SRE(センプラエナジー)今後の見通し(配当推移・成長率・安全性)
センプラ(Sempra、NYSE:SRE。旧称Sempra Energy)の配当利回りと株価をチャート(直近90日間)で見てみます(2025年12月時点)。[1]
権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを図る指標)等も確認してみます。
配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート
配当の安定性と成長性
さらに、長期の指標を見てみます。
以下の表では、EPSと1株配当は$(ドル)単位、配当成長率(表記は「成長率」)と配当性向は%単位で表示しています。また、E=estimate(予測)です。[2][3]
配当関連指標の推移
| 年度 | EPS | 1株配当 | 成長率 | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|
| 2008 | 2.22 | 0.69 | 10 | 30 |
| 2009 | 2.26 | 0.78 | 14 | 34 |
| 2010 | 1.43 | 0.78 | 0 | 54 |
| 2011 | 2.76 | 0.96 | 23 | 35 |
| 2012 | 1.74 | 1.20 | 25 | 67 |
| 2013 | 2.01 | 1.26 | 5 | 62 |
| 2014 | 2.32 | 1.32 | 5 | 56 |
| 2015 | 2.69 | 1.40 | 6 | 52 |
| 2016 | 2.73 | 1.70 | 21 | 62 |
| 2017 | 0.51 | 1.64 | -3 | 322 |
| 2018 | 1.71 | 1.79 | 9 | 104 |
| 2019 | 3.65 | 1.94 | 8 | 52 |
| 2020 | 6.44 | 2.09 | 8 | 34 |
| 2021 | 2.01 | 2.20 | 5 | 109 |
| 2022 | 3.31 | 2.29 | 4 | 69 |
| 2023 | 4.79 | 2.38 | 4 | 50 |
| 2024 | 4.42 | 2.48 | 4 | 54 |
| 2025E | 4.50 | 2.58 | 4 | 57 |
一貫した配当増加の実績
センプラの最も注目すべき特徴の一つは、2017年の一時的な減配を除き、長期的に配当を引き上げてきた実績です。2008年の1株当たり0.69$から2024年には2.48$へ、そして2025年には2.58$(会社予想)へと約3.7倍の成長を示しています。特に過去8年間(2018年から2025年)は連続増配を維持しており、株主還元が強化されています。[2]
配当成長率の推移
配当成長率には変動がありますが、2017年を除いて一貫してプラスを維持しています:
- 2008〜2012年:年平均約18%の高い成長
- 2013〜2016年:年平均約9.3%の安定成長
- 2017年:3%のマイナス成長(唯一の減配)
- 2018〜2020年:年平均約8.3%の再加速
- 2021〜2025年:年平均約4.0%の安定成長(2025年は会社予想ベース)
この成長パターンは、企業の発展段階や経営戦略の変化を反映しています。初期段階(2008〜2012年)では高い成長率を実現し、中期(2013〜2016年)では安定成長へと移行。2017年の一時的な減配の後、2018〜2020年には成長率が回復し、近年(2021〜2025年)は4%台の安定した成長率を維持しています。[2]
注目ポイント:センプラは2017年に一度だけ3%の減配を経験していますが、その後8年連続で配当を増加させており、配当重視の投資家にとって着実な実績を築いています。2025年の年間配当$2.58は前年の$2.48から4.0%増となり、堅調な配当成長を継続していると見込まれます。[2]
配当性向の持続可能性
センプラの配当性向は年によって変動がありますが、近年は安定化の傾向を示しています。2024年の配当性向は54%、2025年見込みは57%と、公益事業セクターとしては健全な水準です。[2] 一方で、2017年(322%)、2018年(104%)、2021年(109%)と、複数年にわたり100%を超える配当性向を記録してきました。
これらの高水準の配当性向は以下の要因によるものと考えられます:
- 2017年:純利益が大幅に減少(前年比81%減)したにもかかわらず、配当をほぼ維持したため
- 2018年:純利益は回復傾向にあったものの、まだ十分な水準に達していなかった
- 2021年:前年の好業績から一転して純利益が大きく減少したが、配当は増加を継続
