NEM•GOLD•AEM•AU•FNV•GFI•HMYを比較(金鉱株株価チャート一覧)
【GLD・金鉱株7社】金価格上昇局面での業績とAISCを比較|2026年10月更新
米国市場で取引される金ETF(現物連動)と、金鉱株および金ロイヤルティ企業7社について、2025年通期実績を基準に、2026年Q2・上期決算と最新ガイダンスを反映しました。ハーモニー(HMY)の会計年度は6月末決算のため、2026年6月期通期実績と2027年度ガイダンスを掲載しています。
金現物価格は2026年10月8日に一時的な下落から反発し、Reutersが報じた同日のスポット価格は1オンス約4,126.78ドルでした。金高は各社の利益・キャッシュフローを押し上げる一方、人件費、燃料、金価格連動ロイヤルティ、為替などは生産コストを上昇させます。[1]
確認日:2026-10-09。金価格は2026年10月8日時点。Q3決算など未公表の業績値は推計で補っていません。金の数量単位はMoz=100万トロイオンス、koz=1,000トロイオンス、GEO=金換算オンスです。AISCは各社の定義に基づく非GAAP/代替的業績指標で、集計対象や副産物控除が異なるため完全には横並び比較できません。
- 1. 【GLD】SPDRゴールド・シェアETF
- 2. 金鉱株大手7社【2026年10月時点】概要
- 2.1. NEM:ニューモント(Newmont Corporation)
- 2.2. B:バリック・マイニング(Barrick Mining Corporation、旧Barrick Gold)
- 2.3. AEM:アグニコ・イーグル・マインズ(Agnico Eagle Mines Limited)
- 2.4. AU:アングロゴールド・アシャンティ(AngloGold Ashanti plc)
- 2.5. FNV:フランコ・ネバダ(Franco-Nevada Corporation)
- 2.6. GFI:ゴールド・フィールズ(Gold Fields Limited)
- 2.7. HMY:ハーモニー・ゴールド(Harmony Gold Mining Company Limited)
- 2.8. 直近の開示データを比較
- 2.9. 【注】(出典リンク)
- 3. GLDとNEM・GOLD・AEMを比較
- 4. AU・FNV・GFI・HMYを比較
【GLD】SPDRゴールド・シェアETF
- 金地金(現物)を裏付け資産として、LBMA Gold Price PM(ロンドン金価格)を基準とする金価格への連動を目指す信託型ETFです。鉱山企業の株式ではありません。[2]
- スポンサー手数料は年0.40%。費用支払いのために保有金地金の一部を売却するため、長期間では金価格そのものより成績が少し劣後し得ます。[2]
- 保管する金は個別に割り当てられたロンドン・グッド・デリバリー規格の金地金(Allocated gold bullion)です。2026年6月30日開示時点で100%が割当保管とされています。[2]
- 2026年6月30日の保有金:約3,231万トロイオンス(32.314Moz)。2025年9月30日時点の32.528Mozから微減しました。2026年6月末の純資産は約1,300.53億ドル。金保有量は日々の設定・解約で変動します。[2]
金鉱株大手7社【2026年10月時点】概要
NEM:ニューモント(Newmont Corporation)
世界最大級の産金会社。2025年通期の帰属金生産量は約5.9Moz、副産物控除後の金AISCは1,358ドル/ozでした。[3] 2026年Q2(6月末期、7月23日発表)は帰属金生産量が約1.3Moz、金AISCは1,621ドル/oz。Q2のフリーキャッシュフロー(FCF)は約22億ドルでした。[4]
B:バリック・マイニング(Barrick Mining Corporation、旧Barrick Gold)
金と銅の両輪で事業を展開。NYSEティッカーは「GOLD」から「B」に2025年5月9日変更されています。旧記事の「GOLD」は現行の銘柄記号ではありません。[6] 2025年通期の帰属金生産量は3.26Moz、金AISCは1,637ドル/ozでした。[7]
2026年Q2(8月10日公表)の帰属金生産量は796,000oz、金AISCは1,866ドル/oz。同期の売上高は約52.92億ドル、営業キャッシュフローは約17億ドルでした。[8]
AEM:アグニコ・イーグル・マインズ(Agnico Eagle Mines Limited)
カナダを中核とする大手産金会社。2025年通期の金生産量は3,447,367oz(約3.45Moz)、AISCは1,339ドル/ozでした。[9] 2026年Q2(7月29日公表)は金生産855,816oz、AISC1,459ドル/oz。同四半期のFCFは過去最高の13.35億ドルを計上しました。[10]
