RTX(レイセオンテクノロジーズ) 配当推移・株主還元・成長性を分析:LMTとの違いは?

資本財,軍事株,配当





【2026年7月版】RTX徹底分析:Q2は売上14%増、受注残高2,890億ドル―防衛・航空宇宙と配当を検証

【2026年7月版】RTX徹底分析:Q2は売上14%増、受注残高2,890億ドル―防衛・航空宇宙と配当を検証

はじめに
RTX Corporation(旧Raytheon Technologies)は、2020年4月にUnited TechnologiesとRaytheon Companyが統合して誕生した、世界最大級の航空宇宙・防衛企業です。[1]

事業は、航空機の構造・電子・内装システムを手掛ける「Collins Aerospace」、航空機エンジンを手掛ける「Pratt & Whitney」、ミサイル防衛・レーダー・精密兵器などを手掛ける「Raytheon」の3部門で構成されています。

本記事では、地政学的緊張と防衛予算拡大を追い風とする防衛事業、航空旅客需要と整備需要の拡大による商業航空宇宙事業、Pratt & WhitneyのGTFエンジン問題、配当とフリーキャッシュフローの持続可能性を分析します。

年次データは2025年通期まで、四半期データは2026年Q2(2026年6月30日終了四半期)まで、株価は2026年7月24日の終値まで反映しています。[2][3]

最重要ポイント:RTXは「防衛」と「商業航空宇宙」を併せ持つ

  1. Collins Aerospace:航空機のアビオニクス、機体システム、内装、着陸装置、電源・制御システムなどを供給します。新造機向けだけでなく、保守、修理、交換部品、アップグレードから継続収益を得ます。
  2. Pratt & Whitney:民間航空機・軍用機向けエンジンを供給します。新造エンジンは採算が低い場合もありますが、その後の長期的な整備・部品収入が大きな収益源になります。
  3. Raytheon:Patriot、GEM-T、Standard Missile、AMRAAMなど、ミサイル防衛、レーダー、センサー、精密兵器を供給します。政府予算に依存する一方、長期契約と受注残高により収益の予見性が比較的高い事業です。

2026年Q2は、3部門すべてで売上高と調整後営業利益が増加しました。連結売上高は247.08億ドル、調整後EPSは1.89ドル、フリーキャッシュフローは28.78億ドルでした。受注残高は2,890億ドルへ拡大しています。[4]

【免責事項および出典について】

  • 財務データは主にRTXのForm 10-K、Form 10-Q、決算発表、IR資料に基づいています。
  • 調整後売上高、オーガニック売上高、調整後営業利益、調整後EPS、フリーキャッシュフローはNon-GAAP指標です。
  • 2020年4月の大型合併と事業売却の影響があるため、合併前後および年度間の単純比較には注意が必要です。
  • 記事内の配当性向、FCF配当カバー率、純負債、利益率、予想PERなどには、会社開示値をもとに筆者が算出した概算を含みます。
  • 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。

【2026年7月更新】
2026年Q2決算、2026年上半期実績、6月26日に宣言された四半期配当0.73ドル、2026年通期ガイダンスの上方修正、Blue Canyon Technologies事業の売却契約、2026年7月24日の株価を反映しました。

  • 2026年Q2売上高:247.08億ドル、前年同期比14%増、オーガニックでは16%増。
  • 2026年Q2調整後EPS:1.89ドル、前年同期比21%増。
  • 2026年Q2 FCF:28.78億ドル。
  • 2026年Q2末受注残高:2,890億ドル。
  • 2026年通期調整後EPS見通し:7.10~7.25ドル。
  • 2026年通期FCF見通し:85.0~87.5億ドル。

1.株主還元:増配を継続しつつ、配当性向は40%前後

RTXは、前身企業からの歴史を含めて1936年以来、毎年普通株式への現金配当を支払ってきたと説明しています。2026年4月には四半期配当を0.68ドルから0.73ドルへ7.4%引き上げました。[5]

1.1.最新配当と配当利回り

直近宣言配当
$0.73
現行年率配当
$2.92
2026年7月24日終値
$212.79
予想配当利回り
約1.37%
宣言日 1株配当 権利落ち日 基準日 支払日
2026年6月26日 0.73ドル 2026年8月14日 2026年8月14日 2026年9月3日
2026年4月30日 0.73ドル 2026年5月22日 2026年5月22日 2026年6月11日
2026年2月6日 0.68ドル 2026年2月20日 2026年2月20日 2026年3月19日
2025年10月30日 0.68ドル 2025年11月21日 2025年11月21日 2025年12月11日