一般的に、100%を超える配当性向が長期間続くことは財務的に持続可能とは言えませんが、公益事業会社の場合、安定収入(規制価格で電気などが売れる)と予測可能なキャッシュフローがあるため、短期的な収益変動に対しても配当を維持できる傾向があります。センプラの場合、2019年以降(2021年を除く)は配当性向が70%未満に改善しており、2025年見込みの57%は持続可能なレベルへの安定的な回帰を示しています。[2]
2025年最新業績と成長見通し
2025年Q3までの堅調な業績
2025年の業績は堅調に推移しており、第3四半期までの決算結果は以下の通りです(いずれも継続事業ベース)。[4][5][6]
- Q1 2025:調整済みEPS $1.44(前年同期$1.34から約7.5%増)、GAAP EPS $1.39
- Q2 2025:調整済みEPS $0.89(前年同期$0.88とほぼ同水準)、GAAP EPS $0.71
- Q3 2025:調整済みEPS $1.11(前年同期$0.89から大きく増加)、GAAP EPS $0.12(2024年Q3の$1.00から減少。主に一時的要因による減益)
- 2025年Q1〜Q3累計:調整済みEPS $3.44(1.44 + 0.89 + 1.11)
調整済みベースでは、電力・ガス事業の基礎収益は着実に伸びており、とくにテキサス州の送配電事業(Oncor)やLNG関連インフラが成長ドライバーとなっています。GAAPベースでの一時的なボラティリティはあるものの、本業の収益力は強化されていると解釈できます。
同社は2025年通年のガイダンスを2024年通期決算発表および2025年Q2・Q3決算であらためて示しており、現時点(2025年11月公表時点)で以下の見通しを出しています。[4][5]
- 2025年GAAP EPS:$4.05〜$4.45
- 2025年調整済みEPS:$4.30〜$4.70
- 2026年EPS:$4.80〜$5.30(2025年ガイダンス中央値比で約12%の成長見込み)
- 長期EPS成長率:2025〜2029年で年率7〜9%を目標
第3四半期終了時点で調整済みEPSは$3.44に達しており、レンジ下限$4.30に対する進捗は約80%弱となります。季節性を踏まえると、通期ガイダンスの達成余地は十分あると考えられます。
以下の表では、売上高、営業CF、純利益はM$(百万ドル)単位、営業CFマージン(表記は同マージン)とROEは%単位で表示しています。ROE(自己資本利益率)は、純利益を株主資本で割った指標で、株主資本に対してどれだけの利益を生み出しているかを示します。[3]
主要財務指標の推移
| 年度 | 売上高 | 営業CF | 同マージン | 純利益 | ROE |
|---|---|---|---|---|---|
| 2008 | 10,758 | 1,191 | 11 | 1,123 | 14 |
| 2009 | 8,106 | 1,875 | 23 | 1,129 | 13 |
| 2010 | 9,003 | 2,154 | 24 | 719 | 8 |
| 2011 | 10,036 | 1,867 | 19 | 1,339 | 14 |
| 2012 | 9,647 | 2,018 | 21 | 865 | 8 |
| 2013 | 10,557 | 1,784 | 17 | 1,009 | 9 |
| 2014 | 11,035 | 2,161 | 20 | 1,162 | 10 |
| 2015 | 10,231 | 2,898 | 28 | 1,350 | 11 |
| 2016 | 10,183 | 2,311 | 23 | 1,371 | 11 |
| 2017 | 9,640 | 3,625 | 38 | 257 | 2 |
| 2018 | 10,102 | 3,516 | 35 | 1,050 | 6 |
| 2019 | 10,829 | 3,088 | 29 | 2,198 | 11 |
| 2020 | 11,370 | 2,591 | 23 | 3,932 | 16 |
| 2021 | 12,857 | 3,842 | 30 | 1,317 | 5 |
| 2022 | 14,439 | 1,142 | 8 | 2,138 | 7 |
| 2023 | 16,720 | 6,218 | 37 | 3,074 | 9 |
| 2024 | 13,185 | 4,907 | 37 | 2,861 | 8 |
| 2025E | 12,200 | 4,500 | 37 | 2,950 | 8 |
収益性と効率性の分析
センプラの財務データからは、以下のような特徴が見られます。[3]
- 営業CFマージンは2017年に38%、2023年と2024年に37%と高い水準を記録し、2025年も同水準を維持する見通し
