TSLA(テスラ)今後の見通し
テスラ(Tesla Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(TSLAとNIOを比較:テスラとニーオの株価·決算)を参照
直近決算
4月22日(米国時間)にTSLA(テスラ)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.36$→結果0.41$
・売上高:予想222.8億$→結果223.9億$(前年同期比+16%)
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました
企業概要
テスラ(Tesla, Inc.:NASDAQ: TSLA)は、2003年にマーティン・エバーハードとマーク・ターペニングが設立したEV・エネルギー企業です。のちにイーロン・マスクが主要投資家として参画し、2008年10月にCEOへ就任して以降、企業の方向性を主導してきました。初の量産型車両は2008年の高性能EVスポーツカー「ロードスター」です。現在はEV、エネルギー貯蔵、太陽光発電、充電インフラ、AI、ロボタクシー、ロボティクスへ事業領域を広げています。[1]
テスラは、EV(電気自動車)とエネルギー貯蔵・発電製品を通じて「持続可能なエネルギーへの移行を加速する」ことを掲げる企業です。2012年に高級セダン「Model S」、2015年にSUV「Model X」、2017年に量販セダン「Model 3」、2020年にコンパクトSUV「Model Y」の生産を開始しました。2023年11月に電動ピックアップ「Cybertruck」の納車を開始し、2022年12月には大型商用トラック「Tesla Semi」の初期納車が行われました。2026年Q1時点では、CybercabとTesla Semiの量産開始を2026年中に予定していると会社側は説明しています。[2][3][4]
グローバルな生産拠点は、米国フリーモント(CA)、ネバダ(ギガネバダ:電池・ドライブトレイン・Semi)、テキサス州オースティン(Giga Texas:Model Y・Cybertruck・Cybercab関連)、中国・上海(ギガ上海:Model 3・Model Y)、ドイツ・ベルリン近郊グリュンハイデ(Giga Berlin:Model Y)などです。エネルギー貯蔵では、米カリフォルニア州ラスロップのMegapack専用メガファクトリーに加え、上海メガファクトリーが稼働し、テキサス州ヒューストン近郊の新メガファクトリーではMegapack 3/Megablock向けの生産準備が進んでいます。2026年Q1時点の公表能力は、カリフォルニアMegapackが年産40GWh、上海Megapackが年産20GWhです。[5][6]
株式面では2020年8月に5分割、2022年8月に3分割を実施しました。2020年12月21日にS&P500へ組み入れられ、資本市場での存在感が一段と高まりました。[7]
テスラは、大きくEV事業と再生可能エネルギー(エネルギー発電・貯蔵)事業の2本柱で事業を展開しています。2025年通期の車両生産台数は165万4,667台、納車台数は163万6,129台で、納車台数は2024年通期比9%減でした。一方、2025年通期のエネルギー貯蔵導入量は46.7GWhで、2024年通期比49%増となり、自動車販売の減速をエネルギー事業の成長が一部補う構図になっています。[8]
EV事業
- Model S:長距離航続と加速性能、ソフトウェアで進化する先進安全・快適機能が特徴のフラッグシップセダン。2026年Q1時点では販売台数の中心ではなく、同社の高価格帯・ブランド象徴的な車種です。
- Model X:ファルコンウィングドアを備えるSUV。広い室内空間と高い安全評価が強みですが、Model Sと同様に現在の販売の中心はModel 3/Yです。
- Model 3:大衆価格帯セダン。高いエネルギー効率とパフォーマンスで世界的に普及し、2025年通期もModel 3/Y合計で納車158万5,279台を占めました。[8]
- Model Y:Model 3と共通プラットフォームのコンパクトSUV。ファミリー層向けユーティリティと使い勝手で主力になっており、2026年Q1には中国以外の市場でModel YLの展開も進めています。[6]
- Cybertruck:ステンレス外装を採用する電動ピックアップ。2023年11月に納車を開始し、2026年Q1時点の公表年産能力は12.5万台超です。2026年Q1にはUAEでの納車開始も公表されました。[3][6]
- Tesla Semi:大型商用トラック。2022年12月に初期納車が始まり、2026年Q1時点ではネバダでパイロット生産段階です。会社側は2026年中の量産開始を見込んでいます。[4][6]