配当履歴はRTX IRの2026年7月26日時点の掲載内容に基づきます。[5]

2026年7月24日の終値212.79ドルに対し、四半期配当0.73ドルを4倍した現行年率配当2.92ドルを用いると、予想配当利回りは約1.37%です。株価上昇により、利回りだけで見れば高配当銘柄とは言いにくい水準になっています。[6]

1.2.年間配当と配当性向

会計年度 年間配当
1株当たり
配当成長率 調整後EPS 調整後EPS比
配当性向
2020 1.425ドル 合併後3回分 2.73ドル 約52%
2021 2.005ドル 単純比較不向き 4.27ドル 約47%
2022 2.16ドル +7.7% 4.78ドル 約45%
2023 2.32ドル +7.4% 5.06ドル 約46%
2024 2.48ドル +6.9% 5.73ドル 約43%
2025 2.67ドル +7.7% 6.29ドル 約42%
2026E 2.87ドル
Q4も0.73ドルと仮定
約+7.5% 7.10~7.25ドル 約39.6~40.4%

2026Eの年間配当2.87ドルは、宣言済みの0.68ドル、0.73ドル、0.73ドルに、未宣言のQ4配当として0.73ドルを仮定した概算です。現行年率配当は2.92ドルです。

現行年率と年間配当予想は異なる

2026年7月時点の現行年率配当は2.92ドルですが、2026年最初の支払配当は0.68ドルでした。そのため、Q4も0.73ドルと仮定した2026年の年間合計は2.87ドルになります。

将来の配当は取締役会の承認が必要であり、2.87ドルや2.92ドルが確定しているわけではありません。

1.3.フリーキャッシュフローで見る配当の安全性

期間 営業CF
百万ドル
FCF
百万ドル
配当支払額
百万ドル
FCF配当
カバー率
2020 3,606 2,525 約2,200 約1.1倍
2021 7,071 5,014 約3,071 約1.6倍
2022 7,168 4,874 約3,275 約1.5倍
2023 7,883 5,496 3,239 約1.7倍
2024 7,159 4,534 3,217 約1.4倍
2025 10,567 7,940 3,574 約2.2倍
2026年Q2 3,547 2,878 983 約2.9倍
2026年上半期 5,402 4,187 1,898 約2.2倍

FCFは営業CFから設備投資を差し引いた会社定義のNon-GAAP指標です。2026年Q2の設備投資は6.69億ドル、上半期は12.15億ドルでした。[2][4]

  • 2025年の配当余力は大幅改善:FCFは79.40億ドルで、配当支払額35.74億ドルの約2.2倍でした。
  • 2026年Q2のFCFは28.78億ドル:前年同期のマイナス0.72億ドルから大きく改善しました。
  • 2026年上半期のFCFは41.87億ドル:配当支払額18.98億ドルの約2.2倍です。
  • 通期見通しも上方修正:2026年FCF見通しは従来の82.5~87.5億ドルから85.0~87.5億ドルへ引き上げられました。

調整後EPSベースの配当性向は40%前後、FCF配当カバー率は約2倍であり、2026年Q2時点の配当安全性は高いと考えられます。

2.業績分析:Q2は売上・利益が二桁成長

2025年には売上高、調整後EPS、FCF、受注残高が大きく増加しました。2026年Q1に続き、Q2も3部門すべてで増収・増益となり、通期ガイダンスが再び引き上げられました。

2.1.2020~2025年の業績推移

会計年度 売上高
百万ドル
GAAP純利益
百万ドル
調整後EPS 期末受注残高
百万ドル
2020 56,587 -3,519 2.73ドル 150,400
2021 64,388 3,864 4.27ドル 156,000
2022 67,074 5,197 4.78ドル 175,000
2023 68,920 3,195 5.06ドル 196,000
2024 80,738 4,774 5.73ドル 218,000
2025 88,603 6,732 6.29ドル 268,000

2025年通期データはRTXの2025年Form 10-Kおよび通期決算資料に基づきます。[2]

