ISRG(インテューイティブサージカル)今後の見通し

ヘルスケア,医療機器,株価•決算

インテュイティヴサージカル(Intuitive Surgical, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

直近決算

7月22日(米国時間)にインテュイティブ・サージカルは決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.93$→結果2.19$
・売上高:予想23.5億$→結果24.4億$(前年同期比+21%)
★出典:IRページ
https://isrg.intuitive.com/news-releases/news-release-details/intuitive-announces-second-quarter-earnings-5
★予想値は以下のページを参照しました。
https://www.streetinsider.com/ec_earnings.php?q=ISRG

企業概要

インテュイティヴ・サージカル(Intuitive / ティッカー: ISRG)は、外科手術支援ロボットの分野で世界をリードする企業です。

主力の da Vinci Surgical System は、従来の開腹手術に比べて「低侵襲(=体の負担が小さい)」かつ高精度な手術を実現します。患者の入院日数や合併症リスクの低減に寄与し、各科で導入が進んでいます。

同社はロボット本体だけでなく、手術器具・消耗品、デジタル(学習・解析)ツール、保守サービスまでを含むエコシステムを提供しています。

その事業は、以下の4つの主要領域で構成されています。

★ロボット支援手術システム

主力製品 da Vinci は、カメラ付きアームと複数の操作アーム(鉗子など)を備え、医師がコンソールから遠隔操作します。小さな切開で高精度の操作が可能です。マルチポートの「Xi / X」、単孔式の「SP」、そして最新世代の「da Vinci 5(2024年に米FDA承認、2025年7月にCEマーク取得)」を展開。肺生検向けの気管支鏡ロボット「Ion」も提供しています。

★外科用器具および消耗品

内視鏡、鉗子、持針器、エネルギーデバイス、ステープラーなど多数の専用器具・消耗品(EndoWrist/SureForm 等)を供給。ロボットの稼働に応じて需要が発生するため、安定的な収益源になっています。

★ソフトウェアおよびサービス

学習・運用データの可視化や在庫・稼働管理を行うポータル「My Intuitive」、術者のシミュレーショントレーニング「SimNow」、術中映像の記録・配信「Intuitive Hub」、遠隔立会い・遠隔メンタリングを支えるテレプレゼンス等を提供。保守サービスやリースも含め、病院の運用を包括的に支援します。

★研究開発と技術革新

AI・機械学習、視覚化技術(蛍光画像など)、ハプティクス/操作性の改良、遠隔支援(テレプレゼンス)など、次世代ロボティクスの研究開発を継続。最新機「da Vinci 5」では操作性・安全性・耐久性の面で多数の改良が加えられています。

社史:1995年に設立。1999年に初代 da Vinci を発表、2000年に米FDAの承認を取得して商用化しました。以後20年以上にわたりロボット支援手術を牽引しています。

グローバル導入状況:2025年6月末時点の da Vinci 稼働台数は10,488台、導入国は世界72カ国に拡大しています。手技数の伸びに伴い、器具・消耗品およびサービスの比率も高まっています。

研究開発投資:同社は成長の源泉をR&Dに置き、2024年の研究開発費は約11.5億ドル(売上約83.5億ドル約14%)でした。最新世代機やデジタルの磨き込みに継続投資しています。

買収・体制強化:2020年に手術映像管理の Orpheus Medical を買収し、デジタル/映像基盤を強化。中国では2019年に合弁を通じてディストリビューション資産(Chindexの一部)を取得し、体制を整備しました。

地域展開:日本では2020年に「da Vinci Endoscope Plus」の薬事承認、2022年に単孔式「da Vinci SP」の承認を取得し、適応・導入領域が広がりました。Ionも肺がん診断の効率化に寄与し、2025年は手技数が前年同期比で大幅に増加しています。

経営体制:2025年7月1日付で、長年CEOを務めたGary Guthart氏が取締役会エグゼクティブ・チェアに就き、PresidentのDave Rosa氏がCEOに昇格しました(継続性の高い承継)。

【出典】

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