T(AT&T)今後の見通し
エーティアンドティー(AT&T)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(VZとTを比較:ベライゾンとAT&T)を参照
直近決算
10月22日(米国時間)にAT&Tは決算を発表しました。
T(AT&T)決算
(※通信大手)
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.54$→結果0.54$
・売上高:予想308.9億$→結果307億$(前年同期比+2%)
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました
企業概要
AT&T(AT&T Inc.、ティッカー:T)は、米国を代表する通信企業です。本社はテキサス州ダラス。個人・法人・公共部門向けに、ワイヤレス(携帯)、ブロードバンド(固定)、ネットワーク関連ソリューションを提供しています。2025年通期時点の報告セグメントは Communications(Mobility/Business Wireline/Consumer Wireline)と Latin America(Mexico) でしたが、2026年Q1からは事業モデルの変化に合わせ、Advanced Connectivity/Legacy/Latin Americaを中心とする表示へ変更されています。[1]
高品質なネットワークとサービスの信頼性を強みとし、5Gの全国展開と固定系の拡張(光ファイバー「AT&T Fiber」および固定無線アクセス「AT&T Internet Air」)を推進しています。2026年Q1にはポストペイド電話純増29.4万件、AT&T Fiber純増27.3万件、AT&T Internet Air純増23.9万件を記録しました。2026年3月31日時点のインターネット接続数は1,483.3万で、このうちFiberは1,250.1万、固定無線は233.2万です。[2]
2025年通期の営業収益は1,256億ドル、純利益は234億ドル、希薄化後EPSは3.04ドル、調整後EPSは2.12ドルでした。営業キャッシュフローは403億ドル、フリーキャッシュフローは166億ドルで、配当と自社株買いを合わせて120億ドル超を株主に還元しました。[3]
2026年Q1の営業収益は315.06億ドルで、前年同期比2.9%増でした。営業利益は66.58億ドル、継続事業からの利益は42億ドル、継続事業ベースの希薄化後EPSは0.54ドル、調整後EPSは0.57ドルです。営業キャッシュフローは76億ドル、設備投資は49億ドル、フリーキャッシュフローは25億ドルでした。2026年通期見通しでは、調整後EPSを2.25〜2.35ドル、資本投資を230億〜240億ドル、フリーキャッシュフローを180億ドル超としています。[4]
配当は四半期配当を継続しており、2025年12月にも普通株1株あたり0.2775ドルの四半期配当を宣言しています。2026年見通しでも、現在の年率1.11ドルの普通株配当を維持しつつ、2026年に約80億ドルの自社株買いを計画しています。[5]
主な事業領域は以下の通りです(2026年時点)。
★ワイヤレス(移動通信)サービス:4G/5Gの通信サービスを提供します。2025年通期には、5年連続で150万件超のポストペイド電話純増を達成しました。2026年Q1のポストペイド電話純増は29.4万件、ポストペイド電話チャーンは0.89%でした。2026年Q1のAdvanced Connectivityにおけるワイヤレスサービス収入は169.41億ドルで、前年同期比1.7%増でした。[6]
★固定通信とインターネット接続サービス:光ファイバー「AT&T Fiber」による家庭向けインターネット、法人向けFiber、固定無線アクセス(AT&T Internet Air)を提供します。2026年Q1のインターネット純増は58.4万で、Fiber純増29.2万、固定無線純増29.2万でした。このうち消費者向けでは、AT&T Fiber純増27.3万、AT&T Internet Air純増23.9万です。2026年Q1末時点で、AT&Tは3,700万超の消費者・法人向けファイバー提供可能地点に到達しており、2026年末には4,000万超、2030年末には6,000万超を目指しています。[7]
★法人向けネットワーク(Business/Advanced Connectivity):企業・公共部門向けに、専用ネットワーク、セキュリティ、マネージドサービス、固定無線、法人向けFiberなどを提供します。2026年Q1のBusiness向けワイヤレスサービス収入は23.57億ドル、Business fiber and advanced connectivity収入は18.82億ドルでした。一方、レガシー銅線系・旧来型サービスは縮小が続いており、2026年Q1のLegacyセグメント収入は17.68億ドルで前年同期比25.3%減でした。AT&Tは国内の銅線ネットワークの大部分を2030年前までに停止・移行する方針です。[8]
★Latin America(Mexico):メキシコでワイヤレス事業を展開しています。2025年末時点のメキシコのワイヤレス契約数は2,468万で、内訳はポストペイド675.1万、プリペイド1,773.0万、リセラー19.9万でした。2026年Q1末時点では、メキシコのワイヤレス契約数は2,410.3万でした。[9]
ポートフォリオ再編:AT&Tは2022年にWarnerMedia事業を分離し、Discoveryと統合しました(現:Warner Bros. Discovery)。また、2025年7月2日には衛星放送事業DirecTVの残余70%持分をTPGに売却し、同事業から完全に撤退しました。現在はメディア中核事業を保有せず、ワイヤレス、光ファイバー、固定無線、法人向けネットワークへ投資資源を集中しています。[10]