2.2.2026年Q1・Q2および上半期

期間 売上高
百万ドル
前年同期比 オーガニック
成長率
GAAP EPS 調整後EPS FCF
百万ドル
期末受注残高
2026年Q1 22,076 +9% +10% 1.51ドル 1.78ドル 1,309 2,710億ドル
2026年Q2 24,708 +14% +16% 1.57ドル 1.89ドル 2,878 2,890億ドル
2026年上半期 46,784 +12% 3.08ドル 3.67ドル 4,187 2,890億ドル

2026年上半期の調整後EPS3.67ドルはQ1の1.78ドルとQ2の1.89ドルの合計です。受注残高は各期末時点です。[3][4]

  • Q2売上高は247.08億ドル:前年同期比14%増、買収・売却・為替などの影響を除くオーガニック成長率は16%でした。
  • Q2調整後EPSは21%増:1.56ドルから1.89ドルへ増加しました。
  • Q2営業利益は28.11億ドル:前年同期の21.46億ドルから31%増加しました。
  • 上半期売上高は467.84億ドル:前年同期の418.87億ドルから約12%増えました。
  • 受注残高は2,890億ドル:商業航空宇宙が1,700億ドル、防衛が1,190億ドルです。

2.3.2026年Q2のセグメント別業績

2026年Q2 売上高
百万ドル
前年比 オーガニック
成長率
調整後営業利益
百万ドル
調整後ROS
Collins Aerospace 8,210 +8% +13% 1,370 16.7%
Pratt & Whitney 8,889 +16% +16% 740 8.3%
Raytheon 8,269 +18% +18% 1,043 12.6%
3部門合計 25,368 +14% 3,153 12.4%

連結売上高との差額は、部門間取引などの消去額6.60億ドルです。[4]

Collins Aerospace

  • 2026年Q2売上高は82.10億ドル、前年同期比8%増。
  • 2025年に完了した事業売却の影響を除くオーガニック成長率は13%。
  • 商業OEは26%増、商業アフターマーケットは10%増、防衛は7%増。
  • 調整後営業利益は13.70億ドル、調整後ROSは16.7%。

航空機メーカーの生産回復により新造機向けが伸びると同時に、既存機の長期運用、修理、部品交換、改修需要がアフターマーケットを支えています。

Pratt & Whitney

  • 2026年Q2売上高は88.89億ドル、前年同期比16%増。
  • 商業アフターマーケットは25%増、軍用は23%増。
  • 商業OEは製品構成の影響などにより8%減。
  • 調整後営業利益は7.40億ドル、調整後ROSは8.3%。

GTFを含む商業エンジンの整備需要と、F135などの軍用エンジンが成長を支えました。一方、新造エンジンの増産は短期的には利益率の重石になりやすく、部品供給と整備能力の拡張が重要です。

Raytheon

  • 2026年Q2売上高は82.69億ドル、前年同期比18%増。
  • 調整後営業利益は10.43億ドル、前年同期比29%増。
  • 調整後ROSは12.6%で、前年同期から1.0ポイント改善。
  • Patriot、Standard Missile、AMRAAM、陸上・航空防衛、海軍プログラムなどが成長を牽引。

防空・ミサイル防衛需要の拡大に加え、製品構成と生産性改善が利益率上昇につながりました。

3.受注残高と2026年通期ガイダンス

3.1.受注残高は2,890億ドル

受注残高合計
$289B
商業航空宇宙
$170B
防衛
$119B
前年比
+22%

2026年Q2末の受注残高2,890億ドルは、2025年末の2,680億ドル、2026年Q1末の2,710億ドルからさらに増加しました。

受注残高は将来の売上を保証するものではなく、契約変更、為替、コスト超過、納期、政府承認などの影響を受けます。それでも、年間売上高の約3倍に相当する規模は、中期的な収益の予見性を高める要因です。

3.2.2026年通期ガイダンス

項目 年初見通し Q1決算後 Q2決算後
調整後売上高 920~930億ドル 925~935億ドル 950~960億ドル
オーガニック成長率 5~6% 5~6% 8~9%
調整後EPS 6.60~6.80ドル 6.70~6.90ドル 7.10~7.25ドル
FCF 82.5~87.5億ドル 82.5~87.5億ドル 85.0~87.5億ドル

Q2決算では、売上高見通しの中央値が955億ドル、調整後EPS見通しの中央値が7.175ドルまで引き上げられました。

2026年7月24日の株価212.79ドルを調整後EPS見通しの中央値で割ると、予想PERは約29.7倍です。業績と受注残高は強い一方、株価には高い成長期待が織り込まれています。

