0% 約33% 2.80 61.0 8.38
2020 約6.36% +33% 約171% 2.80 44.0 1.64
2019 約4.17% 分離後初年度 N/A 2.10 50.4 -1.84

※2025年の年間配当は0.70ドルを2回、0.35ドルを2回支払った合計2.10ドルです。四半期単価は50%削減されましたが、2025年の年間合計は2024年の2.80ドルから25%減です。元記事の「2025年年計1.40ドル・成長率-50%」は、減配後の年率と実際の年間支払額が混在していたため修正しました。[5]

2025年の配当削減と新しい配当政策

Dowは2025年7月24日、四半期配当を0.70ドルから0.35ドルへ50%削減しました。会社は、化学業界の低迷が長期化し、利益とキャッシュフローが従来想定より低い状態が続いていることを理由に挙げています。

配当削減によって、年間の1株配当負担は2.80ドルから1.40ドルへ低下しました。2026年Q2の加重平均株式数約7.24億株を基準にすると、年間の現金支出削減効果は概算で約10億ドルです。

2025年は年間2.10ドルを支払いましたが、2026年以降に四半期0.35ドルを維持した場合、年間支払額は1.40ドルへ低下します。

「配当削減率」と「年間配当の減少率」は異なります。

  • 四半期配当単価:0.70ドルから0.35ドルへ50%減。
  • 2025年年間配当:2.80ドルから2.10ドルへ25%減。
  • 2026年の現行年率:1.40ドル。2024年比では50%減。

配当成長率の変遷

  • 2019年:分離後の上場会社として配当を開始。年間2.10ドル。
  • 2020年:年間2.80ドルへ引き上げ。
  • 2021~2024年:年間2.80ドルで据え置き。
  • 2025年:Q3から四半期0.35ドルへ減額。年間合計は2.10ドル。
  • 2026年:上半期も四半期0.35ドルを維持。現行年率1.40ドル。

2023年と2024年は、GAAP利益に対する配当性向がそれぞれ約341%、約178%に達しました。利益水準が配当を支えられない状態でも年間2.80ドルを維持したため、配当削減の可能性は徐々に高まっていました。

2025年には営業EPSがマイナス0.94ドル、FCFがマイナス14.17億ドルとなり、配当支払額約15億ドルを事業キャッシュフローで賄えませんでした。減配は財務悪化に対応するための配当政策のリセットだったと評価できます。[5]

2026年上半期の配当性向

2026年上半期のGAAP EPSは0.25ドル、営業EPSは1.30ドルでした。上半期の1株配当0.70ドルを基準にすると、GAAP EPS比の配当性向は280%ですが、営業EPS比では約54%です。

GAAP EPSには、Transform to Outperform関連費用、Sadara保証債務の調整、税務項目などが含まれています。そのため、本業の配当負担を見るには営業EPSとFCFを併用する必要があります。

【配当安全性は2025年から改善】
2026年Q2のFCFは6.92億ドル、配当支払額は2.53億ドルで、FCF配当カバー率は約2.7倍でした。2026年上半期ではFCF13.13億ドル、配当支払額5.05億ドル、カバー率は約2.6倍です。[1]
上半期FCFには一時的な入金が含まれます。

2026年Q1の営業CFには、NOVA Chemicalsとの訴訟に関連して受け取った税引き後約10億ドルの現金が含まれます。この一時入金を考慮すると、上半期FCFの見た目ほど基礎的な配当余力が強いとは限りません。Q2単独ではFCFが配当を約2.7倍カバーしており、今後は下半期にも同様のキャッシュ創出を継続できるかが重要です。[6]

財務パフォーマンスと成長見通し

主要財務指標の推移

年度・期間 売上高
(Mドル)
営業CF
(Mドル)
営業CF
マージン
Dow普通株主
帰属損益
営業EPS FCF
(Mドル)
2026年Q2 12,092 1,324 11.0% 721 1.44 692
2026年上半期 21,886 2,448 11.2% 188 1.30 1,313
2026年Q1 9,794 1,124 11.5% -533 -0.14 621
2025 39,968 1,062 2.7% -2,623 -0.94 -1,417
2024 42,964 2,903 6.8% 1,116 1.71 -37
2023 44,622 5,196 11.6% 589
2022 56,902 7,475 13.1% 4,582
2021 54,968 7,009 12.8% 6,311
2020 38,542 6,226 16.2% 1,225
2019 42,951 5,930 13.8% -1,359

