JNJ(ジョンソンエンドジョンソン)今後の見通し
ジョンソンエンドジョンソン(Johnson & Johnson)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(JNJとPFEを比較:ジョンソンエンドジョンソンとファイザー)を参照
直近決算
2025年1月22日(米国時間)にジョンソン&ジョンソンは決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想2.02$→結果2.04$
・売上高:予想224.6億$→結果225.2億$(前年同期比+5%)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:予想10.6$→結果10.5~10.7$
・売上高:予想910.5億$→結果892~900億$
★出典
・IRページ
★予想値は以下のページを参照しました。
・streetinsider
(以下、売上ガイダンス予想値のみヤフーファイナンス参照。1月22日時点)
企業概要
ジョンソンエンドジョンソン(Johnson & Johnson)はニュージャージー州に本社を置く総合ヘルスケア大手企業です。
一般消費者に馴染みのあるバンドエイドをはじめとする消費者向け製品だけでなく、医薬品および医療機器・診断部門も強みとし、売上高の約8割をこれら2部門が占めています。
JNJは世界首位級の医療機器メーカーであり、医薬品分野では世界5位規模を誇り、260以上の傘下企業を通じて世界60ヵ国以上で製品の開発・生産・販売を行っています。
JNJは1886年に、ロバート・ウッド・ジョンソン、ジェームズ・ルイス・ジョンソン、エドワード・マシューズ・ジョンソンの3兄弟によって設立されました。
当初は外傷用の包帯や消毒薬など医療用製品の製造・販売からスタートし、20世紀を通じて医薬品、医療機器・診断、消費者向けヘルスケアの3部門を確立しました。
近年は、2012年にSynthes(骨接合材)の買収、2017年にスイス製薬大手アクテリオンの買収、2019年以降に日本のドクターシーラボや手術用ロボットを扱うオーリス社の買収など、M&Aを通じた事業基盤の拡充とグローバル展開を進めています。
また、Google(またはAlphabetのVerily)との協業により、人工知能を活用した医療ロボット開発にも乗り出し、ISRGの「ダヴィンチ」システムに対抗する新技術の構築も試みています。
一方、オピオイドやベビーパウダーに関する訴訟リスクや、COVID-19への対応としてワクチン開発にも取り組むなど、事業環境の変化にも柔軟に対応しています。
JNJの3つの主要部門の事業展開を見てみます。
★医薬品部門(製品ライン)
免疫、腫瘍、神経、呼吸器、循環器、代謝疾患など幅広い治療領域に対応。具体例として、乾癬治療薬「ステラーラ」、関節リウマチ治療薬「レミケード」、腫瘍治療薬「イムブルビカ」「ダラザレックス」などが挙げられます。医薬品部門は、JNJ全体売上の約40%を占め、グローバル市場で高いシェアを持っています。
★医療機器・診断部門(製品ライン)
整形外科用機器、手術器具、視覚ケア製品などを提供。これらの製品は、世界中の医療現場で手術の精度向上や患者治療の効果改善に大きく貢献しており、この部門も全体売上の約40%を占めています。
★消費者向け部門(ブランドと製品)
絆創膏「バンドエイド」や口腔ケア製品「リステリン」、ベビーオイル、化粧品など、日常生活に根ざしたヘルスケア製品を展開。
これらのブランドは高い知名度と信頼性を有し、家庭で広く利用されています。
260以上の傘下企業と連携し、現地生産・販売ネットワークを通じて各地域のニーズに合わせた製品供給体制を整えている点も、JNJの強みの一つです。
JNJは研究開発(R&D)に注力し、分子標的治療、免疫療法、最新の医療機器技術を駆使して製品の品質と安全性を向上させています。
リスク要因としては、オピオイドやベビーパウダー関連の訴訟リスク、各国の規制対応、さらには市場の成熟化に伴う成長鈍化などが挙げられます。
ただ、安定した経営基盤と環境変化への対応力により、JNJはディフェンシブ企業として、医療・ヘルスケア市場の成長や新技術の普及において、世界的に重要な役割を果たし続けることが期待されています。
★出所
・JNJ公式HP
・JNJ Wikipediaページ
・Bloombergによる企業概要
・Reutersによる企業概要
【事業構成】
【地域別売上高】