UPS:ユナイテッドパーセルの配当推移

資本財,配当






UPS配当利回りと株価分析 2026年5月更新


ユナイテッドパーセルサービス(United Parcel Service, Inc.)の配当利回りと株価をチャート(直近90日間)で見てみます。

権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを測る指標)等も確認します。

配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート

年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等

年平均の配当利回りや配当成長率、配当性向、年間の一株配当、平均株価、通年EPSの推移を確認します。

配当 平均株価 年EPS
平均利回り 成長率 配当性向 年計
2026(現行年率) 約6.6%* 0%* 6.56 99.89*
2025 6.2% 0.6% 100% 6.56 106 6.56
2024 4.68% 1% 97% 6.52 139.4 6.75
2023 3.79% 7% 83% 6.48 171.1 7.80
2022 3.21% 49% 46% 6.08 189.3 13.20
2021 2.14% 1% 28% 4.08 191.0 14.68
2020 3.11% 5% 262% 4.04 129.8 1.54
2019 3.47% 5% 75% 3.84 110.8 5.11
2018 3.21% 10% 66% 3.64 113.5 5.51
2017 2.97% 6% 59% 3.32 111.9 5.61
2016 2.95% 7% 81% 3.12 105.9 3.86
2015 2.90% 9% 55% 2.92 100.7 5.35
2014 2.66% 8% 82% 2.68 100.7 3.28
2013 2.80% 9% 54% 2.48 88.6 4.61
2012 3.01% 10% 275% 2.28 75.7 0.83
2011 2.94% 11% 54% 2.08 70.7 3.84
2010 2.91% 4% 56% 1.88 64.7 3.33
2009 3.45% 0% 92% 1.80 52.2 1.96
2008 2.80% 7% 61% 1.80 64.4 2.94

* 2026年は年度途中のため、2026年5月7日時点の現行四半期配当1.64ドルを年率換算した参考値です。2026年5月7日時点の株価99.89ドルで単純計算した利回りは約6.6%です。[1][2]

現行四半期配当
$1.64
現行年率配当
$6.56
2026年5月7日利回り
約6.6%
2026年FCF見通し
約$6.5B

一貫して成長する配当の実績

United Parcel Service(UPS)の配当実績は、物流業界の景気循環性や外部環境の変動にもかかわらず、長期的に見ると安定しています。2008年から2025年までのあいだ、年間配当は1.80ドルから6.56ドルへと約264%増加しており、減配は行っていません。[1]

UPSは1999年に上場して以降、毎年配当を維持または増配しています。2026年5月6日にも、四半期配当1.64ドルを発表しました。支払日は2026年6月4日、権利確定日は2026年5月18日です。[1]

2008年の金融危機、2020年のCOVID-19パンデミック、2024〜2026年の需要調整や貿易摩擦など、世界経済に大きな混乱が生じた局面でも減配に踏み切っていない点は、株主還元に対するコミットメントの強さを示しています。ただし、2025年から2026年にかけては配当が据え置かれており、配当成長よりも配当維持を優先する局面に入っています。

2025年通期の業績実績と主な出来事

2025年のUPSは、事業ポートフォリオとコスト構造の見直しを大きく進めた変革の年となりました。2025年通期の売上高は88.661Bドルで、2024年の91.070Bドルから2.6%減少しました。営業利益は7.867Bドル、純利益は5.572Bドル、希薄化後EPSは6.56ドルでした。[3]

  • 最大顧客との取引縮小:2025年は、最大顧客からの計画的な取扱量減少と、低収益の一部eコマース顧客に対する収益品質改善策により、平均日次取扱量が減少しました。一方、1個あたり売上単価は2025年通期で6.6%上昇しました。[3]
  • Network Reconfiguration & Efficiency Reimagined:ネットワーク自動化・仕分け統合などにより、2025年に計画どおり約3.5Bドルの前年比コスト削減を達成しました。[3]
  • ヘルスケア事業の拡大:2025年にFrigo-TransとAndlauer Healthcare Group(AHG)の買収を完了し、グローバル・ヘルスケア・ポートフォリオの売上は2025年に110億ドル超となりました。[3]
  • Ground Saverへの移行:2025年1月1日から旧SurePostを内製化し、Ground Saverとして展開しました。これによりサービス品質と運用管理は改善した一方、2025年は集荷・配達コストの上昇が利益を圧迫しました。[3]
  • USPSとの新契約:2025年12月、Ground SaverとMail Innovationsの一部最終配送を効率化するため、USPSと新たな契約を締結しました。2026年以降のコスト効率改善が期待されます。[3]
  • 関税・貿易摩擦への対応:2025年は、関税やデミニミス除外などの貿易政策変更により、中国から米国向けの取扱量が減少し、International Packageのマージンに逆風となりました。[3]

