TXN(テキサスインスツルメンツ)今後の見通し
テキサスインスツルメンツ(Texas Instruments Incorporated)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
直近決算
TXNは7月22日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.35$→結果1.41$
・売上高:予想43.5億$→結果44.5億$(前年同期比+16%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想1.49$→結果1.36~1.6$
・売上高:予想45.5億$→結果44.5~48億$
★出典:IRページ
・IRプレスリリース
★予想値は以下のページを参照しました。
・streetinsider
企業概要
テキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments Incorporated、以下TI)は、米国テキサス州ダラスに本社を置く、世界最大級の半導体設計・製造会社です(NASDAQ上場)
アナログ半導体と組込みプロセッサの分野で世界をリードし、生活に欠かせない多様な電子機器の根幹を支えています。世界35ヶ国以上に製造・設計・販売の拠点を持ち、約10万社の顧客に8万種類以上の製品を供給するエレクトロニクス業界の巨人です。
事業の柱:アナログ半導体と組込みプロセッサ
TIの事業は、大きく「アナログ半導体」と「組込みプロセッサ」の2つのセグメントで構成されています。
1. アナログ半導体事業
TIの収益の柱であり、売上の約8割を占めるのがアナログ半導体です。アナログ半導体とは、現実世界で発生する光、音、圧力、温度、電気といった連続的な信号(アナログ信号)を、コンピュータが処理できるデジタル信号(0と1の羅列)に変換したり、その逆を行ったり、信号を増幅・調整したりする役割を担う半導体です。スマートフォン、PC、自動車、産業機器、医療機器など、あらゆる電子機器に不可欠な部品であり、「電子機器の縁の下の力持ち」と呼べる存在です。
TIは、このアナログ半導体市場において、2021年時点で約19%という圧倒的な世界シェアを誇るトップランナーです。電源管理IC、アンプ、データコンバータなど、多岐にわたる製品ラインナップを有し、特に高い成長が見込まれる産業機器や自動車分野での強みが際立っています。同社の製品は、工場の自動化を進めるファクトリーオートメーション、再生可能エネルギー関連の設備、電気自動車(EV)のバッテリーマネジメントシステムなど、最先端の技術分野で広く採用されています。
2. 組込みプロセッサ事業
もう一つの柱が、組込みプロセッサ事業です。これは、特定の機能を実現するために電子機器に組み込まれるマイクロコントローラ(マイコン)やデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)などを指します。機器の「頭脳」として、リアルタイムでの制御やインテリジェントな意思決定を可能にします。
TIの組込みプロセッサは、モーター制御、ワイヤレス接続、高精度なセンシング技術(ミリ波レーダーなど)と組み合わせることで、システムの高度化に貢献しています。例えば、自動車分野では、より安全でスマートな車両を実現するための先進運転支援システム(ADAS)や、EVの充電インフラなどで活用されています。また、産業分野では、ロボットや工場の自動化システムに搭載され、生産性の向上を支えています。
地域別売上と製造戦略
TIの売上は、地域別に見るとアジアが半分以上を占めており、グローバルな事業展開の重要性を示しています。
同社の特筆すべき点は、「自前主義」とも言える強力な内製化戦略です。製品の多くを自社工場で製造することで、サプライチェーンの安定化、品質管理の徹底、そしてコスト競争力の確保を実現しています。この戦略は、近年の世界的な半導体不足の局面において、他社に対する大きな優位性となりました。
未来への大規模投資:国内製造能力の強化
TIは将来の成長を見据え、製造能力の増強に大規模な投資を行っています。特に注目されるのが、米国内での生産能力拡大です。テキサス州とユタ州の拠点を中心に、総額600億ドル(約9兆円)以上を投じて7つの半導体工場を新設・拡張する計画を発表しました。
この投資は、米国のCHIPS法(半導体産業への補助金)を活用し、主に自動車や産業機器、防衛分野などで需要が根強い「レガシー半導体」の生産を強化するものです。これにより、地政学的リスクを低減し、長期的に安定した供給体制を構築することを目指しています。この戦略的な設備投資は、今後数十年にわたるTIの成長の基盤となるでしょう。
【出典】