3.3.Blue Canyon Technologies事業の売却

RTXは2026年Q2決算で、Raytheon傘下のBlue Canyon Technologies事業を6.20億ドルで売却する契約を締結したと発表しました。取引完了には通常の規制当局承認などが必要です。[4]

同社は近年、Collins Aerospaceを中心に複数の事業を売却しており、事業ポートフォリオを航空宇宙・防衛の中核能力へ集中させています。事業売却は現金創出と経営資源の集中につながる一方、報告売上高の前年比較には影響します。

4.バランスシートと財務健全性

4.1.2026年Q2末の財務状況

項目 2025年末
百万ドル
2026年Q2末
百万ドル
変化
現金・現金同等物 7,435 8,305 +870
総資産 171,079 173,972 +2,893
総負債 103,941 105,828 +1,887
総資本 67,102 68,116 +1,014
短期借入金 204 229 +25
1年以内返済長期債務 3,412 5,296 +1,884
長期債務 34,288 31,858 -2,430
有利子負債合計 37,904 37,383 -521
概算純有利子負債 30,469 29,078 -1,391

純有利子負債は、短期借入金、1年以内返済長期債務、長期債務の合計から現金・現金同等物を差し引いた概算です。[4]

  • 現金は83.05億ドル:2025年末の74.35億ドルから増加しました。
  • 概算純有利子負債は290.78億ドル:2025年末から約13.91億ドル減少しました。
  • 総資本比率は約39.2%:総資本681.16億ドルを総資産1,739.72億ドルで割った概算です。
  • のれん・無形資産は839.71億ドル:総資産の約48.3%を占めます。

大型合併の結果、のれんと無形資産の比率は高くなっています。事業価値が大きく悪化した場合には減損リスクがありますが、2026年Q2時点では強い受注残高とキャッシュフローが財務を支えています。

4.2.自社株買いより債務削減を優先

RTXは2026年上半期に普通株式の自社株買いを実施していません。2023年に実施した100億ドル規模の加速自社株買い後は、配当、設備投資、債務返済を優先しています。

2026年上半期には長期債務を5.24億ドル返済し、配当として18.98億ドルを支払いました。受注増への対応には工場能力、部品供給、整備施設、人材への投資も必要であり、株主還元だけでなく増産投資とのバランスが重要です。

5.Pratt & WhitneyのGTFエンジン問題

RTXの主要リスクの一つが、Pratt & WhitneyのPW1100G-JMエンジンなどで使用された粉末金属材料の問題です。特定部品について通常より早い取り外し・検査が必要となり、航空会社への補償、整備能力の増強、交換部品の確保が必要になりました。[7]

GTF問題の投資上の意味

  • 顧客補償:航空機の運航停止や整備期間長期化に対する補償がキャッシュフローを押し下げます。
  • 整備需要:短期的にはコストですが、Pratt & WhitneyのMRO能力拡張と部品供給増加につながります。
  • 2026年の現金影響:RTXは2025年Form 10-Kと2026年Q1 Form 10-Qで、2026年通期の粉末金属問題に関する現金影響を約7億ドルと見積もっていました。
  • 残る不確実性:検査結果、部品寿命、整備能力、顧客との契約条件、パートナーからの回収時期により最終負担は変動します。

2026年Q2のPratt & Whitney売上高は16%増、調整後営業利益は22%増となりました。GTF問題の負担は続いているものの、商業アフターマーケットと軍用エンジンの成長によって吸収できる状態へ近づいています。

ただし、GTF問題が完全に解消したわけではありません。航空機の地上待機数、整備日数、交換部品供給、補償支払いの推移を継続的に確認する必要があります。

6.投資判断のヒント:RTXの強みとリスク

RTXの強み

  • 防衛と商業航空宇宙の組み合わせ:異なる需要サイクルを持つ事業を組み合わせています。
  • 巨大なアフターマーケット:航空機の長期運用に伴う修理、整備、交換部品、アップグレード需要があります。
  • 防空・ミサイル防衛の市場地位:Patriot、Standard Missile、AMRAAMなど、需要の強い製品群を持ちます。
  • 2,890億ドルの受注残高:2026年Q2末時点で前年同期比22%増となりました。
  • 3部門すべてで利益率改善:2026年Q2はCollins、Pratt & Whitney、Raytheonの調整後ROSがすべて前年同期を上回りました。
  • FCFの回復:2025年FCF79.40億ドルに続き、2026年上半期は41.87億ドルを生みました。
  • 配当余力:予想配当性向は約40%、FCF配当カバー率は約2倍です。