※FCFは会社定義の「継続事業の営業CF-設備投資」です。2026年Q1の数値は上半期累計からQ2を差し引いて算出しています。2018年以前は現在のDow Inc.分離前の組織・会計範囲と異なるため、長期表から除外しました。

2025年通期:赤字とマイナスFCF

2025年通期の売上高は399.68億ドルで、2024年の429.64億ドルから約7%減少しました。GAAP純損失は24.44億ドル、Dow普通株主に帰属する純損失は26.23億ドルでした。

2025年の営業EPSはマイナス0.94ドル、営業EBITは4.22億ドル、営業EBITDAは32.56億ドルでした。2024年の営業EBIT25.88億ドル、営業EBITDA54.82億ドルから大幅に悪化しています。[5]

営業CFは10.62億ドルまで低下し、設備投資24.79億ドルを差し引いたFCFはマイナス14.17億ドルとなりました。配当支払額は約15億ドルであり、配当と設備投資を内部キャッシュだけでは賄えない状態でした。

2026年Q1:本業は赤字、一時入金でFCFを確保

2026年Q1の売上高は97.94億ドル、GAAP純損失は4.45億ドル、営業EPSはマイナス0.14ドルでした。

一方、営業CFは11.24億ドル、FCFは6.21億ドルとなりました。ただし、営業CFにはNOVA Chemicals関連の税引き後約10億ドルの入金が含まれています。

本業はまだ赤字でしたが、コスト削減と供給制約による価格環境の改善が3月から現れ始め、Q2の収益回復につながりました。

2026年Q2:黒字へ急回復

  • 売上高:120.92億ドル、前年同期比20%増。
  • 現地通貨価格・製品構成:前年同期比20%上昇。
  • 為替:1%のプラス。
  • 販売数量:1%減。
  • GAAP純利益:8.02億ドル。
  • Dow普通株主帰属利益:7.21億ドル。
  • GAAP EPS:0.99ドル。
  • 営業EPS:1.44ドル。
  • 営業EBIT:16.48億ドル。
  • 営業EBITDA:23.12億ドル。
  • 営業CF:13.24億ドル。
  • FCF:6.92億ドル。

Q2の回復は大幅でしたが、売上増加の中心は数量ではなく価格です。中東情勢による供給制約、ポリエチレン価格の上昇、設備停止、会社の価格改定が利益率を押し上げました。

数量が1%減少しているため、世界的な最終需要が全面的に回復したと判断するのは早い段階です。供給制約が解消して製品価格が下落した場合、Q2の高い利益率が維持できない可能性があります。

2026年Q2の事業別業績

事業セグメント 売上高
(Mドル)
前年比 価格・構成 数量 営業EBIT
(Mドル)
Packaging &
Specialty Plastics
6,385 +27% +30% -4% 1,278
Industrial Intermediates
& Infrastructure
3,166 +14% +15% -2% 246
Performance Materials
& Coatings
2,361 +11% +4% +6% 133

Packaging & Specialty Plastics

売上高は63.85億ドルで、前年同期比27%増加しました。ポリエチレン価格上昇により価格・製品構成は30%のプラスとなりましたが、計画修繕などにより数量は4%減少しました。

営業EBITは前年同期の0.71億ドルから12.78億ドルへ急増しました。DowのQ2利益回復の大部分をこの部門が担っています。

Industrial Intermediates & Infrastructure

売上高は31.66億ドル、営業EBITは2.46億ドルでした。前年同期の営業赤字1.85億ドルから黒字へ回復しています。

価格上昇、コスト削減、計画修繕費の低下、Sadaraの持分損失認識停止が改善に寄与しました。一方、中東情勢の影響でポリウレタン関連の数量は弱含みました。

Performance Materials & Coatings

売上高は23.61億ドルで、前年同期比11%増加しました。数量は6%増え、シリコーン、電子材料、ホームケア、コーティング分野が成長しました。

営業EBITは1.33億ドルで、前年同期の1.52億ドルを下回りました。増収でも固定費、修繕費、英国Barry工場の上流シロキサン設備停止費用が利益を圧迫しています。

キャッシュフローと配当カバー率

年度・期間 営業CF 設備投資 FCF 配当支払 FCF配当
カバー率
2026年Q2 1,324 632 692 253 約2.7倍
2026年上半期 2,448 1,135 1,313 505 約2.6倍
2025 1,062 2,479 -1,417 約1,500 N/A
2024 2,903 2,940 -37 約2,000 N/A