- Cybercab:完全自律走行を前提に設計されたロボタクシー向け車両です。2026年Q1時点ではパイロット生産段階で、同社は2026年中の量産開始を見込んでいます。ただし、実際の商用展開は規制承認、安全性、運用地域、FSDの性能に大きく左右されます。[6]
再生可能エネルギー事業
- ソーラールーフ/ソーラーパネル:屋根一体型の「Solar Roof」と住宅向け「Solar Panels」で自家発電を提供します。2026年Q1には、ギガファクトリー・ニューヨークで生産する自社設計ソーラーパネルの本格導入が始まったと説明されています。[6]
- Powerwall:家庭用蓄電。停電時のバックアップや太陽光の自家消費最適化に対応します。2025年末時点では、世界のPowerwallネットワークが100万台超の設置ベースに広がり、仮想発電所(VPP)イベントでも活用されています。[9]
- Megapack:ユーティリティ規模の大容量蓄電システムです。系統安定化、再生可能エネルギーの変動吸収、ピーク需要対応に使われます。2025年通期のエネルギー貯蔵導入量は46.7GWh、2025年Q4は14.2GWhで四半期過去最高でした。2026年Q1は8.8GWhで前年同期比15%減でしたが、Megapack 3/Megablock向けヒューストン工場の生産開始は2026年後半に向けて準備が進んでいます。[8][6]
テスラの競争優位性は、以下の要素に支えられます。
- バッテリー技術:セル、パック、制御ソフト、熱管理、製造工程を垂直統合し、EVとエネルギー貯蔵の双方でコスト低減を追求しています。2025年のエネルギー貯蔵事業では、上海メガファクトリーの立ち上がりや原材料コスト低下も寄与し、同事業の粗利率は2024年の26.2%から2025年は29.8%へ改善しました。[10]
- 自動運転支援(Autopilot/FSD):パッケージ名称は「Full Self-Driving(Supervised)」で、運転者の継続的監視が前提です。2026年Q1時点の有料FSDサブスクリプションは128万件で、前年同期比51%増でした。2026年4月にはオランダでFSD(Supervised)の承認を受けたほか、DallasとHoustonで無人Robotaxiライドを開始したと会社側は説明しています。[11]
- ギガファクトリー:世界各地の大規模工場で効率生産を実現しています。ギガ上海はModel 3/Yの年産能力95万台超、ギガベルリンはModel Yの年産能力37.5万台超、ギガテキサスはModel Yの年産能力25万台超と公表されています。[6]
- 充電網:2026年Q1時点でSuperchargerステーションは8,463カ所、コネクターは7万9,918基でした。車両販売後の利便性、ブランド体験、他社EVへの開放による収益機会の面で重要な資産です。[6]
事業運営の特徴は次の通りです。
- 垂直統合型ビジネスモデル:車両設計・製造、電池、ソフトウェア、直販、サービス、保険、充電網、エネルギー貯蔵まで一貫して統合します。これにより、製品改良、コスト管理、ソフトウェア収益化、顧客データ活用を進めやすい構造を持ちます。[5]
- グローバル展開と新工場:北米、欧州、中国を中心に生産・販売を拡大してきました。2026年Q1時点では、既存工場の活用を優先しつつ、Megapack 3、Cybercab、Tesla Semi、Optimus、AI計算基盤、電池材料などへの投資を進めています。[6]
- ブランドと新製品:「持続可能な未来」という明確なミッションのもと、Cybertruck、Semi、Cybercab、Megapack 3、Megablock、Optimusを中長期の成長候補として掲げています。ただし、2025年通期はEV納車が減少し、2026年Q1も在庫日数が27日に上昇しているため、EV本体の需要・価格・競争環境には注意が必要です。[6]
最近の業績トピック
2025年通期の売上高は948.27億ドルで、2024年通期の976.90億ドルから3%減となりました。2025年通期のGAAP純利益は37.9億ドルで、前年から大きく減少しました。自動車売上は695.26億ドルで前年比10%減、一方でエネルギー発電・貯蔵売上は127.71億ドルで前年比27%増でした。営業キャッシュフローは147.5億ドル、設備投資は85.3億ドル、2025年末の現金・現金同等物・投資は440.6億ドルでした。[12]
2026年Q1の売上高は223.87億ドルで前年同期比16%増、GAAP営業利益は9.41億ドル、GAAP純利益は4.77億ドル、Non-GAAP純利益は14.53億ドルでした。GAAP希薄化後EPSは0.13ドル、Non-GAAP希薄化後EPSは0.41ドルです。営業キャッシュフローは39.37億ドル、設備投資は24.93億ドル、フリーキャッシュフローは14.44億ドルでした。[13]
