HON(ハネウェルインターナショナル)今後の見通し

ダウ30銘柄,株価•決算,資本財

【2026年8月8日更新】 2026年6月29日のHoneywell Aerospace分離後の新しいHoneywell Technologies(NASDAQ: HON)を基準に全面更新しました。2026年Q2の継続HON事業は、売上高51.87億ドル、オーガニック売上高4%増、調整EPS1.95ドル、FCF4.56億ドルでした。会社は2026年通期の調整EPS見通しを8.05~8.35ドルへ引き上げています。[1]

ハネウェル(Honeywell Technologies)の今後の見通しを考えるために、まず金利と株価チャートの推移を参照し、次に直近の決算を確認します。

2026年6月29日にHoneywell Aerospaceが分離されたため、現在のHONは、旧Honeywell Internationalとは事業構成・株式数・EPS・配当が大きく異なります。本記事では、分離後のHoneywell Technologiesを中心に、目標株価、PER、配当、キャッシュフロー、事業別業績を整理します。[2]

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、出来高などを確認します。リアルタイム表示ではないため、株価には遅延が生じる場合があります。

2026年6月29日前後のHON株価は単純比較できません。

Honeywell Aerospaceの分離と同時に、残存するHON株には1対2の株式併合が実施されました。旧HON株2株を保有していた株主は、原則として分離後に新HON株1株とHoneywell Aerospace(HONA)株1株を保有する形になっています。分離前後のHON株価やEPSをそのまま連続系列として比較すると、実態を誤解しやすいため注意が必要です。[2]

株価・PER・目標株価:現在の位置

2026年8月7日のHON終値は246.21ドルでした。分離後の2026年通期調整EPS見通し8.05~8.35ドルを用いると、参考予想PERは約29.5~30.6倍、中央値8.20ドルでは約30.0倍です。[3]

Q2のGAAP EPSは16.65ドルと非常に大きいため、これをそのまま年率換算してPERを計算するのは適切ではありません。2026年Q2のGAAP利益にはQuantinuumの非連結化に伴う一時利益が含まれており、継続的な収益力を見る場合は調整EPSを確認する方が実態に近くなります。[1]

2026年8月時点のInvesting.com集計では、アナリスト評価は買い15人、中立7人、売り2人で、12カ月平均目標株価は257.79ドル、最高298ドル、最低186ドルです。2026年8月7日終値246.21ドルから平均目標株価までの参考上昇余地は約4.7%です。[3]

ミニ解説:現在のHONは予想調整後PER約30倍であり、典型的な割安産業株という水準ではありません。Building Automationを中心とする売上成長、利益率改善、受注残高の消化、AI・ソフトウェアを活用した「自動化から自律化」への成長期待が株価に織り込まれていると考えられます。

直近決算

Honeywell Technologiesは2026年7月23日(米国時間、市場開始前)に2026年度第2四半期決算を発表しました。[1]

今回のQ2はHoneywell Aerospaceの分離が6月29日だったため、決算資料には「航空宇宙を含む旧連結ベース」と「今後のHONとなるHoneywell Technologies単独」の両方が掲載されています。今後のHONを分析する場合は、主にHoneywell Technologies単独の数値を見る必要があります。

Honeywell Technologies単独のQ2決算

2026年Q2 市場予想 結果 前年同期比等
調整EPS 1.82ドル 1.95ドル +10%
売上高 50.2億ドル 51.87億ドル +3%
オーガニック売上高 +4%
セグメント利益率 19.0% +100bp
営業CF 5.63億ドル +201%
FCF 4.56億ドル +300%

市場予想は調整EPS1.82ドル、売上高50.2億ドルでした。実績は調整EPS1.95ドル、売上高51.87億ドルとなり、いずれも市場予想を上回りました。[4]

受注は前年同期比16%増となり、2026年Q2末の受注残高は約200億ドルでした。年間売上高見通しが198~200億ドルであることを考えると、受注残高は年間売上高に近い規模です。[1]

