Free-Photos / Pixabay

全投稿記事 米国株 資本財 軍事株

【UTX】ユナイテッドテクノロジーの株価と決算、配当

更新日:

今回はユナイテッド・テクノロジー社(United Technologies Corporation)について書いてみます。

ユナイテッド・テクノロジー社(UTX)の株価は、トランプ政権の成立以降、株価上昇を続け、2017年9月にいったん下落し、18年1月まで株価が上がりました。

2月以降、株価は下がり気味ですが、今後の展開が気になるので、今回は、この企業について調べてみました。

UTXは重工業系の複合企業(コングロマリット)

スポンサーリンク

ユナイテッド・テクノロジーズは、軍用・民間用の航空機エンジンや航空システム、宇宙産業、空調、エレベーター、エスカレーター、セキュリティサービス等の多分野で力を発揮する複合企業(コングロマリット)です。

連続増配23年、S&P格付A-の優良企業で、NYダウ30銘柄にも名を連ねる優良企業です。

その事業構成をUTX社のHPで見てみます(出所:Businesses at a Glance | Who We Are | United Technologies)※B:10億ドル

従業員 純売上高 営業利益
オーティス 68000 12.3B 2.1B
UTテクノロジー 55000 17.88B 3.1B
プラット&ホイットニー 39000 16.5B 1.7B
UTCエアロスペース 41000 14.7B 2.5B

HPに書かれた事業の説明を見てみます。

(※今までに手掛けたヘリコプター事業は2015年にロッキードマーティン社に売却されました)

オーティス

オーティスはエレベーターやエスカレーター、動く歩道を製造し、メンテナンスを行っています。

世界で初めて安全なエレベーターを市場に投入し、現在、全世界で190万台のエレベーター、エスカレーター、動く歩道を管理しています。

インド最大のエレベーター契約であるハイデラバード・メトロに670台のエレベーターとエスカレーターを提供しています。

ユナイテッド・テクノロジー

UTC クライメート、コントロール&セキュリティは、火災の防衛、セキュリティ、ビルオートメーション、暖房、換気、空調、冷凍システムおよびサービスを担っています。

キャリアの冷蔵コンテナを通して毎日、60億ドル以上の商品を運び、2002年以来、Kiddeは消防署に100万件以上の煙と一酸化炭素アラームを提供しています。

プラット&ホイットニー

Pratt&Whitneyは、航空機エンジンのリーディングカンパニー。

軍用エンジンと商用エンジンを担い、航空機エンジンから補助機器、地上動力装置、小型ターボジェット推進装置等を設計、製造しています。

プラット&ホイットニーの軍用エンジンは、世界中の29の軍隊に採用され、大型商用エンジンは、世界の主要な旅客機の25%以上に採用されています。

UTCエアロスペース

今日のほぼ全ての航空機は、UTCエアロスペースのシステムに依存しています。同社は航空宇宙および防衛製品の世界最大のサプライヤの1となっています。
26カ国、160以上の拠点で事業を展開し、業界で最も大きく、最も包括的なアフターマーケット事業を展開。

・・・

航空機のエンジンや飛行システムの中核を握っているUTXは、なかなか他業種が突き崩せない競争優位を握っています。

ただ、2018年に入り、5月4日に物言う投資家として有名なダン・ローブ氏が率いるサード・ポイントがUTXを航空宇宙とエレベーター、空調事業の3会社に分割すべきだと主張。

UTXは全く異なる事業を一つの企業の傘下に置いているため、経営効率が上がらず、株価が伸び悩んでいると見て、三分割すれば、株主価値が200億ドルほど増えることが見込めると述べています。

この提案に対して、UTXは検討中の段階です。

ただ、米ロックウェル・コリンズの買収完了後、年内にポートフォリオを見直します。

【UTX】ユナイテッド・テクノロジーの株価推移

UTXの株価チャートは以下の通り。

【1年チャート】

【長期チャート】

長期で見ると波を描きながら右肩上がりになっています。

【UTX】ユナイテッド・テクノロジーの指標

最近の経営指標をブルームバーグHPで見てみます(2018/6/10閲覧)

  • 株価52週レンジ: 109.1~139.24
  • 1年トータルリターン: 8.22%
  • 年初来リターン: 0.03%
  • 株価収益率(PER): 18.34
  • 1年1株当り利益 (EPS) : 6.96
  • 時価総額(億ドル): 1021
  • 発行済株式数(万株): 80006
  • 株価売上高倍率(PSR): 1.64
  • 直近配当利回り(税込): 2.19%

【UTX】ユナイテッド・テクノロジーの決算と配当

UTX社の経営指標の推移を見てみます。

情報源はUTX決算、亜州IR株式会社の『米国株四半期速報』、週刊東洋経済社の『米国会社四季報』等。

(売上高、利益、資本、負債、資産の単位は100万ドル。CF=キャッシュフロー。EPS=希薄化後EPS)