- ROEは2008年から2024年の期間で平均約10%を維持しているものの、個々の年度では変動が大きい
- EPSは長期的に上昇傾向で、2020年には6.44$の高水準を記録した後、2023〜2024年は4〜5$台で安定推移
- 純利益は2017年に大幅減少後、2020年に過去最高の3,932M$を記録し、その後も比較的高水準を維持
- 2025年Q1〜Q3の営業CFも概ね堅調で、通期に向けて配当と成長投資を両立できる水準を確保しているとみられます。
特に注目すべきは、営業CFマージンの改善・高止まりです。2022年に一時的な落ち込み(8%)がありましたが、その後急速に回復し、2023年と2024年には37%という高水準に達しています。これは、事業効率の向上と戦略的な経営判断が功を奏していることを示唆しています。
記録的な資本計画と戦略的取組み
センプラは2025年2月の2024年通期決算発表で、2025〜2029年にかけて約$56 billionの5年間資本計画を公表しました。[4] この計画の主要な特徴は以下の通りです:
- 投資額の過半数がテキサス州のインフラ拡張(Oncorの送電・配電網強化)に充当
- カリフォルニア州でのクリーンエネルギー・インフラ投資(再エネやガスインフラの近代化)
- LNG(液化天然ガス)プロジェクトなど、エネルギー輸出関連インフラの継続推進
また、同社は戦略的な事業ポートフォリオの簡素化も進めています。[4]
- メキシコなど一部エネルギーインフラ資産の売却・持分縮小による整理
- Sempra Infrastructure Partnersの少数持分売却による資本リサイクル
- 売却で得た資金を米国の公益事業部門(特にテキサスおよびカリフォルニア州)への再投資に振り向け
安定したキャッシュフロー基盤
以下の表では、営業CF、投資CF、財務CFはM$(百万ドル)単位、営業CF成長率(表記は「成長率」)は%単位で表示しています。[3]
| 年度 | 営業CF | 成長率 | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|---|
| 2008 | 1,191 | -43 | -2,386 | 858 |
| 2009 | 1,875 | 57 | -2,672 | 576 |
| 2010 | 2,154 | 15 | -1,283 | -69 |
| 2011 | 1,867 | -13 | -3,070 | 534 |
| 2012 | 2,018 | 8 | -3,158 | 1,355 |
| 2013 | 1,784 | -12 | -1,689 | 338 |
| 2014 | 2,161 | 21 | -3,342 | 854 |
| 2015 | 2,898 | 34 | -2,868 | -176 |
| 2016 | 2,311 | -20 | -4,835 | 2,502 |
| 2017 | 3,625 | 57 | -4,885 | 1,192 |
| 2018 | 3,516 | -3 | -12,470 | 8,850 |
| 2019 | 3,088 | -12 | -4,593 | 1,475 |
| 2020 | 2,591 | -16 | 553 | -2,373 |
| 2021 | 3,842 | 48 | -5,508 | 1,260 |
| 2022 | 1,142 | -70 | -5,039 | 3,779 |
| 2023 | 6,218 | 444 | -8,716 | 2,419 |
| 2024 | 4,907 | -21 | -9,118 | 5,424 |
| 2025E | 4,500 | -8 | -13,000 | 8,500 |
センプラのキャッシュフローは、公益事業会社としては比較的変動が大きい特徴がありますが、近年は安定化の傾向を示しています。
- 2023年に過去最高の6,218M$の営業キャッシュフローを記録
- 営業CF成長率は年によって大きく変動し、-70%(2022年)から+444%(2023年)まで幅広い変化
- 2018年には投資CFが-12,470M$と大幅増加、同時に財務CFも8,850M$と大幅増加
- 2020年にはプラスの投資CF(553M$)を記録し、資産売却などによる資金回収が行われた可能性
- 2025年は$56 billion資本計画の本格始動により、投資CFのさらなる拡大が見込まれる
2018年の投資CFと財務CFの大幅増加は、大型の買収または設備投資を行ったことを強く示唆しています。実際、この年にセンプラはテキサス州の規制電力会社であるOncor Electric Delivery Companyの持分取得を完了し、テキサス送配電事業への関与を大きく高めました。[3]