※単位は百万ドルです。2024年の配当支払額は年間2.80ドルと株式数からの概算、2025年は会社発表の約15億ドルを使用しています。

2024年と2025年は、設備投資後のFCFが配当をカバーしていませんでした。配当の一部は手元資金、資産売却、借入などに依存する状態でした。

2026年Q2には、FCFが6.92億ドルまで回復し、配当支払額2.53億ドルを十分に上回りました。Q2と同程度の利益・キャッシュ創出が続けば、年率1.40ドルの配当は維持可能です。

ただし、化学企業のFCFは運転資本の増減、定期修繕、原材料価格、製品価格によって大きく変わります。単一四半期の改善だけで配当の長期安全性が確立したとは言えません。

Transform to Outperformとコスト削減

Dowは2026年1月、「Transform to Outperform」と呼ばれる全社改革を発表しました。業務の簡素化、AI・自動化の活用、組織・業務プロセスの再設計によって、短期的に少なくとも20億ドルの営業EBITDA改善を目指します。[7]

  • 目標:短期的に営業EBITDAを少なくとも20億ドル改善。
  • 内訳:約3分の2を生産性改善、約3分の1を成長施策から得る計画。
  • 人員:約4,500職の削減を計画。
  • 一時費用:11億~15億ドルを想定。
  • 2026年Q2時点:2026年のセルフヘルプ効果を13億ドル超へ引き上げ。

Q2にはTransform to Outperform関連で税引前5.26億ドル、税引き後4.18億ドルの費用を計上しました。上半期の税引前費用は6.06億ドルです。

改革効果はQ2の利益改善に寄与しましたが、実行には多額の一時費用を伴います。また、人員削減や工場停止が顧客対応、製品開発、操業安定性へ悪影響を与えないかを確認する必要があります。

バランスシートと財務リスク

年度・期末 総資産 総負債 総資本 自己資本率 有利子負債 ネット有利子負債 負債/資本
2026年Q2 61,585 44,218 17,367 28.2% 17,995 14,022 約255%
2025 58,538 41,016 17,522 29.9% 18,161 14,345 約234%
2024 57,312 39,461 17,851 31.1% 約221%
2023 57,967 38,859 19,108 33.0% 約203%
2022 60,603 39,356 21,247 35.1% 約185%
2021 62,990 44,251 18,739 29.7% 約236%
2020 61,470 48,465 12,435 20.2% 約390%
2019 60,524 46,430 13,541 22.4% 約343%

※単位は百万ドルです。2026年Q2の有利子負債は、短期借入金、1年以内返済予定の長期債務、長期債務の合計です。ネット有利子負債は有利子負債から現金・現金同等物を差し引いた概算です。

負債は小幅に減少したが、格付けは低下

2026年Q2末の有利子負債は179.95億ドル、現金・現金同等物は39.73億ドル、概算ネット有利子負債は140.22億ドルでした。

2025年末のネット有利子負債143.45億ドルから約3.23億ドル減少しています。ただし、総負債は運転資本やその他債務の増加により410.16億ドルから442.18億ドルへ増加しました。

信用格付けは投資適格級の下限に近づいています。

  • Moody’s:Baa3、見通しネガティブ。
  • S&P:BBB-、見通しネガティブ。
  • Fitch:BBB、見通し安定的。

Moody’sとS&Pの格付けは、投資適格級の最下位です。もう1段階格下げされると投機的格付けになります。2026年3月31日時点の会社開示では、収益・キャッシュフロー低迷を理由に、Moody’sとS&Pが2026年2月に格下げを行ったと説明されています。[8]

格下げが続くと、借り換え金利の上昇、資金調達手段の制約、年金・取引契約への影響などが生じる可能性があります。減配とコスト削減は、投資適格格付けを維持するためにも重要です。

2026年7月の経営トップ交代

Karen S. Carter氏は2026年7月1日付でDowのCEOに就任しました。前CEOのJim Fitterling氏はエグゼクティブ・チェアへ移行しています。[9]

Carter氏は、事業運営、営業、マーケティング、人事などを経験し、CEO就任前はCOOとして3事業部門とサプライチェーン、調達、情報システム、営業組織を統括していました。