注意すべきリスク要因

  1. GTFエンジン問題:補償、整備、交換部品、生産能力の負担が続きます。
  2. サプライチェーン:特殊金属、電子部品、鋳造・鍛造品、熟練人材などの不足が増産を妨げる可能性があります。
  3. 契約採算:固定価格の防衛契約でコストが上昇すると、利益率が悪化する可能性があります。
  4. 政府予算:防衛需要は強いものの、政権、議会、予算配分、輸出承認の影響を受けます。
  5. 商業航空の景気循環:航空旅客需要、燃料価格、航空会社の財務、航空機メーカーの生産計画に左右されます。
  6. 品質・安全:エンジンや航空機部品、ミサイルなどで品質問題が発生すると、多額の費用と信用低下につながります。
  7. 地政学リスク:防衛需要を押し上げる一方、供給網、原材料、輸送、輸出規制に悪影響を与えます。
  8. のれん・無形資産:2026年Q2末で総資産の約48%を占め、買収事業の悪化時には減損リスクがあります。
  9. バリュエーション:2026年7月24日時点の予想調整後PERは約29.7倍で、業績拡大への期待が相当程度織り込まれています。
  10. 配当利回り:株価上昇により約1.37%まで低下し、インカム目的だけでは投資妙味が限られます。

7.まとめ

RTXは、防衛事業の長期受注と商業航空宇宙のアフターマーケットを併せ持つ、航空宇宙・防衛セクターの複合企業です。

2026年Q2は、売上高247.08億ドル、調整後EPS1.89ドル、FCF28.78億ドルとなりました。売上高は前年同期比14%増、オーガニックでは16%増、調整後EPSは21%増です。

Collins Aerospace、Pratt & Whitney、Raytheonの3部門すべてで売上と調整後営業利益が増加し、受注残高は2,890億ドルへ拡大しました。会社は2026年通期の調整後売上高、調整後EPS、FCF見通しを上方修正しています。

配当は四半期0.73ドル、現行年率2.92ドルです。2026年7月24日の終値212.79ドルに対する予想配当利回りは約1.37%で、高配当株としての魅力は限定的です。

一方、調整後EPSに対する配当性向は約40%、2026年上半期のFCF配当カバー率は約2.2倍であり、増配を継続する財務余力はあります。

最大の事業リスクは、GTFエンジン問題、航空宇宙サプライチェーン、固定価格防衛契約の採算、増産能力です。ただし、2026年Q2時点では、アフターマーケットと防衛需要の成長がこれらの負担を上回っています。

投資判断の要点:RTXは「高配当株」ではなく、巨大な受注残高と航空宇宙・防衛需要を背景に、EPSとFCFの成長を目指す増配株として評価する方が適切です。現在の株価では、事業の強さと同時に、約30倍の予想調整後PERも考慮する必要があります。

ミニ解説:RTXを見るときの5指標

  1. 受注残高:売上成長の持続性を確認します。
  2. オーガニック売上高:事業売却や為替を除いた本業の成長率です。
  3. セグメントROS:各部門の売上高営業利益率です。
  4. FCF:配当、債務返済、設備投資の原資になります。
  5. GTF関連現金支出:Pratt & Whitneyの問題がキャッシュフローへ与える影響を確認します。

【注】(出典リンク)

  1. RTXの会社概要・2020年の合併 → RTX「United Technologies and Raytheon Complete Merger of Equals Transaction」RTX Investor Relations(確認日:2026-07-26)
  2. 2025年通期業績・Form 10-K・FCF・債務・配当支払額 → RTX「Reports 2025 Results and Announces 2026 Outlook」SEC EDGAR「RTX 2025 Form 10-K」(確認日:2026-07-26)
  3. 2026年Q1決算・Q1末受注残高・ガイダンス → RTX「Reports Q1 2026 Results」SEC EDGAR「RTX Q1 2026 Form 10-Q」(確認日:2026-07-26)
  4. 2026年Q2決算・上半期実績・セグメント・受注残高・通期見通し → RTX「Reports Q2 2026 Results」RTX Quarterly ResultsRTX SEC Filings(確認日:2026-07-26)
  5. 配当履歴・2026年6月宣言配当0.73ドル → RTX Investor Relations「Dividends」RTX「Declares Quarterly Cash Dividend」RTX「Increases Quarterly Cash Dividend」(確認日:2026-07-26)
  6. 2026年7月24日株価・配当利回り・予想PER → Google Finance「RTX:NYSE」Macrotrends「RTX Stock Price History」(確認日:2026-07-26)
  7. Pratt & WhitneyのGTF粉末金属問題 → RTX「Pratt & Whitney GTF Fleet Update」RTX 2025 Form 10-K「Powder Metal Matter」RTX Q1 2026 Form 10-Q(確認日:2026-07-26)