2022年の営業キャッシュフローの大幅減少(前年比70%減)は、主に以下の要因によるものと考えられます。
- 燃料コストの急激な上昇などマクロ要因によるコスト増加
- 異常気象による運用コストの増加
- インフレ圧力による全般的なコスト増加
キャッシュフロー分析のポイント:センプラの営業キャッシュフローは変動が大きいものの、2023年の大幅な改善(前年比+444%)は、過去の投資が結実し始めた証と考えられます。2024年には若干減少(-21%)していますが、依然として高水準を維持しており、配当支払いと大型投資活動の両立が可能な状態にあります。2025年Q1〜Q3もおおむね堅調であり、$56 billion資本計画を進めながら配当を維持・増加させる余地は十分と見られます。
負債水準と資本構成
以下の表では、総資産、総負債、株主資本はM$(百万ドル)単位、自己資本率(「ECR」と表記。「Equity Capital Ratio」の略)と負債比率は%単位で表示しています。負債比率は「総負債÷株主資本×100%」で計算され、企業の財務レバレッジを示す指標です。[3]
| 年度 | 総資産 | 総負債 | 株主資本 | ECR | 負債比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2008 | 26,400 | 18,091 | 7,969 | 30 | 227 |
| 2009 | 28,512 | 19,261 | 9,007 | 32 | 214 |
| 2010 | 30,283 | 21,045 | 9,027 | 30 | 233 |
| 2011 | 33,249 | 23,071 | 9,775 | 29 | 236 |
| 2012 | 36,499 | 25,816 | 10,282 | 28 | 251 |
| 2013 | 37,244 | 25,394 | 11,008 | 30 | 231 |
| 2014 | 39,651 | 27,551 | 11,326 | 29 | 243 |
| 2015 | 41,150 | 28,571 | 11,809 | 29 | 242 |
| 2016 | 47,786 | 32,545 | 12,951 | 27 | 251 |
| 2017 | 50,454 | 35,314 | 12,670 | 25 | 279 |
| 2018 | 60,638 | 41,390 | 17,138 | 28 | 242 |
| 2019 | 65,665 | 43,860 | 19,929 | 30 | 220 |
| 2020 | 66,623 | 41,689 | 24,934 | 37 | 167 |
| 2021 | 72,045 | 44,626 | 27,419 | 38 | 163 |
| 2022 | 78,574 | 49,318 | 29,256 | 37 | 169 |
| 2023 | 87,181 | 53,527 | 33,654 | 39 | 159 |
| 2024 | 96,155 | 58,367 | 37,788 | 39 | 154 |
| 2025E | 110,000 | 65,500 | 44,500 | 40 | 147 |
センプラの資本構成には、いくつかの重要な特徴が見られます。[3]
- 2018年には総資産が大幅に増加(50,454M$から60,638M$へ)。これはOncor関連の取引など、テキサス州電力インフラへの大規模投資を反映
- 負債比率は2017年の279%をピークに、以降一貫して低下し、2024年には154%、2025年見込み147%に改善
- 自己資本比率(ECR)は2017年の25%から大きく改善し、2023年・2024年には39%、2025年見込み40%と公益事業としては比較的高水準
- 株主資本は一貫して拡大を続け、2008年の7,969M$から2025年見込みの44,500M$へと約5.6倍に成長
- $56 billion資本計画の実行により、総資産は2025年に初めて$110 billion超えが見込まれる
2017年以降の財務構造の改善は顕著です。負債比率は2017年の279%から2025年見込みの147%へと大幅に低下し、自己資本比率は同期間に25%から40%へと上昇しました。これは、過去の投資が収益化し、内部留保の積み上げによって株主資本が着実に増えていることを意味します。
総資産の成長を見ると、2018年のOncor関連取引以降も安定した拡大を続けており、積極的な成長戦略を反映しています。2025年には総資産が$110 billionを超える見込みで、記録的な資本投資の規模を物語っています。
まとめ:長期配当投資家にとってのセンプラとは?
