TSLA(テスラ)今後の見通し

消費財

テスラ(Tesla Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(TSLAとNIOを比較:テスラとニーオの株価·決算)を参照

直近決算

1月30日(米国時間)にTSLA(テスラ)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.76$→結果0.73$
・売上高:予想272.3億$→結果257.1億$(前年同期比+2%)
★自動車生産&納車台数
・生産 459445台
・納車 495570台
★出所
IRプレスリリース
・予想値・自動車生産台数等はCNBC記事を参照しました

企業概要

テスラ(Tesla, Inc.)は、2003年にマーティン・エバーハードとマーク・ターペニングによって設立されました。当初は電動パワートレインの開発に注力し、2008年に初の量産型車両である高性能スポーツカー『ロードスター』を発表しました。その後、イーロン・マスクが投資家・経営者として参画し、CEOに就任して以降、企業の方向性を主導しています。

テスラは、EV(電気自動車)と再生可能エネルギー製品を通じて、環境保護と先進技術の融合を推進し、自動車業界に大きな変革をもたらしています。2012年には高級セダン『モデルS』を、2015年にはSUV『モデルX』を発売し、2017年には普及を目指した『モデル3』の生産を開始しました。2020年にはコンパクトSUV『モデルY』の生産を開始し、製品ラインナップを拡充しています。

グローバルな生産拠点としては、ネバダ州、上海、ベルリン、テキサス州などに大規模な工場(ギガファクトリー)を保有しており、生産能力の拡大を図っています。また、『サイバートラック』や『テスラ・セミ』といった新製品の開発も進めています。

2020年には株式分割やS&P500への組み入れなどもあり、株式市場からの評価も高まっています。

テスラは、EV事業と再生可能エネルギー事業の2つの柱を中心に事業を展開しています。

EV事業

  • Model S:高級セダンとして、長距離走行性能、加速性能、先進的な安全技術を兼ね備えています。
  • Model X:SUVタイプで、特徴的な「ファルコンウィングドア」と広い室内空間、高い安全性が特徴です。
  • Model 3:手頃な価格帯の大衆向けモデルとして、高いエネルギー効率とパフォーマンスを備えています。
  • Model Y:Model 3のプラットフォームをベースにしたコンパクトSUVで、都市部での利便性とファミリー層向けのユーティリティを両立しています。

再生可能エネルギー事業

  • ソーラールーフ:建物の屋根材として機能する太陽光発電パネル。住宅や商業施設が自ら電力を生成することを可能にします。
  • Powerwall:家庭用蓄電システム。太陽光発電で得た電力を蓄え、停電時や夜間の電力利用を可能にします。
  • Powerpack/Megapack:産業用およびグリッドレベルの大容量バッテリーシステム。再生可能エネルギーの安定供給に貢献します。

テスラの競争優位性は、以下の要素によって支えられています。

  • バッテリー技術:自社開発のリチウムイオンバッテリーは、高いエネルギー密度と長寿命を実現し、EVの航続距離延長やエネルギー貯蔵製品の性能向上に貢献しています。
  • 自動運転技術(Autopilot):センサー、カメラ、AI技術を統合した自動運転支援システム「Autopilot」は、運転体験を向上させる機能を提供しています。しかしながら、過去にはAutopilotに関連する事故も発生しており、安全性向上に向けた技術開発が進められています。
  • ギガファクトリー:世界各地に大規模な工場(ギガファクトリー)を建設し、効率的な生産体制を構築しています。上海ギガファクトリーは、2018年7月に建設が開始され、2019年12月に生産を開始しました。

テスラは、従来の自動車メーカーとは異なる独自の戦略を採用し、事業を推進しています。

  • 垂直統合型ビジネスモデル:車両の設計、製造、部品調達、ソフトウェア開発、販売、充電インフラ整備などを自社で一貫して行うことで、品質管理の徹底とコスト最適化を図っています。
  • グローバル展開と新工場建設:北米市場に加え、ヨーロッパやアジア市場への進出を積極的に進めています。中国市場では、上海ギガファクトリーが2019年末に生産を開始し、ベルリン近郊やテキサス州でもEV・バッテリー工場の建設が進められています。
  • ブランドと新製品展開:「持続可能な未来」という明確なミッションを掲げ、イーロン・マスクCEOの強力なリーダーシップのもとでブランド価値を高めています。『サイバートラック』や『テスラ・セミ』といった新製品の投入も予定されており、事業の多角化と成長が期待されています。

【出所一覧】

【事業構成】

事業構成

【地域別売上高】

地域別売上高

Posted by 南 一矢