【T】AT&Tの株価と決算、配当

2019年3月14日

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AT&T(AT&T Inc.)はベライゾンに並ぶ世界最大級の通信持株会社です。

子会社や関連企業を通して、電話サービス、無線・データ通信、ネット接続サービス、IP(インターネット・プロトコル)と衛星によるテレビ放送、通信機器、電話帳広告などを手がけています。

米国で固定電話、携帯電話、ネット接続サービスを手がけ、全米最大規模の4Gネットワークを保有しています。

元々は電話を発明したグラハム・ベルの「ベル電話会社」が前身で、1980年代に電話の独占をやめ、地域電話会社を分離しました。

2005年に元傘下にあったSBCコミュニケーション社に逆買収され、固定電話と高速移動通信(4G LTE)に重点を置いた事業形態に移行します。

2014年にプリペイド携帯電話サービスのリープ・ワイヤレス、15年には衛星放送大手ディレクTVを買収。16年11月にはネット配信のディレクTV NOWを開始。

これに伴い、事業を以下のように再編しました。

売り上げの93%は米国で計上されており、事業ごとの売上比率は()内の%となっています(17年12月)。

★ビジネスソリューション(43.2%):事業者/政府などの法人向け

★エンターテイメントグループ(31.6%):ビデオ/ネット/音声通信などの住宅向け

★コンシューマ・モビリティ(19.6%):個人向け(無線通信など)

★インターナショナル(5.2%):海外向け(南米向けのエンタメ事業やメキシコの無線通信事業など)

16年にAT&Tが発表したタイム・ワーナーの買収計画(854億ドル)に関しては、自由競争を阻害するという理由で17年11月に司法省の差止めをくらい、法廷闘争となりましたが、18年6月12日に裁判所はその訴えを却下。

6月14日には、850億ドル(9.4兆円相当)でタイム・ワーナーの買収手続きを完了しました。

その後も、AT&Tは21日にデータセンター事業をブルックフィールド・インフラストラクチャーに売却(11億ドル)することをで合意しています。

今回の件を通して、条件なしに通信大手とメディア大手が融合することが容認されれば、今後、この業種で合従連衡の動きが活発化していくことになりそうです。

筆者はアマゾンプライムでタイムワーナー傘下のHBOをよく見ていますが、最近はこのような分野でもアマゾンなどの新興勢力が意気軒高です。

ネットフリックスという強敵も台頭してきているので、こうした勢力から身を守るために、通信とメディアの融合が進んできているわけです(そのほか、コムキャストが21世紀フォックスの一部買収を検討中)。

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主な指標を概観

まず、グーグルファイナンス関数から取得した主要指標のデータを見てみます。

1/2株価 28.5
3/11株価 30.7
株価上昇率 7.60%
52週高値 37.8
52週安値 26.8
EPS 2.87
PER 10.69
配当(利回り) 2.04 (6.81%)
時価総額(億$) 2237
株式数(億) 72.8

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます。


青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線です。

その株価の推移を1年ごとに見てみましょう。

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は3/11)
T

初値

最安

最高

終値

上昇率

2019

28.5

#REF!

#REF!

30.7

8%

2018

39.1

27.4

39.2

28.5

-27%

2017

42.7

32.9

43

38.9

-9%

2016

34.1

33.5

43.5

42.5

25%

2015

33.8

31.8

36.2

34.4

2%

2014

35.2

31.9

36.7

33.6

-5%

2013

34.4

33.1

39

35.2

2%

2012

30.5

29.2

38.3

33.7

11%

2011

29.7

27.3

31.9

30.2

2%

2010

28.4

24.1

29.4

29.4

3%

2009

28.7

21.7

29.4

28

-2%

2008

41.5

22.4

41.5

28.5

-31%

★2:各年初から2019/3/11までの伸び率
19年~

18年~

17年~

16年~

15年~

14年~

8%

-22%

-28%

-10%

-9%

-13%

13年~

12年~

11年~

10年~

09年~

08年~

-11%

1%

3%

8%

7%

-26%

配当利回りと配当性向

株価の次に、配当金と配当性向の推移をモーニングスター(MS)社のデータで見てみます。

★配当性向=1株当たり配当÷EPS×100〔純利益から配当金を支払っている割合〕

★MS社は非GAAPのEPSで配当性向を試算。GAAP基準のEPS試算〔=単純計算〕の箇所は筆者挿入。

年/月

EPS

配当

配当性向

(GAAP)