直近の拡張策:2026年2月2日、AT&TはLumen TechnologiesのMass Markets fiber事業の大部分を57.56億ドルで買収完了しました。この買収により、100万超のファイバー顧客、400万超のファイバー提供可能地点、デンバー、シアトル、ソルトレイクシティなどの主要都市圏が加わりました。買収したファイバー資産は完全子会社に移され、AT&Tは今後、同事業に共同投資するエクイティパートナーへ支配持分を売却する計画です。[11]
また、2025年8月にはEchoStarから3.45GHz帯と600MHz帯の全国規模の周波数ライセンスを約230億ドルで取得する契約を発表しました。取引は規制当局の承認などを条件に、2026年半ばの完了が見込まれています。これにより5Gと固定無線の容量・カバレッジ強化を狙いますが、取引完了後は純負債/調整後EBITDA倍率が一時的に3倍台へ上昇し、その後おおむね3年で2.5倍程度の目標レンジへ戻す計画です。[12]
注:メディア事業の整理 — メディア中核事業は保有していません。AT&Tは2022年にWarnerMedia事業を分離し、Discoveryと統合しました。また、2025年7月には衛星放送事業DirecTVの残余70%持分をTPGに売却し、同事業から完全に撤退しました。[10]
ひとことで:AT&Tは「ワイヤレス×光ファイバー×固定無線」の接続事業に集中する通信会社です。2026年Q1からは、従来のCommunications内訳よりも、成長領域のAdvanced Connectivityと縮小領域のLegacyを分けて見せる開示に変わりました。Lumenのファイバー買収とEchoStarの周波数取得により、成長余地は広がる一方、資本投資・負債・自社株買い・配当のバランスを確認する局面です。[13]
【注】(出典リンク)
- 会社概要・本社所在地・2025年までの事業区分・2026年Q1からのセグメント変更 → AT&T Annual Report 2025 → 2025 Annual Report PDF → 2026年Q1決算リリース(確認日:2026-05-10) ↩
- 2026年Q1のポストペイド電話・Fiber・Internet Air純増、インターネット接続数 → AT&T Quarterly Earnings 2026 → 2026年Q1 Financial and Operational Schedules(確認日:2026-05-10) ↩
- 2025年通期業績・営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー・株主還元 → AT&T 2025年Q4/通期決算リリース → 2025 Annual Report PDF(確認日:2026-05-10) ↩
- 2026年Q1業績・2026年通期見通し・FCF・資本投資 → AT&T 2026年Q1決算リリース → 2026年Q1決算PDF(確認日:2026-05-10) ↩
- 配当・2026年資本還元計画 → 2025 Annual Report PDF → 2026年Q1決算PDF → Historical Common Dividends(確認日:2026-05-10) ↩
- ワイヤレス純増・チャーン・Advanced Connectivityワイヤレス収入 → 2026年Q1決算PDF → 2026年Q1 Financial and Operational Schedules(確認日:2026-05-10) ↩
- Fiber/固定無線純増・ファイバー提供可能地点・2030年目標 → AT&T 2026年Q1決算リリース → 2026年Q1決算PDF(確認日:2026-05-10) ↩
- Business向けAdvanced Connectivity・Legacy縮小・銅線ネットワーク停止方針 → 2026年Q1決算PDF → 2026年Q1 Financial and Operational Schedules(確認日:2026-05-10) ↩
- Mexico事業・ワイヤレス契約数 → 2025 Annual Report PDF → 2026年Q1 Financial and Operational Schedules(確認日:2026-05-10) ↩
- WarnerMedia分離・DirecTV残余持分売却完了 → WarnerMedia Transaction → DirecTV売却完了 → 2025 Annual Report PDF(確認日:2026-05-10) ↩
- Lumen Mass Markets fiber事業買収完了・取得内容・Forged Fiber → AT&T:Lumen fiber事業買収完了 → AT&T-Lumen Transaction → AT&T 2026年Q1 Form 10-Q(確認日:2026-05-10) ↩
- EchoStar周波数ライセンス取得契約・230億ドル・2026年半ば完了見込み → AT&T:EchoStar周波数取得発表 → EchoStar発表 → Reuters(確認日:2026-05-10) ↩
- Advanced Connectivity/Legacyへの開示変更・2026年成長見通し・レバレッジ目標 → 2026年Q1決算PDF → AT&T/EchoStar Transaction Call Transcript(確認日:2026-05-10) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
EPSと売上:予想:結果
【出典】