新体制の最初の決算となった2026年Q2は大幅な黒字回復となりました。今後は、価格上昇という外部要因だけでなく、Transform to Outperformによる恒久的なコスト削減と成長投資を実現できるかが問われます。

2026年Q2回復をどう評価するか

改善を示す材料

  • Q2売上高は前年同期比20%増。
  • 営業EBITは前年同期の赤字から16.48億ドルへ改善。
  • 営業EPSはマイナス0.42ドルから1.44ドルへ改善。
  • Q2 FCFはマイナス11.32億ドルからプラス6.92億ドルへ改善。
  • 3事業すべてで売上高が増加。
  • 年間10億ドル規模の配当負担削減。
  • ネット有利子負債が2025年末から小幅に減少。

回復の持続性に関する注意点

  • 全社販売数量は前年同期比1%減。
  • 売上増加の中心は20%の価格・製品構成改善。
  • 価格上昇の一部は中東情勢や供給制約によるもの。
  • 上半期FCFにはNOVA Chemicals関連の一時入金が含まれる。
  • Transform to Outperformには11億~15億ドルの一時費用が必要。
  • Moody’sとS&Pの格付けは投資適格級の最下位。
  • Performance Materials & Coatingsは増収でも営業減益。

2026年Q2は明確な改善ですが、需要主導の全面回復とは言い切れません。ポリエチレンを中心とする価格上昇が利益を押し上げているため、価格と供給環境が正常化した後にも利益を維持できるかが重要です。

まとめ:減配後のDOWの投資価値

Dowは2025年7月の50%減配によって、年間配当の現行水準を2.80ドルから1.40ドルへ引き下げました。2025年の実際の年間支払額は2.10ドルであり、2024年比25%減です。

2025年はGAAP純損失24.44億ドル、FCFマイナス14.17億ドルとなり、従来配当を維持できる状態ではありませんでした。減配は株主にとって大きなマイナスでしたが、年間約10億ドルの現金支出を削減し、格付けと投資余力を守る合理性がありました。

2026年Q2は売上高120.92億ドル、営業EPS1.44ドル、FCF6.92億ドルとなり、配当支払額を十分にカバーしています。現在の年率配当1.40ドルは、旧配当より持続可能性が高い水準です。

現在の強み

  • 2026年Q2の大幅な利益・FCF回復。
  • 現行配当利回り約4.69%。
  • Q2のFCF配当カバー率約2.7倍。
  • 配当削減による年間約10億ドルの支出削減。
  • 世界的な生産拠点と原料・製品の統合体制。
  • Packaging & Specialty Plasticsの高い収益回復力。
  • Transform to Outperformによる20億ドル以上のEBITDA改善目標。

注意すべきリスク

  • 販売数量が伸びておらず、回復が価格上昇に依存。
  • 中国などの能力増強に伴う世界的な供給過剰。
  • 建設、自動車、耐久消費財など景気敏感需要の変動。
  • エネルギー・原材料価格と中東情勢。
  • 投資適格級の下限に近い信用格付け。
  • Transform to Outperformの多額の実行費用。
  • 一時的な供給制約が解消した後の製品価格低下。
  • 追加減配の可能性を完全には排除できないこと。

投資家へのポイント:DOWは、安定的に増配するディフェンシブ銘柄ではなく、化学市況の回復によって利益と株価が大きく変動するサイクル株です。

現在の配当利回り約4.69%は一定の魅力がありますが、投資判断では利回りだけでなく、ポリエチレン価格、販売数量、営業EBITDA、FCF、格付け、ネット有利子負債を確認する必要があります。

2026年Q2は回復の有力な兆候ですが、配当の長期的な安全性を判断するには、供給制約の追い風が薄れた後もQ3・Q4で黒字とプラスFCFを維持できるかを確認する必要があります。

よくある質問

DOWの現在の配当はいくらですか?

直近で宣言された四半期配当は1株当たり0.35ドルです。これを4倍した現行年率は1.40ドルです。

2026年7月26日時点では次回配当はまだ宣言されていないため、1.40ドルは今後も0.35ドルが維持されると仮定した参考値です。

2025年の年間配当は1.40ドルですか?

いいえ。2025年の実際の年間配当は2.10ドルです。0.70ドルを2回、減配後の0.35ドルを2回支払いました。

1.40ドルは、減配後の0.35ドルを4倍した現行年率です。2025年の実際の年間支払額ではありません。

DOWの配当は安全ですか?