センプラは、安定した成長性と財務健全性の向上、そして記録的な成長投資計画により、配当重視の長期投資家にとって魅力的な投資先と評価できます。
同社の強みは以下の点にあります:
- 2017年の一時的な減配を除き、長期的な配当増加実績を維持
- 直近8年間(2018〜2025年)は連続増配を継続し、2025年は4.0%増配(会社予想ベース)
- 近年の自己資本比率の大幅改善(2024年39%、2025年見込み40%と公益事業としては高水準)
- 負債比率の継続的な低下(2017年の279%から2025年見込み147%へ)
- 近年の高い営業CFマージン(2023年・2024年は37%、2025年も同水準維持予定)
- 2025年見込みの配当性向57%と、公益事業として持続可能なレベル
- 5年間$56 billionの成長投資計画と、それを支える堅調なキャッシュフロー
- テキサス州のエネルギーインフラ需要拡大による成長機会
- 長期EPS成長率7〜9%という魅力的なガイダンス
一方で、注意すべき点としては以下が挙げられます:
- 営業CFの年による変動性が大きい(特に2022年に大きく減少)
- 過去に複数回、100%を超える高い配当性向を記録(2017年、2018年、2021年)
- 2024年の売上高は2023年比で減少しており、トランジション期の影響が残る
- 2025年ガイダンスが当初予想からは下方修正されている点(ただし現行レンジは維持)
- 規制リスク:公益事業は規制産業であり、規制当局の決定が収益に直接影響する可能性
- 自然災害リスク:気候変動による異常気象の増加により、インフラ設備への被害や復旧コストが増加する恐れ
- エネルギー転換リスク:脱炭素化に向けた巨額投資と技術的課題が将来的な収益性に影響する可能性
- 地域集中リスク:主要事業がカリフォルニア州とテキサス州に集中しており、これらの地域の経済状況や規制環境に左右される
- 金利変動リスク:大型投資計画の実行により、金利上昇局面では調達コスト増加の影響を受けやすい
投資家へのポイント:センプラは「成長を続ける配当」と「財務体質の改善」を両立させている点が評価できます。近年の財務指標の改善(特に自己資本比率の向上と負債比率の低下)は、長期的な持続可能性を高めています。配当成長率は近年4%程度と、インフレ率を上回る水準を維持しており、実質購買力を保護するのに十分な水準です。特に$56 billion資本計画によるテキサス州での成長機会は、将来の収益基盤拡大と配当成長の持続可能性を支える重要な要素となります。
営業CFの変動性やガイダンスの下方修正といったリスクはあるものの、規制インフラ資産に支えられた安定収益と、長期的な需要拡大(人口増加・データセンター需要など)を背景に、センプラは「成長と安定のバランスが取れた」公益事業株として、分散投資ポートフォリオの一角を担うのに適した銘柄と言えるでしょう。
よくある質問
センプラの配当はどれくらい安全ですか?
2025年見込みの配当性向は57%と、公益事業セクターとしては健全な水準です。直近8年間の連続増配実績と2025年Q3までの堅調な業績から、配当の安全性は比較的高いと評価できます。さらに、近年の財務健全性の向上(2024年時点で自己資本比率39%、負債比率154%)は、配当維持能力の向上を示しています。過去に複数回100%を超える配当性向を記録した際も配当を維持してきた実績は、公益事業の安定した収入源による配当維持能力の高さを裏付けています。[2][3]
将来の配当成長率はどの程度期待できますか?
