ORCL(オラクル)今後の見通し

情報技術

オラクル(Oracle Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

直近決算

3月11日(米国時間)にORCLは決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.49$→結果1.47$
・売上高:予想143.9億$→結果141.3億$(前年同期比+6%)
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました

企業概要

オラクル(Oracle Corporation)は企業向けソフトウェアとクラウドサービスを提供する多国籍企業です(本社はカリフォルニア州レッドウッドシティ)

データベース管理システム(DBMS)、エンタープライズアプリケーション、クラウドインフラ、AIなど先端技術を活用したソリューションを提供し、世界中の企業や政府機関のIT基盤を支えています。

Oracle Databaseは、長年にわたり主要なRDBMSの一つとして、オンプレミスとクラウドの両面で企業のIT基盤の中核を担っています。

近年はAIを活用した自己管理型データベース(Oracle Autonomous Databaseなど)により運用コストの削減とセキュリティの向上を実現。

これにより、企業は効率的なデータ管理と迅速な意思決定が可能となりました

事業内容と製品群は以下の通りです

★データベースおよびミドルウェア

Oracle Database: 主要なRDBMSの一つ。高い信頼性、拡張性、セキュリティを兼ね備え、OLTP、データウェアハウス、ビッグデータ解析など、幅広い用途に対応。

Oracle Fusion Middleware: アプリケーション統合、データ管理、業務プロセスの自動化を支援するソフトウェア群。企業のデジタルトランスフォーメーションを促進。

★エンタープライズアプリケーション

ERP・CRMソリューション: Oracle E-Business Suite、Oracle Cloud ERP、Oracle CX Cloudなど、企業の基幹業務と顧客関係管理を支援する製品群を提供し、業務効率の向上とコスト削減を実現。

意思決定支援ツール: ビジネスインテリジェンスやデータ解析ツールにより、企業の経営判断を支援するソリューションを展開。

★クラウドサービスと運用管理

Oracle Cloud Infrastructure (OCI): 高性能なコンピューティング、ストレージ、データ解析、AIなど多岐にわたるクラウドサービスを提供するプラットフォーム。柔軟かつ拡張性の高いIT基盤を構築することを助ける。

クラウドアプリケーション: Oracle Cloud Applicationsは、ERP、HCM、CXなど、企業の業務プロセス全体のデジタル化を支援するサービス。

運用管理およびコンサルティング: ソフトウェアだけでなく、運用管理サービスやコンサルティングも提供し、企業のIT環境の最適化をサポート。

★ハードウェアおよびエンジニアリングシステム

Oracle Exadata: 高性能なデータベース専用ハードウェアシステム。ミッションクリティカルなデータベース運用を支えるための高い処理能力と信頼性を提供。

社史をさかのぼると、オラクルは1977年に創業者ラリー・エリソン、ボブ・マイナー、エド・オーツによって設立されました。

当初は関係データベース管理システム(RDBMS)の開発に注力し、1979年にOracle V2をリリースしました。

これは、企業向けデータ管理技術の礎となりました。

1980~90年代に、Oracle Databaseは多くの大企業や政府機関に採用され、RDBMS市場において高いシェアを獲得しました。

2007年以降の組織再編により、従来のオンプレミス製品に加えてクラウドサービスへのシフトが進みました。

2010年にはサンマイクロシステムズ買収によりサーバーなどハードウェア部門にも進出し、Javaの権利も取得しました。

近年、OracleはSaaSやAI分野への投資も強化し、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)や自律運用型データベース(Oracle Autonomous Database)など革新的な製品を提供しています。

一方で、NoSQL市場ではMongoDBなどの競合も台頭しており、今後の市場環境には注意が必要です。

【出典】

【事業構成】

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【地域別売上高】

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Posted by 南 一矢