2025年は、売上と利益が前年比で減少した一方、UPSは低収益ボリュームの削減、ネットワーク再編、ヘルスケア物流の強化を進めました。配当投資家にとっては、短期的な減益よりも、2026年以降にこれらの施策がフリーキャッシュフロー改善につながるかが重要です。

2026年Q1決算:移行期ながらガイダンスを維持

2026年Q1のUPSは、売上高21.2Bドル、営業利益1.27Bドル、調整後営業利益1.32Bドル、希薄化後EPS1.02ドル、調整後希薄化後EPS1.07ドルでした。2026年Q1には、税引後の変革関連費用42Mドル、1株あたり0.05ドルが含まれています。[4]

2026年Q1 売上高 営業利益 調整後営業利益 営業マージン 調整後営業マージン
U.S. Domestic 14.125B 0.515B 0.565B 3.6% 4.0%
International 4.540B 0.547B 0.551B 12.0% 12.1%
Supply Chain Solutions 2.537B 0.205B 0.206B 8.1% 8.1%
連結 21.2B 1.27B 1.32B 6.0% 6.2%

U.S. Domesticは取扱量減少により売上が2.3%減少しましたが、1個あたり売上単価は6.5%上昇しました。Internationalは1個あたり売上単価が10.7%上昇し、売上高は3.8%増加しました。Supply Chain SolutionsはMail Innovationsの取扱量減少により売上が6.5%減少しました。[4]

CEOのCarol Tomé氏は、2026年Q1を「重要な移行期間」と位置づけ、主要な戦略的アクションを実行したことで、2026年Q2から連結売上高・営業利益成長と調整後営業マージン拡大への復帰を見込むと述べています。[4]

配当成長率の推移

UPSの配当成長率は、景気サイクルや投資フェーズを反映して変動していますが、長期的には右肩上がりのトレンドを維持しています。[1]

  • 2008〜2010年:金融危機の影響期。増配は行うものの、年0〜7%程度の慎重な成長。
  • 2011〜2015年:景気回復とともに8〜11%程度の安定した増配。
  • 2016〜2020年:eコマース拡大と大型投資が並行する変革期。年5〜10%の増配。
  • 2021年:パンデミック後の調整局面で増配率は1桁前半。
  • 2022年:記録的な業績を背景に、年間配当を大幅に引き上げ。
  • 2023〜2025年:業績正常化フェーズで、増配率は年1〜7%程度に低下。
  • 2026年:2026年5月時点では四半期配当1.64ドルで据え置き。配当成長よりも配当維持を優先。

2025年の年間配当は6.56ドルで、2024年の6.52ドルから約0.6%の微増にとどまりました。2026年も5月時点では四半期1.64ドルが維持されており、会社は2026年通期の配当支払額を約5.4Bドルと見込んでいます。[4]

配当性向と持続可能性

2025年通期のGAAP希薄化後EPSは6.56ドルで、年間配当も6.56ドルであったため、EPSベースの配当性向は100%でした。[3] ただし、Non-GAAP調整後EPSは7.16ドルであり、一時的な変革コスト等を除くと配当は利益でおおむねカバーされていました。[3]

配当性向が高水準となった主な要因は、以下の通りです。

  • 変革コストの一時的影響:2025年はTransformation Strategy Costsが452Mドル、1株あたり0.53ドル発生しました。[3]
  • MD-11退役に伴う評価損:Goodwill and Asset Impairment Charges 156Mドルのうち、MD-11航空機退役関連で137Mドルが含まれています。[3]
  • 顧客ポートフォリオの入れ替え:低収益ボリュームの削減により短期売上は減少しましたが、1個あたり売上単価は改善しました。[3]
  • 貿易政策の逆風:2025年は中国から米国向けの取扱量低下などにより、International Packageのマージンに圧力がかかりました。[3]

一方、キャッシュフロー面では配当の維持可能性は確認できます。2025年の営業CFは8.450Bドル、設備投資は3.685Bドル、単純計算のFCFは約4.765Bドルでした。会社がNon-GAAPベースで示したフリーキャッシュフローは5.5Bドルで、配当支払額5.398Bドルとほぼ同水準です。2026年は、売上高約89.7Bドル、調整後営業マージン約9.6%、設備投資約3.0Bドル、配当支払額約5.4Bドルというガイダンスが維持されています。[4]