AU:アングロゴールド・アシャンティ(AngloGold Ashanti plc)
アフリカ、豪州、米州に操業拠点を持つ多国籍産金会社。2025年通期は金生産約3.09Moz、AISC約1,709ドル/ozでした。[12] 2026年Q2(7月31日公表)はグループ金生産744,000oz、AISC2,039ドル/ozで、前年同期の804,000oz、1,666ドル/ozから生産量が減り、単位コストが増加しました。[13]
FNV:フランコ・ネバダ(Franco-Nevada Corporation)
自社で鉱山を直接操業するのではなく、鉱山運営会社からのロイヤルティやストリーミング契約を通じて収益を得る企業です。2025年通期の販売量は519,106 GEOsでした。なお、2026年からはガイダンスに対するGEO換算比率を固定化しており、2025年と2026年の販売量の単純比較には注意が必要です。[14]
2026年Q2(8月11日公表)の販売量は132,405 GEOs、売上高は5.809億ドル、営業キャッシュフローは4.825億ドル。2026年上期では268,758 GEOsを販売しました。[15]
GFI:ゴールド・フィールズ(Gold Fields Limited)
南アフリカを本拠とし、豪州、アフリカ、中南米などで操業。2025年通期の帰属金換算生産量は約2.44Moz、AISCは1,645ドル/ozでした。[17] 2026年上期(6月末期、8月25日公表)の帰属金換算生産量は1.267Moz(前年同期比12%増)、AISCは1,893ドル/ozでした。[18]
HMY:ハーモニー・ゴールド(Harmony Gold Mining Company Limited)
南アフリカを中心に展開する産金会社で、近年は銅事業も拡大しています。会計年度は6月末終了です。2026年6月期通期(2026年8月27日公表)の金生産は1,429,551oz(約1.43Moz)、AISCは119万1,698ランド/kg(約2,195ドル/oz)。調整後FCFは171.48億ランド(約10.15億米ドル)でした。[19]
直近の開示データを比較
| 銘柄 | 対象決算 | 生産量・販売量 | AISC | 2026年/FY27の見通し |
|---|---|---|---|---|
| NEM | 2026年Q2 | 金 約1.3Moz | $1,621/oz | 2026年:5.26Moz、$1,680/oz |
| B(旧GOLD) | 2026年Q2 | 金 0.796Moz | $1,866/oz | 2026年:2.90~3.25Moz、$1,760~1,950/oz |
| AEM | 2026年Q2 | 金 0.856Moz | $1,459/oz | 2026年:3.3~3.5Moz、$1,400~1,550/oz |
| AU | 2026年Q2 | 金 0.744Moz | $2,039/oz | 2026年:2.80~3.17Moz、$1,780~1,990/oz |
| FNV | 2026年Q2 | 132,405 GEOs販売 | 採掘会社ではないため対象外 | 2026年:510,000~570,000 GEOs |
| GFI | 2026年上期 | 金換算 1.267Moz | $1,893/oz | 2026年:2.4~2.6Moz、$1,800~2,000/oz |
| HMY | 2026年6月期通期 | 金 1.430Moz | R1,191,698/kg($2,195/oz) | FY27:1.30~1.40Moz、R1,300,000~1,395,000/kg |
注:各社の公表単位に合わせて端数を丸めています。期間が統一されていないため、生産量の大小を企業の年間生産能力の順位と読み替えないでください。AISCは非GAAP/代替的な指標で計算方法に差があります。出典は各社の項目に記載した注を参照。
本記事は公開情報に基づく情報提供であり、特定の有価証券への投資を推奨するものではありません。最終更新:2026年10月9日。
【注】(出典リンク)
- 2026年10月8日の金市況 → Reuters「Gold ticks up as investors weigh Fed path, mounting debt concerns」(確認日:2026-10-09) ↩
- GLDの金地金・純資産・経費率(2026年6月末10-Q) → SEC「SPDR Gold Trust 2026年6月期 Form 10-Q」 → State Street「GLD 商品概要」(確認日:2026-10-09) ↩
- ニューモントの2025年通期生産・AISC → Newmont IR「2025年通期決算と2026年ガイダンス」(確認日:2026-10-09) ↩