単純計算

MS試算

2008/12

2.16

1.61

74.5

74.5

2009/12

2.05

1.65

80.5

77.8

2010/12

3.35

1.69

50.4

52.5

2011/12

0.66

1.73

262.1

87.3

2012/12

1.25

1.77

141.6

141.6

2013/12

3.42

1.81

52.9

125

2014/12

1.24

1.85

149.2

56.6

2015/12

2.37

1.89

79.7

208.9

2016/12

2.1

1.93

91.9

81.3

2017/12

4.76

1.97

41.4

93.8

さらに、四半期ごとの配当も見てみます

権利落ち日

1株配当($)

配当利回り

当日株価

2018/10/10

0.5

6.1%

32.9

2018/07/10

0.5

6.1%

32.5

2018/04/10

0.5

5.5%

35.81

2018/01/10

0.5

5.4%

36.62

2017/10/10

0.49

5.1%

38.5

2017/07/10

0.49

5.3%

36.83

2017/04/10

0.49

4.8%

40.38

2017/01/10

0.49

4.7%

40.81

2016/10/10

0.48

4.9%

39.01

2016/07/08

0.48

4.5%

42.61

2016/04/08

0.48

4.9%

38.5

2016/01/08

0.48

5.6%

33.54

2015/10/09

0.47

5.7%

33.14

株価減+配当金増で利回りが高くなってきています。

四半期決算(予想と実値)

直近決算

AT&T の18年第四半期決算の概要は以下の通り。 AT&T の18年第四半期決算の概要は以下の通り。

    • EPS(非GAAP):86セント(市場予想とほぼ一致)
    • 売上高:480億ドル(市場予想は485億ドル)
    • ワイヤレス電話ネットワークの新規契約者数:134000(市場予想は208000:FactSet調べ
通年の連結業績) 2018 2017
売上高(億ドル) 1708 1605
EPS(GAAP) 2.85 4.76
EPS(非GAAP) 3.52 3.05
フリーCF 224 165

※EPS(GAAP)の減少は米税制改革の影響を受けています。 ※EPS(GAAP)の減少は米税制改革の影響を受けています。

CEOのランダル・ステファンソンのコメント CEOのランダル・ステファンソンのコメント

    • 「18年と19年の最優先事項は債務の削減だ」
    • 「フリーキャッシュフローに対する当社の配当性向は、当四半期は46%、当年度は60%であり、35年連続で増配できた」同氏は、「19年以降も事業への投資と配当支払いの実績を続けながら、債務の削減を継続できる」

ガイダンス(2019通年) ガイダンス(2019通年)

    • フリーキャッシュフロー:260億ドル程度
    • 配当性向:50%強
    • 資本支出額:230億ドル程度

しかし、1/30のAT&T株は3.8%減の29.53ドルでした。

ロイター予想値

さらに、ロイターが調べた四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます(2018/11/18、売上単位は100万ドル)。