旧連結ベースとの違い

2026年Q2 旧連結
航空宇宙を含む
継続HON
自動化事業
売上高 97.19億ドル 51.87億ドル
オーガニック成長 +4% +4%
営業利益 17.37億ドル 6.62億ドル
営業利益率 17.9% 12.8%
セグメント利益 22.40億ドル 9.85億ドル
セグメント利益率 23.1% 19.0%
GAAP EPS 17.83ドル 16.65ドル
調整EPS 4.52ドル 1.95ドル
営業CF 12.76億ドル 5.63億ドル
FCF 12.52億ドル 4.56億ドル
受注残高 約380億ドル 約200億ドル

旧記事のQ1実績や2025年度実績にはHoneywell Aerospaceが含まれていました。そのため、現在のHONの成長率・PER・配当性向を評価する際は、旧連結数値ではなく分離後の継続HON数値を優先します。

GAAP EPS16.65ドルには一時利益が含まれる

2026年Q2の継続HONのGAAP EPSは16.65ドルでしたが、Quantinuumの非連結化に伴う一時利益が大きく寄与しています。通常の利益水準を見る際には、Q2調整EPS1.95ドル、通期調整EPS見通し8.05~8.35ドルを見る方が適切です。[1]

2026年通期ガイダンス

Q2決算を受けて、Honeywell Technologiesは2026年のオーガニック成長率、利益率、調整EPSの見通しを引き上げました。[1]

項目 Q2決算前 Q2決算後 変更
売上高 199~202億ドル 198~200億ドル 上限引き下げ
オーガニック成長率 2~3% 3~4% 上方修正
セグメント利益率 19.8~20.3% 20.1~20.5% 上方修正
利益率改善幅 220~270bp 250~290bp 上方修正
調整EPS 7.90~8.30ドル 8.05~8.35ドル 上方修正
営業CF 約21億ドル 約21億ドル 据え置き
FCF 約20億ドル 約20億ドル 据え置き

売上高レンジ自体は若干引き下げられましたが、これは事業売却などによるポートフォリオ変更の影響を含みます。一方、本業の成長を示すオーガニック売上高、セグメント利益率、調整EPSは上方修正されました。

会社は2026年下半期のオーガニック売上高について4~6%増を見込んでいます。Q2に大きく増えた受注が下半期の売上高へ転換できるかが重要です。[1]

企業概要:現在のHONは自動化専業会社

Honeywell Technologies(NASDAQ: HON)は、2026年6月29日のHoneywell Aerospace分離後、ビル、産業、プロセス分野を中心とする自動化専業企業となりました。Honeywell Forgeなどのソフトウェア、制御システム、センサー、火災・安全設備、プロセス技術を組み合わせ、工場・建物・エネルギー設備などの自動化を支援します。[2]

旧Honeywellは2025年10月30日に先進材料事業をSolstice Advanced Materials(NASDAQ: SOLS)として分離し、2026年6月29日に航空宇宙事業をHoneywell Aerospace(NASDAQ: HONA)として分離しました。これにより、旧Honeywellを3社に分ける大型再編が完了しました。[2]

Honeywell Technologies

ティッカー:HON

Building Automation、Process Automation & Technology、Industrial Automationを中心とする自動化企業。

Honeywell Aerospace

ティッカー:HONA

航空機エンジン、補助動力装置、アビオニクス、航法、航空宇宙・防衛関連システムを展開。

Solstice Advanced Materials

ティッカー:SOLS

冷媒、特殊材料、電子材料などを手掛ける先進材料会社。2025年10月30日に分離。

分離の意味:旧Honeywellの株主価値を確認するときは、HONだけを見るのではなく、分配されたHONAと、2025年に分離されたSOLSも合わせて考える必要があります。旧Honeywellの株価・EPS・配当を新HONだけに引き継ぐと、企業分割の経済的効果を正しく比較できません。