同四半期の車両生産台数は40万8,386台、納車台数は35万8,023台でした。生産台数が納車台数を大きく上回ったため、需給バランスと在庫管理は確認すべきポイントです。エネルギー貯蔵導入は8.8GWhで、2025年Q4の14.2GWhからは減少しました。[13]
ミニ解説
- EV事業は成長鈍化を確認する局面:2025年通期の納車台数は前年比9%減でした。2026年Q1は前年同期比では増えましたが、2025年Q1の弱さとの比較でもあるため、価格競争、在庫、地域別需要を見る必要があります。
- エネルギー貯蔵は第2の柱になりつつある:2025年通期の導入量は46.7GWh、売上は127.71億ドル、粗利率は29.8%でした。MegapackとPowerwallの拡大が、EV事業の減速を一部補っています。
- FSD/Robotaxiは期待と規制の両方を見る:FSD(Supervised)は運転者監視が前提です。Robotaxiは一部地域で展開が始まっていますが、収益化には安全性、規制、保険、車両供給、地域ごとの認可が必要です。
- 投資家が見るべき点:EV納車台数と平均販売価格、在庫日数、エネルギー貯蔵の導入量と粗利率、FSD有料契約、Robotaxiの実運用、Megapack 3の量産、設備投資、フリーキャッシュフローを確認する必要があります。
【注】(出典リンク)
- 創業・会社概要・CEO就任・事業概要 → Tesla 2025 Form 10-K(SEC) → Tesla Investor Relations(確認日:2026-05-10) ↩
- 主要車種・EV事業・量産開始時期 → Tesla 2025 Form 10-K(確認日:2026-05-10) ↩
- Cybertruck納車開始 → Reuters:Cybertruck deliveries begin → Tesla 2025 Form 10-K(確認日:2026-05-10) ↩
- Tesla Semi初期納車・2026年量産見通し → Reuters:Tesla Semi first deliveries → Tesla Q1 2026 Update(確認日:2026-05-10) ↩
- 主要拠点・垂直統合・事業説明 → Tesla 2025 Form 10-K → Tesla About(確認日:2026-05-10) ↩
- 2026年Q1生産能力・Cybercab/Semi・Megapack 3・FSD/Robotaxi・Supercharger → Tesla Q1 2026 Update → Tesla Q1 2026 Production, Deliveries & Deployments(確認日:2026-05-10) ↩
- 株式分割・S&P500組み入れ → Tesla 5-for-1 Stock Split → Tesla 3-for-1 Stock Split → S&P Dow Jones Indices(確認日:2026-05-10) ↩
- 2025年通期生産・納車・エネルギー貯蔵導入 → Tesla Fourth Quarter 2025 Production, Deliveries & Deployments → Tesla Q4 2025 Update(確認日:2026-05-10) ↩
- Powerwall・VPP・エネルギー事業 → Tesla Q4 2025 Update → Tesla Powerwall(確認日:2026-05-10) ↩
- エネルギー貯蔵売上・粗利率・上海メガファクトリー効果 → Tesla 2025 Form 10-K:Energy Generation and Storage(確認日:2026-05-10) ↩
- FSD(Supervised)・FSD契約・Robotaxi展開 → Tesla FSD Support → Tesla Q1 2026 Update(確認日:2026-05-10) ↩
- 2025年通期業績・売上・純利益・キャッシュフロー・部門別売上 → Tesla 2025 Form 10-K → Tesla Q4 2025 Update(確認日:2026-05-10) ↩
- 2026年Q1業績・生産・納車・エネルギー導入・キャッシュフロー → Tesla Q1 2026 Update → Tesla Q1 2026 Production, Deliveries & Deployments(SEC Exhibit)(確認日:2026-05-10) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
EPSと売上:予想:結果
【出典】