財務パフォーマンスと成長見通し

2025年通期実績・2026年Q1実績・2026年見通し

期間 売上高($B) 営業利益($B) 希薄化EPS($) 調整後EPS($) 備考
2026年通年見通し 約89.7 調整後営業マージン約9.6%
2026年Q1 21.2 1.27 1.02 1.07 変革費用0.05ドル/株を含む
2025年Q4 24.5 2.6 2.10 2.38 年末繁忙期
2025年Q3 21.4 1.8 1.55 1.74
2025年Q2 21.2 1.7 1.51 1.55
2025年Q1 21.5 1.7 1.40 1.49
2025年通年(実績) 88.7 7.9 6.56 7.16 調整後営業利益8.7Bドル
2024年通年 91.1 8.5 6.75 7.72

2025年通期の営業利益7.867BドルはGAAPベース。2025年の調整後希薄化後EPSは7.16ドルです。2026年通年見通しは、2026年Q1決算時点で再確認された会社ガイダンスです。[3][4]

2025年通期では、売上高88.661Bドル、GAAP営業マージン8.9%、希薄化後EPS6.56ドルという結果でした。売上減少は、Coyoteの売却、最大顧客からの計画的な取扱量減少、Mail Innovationsの取扱量減少などが主因です。一方、International Packageの成長やヘルスケア物流の貢献が一部を補いました。[3]

2026年通年では、売上高約89.7Bドル、調整後営業マージン約9.6%が会社ガイダンスとして維持されています。上半期は移行コストが残るものの、UPSは2026年Q2から連結売上高・営業利益成長と調整後営業マージン拡大への復帰を見込んでいます。[4]

主要財務指標の推移

以下の表では、売上高、営業CF、純利益をM$(百万ドル)単位、営業CFマージンを%単位で示します。2025年までは実績値、2026年Q1は四半期実績です。[3][4]

年度 売上高 営業CF 同マージン 純利益
2026 Q1 21,202
2025 88,661 8,450 10 5,572
2024 91,070 10,122 11 5,782
2023 90,958 10,238 11 6,708
2022 100,338 14,104 14 11,548
2021 97,287 15,007 15 12,890
2020 84,628 10,459 12 1,343
2019 74,094 8,639 12 4,440
2018 71,861 12,711 18 4,791
2017 66,585 1,479 2 4,905
2016 61,610 6,473 11 3,422
2015 58,363 7,430 13 4,844
2014 58,232 5,726 10 3,032
2013 55,438 7,304 13 4,372
2012 54,127 7,216 13 807
2011 53,105 7,073 13 3,804
2010 49,545 3,835 8 3,338
2009 45,297 5,285 12 1,968
2008 51,486 8,426 16 3,003

収益性と効率性の分析

UPSの財務データを見ると、物流業界の景気感応度の高さと同時に、構造改革による収益性の底上げを狙う姿勢が読み取れます。2022年はeコマース需要のピークを背景に売上・利益ともに過去最高水準となりましたが、その後は需要の正常化とコスト上昇により、2023〜2025年の利益水準は一段落ち着いた状態です。[3]

  • 売上高は2008年の51.486Bドルから2022年には100.338Bドルへとほぼ倍増しました。その後、2023〜2025年は低収益ボリュームの削減とマージン重視の戦略により、88.7B〜91.1Bドルのレンジで推移しています。
  • 営業CFマージンは8〜18%の範囲ながら、多くの年度で2桁を維持しています。ただし、2025年は変革コストや一時費用の影響で営業CFが8.450Bドルに減少し、マージンは約10%にとどまりました。
  • 純利益は2012年・2020年に一時的な落ち込みが見られる一方、2021〜2022年には記録的な水準まで回復しており、景気や一時要因に応じて振れが大きいです。
  • 2026年Q1は、U.S. Domesticのマージンが3.6%と低い一方、InternationalとSupply Chain Solutionsは相対的に高いマージンを維持しました。

キャッシュフロー基盤の安定性

以下の表では、営業CF、投資CF、財務CFをM$(百万ドル)単位、営業CF成長率を%単位で示します。[3]