2026年Q2の事業別業績

セグメント 売上高 報告売上
前年比
オーガニック
成長率
セグメント利益 利益率
Building Automation 20.02億ドル +10% +9% 5.42億ドル 27.1%
Process Automation
& Technology
16.79億ドル +4% -1% 3.71億ドル 22.1%
Industrial Automation 15.01億ドル -5% +4% 2.58億ドル 17.2%

Building Automation

2026年Q2のBuilding Automation売上高は20.02億ドル、オーガニック売上高は9%増でした。データセンター、医療施設、ホテルなどの需要が強く、受注も前年同期比13%増加しました。セグメント利益率は前年同期から90ベーシスポイント改善し、27.1%となっています。[1]

Process Automation & Technology

2026年Q2の売上高は16.79億ドルで報告ベース4%増でしたが、オーガニックでは1%減でした。LNGや大型オートメーションプロジェクトは伸びた一方、前年同期の触媒出荷が多かった反動などでアフターマーケットが弱くなりました。

一方、受注はLNG需要などを背景に24%増となっています。利益率は前年同期の23.9%から22.1%へ低下しており、今後は受注増を利益率改善につなげられるかが焦点です。[1]

Industrial Automation

2026年Q2の売上高は15.01億ドルで報告ベース5%減でしたが、事業売却などの影響を除くオーガニック売上高は4%増でした。公益事業向けプロジェクト、センシング、計測機器、倉庫関連ソリューションなどが成長しました。

セグメント利益率は前年同期16.3%から17.2%へ改善しています。[1]

配当利回り・配当性向

Honeywell Technologiesは2026年7月24日、分離後初となる四半期配当を1株0.70ドルと発表しました。基準日は2026年8月14日、支払日は2026年9月4日です。[5]

四半期配当0.70ドルが今後も維持されると仮定すると、現行年率配当は2.80ドルです。2026年8月7日終値246.21ドルに対する参考配当利回りは約1.14%です。[3][5]

四半期配当
$0.70
現行年率配当
$2.80
参考配当利回り
約1.14%
予想配当性向
約34%

予想配当性向は約33.5~34.8%

2026年通期調整EPS見通し8.05~8.35ドルに対し、現行年率配当2.80ドルを比較すると、予想配当性向は約33.5~34.8%です。

旧Honeywellでは40~60%台になる年も多かったため、新HONは分離後の利益規模に合わせて配当負担をかなり抑えた形です。利益に対しては余裕があり、研究開発、買収、債務削減、自社株買いなどへ資金を振り向ける余地があります。

権利落ち日は2026年8月14日

2026年9月4日支払い分の基準日は2026年8月14日です。米国株ではT+1決済移行後、通常の現金配当で基準日が営業日の場合、原則として権利落ち日も基準日と同日になります。このため今回の権利落ち日は2026年8月14日です。[6]

旧Honeywellの1.19ドルから単純な「減配」とは言えない

分離前の旧HONでは四半期1.19ドルが支払われていましたが、新HONの0.70ドルと直接比較することはできません。

旧HON株2株を保有していた株主は、原則として分離後に新HON株1株+HONA株1株を受け取っています。また、新HONには1対2の株式併合が実施されています。したがって、株主への経済的な還元を評価する際はHONだけでなくHONAも考慮する必要があります。[2]

旧Honeywellの配当実績

以下は企業分割前の旧Honeywellにおける配当実績です。「年計」は実際の年間支払額ではなく、各年末時点の四半期配当を年率換算した値です。2026年6月29日以降の新HONとは株式数・事業構成が異なるため、長期的な参考系列として掲載します。[7]