- ニューモントの2026年Q2決算・見通し → Newmont IR「2026年Q2決算(7月23日)」(確認日:2026-10-09) ↩
- ニューモントの2025年末金埋蔵量 → Newmont IR「2025年末鉱量開示」(確認日:2026-10-09) ↩
- バリックの社名・NYSEティッカー変更 → Barrick IR「Barrick Is Now B on the NYSE(2025年5月9日)」(確認日:2026-10-09) ↩
- バリックの2025年通期決算 → Barrick IR「2025年Q4・通期結果」(確認日:2026-10-09) ↩
- バリックの2026年Q2決算・北米IPO・通期見通し → Barrick IR「2026年Q2決算(8月10日)」(確認日:2026-10-09) ↩
- アグニコの2025年通期決算 → Agnico Eagle IR「2025年Q4・通期決算(2月12日)」(確認日:2026-10-09) ↩
- アグニコの2026年Q2決算・Malarticの見通し → Agnico Eagle IR「2026年Q2決算(7月29日)」(確認日:2026-10-09) ↩
- アグニコの2026年Q3決算予定 → Agnico Eagle IR「Q3決算日のお知らせ(9月28日)」(確認日:2026-10-09) ↩
- アングロゴールドの2025年開示と2026年当初見通し → AngloGold Ashanti「2025年 Annual Reports」 → AngloGold Ashanti「2026年生産・AISC計画」(確認日:2026-10-09) ↩
- アングロゴールドの2026年Q2決算・ガイダンス据置き → SEC「AngloGold Ashanti 2026年6月期 Form 6-K」 → AngloGold Ashanti 決算資料掲載ページ(確認日:2026-10-09) ↩
- フランコ・ネバダの2025年実績・GEO算定方法 → SEC「Franco-Nevada 2025年MD&A」(確認日:2026-10-09) ↩
- フランコ・ネバダの2026年Q2決算・ガイダンス → SEC「Franco-Nevada 2026年Q2 News Release」 → SEC「2026年Q2 MD&A」(確認日:2026-10-09) ↩
- フランコ・ネバダのBullabulling取引(9月) → SEC「Franco-Nevada 2026年9月14日開示」(確認日:2026-10-09) ↩
- ゴールド・フィールズの2025年決算・AISC → SEC「Gold Fields 2025年度開示」(確認日:2026-10-09) ↩
- ゴールド・フィールズの2026年上期決算・ガイダンス → Gold Fields IR「2026年H1決算・CEO説明」 → SEC「2026年H1決算」(確認日:2026-10-09) ↩
- ハーモニーの2026年6月期決算・2027年度見通し → Harmony IR「FY26 Results(8月27日)」 → SEC「Harmony 2026年6月期決算概要」(確認日:2026-10-09) ↩
- ハーモニーの転換社債条件 → Harmony IR「5億ドル転換社債の条件(9月22日)」(確認日:2026-10-09) ↩
GLDとNEM・GOLD・AEMを比較
※左目盛り:株価推移(最大20分ディレイ)
※右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル
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※右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル


ミニ解説:現物ETFと金鉱株の役割分担
GLDは金価格への直接的な投資手段で、採掘現場の事故や個別企業の設備投資失敗の影響を受けません。ただし金自体に利息・配当はなく、金価格・ドル相場が下落すればETF価格も下落します。「守り」といっても元本保証を意味しません。
一方、金鉱株は金相場と企業業績の双方に左右されます。生産量、実現売価、AISC、設備投資、税負担、操業地域によって利益率の変化が大きくなり、株価の値動きは金そのものより大きくなり得ます。Franco-Nevada(FNV)は自社操業を行わないため、通常の産金企業とは収益構造が異なります。
2026年は金高によるキャッシュ創出と同時に、金価格連動ロイヤルティや労務・燃料費上昇がAISCを押し上げています。比較時には①通期と四半期を混同しない、②帰属金生産量と金換算生産量を区別する、③FCFの定義と設備投資の性質を確認することが重要です。