過去5年間(2021〜2025年見込み)の実績では年率4%前後の配当成長を維持しており、この傾向が当面続く可能性があります。この成長率は一般的なインフレ率を上回る水準であり、実質的な購買力の維持・向上に寄与しうる水準です。加えて、長期EPS成長率7〜9%というガイダンスと$56 billion資本計画による成長基盤の拡大は、配当を支える財務基盤を強化する要素といえます。[4]
$56 billion資本計画の意義と影響は何ですか?
センプラの5年間$56 billion資本計画は、同社の長期的な成長戦略の中核を成すものです。投資額の過半がテキサス州のエネルギーインフラ拡張に充てられ、特にOncorの送電・配電網強化を通じて電力の信頼性向上と、人口増加・データセンター増設などに伴う需要増加への対応を図ります。カリフォルニア州でのクリーンエネルギー・インフラ投資も、脱炭素化トレンドに沿った成長機会を提供します。これらの投資が、長期的な収益基盤の拡大と、安定した配当成長の源泉となることが期待されます。[4]
2025年ガイダンスの下方修正をどう評価すべきですか?
2025年ガイダンスは、当初の$4.90〜$5.25(調整済みEPSベース)から$4.30〜$4.70へレンジが引き下げられていますが、これは主に短期的なコスト要因や規制面のタイミングの影響を反映したものとされています。一方で、2026年EPSガイダンス$4.80〜$5.30および2025〜2029年の長期EPS成長率7〜9%は維持されており、中長期の成長シナリオ自体は変わっていません。2025年Q1〜Q3時点で調整済みEPSが$3.44に達している点を考えると、足元の達成確度は極端に低い水準ではないとみられます。[4][6]
テキサス州への投資集中は適切な戦略ですか?
テキサス州への投資集中は、現在の米国エネルギー市場において戦略的な判断と評価できます。同州は人口増加・産業発展・データセンター需要の拡大により電力需要の増加が見込まれており、規制環境も比較的事業者フレンドリーです。Oncorを通じて送配電ネットワークに深く関与するセンプラは、この成長市場における主要プレイヤーの一角を占めており、$56 billion資本計画もその強みを一段と高める内容になっています。一方で、地域集中リスクは完全には避けられないため、規制動向や需給見通しの変化については継続的なモニタリングが必要です。[4]
【注】(出典リンク)
- 株価・チャート・利回り → Google Finance – SRE → 記事内のGoogleスプレッドシート(自作チャート)で補完(確認日:2025-12-11) ↩
- 配当履歴・1株配当・配当性向 → Sempra – Dividend関連情報 → Macrotrends – Sempra Dividend & EPS(確認日:2025-12-11) ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩
- 長期業績(売上高・営業CF・投資CF・総資産など) → Sempra Annual Reports / Form 10-K → Macrotrends – Sempra Financial Statements(確認日:2025-12-11) ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩
- 2024通期決算・中期計画・EPSガイダンス・$56bn資本計画 → Sempra Reports 2024 Financial and Business Results(2025年2月26日付) → 同リリースに添付のスライド・補足資料(確認日:2025-12-11) ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩
- 2025年Q1決算(EPS等) → Sempra Reports First-Quarter 2025 Results(2025年5月上旬付) → 補足として各種ニュース・要約サイト(確認日:2025-12-11) ↩ ↩
- 2025年Q2決算(EPS・Oncor関連コメント等) → Sempra Reports Second-Quarter 2025 Results(2025年8月5日付) → ニュース要約(Zacks, APなど)で確認(確認日:2025-12-11) ↩ ↩ ↩ ↩
- 2025年Q3決算(EPS・ガイダンス更新) → PR Newswire配信リリース「Sempra Reports Third-Quarter 2025 Results」→ Finviz – SRE News一覧(決算リリースへのリンクを含む)(確認日:2025-12-11) ↩ ↩ ↩
Extended thinking
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