年末時点の
年率配当
増配率 GAAP EPS
継続事業
参考
配当性向
2025 4.76ドル 約5% 6.94ドル 約69%
2024 4.52ドル 約5% 7.58ドル 約60%
2023 4.32ドル 約5% 7.36ドル 約59%
2022 4.17ドル 約5% 7.58ドル 約55%
2021 3.97ドル 約4% 8.24ドル 約48%
2020 3.77ドル 約8% 6.99ドル 約54%
2019 3.63ドル 約10% 9.08ドル 約40%
2018 3.36ドル 約12% 9.88ドル 約34%
2008~2017年の配当実績を表示
年末時点の
年率配当
増配率 GAAP EPS
継続事業
参考
配当性向
2017 3.06ドル 約12% 2.24ドル 約137%
2016 2.74ドル 約14% 7.01ドル 約39%
2015 2.45ドル 約15% 6.82ドル 約36%
2014 2.15ドル 約11% 6.14ドル 約35%
2013 1.87ドル 約10% 5.49ドル 約34%
2012 1.68ドル 約12% 4.09ドル 約41%
2011 1.53ドル 約13% 2.94ドル 約52%
2010 1.37ドル 0% 2.91ドル 約47%
2009 1.21ドル 約10% 2.05ドル 約59%
2008 1.21ドル 約10% 1.19ドル 約102%

※2025年に実際に支払われた旧Honeywellの配当は、1.13ドルを3回、1.19ドルを1回の合計4.58ドルです。4.76ドルは2025年末時点の年率換算額です。

配当を支えるキャッシュフロー

項目 2026年Q2 2026年通期見通し
営業CF 5.63億ドル 約21億ドル
FCF 4.56億ドル 約20億ドル
推定配当負担 約2.22億ドル 約8.88億ドル
FCF配当カバー率 約2.1倍 約2.3倍
FCF配当性向 約49% 約44%

2026年6月29日の1対2株式併合後、発行済株式数は約3.17億株となりました。四半期配当0.70ドルを単純に掛けると、1四半期の配当負担は約2.22億ドル、年間では約8.88億ドルです。[2]

会社の2026年FCF見通し約20億ドルに対するFCF配当性向は約44%、FCF配当カバー率は約2.3倍となります。利益だけでなくキャッシュフローベースでも、現行配当には一定の余裕があります。

旧Honeywellのキャッシュフローとの比較

年度 営業CF 会社定義FCF 配当支払 自社株買い
2025 60.75億ドル 51.02億ドル 29.36億ドル 43.50億ドル
2024 51.12億ドル 28.46億ドル 38.56億ドル
2023 53.40億ドル
2022 52.74億ドル
2021 60.38億ドル
2020 62.08億ドル
2019 68.97億ドル

旧Honeywellは航空宇宙を含む大きな事業規模を背景に、配当と自社株買いを同時に行ってきました。新HONは事業規模が小さくなった一方、配当支払負担も大幅に縮小したため、FCFに対する配当余力は改善しています。[7]

バランスシートと負債

2026年Q2はHoneywell Aerospaceの分離、Quantinuumの非連結化、買収・事業売却が重なったため、2025年末との単純比較には注意が必要です。[8]

項目 2025年末 2026年Q2末 変化
現金・現金同等物 124.87億ドル 87.51億ドル -37.36億ドル
短期投資 4.43億ドル 4.45億ドル +0.02億ドル
総資産 736.81億ドル 773.44億ドル +36.63億ドル
総負債 586.51億ドル 584.87億ドル -1.64億ドル
株主資本 150.30億ドル 188.57億ドル +38.27億ドル
自己資本率 約20.4% 約24.4% +4.0ポイント
有利子負債 345.80億ドル 339.88億ドル -5.92億ドル
概算ネット有利子負債 220.93億ドル 252.37億ドル +31.44億ドル

2026年Q2末の現金・現金同等物は87.51億ドル、有利子負債は339.88億ドルでした。現金を差し引いた概算ネット有利子負債は約252.37億ドルです。

ただし、Q2末は企業分割直後であり、資産・負債の移転やQuantinuumの会計処理変更なども含まれています。今後の新HONの財務状態を判断するには、Q3以降のバランスシートを継続して確認する必要があります。

