【T】AT&Tの株価と決算、配当

2019年11月12日

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AT&TはVZ(ベライゾン)に並ぶ世界最大級の通信持株会社です。

子会社や関連企業を通して、電話サービス、無線・データ通信、ネット接続サービス、IP(インターネットプロトコル)と衛星によるテレビ放送、通信機器、電話帳広告などを手がけています。

米国で固定電話、携帯電話、ネット接続サービスを手がけ、全米最大規模の4Gネットワークを保有しています。

元々は電話を発明したグラハム・ベルの「ベル電話会社」が前身で、1980年代に電話の独占をやめ、地域電話会社を分離しました。

2005年に元傘下にあったSBCコミュニケーション社に逆買収され、固定電話と高速移動通信(4G LTE)に重点を置いた事業形態に移行します。

2014年にプリペイド携帯電話サービスのリープワイヤレス、15年には衛星放送大手ディレクTVを買収。16年11月にはネット配信のディレクTV NOWを開始。

これに伴い、事業を以下のように再編しました。

売り上げの9割は米国で計上されており、事業ごとの売上比率は以下の構成になっています(18年12月)。

事業 売上 税引前益
モビリティ 39% 49%
ワーナーメディア 17% 18%
ビジネスワイヤライン 14% 17%
エンターテインメント 25% 15%
ラテンアメリカ 5% 1%

16年にAT&Tが発表したタイムワーナーの買収計画(854億ドル)に関しては、自由競争を阻害するという理由で17年11月に司法省の差止めをくらい、法廷闘争となりましたが、18年6月に裁判所はその訴えを却下。850億ドル(9.4兆円相当)でタイムワーナーの買収手続きを完了しました。

その後も、AT&Tは21日にデータセンター事業をブルックフィールド・インフラストラクチャーに売却(11億ドル)することをで合意しています。

通信大手とメディア大手が融合することが容認され、米国では、合従連衡の動きが活発化が進んでいます。

NFLX(ネットフリックス)という強敵も台頭してきているので、こうした勢力から身を守るために、通信とメディアの融合が進んできているわけです。

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主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(指標と株価はgooglefinance関数から取得。配当利回り〔税込み〕のみブルームバーグ)

1/2株価 28.5
11/8株価 39.4
株価上昇率 38.18%
52週高値 39.6
52週安値 26.8
EPS 2.23
PER 17.65
配当利回り 5.18%
時価総額(億$) 2877
株式数(億) 73.1

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。

株価の推移を1年ごとに見てみましょう

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は11/8)
T 初値 終値 上昇率
2019 28.5 39.4 38%
2018 39.1 28.5 -27%
2017 42.7 38.9 -9%
2016 34.1 42.5 25%
2015 33.8 34.4 2%
2014 35.2 33.6 -5%
2013 34.4 35.2 2%
2012 30.5 33.7 11%
2011 29.7 30.2 2%
2010 28.4 29.4 3%
2009 28.7 28 -2%
2008 41.5 28.5 -31%
★2:各年初から19/11/8までの伸び率
19年~ 18年~ 17年~ 16年~
38% 1% -8% 16%
15年~ 14年~ 13年~ 12年~
17% 12% 15% 29%
11年~ 10年~ 09年~ 08年~
33% 39% 37% -5%

配当利回りと配当性向

さらに、配当利回りを見てみます。

権利落ち日 配当 利回り 株価
2019/10/10 0.51 5.45% 37.4
2019/07/10 0.51 6.01% 33.8
2019/04/10 0.51 6.34% 31.9
2019/01/10 0.51 6.61% 30.4
2018/10/10 0.5 6.09% 32.9
2018/07/10 0.5 6.12% 32.5
2018/04/10 0.5 5.53% 35.8
2018/01/10 0.5 5.38% 36.6
2017/10/10 0.49 5.09% 38.5
2017/07/10 0.49 5.29% 36.8
2017/04/10 0.49 4.80% 40.4
2017/01/10 0.49 4.73% 40.8

配当性向の推移もモーニングスター(MS)社のデータで確認してみましょう。

★配当性向=1株当たり配当÷EPS×100〔純利益から配当金を支払っている割合〕

★単純計算=EPS÷1株配当。MS試算=モーニングスター社の試算値

年/月 EPS 配当 配当性向
(GAAP) 単純計算 MS試算
08/12 2.16 1.61 74.5 74.5
09/12 2.05 1.65 80.5 77.8
10/12 3.35 1.69 50.4 52.5
11/12 0.66 1.73 262.1 87.3
12/12 1.25 1.77 141.6 141.6
13/12 3.42 1.81 52.9 125
14/12 1.24 1.85 149.2 56.6
15/12 2.37 1.89 79.7 208.9
16/12 2.1 1.93 91.9 81.3
17/12 4.76 1.97 41.4 93.8
18/12 2.9 2.0 70.5 38
19/12      

