KO(コカコーラ)今後の見通し

ダウ30銘柄,バフェット銘柄,必需品,株価•決算

コカコーラ(The Coca-Cola Company)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(KOとPEPを比較:コカコーラとペプシコ)を参照

直近決算

7月22日(米国時間)にKO(コカコーラ)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.83$→結果0.87$
・売上高:予想125.5億$→結果125億$(前年同期比+1%)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:+3%
・オーガニック売上高:+5~6%
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました

企業概要

コカ・コーラ(The Coca-Cola Company)は、世界200以上の国と地域で事業を展開し、圧倒的なブランド力と「コカ・コーラ システム」(本社+ボトリングパートナー)による強固な流通網を武器に、飲料業界のリーダーとして地位を確立しています。直近の会社公表値では、200社超のボトリングパートナーと約950の生産拠点を通じて製品を提供しています[1]

赤と白の象徴的なロゴ、ポーラーベアやサンタクロースの広告など、記憶に残るマーケティングで世代を超えて支持を獲得してきました。製品は炭酸飲料だけでなく、水、スポーツ・機能性飲料、コーヒー、紅茶、エナジーまで幅広くカバーします(地域により取り扱いは異なります)。

主な製品カテゴリーは以下の通りです。

★炭酸飲料: コカ・コーラ、ファンタ、スプライト

★ジュース・果汁飲料: ミニッツメイド

★スポーツドリンク・機能性飲料: アクエリアス、Powerade(いずれも同社ブランド)[2]

★ミネラルウォーター: ダサニ(Dasani)、ボナクア(Bonaqua)[3]

★コーヒー・紅茶: ジョージアコーヒー、Costa Coffee(2019年に買収完了)[4]

★エナジードリンク: Monster Beverageと戦略提携(出資で開始、現在も持分を保有)[5]

コカ・コーラの起源は1886年、米国の薬剤師ジョン・S・ペンバートンによる開発にさかのぼります。1892年に法人化され、現在は多様なブランドを束ねるグローバル飲料企業へと発展しました[6]

以下、ビジネスモデルと戦略の要点です。

★ボトリングシステム

本社(The Coca-Cola Company)は濃縮原液の供給、ブランド・製品戦略・マーケティングを担い、各国・各地域のボトラー企業が製造・充填・流通・販売を担当するパートナー型モデル。市場特性に応じた供給を実現します[1]

★経営戦略

健康志向への対応:ゼロシュガー(コカ・コーラ ゼロシュガー/ダイエットコーク)や機能性飲料を拡充し、砂糖摂取を気にする消費者への選択肢を強化。

水カテゴリーの強化:Dasani、Bonaqua、smartwater など複数の水ブランドを地域特性に合わせて展開[2]

デジタル&eコマース:小売各社との連携やデータ活用で販促を高度化(地域により施策は異なる)。

★製品ポートフォリオの多様化

Monster Beverageとの提携(エナジー領域での協業)[5]

Costa Coffeeの買収によりコーヒープラットフォームを獲得(2019年完了)。
※2025年にはコスタの売却検討報道があり、戦略オプションを精査中(未確定)[7]

スポーツドリンク「BODYARMOR」は2021年に完全子会社化し、米国市場でのポートフォリオを拡張[8]

★ESG・パッケージ戦略

「World Without Waste」に基づき、2035年までに一次包装の再生材比率35~40%、ボトル・缶の回収率70~75%などの中期目標を公表。地域事情に応じてリサイクルや回収インフラ整備を推進[9]

★株主還元

2025年2月に63年連続の増配を発表。長期にわたる配当成長実績で知られます[10]

今後の課題としては、健康志向の高まりによる砂糖飲料離れ、競争激化、原材料・物流コストの上昇、パッケージの環境対応強化などが挙げられます。一方で、ゼロシュガーや水・機能性飲料・コーヒーなどの低糖・無糖・付加価値領域の伸長、eコマースやデータ活用による販促精度の向上が中長期の機会です。

注・出典

  1. 会社概要・コカ・コーラ システム・拠点数:The Coca-Cola System(公式)Corporate site 
  2. ブランド一覧・カテゴリー(Aquarius/Powerade等):Brands(公式) 
  3. 水ブランド(Dasani/Bonaqua):Dasani(公式)Bonaqua(CCH) 
  4. Costa Coffee買収完了(2019/1/3):公式リリース 
  5. Monsterとの戦略提携・出資:提携発表クローズ時の持分比率 
  6. 沿革・創業:History(公式) 
  7. Costaの戦略オプション検討報道:Reuters(2025/08/23) 
  8. BODYARMOR完全子会社化(2021/11/1):公式リリース 
  9. サステナビリティ目標(World Without Waste、中期KPI):Sustainability(公式) 
  10. 配当(63年連続増配、2025年2月):公式メディアセンター 

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

EPSと売上:予想:結果

【出典】

Posted by 南 一矢