Honeywell Technologiesの成長戦略

「自動化」から「自律化」へ

Honeywell Technologiesは、工場やビル、エネルギー設備の自動化だけでなく、AI、データ、ソフトウェアを組み合わせた「automation to autonomy(自動化から自律化)」を長期的な成長テーマとしています。

2026年6月のInvestor Dayでは、今後3年間の財務目標として、オーガニック売上高成長率4~6%、年間60ベーシスポイント超の利益率改善、年間10%超の調整EPS成長、90%超のFCF転換率を示しました。[9]

会社のInvestor Relationsでは中期的な目安として、セグメント利益率約24%、調整EPS約6ドル、FCF30億ドル超という長期的な財務フレームワークも示されています。ただし、これらは現在の2026年通期ガイダンスとは期間が異なるため、混同しないよう注意が必要です。[9]

Johnson MattheyのCatalyst Technologiesを取得

Honeywell Technologiesは2026年7月17日、Johnson MattheyのCatalyst Technologies事業の取得を完了しました。買収額は13.25億ポンドの現金取引です。LNG、持続可能燃料、化学・エネルギープロセス向けの触媒技術を取り込み、Process Automation & Technologyを強化します。[10]

WWSの売却は2026年7月27日に完了

記事BではWarehouse and Workflow Solutions(WWS)を「売却予定」としていましたが、Honeywell Technologiesは2026年7月27日にAmerican Industrial Partnersへの売却完了を発表しました。対象事業はIntelligrated、Transnormブランドなどで展開されていました。[10]

WWSの売却によって、Honeywell Technologiesはビル、産業、プロセス市場の自動化事業へさらに集中します。

PSSは売却契約済み

Productivity Solutions and Services(PSS)はBrady Corporationへの14億ドルの現金売却が発表されています。Honeywellが2026年7月27日にWWS売却完了を発表した時点では、PSSの取引完了を「2026年8月上旬」と見込んでいました。今回の記事では、Honeywellによる完了発表を確認できたWWSと、売却契約段階のPSSを区別して記載しています。[10]

ポートフォリオ再編の見方:Honeywell Technologiesは、航空宇宙と先進材料を分離しただけでなく、PSS・WWSなど周辺事業を売却し、触媒技術など自動化との相乗効果が高い事業を取得しています。売上高の単純な増減より、オーガニック成長率と利益率の推移が重要になります。

旧HON株主が確認したいHoneywell Aerospace(HONA)の初決算

旧HON株主はHONA株も受け取っているため、新HONだけでなくHoneywell Aerospaceの動向も重要です。

Honeywell Aerospaceは2026年8月5日、独立後初となる単独決算を発表しました。2026年Q2の売上高は45.2億ドルで前年同期比5%増、調整EPSは1.87ドルでしたが、市場予想の売上高46.1億ドル、EPS2.12ドルを下回りました。[11]

さらにHONAは、2026年通期のオーガニック売上高成長率見通しを従来の7~9%から4~5%へ引き下げ、調整EPS見通しを7.60~7.90ドルとしました。供給網制約や製品構成の悪化が重荷となっています。[11]

この発表を受け、HONA株は2026年8月6日に約23%下落しました。旧HON株主にとっては、新HONの業績が堅調でも、分配されたHONAの値動きによって旧Honeywell由来の保有資産全体の価値が大きく動くことがあります。[11]

投資判断で確認したい強みとリスク

新HONの強み

  • 2026年Q2の継続HON受注が16%増
  • 2026年Q2末の受注残高は約200億ドル
  • Building Automationのオーガニック売上が2026年Q2に9%増
  • データセンター、医療、ホテル、LNG、公益事業など複数分野に需要がある。
  • 2026年調整EPS見通しを8.05~8.35ドルへ上方修正。
  • 現行配当の予想配当性向は約34%
  • 2026年FCF見通し約20億ドルに対し、年間配当負担は概算約8.9億ドル。
  • AI、ソフトウェア、データ、自動化・自律化という長期的な成長テーマを持つ。

