INTC(インテル)今後の見通し
インテル(Intel Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(INTCとAMDを比較:インテルとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ)を参照
直近決算
INTC(インテル)は7月24日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.01$→結果-0.1$
・売上高:予想119.5億$→結果129億$(前年同期比+0%)
★ガイダンス
《四半期》
・売上高:予想126.2億$→結果126~136億$
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。
企業概要
インテル(Intel Corporation)は1968年に創業された、米国カリフォルニア州サンタクララ本社の大手半導体メーカーです。社名は「Integrated Electronics(集積エレクトロニクス)」に由来し、PC・サーバー向けCPUなどのプロセッサを中心に、データセンター、ネットワーク/エッジ、AIアクセラレータなど幅広い半導体製品・技術を提供しています。[1][2]
2024年度通期売上高は約531億ドル。2025年は事業開示を「Intel Products(製品)」と「Intel Foundry(受託製造)」の二本柱で示しつつ、構造改革と資本効率重視の方針を強めています。[3][14] CEOは2025年3月就任のリップ・ブー・タン(Lip-Bu Tan)氏です。[15]
米国内の製造強化では、CHIPS法に基づく直接補助最大78.6億ドル(商用製造・先端パッケージ)と、国防向け「Secure Enclave」プログラムで最大30億ドルの支援が合意・発表されています。一方、オハイオ州の新工場(Ohio One)は工程見直しにより稼働時期が2030年以降へ後ろ倒しとなっています。[4][5][13]
同社は生産受託ビジネス「Intel Foundry」を加速し、2030年までに世界第2位のファウンドリーを目標としています。顧客基盤拡大の一環として、マイクロソフトがインテルの先端プロセス「Intel 18A」を採用する計画も公表されています。[6][7]
製品面では、データセンター向けCPU「Xeon 6(Sierra Forest/Granite Rapids)」の投入、AI推論・学習向けアクセラレータ「Intel Gaudi 3」の提供拡大、ワークステーション/AI用途GPUの新製品などを展開しています。[8][9][10]
資産ポートフォリオの再編も進めており、2019年にスマホ向けモデム事業をアップルへ売却したほか、2025年にはFPGA事業「Altera」の51%をシルバーレイクに売却することで独立性を高め、インテルは49%を保有する形に移行します。自動運転子会社Mobileyeは2022年にIPOを実施し、上場子会社として運営されています。[11][12]
主な事業領域
★ Intel Products(製品):PC向け(Core/Core Ultraなど)、データセンター向け(Xeon 6)、ネットワーク/エッジ、AIアクセラレータ(Gaudi 3)など、同社の設計・製品群を総称。AI PCやサーバー更新需要の取り込みを狙います。[14]
★ Intel Foundry(受託製造):外部顧客向けの半導体製造・パッケージング・設計支援を提供。Intel 18Aなどの先端ノード、先進パッケージ技術を武器に、2030年の世界2位を目標。[6]
最近のトピック
- CHIPS法支援の確定/進捗:商用製造・先端パッケージ向け最大78.6億ドル(2024年11月公表)、国防向けSecure Enclaveで最大30億ドル(2024年9月)。[4][5]
- Ohio Oneの工程見直し:新工場の完成・稼働は2030〜2032年方向へ再計画。[13]
- 製品ロードマップ:Xeon 6(Sierra Forest/Granite Rapids)の投入、Gaudi 3の提供拡大、Arc Pro GPU新製品。[8][9][10]
- ガバナンス/経営体制:2024年末にPat Gelsinger氏が退任、2025年3月にLip-Bu Tan氏がCEO就任。[15]
- 資産再編:Alteraの過半売却で独立性を高め、インテルは持分法で関与。Mobileyeは上場子会社として運営。[12]
- 業績の足元:2025年Q2売上129億ドル、Q3ガイダンスは126〜136億ドル。[14]
ミニ解説(かんたんに言うと)
インテルは「自分でチップを設計して売る会社」と「他社の設計チップも作る工場(ファウンドリー)」の二刀流を目指しています。前者がProducts、後者がFoundry。米政府の補助金で国内工場を整備しつつ、AI向け計算用チップ(Xeon 6/Gaudi 3)と次世代製造技術(Intel 18Aなど)で巻き返しを狙う、というのが現在の大方針です。
【注】(出典リンク)
- 会社概要/本社(一次) → Intel Company Overview(確認日:2025-09-24) ↩
- 創業(1968年・Noyce/Moore)(一次) → Intel’s Founding(確認日:2025-09-24) ↩
- 2024通期売上$53.1B、区分(一次) → Form 10-K 2024(確認日:2025-09-24) ↩
- CHIPS法78.6億ドル(一次) → Intel Newsroom(Chips Act)/(二次)—(確認日:2025-09-24) ↩
- Secure Enclave最大30億ドル(一次) → DoD/Commerce声明 /(二次)Reuters(確認日:2025-09-24) ↩
- Foundry方針・2030年世界2位目標(一次) → Intel Foundry Updates(確認日:2025-09-24) ↩
- MicrosoftのIntel 18A採用計画(一次)— /(二次)Reuters(確認日:2025-09-24) ↩
- Xeon 6投入(一次) → Intel Data Center & AI Press Kit(確認日:2025-09-24) ↩
- Gaudi 3提供拡大(一次) → Intel Newsroom(Gaudi 3)(確認日:2025-09-24) ↩
- Arc Pro GPU新製品(一次) → Intel Newsroom(Arc Graphics)(確認日:2025-09-24) ↩
- スマホ向けモデム売却完了(一次) → Intel IR(確認日:2025-09-24) ↩
- Altera過半売却・Mobileye上場(一次) → Intel IR /(二次)Reuters(確認日:2025-09-24) ↩
- Ohio One遅延(一次)— /(二次)AP News(確認日:2025-09-24) ↩
- 2025年Q2実績・Q3ガイダンス(一次) → Intel IR(確認日:2025-09-24) ↩
- CEO交代:Lip-Bu Tan氏就任(一次) → Intel Newsroom /(二次)Reuters(確認日:2025-09-24) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】