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【UTX】ユナイテッドテクノロジーの株価と決算、配当

更新日:

ユナイテッド・テクノロジーズは、軍用・民間用の航空機エンジンや航空システム、宇宙産業、空調、エレベーター、エスカレーター、セキュリティサービス等の多分野で力を発揮する複合企業(コングロマリット)です。

連続増配23年、S&P格付A-の優良企業で、NYダウ30銘柄にも名を連ねる優良企業です。その事業構成をUTX社のHPで見てみます(出所:Businesses at a Glance | Who We Are | United Technologies)※B:10億ドル

従業員純売上高営業利益
オーティス6800012.3B2.1B
UTテクノロジー5500017.8B3.1B
プラット&ホイットニー3900016.5B1.7B
UTCエアロスペース4100014.7B2.5B

HPの事業分野

(※今までに手掛けたヘリコプター事業は2015年にロッキードマーティン社に売却されました)

オーティス

オーティスはエレベーターやエスカレーター、動く歩道を製造し、メンテナンスを行っています。世界で初めて安全なエレベーターを市場に投入し、現在、全世界で190万台のエレベーター、エスカレーター、動く歩道を管理しています。インド最大のエレベーター契約であるハイデラバード・メトロに670台のエレベーターとエスカレーターを提供しています。

ユナイテッド・テクノロジー

UTC クライメート、コントロール&セキュリティは、火災の防衛、セキュリティ、ビルオートメーション、暖房、換気、空調、冷凍システムおよびサービスを担っています。キャリアの冷蔵コンテナを通して毎日、60億ドル以上の商品を運び、2002年以来、Kiddeは消防署に100万件以上の煙と一酸化炭素アラームを提供しています。

プラット&ホイットニー

Pratt&Whitneyは、航空機エンジンのリーディングカンパニー。軍用エンジンと商用エンジンを担い、航空機エンジンから補助機器、地上動力装置、小型ターボジェット推進装置等を設計、製造しています。プラット&ホイットニーの軍用エンジンは、世界中の29の軍隊に採用され、大型商用エンジンは、世界の主要な旅客機の25%以上に採用されています。

UTCエアロスペース

今日のほぼ全ての航空機は、UTCエアロスペースのシステムに依存しています。同社は航空宇宙および防衛製品の世界最大のサプライヤの1つとなっています。26カ国、160以上の拠点で事業を展開し、業界で最も大きく、最も包括的なアフターマーケット事業を展開。

・・・

航空機のエンジンや飛行システムの中核を握っているUTXは、なかなか他業種が突き崩せない競争優位を握っています。

主な指標を概観

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まず、主要指標のデータを見てみます(出所はグーグルファイナンスなど)

19/1/2株価105.2
19/2/15株価127.8
株価上昇率21.50%
52週高値144.2
52週安値100.5
EPS6.54
PER19.52
配当(利回り)2.94 (2.30%)
時価総額(億$)1101
株式数(億)8.6

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。


その株価の推移を1年ごとに見てみましょう。

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は2/15)
UTX

初値

最安

最高

終値

上昇率

2019

105.2

103.5

127.8

127.8

21%

2018

127.9

102.1

142.1

106.5

-17%

2017

110.4

108.2

128.1

127.6

16%

2016

94.5

84.7

111

109.6

16%

2015

115.1

86.8

124.1

96.1

-17%

2014

112.9

99.2

120.1

115

2%

2013

83.4

83.6

113.8

113.8

36%

2012

74.9

70.9

86.9

82

9%

2011

79.2

67.4

91.4

73.1

-8%

2010

70.2

63.2

79.5

78.7

12%

2009

53.5

37.6

70.5

69.4

30%

2008

76.5

43.2

76.5

53.6

-30%

★2:各年初から2019/2/15までの伸び率
19年~

18年~

17年~

16年~

15年~

14年~

21%

0%

16%

35%

11%

13%

13年~

12年~

11年~

10年~

09年~

08年~

53%

71%

61%

82%

139%

67%

配当利回りと配当性向

株価の次に、配当金と配当性向の推移をモーニングスター(MS)社のデータで見てみます。

★配当性向=1株当たり配当÷EPS×100〔純利益から配当金を支払っている割合〕

★MS社は非GAAPのEPSで配当性向を試算。GAAP基準のEPS試算〔=単純計算〕の箇所は筆者挿入。

年/月

EPS

配当

配当性向

(GAAP)