注意すべきリスク

  • 高めのバリュエーション:2026年8月7日株価では予想調整後PERが約30倍。
  • 低い配当利回り:現行年率配当2.80ドルに対する参考利回りは約1.14%。
  • 事業分散の低下:航空宇宙分離後のHONは旧Honeywellほど事業が分散されていない。
  • Process Automationの利益率:2026年Q2は22.1%へ低下。
  • 買収・売却の統合リスク:Johnson Matthey事業の統合、PSSなどの売却処理が続く。
  • GAAP EPSの特殊要因:Quantinuumの非連結化で2026年Q2のGAAP利益が大きく膨らんでいる。
  • 分離コスト:航空宇宙分離に伴うシステム、契約、税務、重複コストの整理が続く。
  • 景気敏感性:工場、建物、エネルギー設備への設備投資が景気後退時に弱くなる可能性。
  • 旧HON株主固有のリスク:HONだけでなくHONA・SOLSの株価や資本政策も保有資産全体へ影響する。

まとめ:航空宇宙分離後のHONをどう評価するか

2026年6月29日のHoneywell Aerospace分離により、現在のHONは航空宇宙・自動化を併せ持つ複合企業から、自動化専業のHoneywell Technologiesへ変わりました。[2]

2026年Q2の継続HON事業は、売上高51.87億ドル、オーガニック成長率4%、調整EPS1.95ドル、FCF4.56億ドルでした。受注は16%増加し、受注残高は約200億ドルです。会社は2026年通期の調整EPS見通しを8.05~8.35ドルへ引き上げています。[1]

配当は分離後に四半期0.70ドル、年率換算2.80ドルとなりました。2026年8月7日終値246.21ドルに対する参考利回りは約1.14%であり、高配当株とは言いにくい水準です。一方、調整EPS見通しに対する予想配当性向は約34%、FCF見通しに対する配当性向も約44%で、配当の財務的な余裕は比較的大きくなっています。

株価は調整EPS見通し中央値に対して約30倍で、将来の成長を一定程度織り込んでいます。そのため、現在のHONは「高配当の成熟複合企業」という旧来の見方よりも、Building Automation、Process Automation、Industrial Automationの成長と利益率改善を狙う産業テクノロジー株として評価する方が実態に近いでしょう。

旧HON株主は、HONだけでなく、2026年6月に分配されたHONAと2025年に分離されたSOLSも合わせて評価する必要があります。特にHONAは2026年8月5日の初決算で通期見通しを引き下げており、旧Honeywell由来の保有資産全体を見る際には3社を分けて確認することが重要です。[11]

今後の確認ポイント:①受注と約200億ドルの受注残高、②オーガニック売上高成長率、③セグメント利益率、④Building Automationの成長、⑤Process Automationの利益率回復、⑥年間約20億ドルのFCF達成、⑦Johnson Matthey事業の統合、⑧PSS売却、⑨HONA・SOLSを含めた旧HON株主の合計価値、を継続的に確認する必要があります。

よくある質問

現在のHONは以前のHoneywellと同じ会社ですか?

ティッカーHONは引き継いでいますが、2026年6月29日にHoneywell Aerospaceを分離したため、事業内容は大きく変わりました。現在のHoneywell Technologiesはビル、産業、プロセス分野の自動化を中心とする会社です。

旧HON株2株は分離後どうなりましたか?

原則として、新HON株1株とHoneywell Aerospace(HONA)株1株を保有する形になりました。HONには同時に1対2の株式併合が行われています。端株は現金で精算されます。[2]

新しいHONの配当はいくらですか?

2026年7月24日に発表された四半期配当は1株0.70ドルです。基準日は2026年8月14日、支払日は9月4日です。年率換算では2.80ドルです。[5]

HONの配当利回りは何%ですか?

2026年8月7日終値246.21ドルと年率配当2.80ドルを用いると、参考配当利回りは約1.14%です。

1.19ドルから0.70ドルへの減配ですか?

