LLY(イーライリリー)今後の見通し
イーライリリー・アンド・カンパニー(Eli Lilly and Company)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については以下を参照
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直近決算
イーライリリーは2月6日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想5.3$→結果5.32$
・売上高:予想137.8億$→結果135.3億$(前年同期比+45%)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:予想22.69$→結果22.5~24$
・売上高:予想589.1億$→結果580~610億$
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。
企業概要
イーライリリー・アンド・カンパニー(Eli Lilly and Company)は革新的な医薬品の開発・製造を手がけるグローバル製薬企業です。
1876年に設立され、創業者エリ・リリーが掲げた「人々の健康と生活の質を向上させる」という理念のもと、糖尿病、がん、自己免疫疾患、中枢神経系疾患など、幅広い分野で成果を上げてきました。
医薬品の研究開発、製造、販売の全工程(基礎研究から臨床試験、製品化まで)を自社で一貫させています。
インディアナ州に本社を置き、アメリカ、英国、日本、中国など世界各地に研究開発拠点を設置しています。
主な医薬品は以下の通り。
- プロザック(Fluoxetine):うつ病、不安障害、パニック障害、強迫性障害などの治療に用いられる
- ジプレキサ(Zyprexa/Olanzapine):統合失調症や双極性障害の治療に使われる抗精神病薬
- ヒューマリン(Humulin):糖尿病患者の血糖値を下げるために使用される
- ヒューマログ(Humalog/インスリン リスプロ):速効性インスリン製剤。食後の急激な血糖上昇を抑える
- バサグラー(Basaglar/インスリン グラルギン):長時間作用型インスリン製剤。1日を通して安定した血糖値の維持をサポート
- トルシティ(Trulicity/デュラグルチド):2型糖尿病治療薬として注射される
- エムガラティ(Emgality/ガルカネズマブ):片頭痛の予防および治療に用いられる
- ヴァーゼニオ(Verzenio/アベマシクリブ):進行性または転移性乳がんの治療に使用される抗がん剤
- オルミアン(Olumiant/バリシチニブ):関節リウマチなどの自己免疫性炎症性疾患の治療に用いられる
- フォルティオ(Forteo/テリパラチド):骨粗鬆症の治療薬。骨の形成を促進し、骨密度を高める
LLYは北米、欧州、アジア、中南米、アフリカなど、世界各地域で事業を展開し、各地域の医療制度や規制に応じたローカライズ戦略を採用し、現地のパートナー企業との協力を通じて市場シェアを拡大しています。
先進国においては、最先端医薬品の需要が高く、一方、新興国では基礎医療の充実が急務なので、それぞれに合わせた製品の供給に努めているわけです。
ブロックバスター医薬品の売上増加や次世代製品のパイプラインが充実していることが強みですが、医薬品の承認プロセスに関する規制リスクや、新薬開発の不確実性、主要製品の特許切れ、激化する国内外の市場競争などの課題にも直面しています。
【出典】
【事業構成】
【医薬品売上比】