変更箇所(今回)

  • タイトル:2026年5月版 → 2026年7月版。2026年Q2決算と受注残高2,890億ドルを反映しました。
  • データ基準日:2026年Q1・5月7日株価 → 2026年Q2・7月24日株価へ更新しました。
  • 株価:174.52ドル → 212.79ドル。2026年7月24日の終値へ更新しました。
  • 配当利回り:約1.7% → 約1.37%。現行年率配当2.92ドルと最新株価で再計算しました。
  • 最新配当:2026年4月30日宣言分 → 2026年6月26日宣言分へ更新しました。
  • 配当日程:権利落ち日・基準日2026年8月14日、支払日9月3日を追加しました。
  • 2026年配当:現行年率2.92ドルと、Q4も0.73ドルと仮定した年間予想2.87ドルを区別しました。
  • 2026年配当成長率:現行年率同士の約9.4%ではなく、年間予想2.87ドルに基づく約7.5%として整理しました。
  • 2026年予想配当性向:調整後EPS6.70~6.90ドル基準の約42~44% → 最新EPS7.10~7.25ドル基準の約39.6~40.4%へ更新しました。
  • 2025年配当支払額:概算約36億ドル → Form 10-Kの35.74億ドルへ修正しました。
  • 2023年配当支払額:約34.72億ドル → Form 10-Kの32.39億ドルへ修正しました。
  • 2026年Q2 FCF:28.78億ドルを追加しました。
  • 2026年上半期 FCF:41.87億ドルを追加しました。
  • 2026年上半期配当支払額:18.98億ドルを追加しました。
  • FCF配当カバー率:Q2約2.9倍、上半期約2.2倍を追加しました。
  • 2026年Q2業績:売上高247.08億ドル、GAAP EPS1.57ドル、調整後EPS1.89ドルを追加しました。
  • 2026年上半期業績:売上高467.84億ドル、GAAP EPS3.08ドル、調整後EPS3.67ドルを追加しました。
  • 受注残高:2026年Q1末2,710億ドル → Q2末2,890億ドルへ更新しました。
  • 受注残高構成:商業1,700億ドル、防衛1,190億ドルへ更新しました。
  • Collins Aerospace:Q2売上82.10億ドル、オーガニック13%増、調整後ROS16.7%を追加しました。
  • Pratt & Whitney:Q2売上88.89億ドル、商業アフターマーケット25%増、調整後ROS8.3%を追加しました。
  • Raytheon:Q2売上82.69億ドル、調整後営業利益29%増、調整後ROS12.6%を追加しました。
  • 通期売上見通し:925~935億ドル → 950~960億ドルへ更新しました。
  • オーガニック成長率見通し:5~6% → 8~9%へ更新しました。
  • 調整後EPS見通し:6.70~6.90ドル → 7.10~7.25ドルへ更新しました。
  • FCF見通し:82.5~87.5億ドル → 85.0~87.5億ドルへ更新しました。
  • 予想PER:2026年7月24日の株価と最新EPS見通しから約29.7倍を追加しました。
  • Blue Canyon Technologies:6.20億ドルでの売却契約を追加しました。
  • バランスシート:2026年Q2末の現金、総資産、総負債、総資本、有利子負債を追加しました。
  • 概算純有利子負債:2026年Q2末290.78億ドルを追加しました。
  • のれん・無形資産:合計839.71億ドル、総資産の約48.3%である点を追加しました。
  • 自社株買い:2026年上半期は普通株式買い戻しを実施していないことを追加しました。
  • GTF問題:2026年通期の現金影響見積もり約7億ドルを追加しました。
  • 投資評価:高配当株ではなく、受注・EPS・FCFの成長を重視する増配株として整理しました。
  • 出典:2026年Q2決算、最新配当、Q2財務データを追加し、確認日を2026年7月26日に更新しました。

最終更新日時:2026年7月26日

本記事は公開情報を整理したものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。


Posted by 南 一矢