MSFT(マイクロソフト) 今後の見通し

AI(人工知能),SaaS(クラウド+サブスク),ダウ30銘柄,情報技術

マイクロソフト(MSFT:Microsoft Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


銘柄比較については関連記事(【AAPL/MSFT】アップルとマイクロソフトを比較する)を参照

直近決算

MSFT(マイクロソフト)は1月30日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績《四半期》
・EPS:予想3.13$→結果3.23$
・売上高:予想689.2億$→結果696.3億$(前年同期比+12%)
★ガイダンス《四半期》
・売上高:予想697.9億$→結果677~687億$
★出所
IRプレスリリース
ガイダンス
・予想値はstreetinsiderとヤフーファイナンスを参照しました。

企業概要

マイクロソフトは、アメリカ・ワシントン州レドモンドに本社を置く、世界有数のテクノロジー企業です。

かつてはWindowsやOfficeなどのパーソナルコンピュータ向けソフトウェアで世界市場を席巻していましたが、近年はAzureを中心としたクラウド事業、SurfaceやXboxなどのハードウェア、さらにはMicrosoft 365、Dynamics 365、LinkedInといったビジネス向けサービスなど、幅広い製品・サービスを展開しています。

従来の「Windows一本槍」から、クラウド、AI、IoT、量子コンピューティングといった次世代技術への投資を加速。

事業全体を「モアパーソナルコンピューティング」「プロダクティビティ&ビジネスプロセス」「インテリジェント クラウド」の3部門に分け、ソフトウェア、ハードウェア、クラウド、エンタープライズ向けソリューションを統合したエコシステムを構築しています。

事業は、大きく3つの主要部門に分かれています。

★モアパーソナルコンピューティング部門

Windows: 世界中のPCに搭載されるオペレーティングシステム。定期的なアップデートにより、ユーザーエクスペリエンスとセキュリティが強化され続けています。

Surface: タブレットや2-in-1デバイスとして、デザイン性とパフォーマンスを両立。ハードウェア革新とWindowsとの親和性が評価されています。

Xbox: 家庭用ゲームコンソール市場で高いシェアを持ち、エンターテイメント分野においても重要な柱となっています。

これらの製品は、個人向け市場におけるブランド力を支えています。

★プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門

Microsoft 365: Word、Excel、PowerPointなどのオフィスアプリケーションをはじめ、サブスクリプションモデルにより、継続的な収益を確保。世界中のビジネスプロセスの標準ツールとしての地位を確立しています。

Dynamics 365: 企業向けのERP/CRMソリューションを提供し、業務効率化とデジタルトランスフォーメーションを推進しています。

LinkedIn: 世界最大のビジネス特化型SNSとして、プロフェッショナルネットワークの構築や人材採用、求人情報提供を行い、企業の人材戦略を支援しています。

これらのサービスは、ビジネス向けエコシステムを構成し、企業の生産性向上と業務効率化に寄与するとともに、クラウドやAIとの連携により新たな価値を創出しています。

★インテリジェント クラウド部門

Azure: Microsoftのクラウドプラットフォームは、コンピューティング、ストレージ、ネットワーキング、AI、IoT、機械学習など多様なサービスを統合。世界中の企業がAzureを利用して柔軟かつスケーラブルなIT基盤を構築し、デジタルトランスフォーメーションを推進しています。

SQL Server: 企業向けの高信頼性データベース管理システムとして、膨大なデータを効率的に管理するための重要なツールとなっています。

これらの部門で、AIや機械学習、ビッグデータ解析、IoT、量子コンピューティングなど次世代技術の研究開発に積極的に取り組み、革新的なサービスの提供を続けています。

Azureは最新技術を統合することで、クラウド市場での優位性を確保しています。

また、Microsoft 365やDynamics 365のサービスはサブスクリプションモデルで提供され、安定した収益基盤を形成しています。

社史をさかのぼると、1975年、ビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏がAltair 8800用のBASIC言語を開発したことから始まり、パーソナルコンピュータの普及とともに急速に成長しました。1980年代にはMS-DOSとWindowsの登場により、世界中のPCに採用されるオペレーティングシステムとしての地位を確立。特に、Windows 95のリリースはPC時代の転換点となり、ブランド力を大きく押し上げました。

その後、Office製品群やInternet Explorer、サーバー向け製品を展開し、グローバル市場での存在感を拡大。

近年では、クラウドコンピューティング市場へのシフトに成功し、Azureをはじめとするクラウドサービスが急成長。AI、IoT、量子コンピューティングなどの先端技術の研究開発も加速され、技術革新の最前線で活動しています。また、SurfaceやXboxなどのハードウェア、LinkedInの買収といったM&A戦略を通じ、総合的なテクノロジー企業へと変革を遂げました。

現在、グローバルな販売ネットワークやデータセンターを通じて世界各国で事業を展開し、地域ごとに最適な戦略を実施。

経営戦略としては、従来のソフトウェア事業を維持しつつ、成長分野に積極的に投資し、収益多角化と市場シェア拡大を狙っています。

定期的な配当や自社株買いなど、投資家還元にも注力しています。

【出典】

Posted by 南 一矢