売上予想

平均

上限

下限

期間

2019

185276

190277

180069

通年

2018

171172

172500

170444

通年

3-19

45687

46746

44900

4半期

12-18

48490

49887

47681

4半期

売上

予想

結果

9-18

45647

45739

92

0.2

6-18

39359

38986

373

0.95

3-18

39307

38038

1269

3.23

12-17

41185

41830

645

1.57

9-17

40102

39757

345

0.86

EPS予想

平均

上限

下限

期間

2019

7.54

7.85

6.85

通年

2018

6.46

6.62

6.32

通年

3-19

1.72

1.86

1.64

4半期

12-18

1.53

1.67

1.38

4半期

EPS

予想

結果

9-18

1.68

1.78

0.1

4.56

6-18

1.53

1.66

0.13

7.18

3-18

1.25

1.5

0.25

2.44

12-17

1.12

1.14

0.02

19.74

9-17

1.23

1.34

0.11

0.68

※決算予想では米国会計基準(GAAP)とは異なる「非GAAP基準」の数値が多用されています(後述のGAAP基準と異なる売上とEPSの数値は非GAAP基準)

四半期決算(GAAP基準)

GAAP基準での四半期会計の実績は以下の通りでした。

年/月

売上高

純利益

EPS

2017/03

39365

3469

0.56

2017/06

39837

3915

0.63

2017/09

39668

3029

0.49

2017/12

41676

19037

3.08

2018/03

38038

4662

0.75

2018/06

38986

5132

0.81

2018/09

45739

4713

0.65

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)

損益計算(売上、純利益等)

年/月

売上高

営業CF

同マージン

純利益

2008/12

124028

33610

27.1%

12867

2009/12

122513

34405

28.1%

12138

2010/12

124280

35222

28.3%

19864

2011/12

126723

34743

27.4%

3944

2012/12

127434

39176

30.7%

7264

2013/12

128752

34796

27.0%

18418

2014/12

132447

31338

23.7%

6442

2015/12

146801

35880

24.4%

13345

2016/12

163786

39344

24.0%

12976

2017/12

160546

39151

24.4%

29450

※同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%以上あれば優良な数値。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや営業利益率など

営業利益率

EPS

DSO

2008/12

18.6

2.16

47.43

2009/12

17.5

2.05

46.03

2010/12

15.8

3.35

41.98

2011/12

9.6

0.66

39.2

2012/12

10.2

1.25

37.61

2013/12

23.7

3.42

36.25

2014/12

10.5

1.24

37.82

2015/12

16.9

2.37

38.61

2016/12

15.1

2.1

37.13

2017/12

14.9

4.76

37.87

※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。

バランスシート

総資産

総負債

株主資本

自己資本率

2008/12

265245

168495

96750

36.5%

2009/12

268312

166323

101989

38.0%

2010/12

269391

157441

111950

41.6%

2011/12

270442

164645

105797

39.1%

2012/12

272315

179620

92695

34.0%

2013/12

277787

186305

91482

32.9%

2014/12

296834

206564

90270

30.4%

2015/12

402672

279032

123640

30.7%

2016/12

403821

279711

124110

30.7%

2017/12

444097

302090

142007

32.0%

 

ROAとROEなど

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合

★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合

★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る〔下表では資本が負債の何倍かを表記〕

ROA

ROE

流動比率

単位

倍率

2008/12

4.8

12.2

0.53

2009/12

4.7

12.7

0.66

2010/12

7.4

18.6

0.59

2011/12

1.5

3.6

0.75

2012/12

2.7

7.3

0.71

2013/12

6.6

19.9

0.66

2014/12

2.2

7

0.86

2015/12

3.8

12.8

0.75

2016/12

3.2

10.6

0.76

2017/12

7

22.3

0.97

キャッシュフロー

営業CF

投資CF

財務CF

フリーCF

2008/12

33610

-29098

-4690

16525

2009/12

34405

-17883

-14508

13979

2010/12

35222

-21449

-15849

17851

2011/12

34743

-21250

-11649

15692

2012/12

39176

-19680

-17673

14633

2013/12

34796

-23124

-13201

19711

2014/12

31338

-18337

-7737

13852

2015/12

35880

-49144

9782

10139

2016/12

39344

-24215

-14462

16662

2017/12

39151

-20371

25930

17828

 

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