四半期決算と配当:2015~2018年

売上高 純利益 EPS 配当
2015/3 13320 1426 1.58 0.64
2015/6 14690 1542 1.73 0.64
2015/9 13788 1362 1.54 0.64
2015/12 14300 3278 3.86 0.64
2016/3 13357 1191 1.43 0.64
2016/6 14874 1379 1.65 0.66
2016/9 14354 1480 1.78 0.66
2016/12 14659 1013 1.25 0.66
2017/3 13815 1386 1.73 0.66
2017/6 15280 1439 1.8 0.66
2017/9 15062 1330 1.67 0.7
2017/12 15680 397 0.5 0.7
2018/3 15242 1297 1.62 0.7

年間で見た決算は以下の通りです。

通年決算:2008~2017年

売上高 営業利益 純利益 EPS
2008/12 59757 7625 4689 4.9
2009/12 52425 6377 3829 4.12
2010/12 52275 6898 4373 4.74
2011/12 55754 7846 4979 5.49
2012/12 57708 7684 5130 5.66
2013/12 56600 8549 5721 6.25
2014/12 57900 9593 6220 6.82
2015/12 56098 7291 7608 8.61
2016/12 57244 8172 5055 6.12
2017/12 59837 8672 4552 5.7

配当余力など:2008~2017年

営業CF フリーCF 配当性向 配当
2008/12 6161 4945 27.5 1.34
2009/12 5353 4527 37.4 1.54
2010/12 5906 5041 35.8 1.7
2011/12 6590 5607 34 1.86
2012/12 6646 3714 37.9 2.03
2013/12 6877 4467 37.6 2.19
2014/12 7336 5032 34.8 2.36
2015/12 6326 4237 39.6 2.56
2016/12 3880 1793 56.1 2.62
2017/12 5631 3237 41.4 2.72

利益率など:2008~2017年

粗利率 営業利益率 ROA ROE
2008/12 27 12.8 8.45 25.16
2009/12 25.9 12.2 6.82 21.28
2010/12 27.4 13.2 7.65 21.1
2011/12 27.6 14.1 8.3 23.02
2012/12 27 13.3 6.8 21.47
2013/12 28.5 15.1 6.36 19.8
2014/12 29.4 16.6 6.84 19.72
2015/12 27.9 13 8.51 25.98
2016/12 27.6 14.3 5.71 18.4
2017/12 26.5 14.5 4.88 15.92

財務上のデータも見てみます(自己資本比率以外の単位は百万ドル)。

財務情報:2013~2017年

総資産 総負債 株主資本 自己資本率
2013/12 90594 58728 31866 35.71
2014/12 91289 60076 31213 34.71
2015/12 87484 60126 27358 31.81
2016/12 89706 62127 27579 31.3
2017/12 96920 67310 29610 31.13

このうち、流動資産と流動負債に着目してみます。

流動資産 流動負債 非流動資産 非流動負債
2013/12 29442 22800 61152 35928
2014/12 29758 22895 61531 37181
2015/12 26706 22618 60778 37508
2016/12 28550 21906 61156 40221
2017/12 32858 24391 64062 42919

ここ5年は流動資産が流動負債を上回っており、自己資本率も良好です。

キャッシュフロー:2013~2017年

営業CF 投資CF 財務CF フリーCF
2013/12 6877 -1113 -5940 4467
2014/12 7336 -2305 -4259 5032
2015/12 6326 6473 -10785 4237
2016/12 3880 -2503 -1188 1793
2017/12 5631 -3019 -993 3237

UTX社によるロックウェル・コリンズ買収

2017年のユナイテッド・テクノロジー社の大きなニュースとしては、ロックウェル・コリンズの買収があります。

9月4日にUTX社は航空機部品の大手企業であるロックウェル・コリンズを約230億ドル(2.5兆円相当)で買収することで合意し、コックピットディスプレイからエンジンまで幅広く装備を供給する巨大なメーカーとなりました。

これは航空機分野で最大級の買収であり、UTX社は航空機メーカーからの圧力に耐えられるようになるとも言われています。

この買収の背景については、日経電子版(2017/9/6)が解説記事を書いていました。

日経電子版はユナイテッドテクノロジーの収益源となる航空機エンジンのアフターサービスに最大顧客のボーイングとエアバスのビッグ2が参入したことを重視しています。

ボーイングが2017年7月に民間機、軍用機に次ぐ3つ目の事業として「ボーイング・グローバル・サービシズ」の運営を開始し、「航空機の修理・保守から、部品販売、ビッグデータを使った機材の最適運用支援までサービス事業に注力する」方針を打ち出しました。航空機の新たな受注が鈍化する中で「サービスは最も成長が見込める分野」(ボーイングのデニス・ミュイレンバーグ最高経営責任者=CEO)と見なしたわけです。

ユナイテッドテクノロジーはこれに対抗すべく、「ボーイングやエアバスと駆け引きする能力」を強化するためにロックウェルを買収。そして「ビッグ2にとって『なくてはならない存在』になることで、サービス分野でのビッグ2の動きをけん制する」ことを目指しました。

そのほか、航空エンジンビジネスの大手としてはGEや、米航空関連機器大手にはハネウェルがあります。

米国の航空事業の競争は厳しくなってきているので、UTXが競争優位を保てるかどうか、今後の展開を注視していきたいものです。

【スポンサーリンク】

-全投稿記事, 米国株, 資本財, 軍事株

Copyright© トランプ政権と米国株投資 , 2018 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.