四半期決算(2019予想など)

さらに、ロイターが調べた四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。

(※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載)。

EPS:予想と結果

予想 11/8 1月前 2月前
Y:2020 3.62 3.62 3.62
Y:2019 3.56 3.55 3.56
Q:20/3 0.88 0.89 0.89
Q:19/12 0.88 0.89 0.89
EPS 予想 結果
19/9 0.93 0.94 0.01 1.1
19/6 0.89 0.89 0 0.0
19/3 0.86 0.86 0 0.0
18/12 0.86 0.86 0 0.0
18/9 0.94 0.9 -0.04 -4.3
18/6 0.85 0.91 0.06 7.1
18/3 0.87 0.85 0.02 2.4

売上高:予想と結果

予想 11/8 1月前 2月前
Y:2020 182560 182540 183332
Y:2019 181540 182420 182816
Q:20/3 45040
Q:19/12 47080 47490 47645
売上 予想 結果
19/9 45000 44590 -410 -0.9
19/6 44852 44957 105 0.2
19/3 45115 44827 -288 -0.6
18/12 48495 47993 -502 -1.0
18/9 45647 45739 92 0.2
18/6 39359 38986 -373 -0.9
18/3 39307 38038 1269 3.2

決算予想と結果では米国会計基準(GAAP)とは違う「非GAAP基準」の数値(各社が経営実態を踏まえて調整した数値)が多用されています。そのため、本節の売上とEPSは次節のGAAP基準の値と同じになるとは限りません。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。

損益計算(売上、純利益等

T 売上高 営業CF OCFマージン 純利益
08/12 123443 33610 27% -2625
09/12 122513 34405 28% 12138
10/12 124280 35222 28% 19864
11/12 126723 34743 27% 3944
12/12 127434 39176 31% 7264
13/12 128752 34796 27% 18418
14/12 132447 31338 24% 6442
15/12 146801 35880 24% 13345
16/12 163786 38442 23% 12976
17/12 160546 38010 24% 29450
18/12 170756 43602 26% 19370

*同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや売上高成長率など

T SG(%) EPS DSO
08/12 4% -0.44 47.4
09/12 -1% 2.05 46.0
10/12 1% 3.35 42.0
11/12 2% 0.66 39.2
12/12 1% 1.25 37.6
13/12 1% 3.42 36.3
14/12 3% 1.24 37.8
15/12 11% 2.37 38.6
16/12 12% 2.1 37.1
17/12 -2% 4.76 37.9
18/12 6% 2.85 46.0
       

※SG(セールスグロース):売上高成長率(前年度比)

※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。

バランスシート

T 総資産 総負債 株主資本 自己資本率
08/12 265245 168495 96750 36%
09/12 268312 166323 101989 38%
10/12 269391 157441 111950 42%
11/12 270442 164645 105797 39%
12/12 272315 179620 92695 34%
13/12 277787 186305 91482 33%
14/12 296834 206564 90270 30%
15/12 402672 279032 123640 31%
16/12 403821 279711 124110 31%
17/12 444097 302090 142007 32%
18/12 531864 337980 193884 36%
         

ROAとROEなど

T ROA ROE 流動比率
08/12 -1% -3% 53%
09/12 5% 12% 68%
10/12 7% 18% 60%
11/12 1% 4% 74%
12/12 3% 8% 71%
13/12 7% 20% 66%
14/12 2% 7% 90%
15/12 3% 11% 75%
16/12 3% 10% 76%
17/12 7% 21% 97%
18/12 4% 10% 80%
       

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合

★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合

★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る指標

キャッシュフロー

T 営業CF 投資CF 財務CF
08/12 33610 -29098 -4690
09/12 34405 -17883 -14508
10/12 35222 -21449 -15849
11/12 34743 -21250 -11649
12/12 39176 -19680 -17673
13/12 34796 -23124 -13201
14/12 31338 -18337 -7737
15/12 35880 -49144 9782
16/12 38442 -23318 -14462
17/12 38010 -18943 25930
18/12 43602 -63145 -25989