新HONだけを見ると配当額は小さくなりましたが、単純な減配率を計算するのは適切ではありません。旧HON株2株は分離後に新HON株1株とHONA株1株になり、新HONには1対2の株式併合も行われたためです。

新HONの配当は維持できそうですか?

2026年調整EPS見通し8.05~8.35ドルに対する予想配当性向は約33.5~34.8%です。また、FCF見通し約20億ドルに対する年間配当負担は概算約8.9億ドルで、FCF配当性向は約44%です。現時点では一定の余裕があります。

Q2のGAAP EPS16.65ドルでPERを計算してよいですか?

通常のバリュエーション分析には適しません。Quantinuumの非連結化に伴う一時利益が含まれているためです。継続的な収益力を見る場合は調整EPS1.95ドルや通期調整EPS見通し8.05~8.35ドルを用いる方が実態に近くなります。

HONは高配当株ですか?

2026年8月7日時点の参考配当利回りは約1.14%であり、高配当株とは言いにくい水準です。配当よりも、オーガニック成長、利益率、受注、FCF、自動化・ソフトウェア事業の成長を重視して評価する銘柄です。

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比較します。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

EPSと売上:予想と結果

※免責事項

本記事は公開情報を整理・分析したものであり、特定銘柄の売買を推奨または勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

数値は四捨五入や筆者計算により、会社開示値と若干異なる場合があります。

最終更新日:2026年8月8日

【注】(出典リンク)

  1. 2026年Q2決算・継続HON業績・受注・FCF・2026年通期見通し・発表時間 → 一次情報:Honeywell Technologies「Second Quarter 2026 Results」Honeywell Technologies「Q2 Results Schedule」(確認日:2026-08-08)
  2. Honeywell Aerospace分離完了・HONA株分配・HON株式併合・分離後の会社構成 → 一次情報:Honeywell Technologies「Completes Spin-Off of Honeywell Aerospace」Honeywell「Spin-Off and Reverse Stock Split」(確認日:2026-08-08)
  3. 2026年8月7日株価・目標株価・アナリスト評価 → 参考情報:MarketWatch「HON」Investing.com「HON Stock Forecast & Price Target」(確認日:2026-08-08)
  4. 2026年Q2市場予想 → 二次情報:StreetInsider「HON Q2 2026 Earnings」(確認日:2026-08-08)
  5. 分離後の四半期配当0.70ドル・基準日・支払日 → 一次情報:Honeywell Technologies「Quarterly Dividend, July 24, 2026」Honeywell Dividend History(確認日:2026-08-08)
  6. T+1移行後の権利落ち日の扱い → 一次情報:FINRA Rule 11140Investor.gov「Ex-Dividend Dates」(確認日:2026-08-08)
  7. 旧Honeywellの2025年業績・配当・キャッシュフロー・長期配当実績 → 一次情報:Honeywell 2025 Form 10-K(SEC)Honeywell Dividend History(確認日:2026-08-08)
  8. 2026年Q2バランスシート・負債・Quantinuum・キャッシュフロー → 一次情報:Honeywell Technologies 2026 Q2 Form 10-QHoneywell Technologies「Q2 2026 Results」(確認日:2026-08-08)
  9. Honeywell Technologiesの3か年財務目標・自動化から自律化への戦略 → 一次情報:Honeywell Technologies 2026 Investor DayHoneywell Technologies Investor Relations(確認日:2026-08-08)
  10. Johnson Matthey Catalyst Technologies買収・WWS売却完了・PSS売却 → 一次情報:Honeywell Technologies NewsWWS売却完了発表PSS売却発表(確認日:2026-08-08)
  11. Honeywell Aerospaceの2026年Q2初単独決算・通期見通し・株価反応 → 二次情報:Reuters「Honeywell Aerospace cuts 2026 forecast」The Wall Street Journal「Honeywell Aerospace Q2」(確認日:2026-08-08)

Posted by 南 一矢