単純計算

MS試算

2008/12

4.9

1.34

27.3

27.5

2009/12

4.12

1.54

37.4

37.4

2010/12

4.74

1.7

35.9

35.8

2011/12

5.49

1.86

33.9

34

2012/12

5.66

2.03

35.9

37.9

2013/12

6.25

2.19

35

37.6

2014/12

6.82

2.36

34.6

34.8

2015/12

8.61

2.56

29.7

39.6

2016/12

6.12

2.62

42.8

56.1

2017/12

5.7

2.72

47.7

41.4

四半期ごとの配当も見てみます。

権利落ち日

1株配当

配当利回り

当日株価

2018/11/16

0.735

2.2%

130.1

2018/08/17

0.7

2.1%

134.4

2018/05/18

0.7

2.2%

124.6

2018/02/16

0.7

2.1%

129.3

2017/11/17

0.7

2.3%

116.5

2017/08/18

0.7

2.3%

115.5

2017/05/19

0.66

2.2%

121.2

2017/02/17

0.66

2.4%

112.2

2016/11/18

0.66

2.5%

106.5

2016/08/19

0.66

2.4%

109.1

2016/05/20

0.66

2.6%

99.1

2016/02/19

0.64

2.9%

88.2

2015/11/13

0.64

2.7%

96.5

四半期決算(予想と実値)

18年第4四半期決算の概要は以下の通り。

  • EPS:予想1.53$⇒結果1.95$
  • 売上高:予想168.7億$⇒結果180.4億$
  • 2019年度のEPS:ガイダンス7.7~8$
  • 2019年度の売上高:ガイダンス755~770億$

予想値

さらに、ロイターが調べた四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます(2019/2/1、売上単位は100万ドル)。

売上予想

平均

上限

下限

期間

2019

69701

77028

66985

通年

6-19

17884

19093

17375

4半期

3-19

16352

17707

15725

4半期

売上

予想

結果

9-18

16154

16510

356

2.2

6-18

16265

16705

440

2.7

3-18

14643

15242

599

4.09

12-17

15395

15680

285

1.85

9-17

14979

15447

468

3.12

EPS予想

平均

上限

下限

期間

2019

7.78

8.23

7.35

通年

6-19

2.01

2.18

1.88

4半期

3-19

1.69

1.81

1.61

4半期

EPS

予想

結果

9-18

1.81

1.93

0.12

6.35

6-18

1.85

1.97

0.12

6.61

3-18

1.51

1.77

0.25

16.83

12-17

1.56

1.6

0.04

2.53

9-17

1.69

1.73

0.04

2.52

※決算予想では米国会計基準(GAAP)とは異なる「非GAAP基準」の数値が多用されています。これは各社が経営実態を踏まえて調整した数値です(売上とEPSの数値が後述のGAAP基準での数値と異なる場合は、非GAAP基準の数値)

四半期決算(GAAP基準)

GAAP基準での四半期会計の実績は以下の通りでした

UTX

売上高

営業利益

純利益

EPS

09-2017

15062

2032

1434

1.67

12-2017

15680

2332

118

0.5

03-2018

15242

1928

1368

1.62

06-2018

16705

2876

2139

2.56

09-2018

16510

1838

1349

1.54

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。

損益計算(売上、純利益等)

売上高

営業CF

同マージン

純利益

2008/12

58681

6161

10.5%

4689

2009/12

52920

5353

10.1%

3829

2010/12

54326

5720

10.5%

4373

2011/12

58190

6460

11.1%

4979

2012/12

57708

6605

11.4%

5130

2013/12

62626

7314

11.7%

5721

2014/12

65100

6979

10.7%

6220

2015/12

56098

6755

12.0%

7608

2016/12

57244

6412

11.2%

5055

2017/12

59837

5631

9.4%

4552

※同マージン=営業キャッシュフローマージン。15~35%程度あれば優良な数値。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや営業利益率など

