HD/LOWを比較:ホームデポとロウズカンパニーの違いとは

銘柄比較

HDとLOWを違いを踏まえて比較します。(2025年6月更新)

ホームデポ(The Home Depot Inc)とロウズ(Lowe’s Companies, Inc)はホームセンターの代表格です。
その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、配当金と利回り、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。
これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移(VCR:Vanguard Consumer Discretionary Index Fund ETFを含めて比較)

※チャート右目盛り:10年国債利回り

※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。

決算(予想:結果)

決算の予想:結果については以下の関連記事を参照

ホームデポ(HD)決算:予想と結果 売上&EPS

ロウズ・カンパニーズ(LOW)決算:予想と結果 売上&EPS

【ホームセンター対決】ホームデポ(HD) vs ロウズ(LOW)!王者HDか、配当王LOWか?

米国の住宅市場と消費の強さを象徴する2大企業、ホームデポ(HD)ロウズ(LOW)。両社は住宅リフォームやDIYの需要を取り込み、株主への力強い還元を続けてきました。しかし、業界No.1の「王者」ホームデポと、60年以上の連続増配を誇る「配当王」ロウズでは、その戦略と投資家にとっての魅力が異なります。

本記事では、このホームセンター市場の複占企業の業績、配当、そしてそれぞれの強みを徹底的に比較・分析します。

最重要ポイント:得意な顧客層の違い

両社の最大の違いは、メインターゲットとする顧客層にあります。

  • ホームデポ (HD) →プロ顧客重視
    建設業者やリフォーム業者、電気工事業者といった「プロ(Pro)」の顧客を最重要ターゲットとしています。プロ顧客は購入単価が高く、来店頻度も高いため、HDの収益性の高さを支える屋台骨となっています。
  • ロウズ (LOW) → DIY顧客重視
    一般の個人客、いわゆる「DIY(Do It Yourself)」層を伝統的な得意客としています。店内装飾や家電製品の品揃えなどで、DIY顧客にアピールする戦略をとってきました。近年はHDを追ってプロ顧客の取り込みを強化しています。

比較サマリー:収益性のHD、配当格付けのLOW

項目 ホームデポ (HD) ロウズ (LOW)
市場地位 No.1 No.2
得意顧客 プロ(専門業者) DIY(一般消費者)
連続増配年数 14年 61年 (配当王)
配当利回り(直近) 約2.4% 約1.9%
営業利益率 約14% 約11%

業績と成長性の詳細分析

コロナ禍の「巣ごもりDIYブーム」で両社ともに大きく業績を伸ばしましたが、その後は金利上昇などによる住宅市場の減速を受け、成長は鈍化しています。売上規模、利益率ともにホームデポがロウズを一貫して上回っており、経営効率の高さを示しています。

HD 売上高 (前年比) LOW 売上高 (前年比)
2024 $152.7 B (-2.9%) $86.4 B (-11.0%)
2023 $157.3 B (+4.1%) $97.1 B (+0.8%)
2022 $151.2 B (+15.1%) $96.3 B (+19.9%)
2021 $131.4 B (+19.9%) $80.3 B (+24.2%)
2020 $109.6 B $64.7 B

※B=10億ドル。両社は決算月が異なるため、各社会計年度に基づき比較しています。

配当の詳細比較:配当王ロウズの圧倒的な歴史

配当面で最大の魅力は、ロウズが60年以上にわたり一度も減配せずに配当を増やし続けてきた「配当王」である点です。これは、いかなる経済状況下でも株主への還元を最優先してきた経営姿勢の証です。一方のホームデポも高い増配率を誇る優良な配当銘柄です。

HD 年間配当 (増配率) LOW 年間配当 (増配率)
2024 $9.00 (+7.7%) $4.40 (+5.3%)
2023 $8.36 (+15.1%) $4.18 (+34.8%)
2022 $7.26 (+10.0%) $3.10 (+33.0%)
2021 $6.60 (+10.0%) $2.33 (+9.4%)
2020 $6.00 (+6.9%) $2.13 (+13.3%)

配当については以下の関連記事を参照

ホームデポ(HD)の配当推移

ロウズ・カンパニーズ(LOW)の配当推移

結論:あなたに合うのはどちら?

両社の比較は、「業界No.1の収益性」と「絶対的な連続増配の実績」のどちらをより高く評価するかの選択になります。

「経営の質と収益性の高さ」を重視するなら → ホームデポ (HD)

プロ顧客という優良な顧客層をがっちり掴み、業界トップの利益率を誇る経営の巧みさは、大きな魅力です。株価は景気や住宅市場に左右されるものの、力強い事業基盤を持つ企業に投資したいと考える投資家に向いています。

「何よりも配当の歴史と信頼性」を重視するなら → ロウズ (LOW)

60年以上という「配当王」の実績は、インカム投資家にとって最高のステータスです。経営陣が株主還元を最優先事項と考えていることの何よりの証明と言えます。今後、経営改革によってホームデポとの収益性の差を縮めることができれば、さらなるリターンも期待できます。


※本ページの分析は2025年6月9日時点の公開情報に基づいています。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任において行ってください。

Posted by 南 一矢