2026年Q2単独では、FCF6.92億ドルに対して配当支払額2.53億ドルであり、配当は約2.7倍カバーされています。営業EPS1.44ドルに対して四半期配当0.35ドルであるため、Q2の配当性向も約24%です。

ただし、化学市況は変動が大きく、Q2の利益回復は価格上昇に依存しています。現行配当は2025年以前より安全になりましたが、完全に無リスクとは言えません。

さらに減配する可能性はありますか?

2026年Q2と上半期の実績を見る限り、直ちに追加減配が必要な状態ではありません。

一方、製品価格の急落、需要悪化、コスト削減の未達、格下げ、設備投資負担の増加が重なった場合には、追加的な配当調整の可能性を完全には排除できません。

業界回復時に以前の2.80ドル配当へ戻りますか?

短期的に2.80ドルへ戻す可能性は高くないと考えられます。信用格付けが低下しており、会社はコスト構造改革、設備投資、負債管理を優先する必要があります。

営業EPSとFCFが複数年にわたり安定し、格付け見通しが改善した場合には、段階的な増配が検討される可能性があります。

2026年Q2の回復は本物ですか?

利益とFCFの改善は明確です。ただし、売上高20%増に対して販売数量は1%減でした。回復の大部分は価格上昇とコスト削減によるものです。

需要主導の本格回復を確認するには、販売数量が増加し、供給制約が解消した後にも利益率を維持できることが必要です。

現在の株価は割安ですか?

2026年7月24日の株価29.84ドル、現行配当利回り約4.69%という水準は、配当面では一定の魅力があります。

一方、2025年は赤字であり、2026年通期の会社EPSガイダンスも示されていないため、通常のPERだけで割安度を判断するのは困難です。正常化後の営業利益、FCF、ネット有利子負債を基準に評価する必要があります。

※免責事項

本記事は公開情報を整理したものであり、特定銘柄の売買を推奨または勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

数値は四捨五入や筆者計算により、会社開示値と若干異なる場合があります。

最終更新日:2026年7月26日

ミニ解説:DOWの配当を見る際は、配当利回りだけでなく、営業EPS、FCF、販売数量、製品価格、信用格付けを確認してください。2026年Q2は配当を十分にカバーしましたが、価格上昇への依存度が高く、需要回復を伴うかが次の確認点です。

【注】(出典リンク)

  1. 2026年Q2決算・上半期業績・セグメント・FCF・バランスシート → 一次情報:Dow「Dow reports second quarter 2026 results」Dow「2Q 2026 Earnings」Dow Quarterly Earnings Reports(確認日:2026-07-26)
  2. 配当削減・2026年配当・連続支払記録 → 一次情報:Dow Investor Relations「Dividend History」Dow「2026 Annual Stockholder Meeting」Dow「Dividend reduced to $0.35」(確認日:2026-07-26)
  3. 2026年7月24日株価・配当利回り → 参考情報:Investing.com「Dow Stock Price History」MarketWatch「Dow Inc.」(確認日:2026-07-26)
  4. T+1決済後の権利落ち日ルール → 一次情報:FINRA Rule 11140Investor.gov「Ex-Dividend Dates」(確認日:2026-07-26)
  5. 2025年通期業績・配当・FCF・営業EPS → 一次情報:Dow「Dow reports fourth quarter 2025 results」SEC EDGAR「Dow Inc. 2025 Form 10-K」Dow Annual Reports(確認日:2026-07-26)
  6. 2026年Q1決算・NOVA Chemicals関連入金 → 一次情報:Dow「Dow reports first quarter 2026 results」SEC EDGAR「Dow Inc. Q1 2026 Form 10-Q」(確認日:2026-07-26)
  7. Transform to Outperform・20億ドル改善目標・人員削減 → 一次情報:Dow「Transform to Outperform」Dow「Q2 2026 Results」(確認日:2026-07-26)
  8. 信用格付け・2026年の格下げ → 一次情報:Dow Inc. Q1 2026 Form 10-Q「Credit Ratings」SEC EDGAR「Dow Inc. filings」(確認日:2026-07-26)
  9. Karen S. Carter氏のCEO就任 → 一次情報:Dow「Karen S. Carter Appointed Chief Executive Officer」Dow Leadership「Karen S. Carter」(確認日:2026-07-26)


Posted by 南 一矢