営業利益率

EPS

DSO

2008/12

13

4.9

55.84

2009/12

12.2

4.12

60.63

2010/12

13.2

4.74

58.43

2011/12

13.9

5.49

57.93

2012/12

13.3

5.66

65.29

2013/12

14.7

6.25

65.73

2014/12

15

6.82

63.85

2015/12

13

8.61

71.47

2016/12

14.3

6.12

70.57

2017/12

14.5

5.7

73.43

※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。

バランスシート

総資産

総負債

株主資本

自己資本率

2008/12

56837

40156

16681

29.3%

2009/12

55762

34763

20999

37.7%

2010/12

58493

36161

22332

38.2%

2011/12

61452

38632

22820

37.1%

2012/12

89409

62340

27069

30.3%

2013/12

90594

57375

33219

36.7%

2014/12

91206

58642

32564

35.7%

2015/12

87484

58640

28844

33.0%

2016/12

89706

60537

29169

32.5%

2017/12

96920

65499

31421

32.4%

 

ROAとROEなど

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合

★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合

★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る〔下表では資本が負債の何倍かを表記〕

ROA

ROE

流動比率

単位

倍率

2008/12

8.5

25.2

1.24

2009/12

6.8

21.3

1.29

2010/12

7.7

21.1

1.33

2011/12

8.3

23

1.38

2012/12

6.8

21.5

1.24

2013/12

6.4

19.8

1.29

2014/12

6.8

19.7

1.3

2015/12

8.5

26

1.18

2016/12

5.7

18.4

1.3

2017/12

4.9

15.9

1.35

キャッシュフロー

営業CF

投資CF

財務CF

フリーCF

2008/12

6161

-2336

-2238

4945

2009/12

5353

-1104

-4191

4527

2010/12

5720

-3150

-3140

4882

2011/12

6460

-672

-3983

5531

2012/12

6605

-18795

8021

5216

2013/12

7314

-1323

-5931

5745

2014/12

6979

-1967

-4249

5385

2015/12

6755

-2794

-10776

5103

2016/12

6412

-2509

-1188

4713

2017/12

5631

-3019

-993

3617

 

UTX社によるロックウェル・コリンズ買収

2017年のユナイテッド・テクノロジー社の大きなニュースとしては、ロックウェル・コリンズの買収があります。

9月4日にUTX社は航空機部品の大手企業であるロックウェル・コリンズを約230億ドル(2.5兆円相当)で買収することで合意し、コックピットディスプレイからエンジンまで幅広く装備を供給する巨大なメーカーとなりました。

これは航空機分野で最大級の買収であり、UTX社は航空機メーカーからの圧力に耐えられるようになるとも言われています。

この買収の背景については、日経電子版(2017/9/6)が解説記事を書いていました。

日経電子版はユナイテッドテクノロジーの収益源となる航空機エンジンのアフターサービスに最大顧客のボーイングとエアバスのビッグ2が参入したことを重視しています。

ボーイングが2017年7月に民間機、軍用機に次ぐ3つ目の事業として「ボーイング・グローバル・サービシズ」の運営を開始し、「航空機の修理・保守から、部品販売、ビッグデータを使った機材の最適運用支援までサービス事業に注力する」方針を打ち出しました。航空機の新たな受注が鈍化する中で「サービスは最も成長が見込める分野」(ボーイングのデニス・ミュイレンバーグ最高経営責任者=CEO)と見なしたわけです。

ユナイテッドテクノロジーはこれに対抗すべく、「ボーイングやエアバスと駆け引きする能力」を強化するためにロックウェルを買収。そして「ビッグ2にとって『なくてはならない存在』になることで、サービス分野でのビッグ2の動きをけん制する」ことを目指しました。

そのほか、航空エンジンビジネスの大手としてはGEや、米航空関連機器大手にはハネウェルがあります。

米国の航空事業の競争は厳しくなってきているので、UTXが競争優位を保てるかどうか、今後の展開を注視していきたいものです。

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