年度 営業CF 成長率 投資CF 財務CF
2025 8,450 -17 -4,735 -4,141
2024 10,122 -1 -217 -6,850
2023 10,238 -27 -7,133 -5,534
2022 14,104 -6 -7,472 -11,185
2021 15,007 43 -3,818 -6,823
2020 10,459 21 -5,283 -4,517
2019 8,639 -32 -6,061 -1,727
2018 12,711 759 -6,330 -5,692
2017 1,479 -77 -4,971 3,287
2016 6,473 -13 -2,563 -3,140
2015 7,430 30 -5,309 -1,565
2014 5,726 -22 -2,801 -5,161
2013 7,304 1 -2,114 -7,807
2012 7,216 2 -1,335 -1,817
2011 7,073 84 -2,537 -4,862
2010 3,835 -27 -654 -1,346
2009 5,285 -37 -1,248 -3,045
2008 8,426 650 -3,179 -6,702

2025年の営業CFは8.450Bドル、投資CFは-4.735Bドル、財務CFは-4.141Bドルでした。設備投資は3.685Bドル、配当支払額は5.398Bドル、自社株買いは1.0Bドルです。[3]

UPSの強みは、景気変動局面でも比較的安定したキャッシュフローを確保している点にあります。2025年の営業CFは8.450Bドルと、前年の10.122Bドルから減少しましたが、変革費用、低収益ボリューム削減、Ground Saver移行コストなどの影響が大きく出ています。重要なのは、会社が2026年通期について設備投資約3.0Bドル、配当支払額約5.4Bドルを見込んだうえで、売上高とマージンの回復を想定している点です。[4]

財務構造の安定性

以下の表では、総資産、総負債、株主資本をM$(百万ドル)単位、自己資本率と負債比率を%単位で示します。[3]

年度 総資産 総負債 株主資本 自己資本率 負債比率
2025 73,090 56,835 16,255 22 350
2024 70,070 53,327 16,743 24 319
2023 70,857 53,543 17,314 24 309
2022 71,124 51,321 19,803 28 259
2021 69,405 55,136 14,269 21 386
2020 62,408 61,739 657 1 9,397
2019 57,857 54,574 3,267 6 1,670
2018 50,016 46,979 3,021 6 1,555
2017 45,574 44,550 994 2 4,482
2016 40,377 39,948 405 1 9,864
2015 38,311 35,820 2,470 6 1,450
2014 35,440 33,282 2,141 6 1,555
2013 36,212 29,724 6,474 18 459
2012 38,863 34,130 4,653 12 734
2011 34,701 27,593 7,035 20 392
2010 33,597 25,550 7,979 24 320
2009 31,883 24,187 7,630 24 317
2008 31,879 25,099 6,780 21 370

UPSの資本構成は、2014〜2020年にかけて自己資本率1〜6%という非常にタイトな局面を経験しましたが、その後は利益の積み上げや退職給付債務のコントロールにより改善し、2023〜2025年には20%台前半を維持しています。2025年末の総資産は73.090Bドル、株主資本は16.255Bドル、自己資本率は約22%でした。[3]

2025年にはFrigo-TransとAHGの買収により、のれんと無形資産が増加しました。長期債務・ファイナンスリースは2025年末に23.519Bドルとなり、2024年末の19.446Bドルから増加しています。配当投資家は、配当支払額だけでなく、買収後の債務水準とヘルスケア物流事業の利益貢献も確認する必要があります。[3]

まとめ:長期配当投資家にとってのUPSとは?

United Parcel Service(UPS)は、2025年に一連の大規模変革プログラムを進め、2026年を「変曲点」と位置づけて新たな成長フェーズに入ろうとしています。長期配当投資家にとっては、依然として注目すべき高配当銘柄です。

同社の強みは以下の点にあります。

  • 1999年の上場以来、配当を維持または増配してきた実績。2026年5月にも四半期配当1.64ドルが発表されています。[1]
  • 安定したキャッシュフロー生成能力。変革コスト込みの2025年でも営業CF8.450Bドルを確保しました。[3]
  • グローバルな物流ネットワークとブランド力。200超の国・地域で事業を展開し、2025年売上高は88.7Bドルでした。[4]
  • ヘルスケア物流の拡大。2025年のグローバル・ヘルスケア・ポートフォリオ売上は110億ドル超に達しました。[3]
  • コスト削減の進展。2025年に約3.5Bドルの前年比コスト削減を達成しました。[3]
  • 高い配当利回り。2026年5月7日時点で約6.6%と、過去平均を上回る水準です。[2]

一方で、注意すべき点としては以下が挙げられます。

  • EPSベースの配当性向の高さ:2025年はGAAP EPSベースで100%でした。
  • FCFベースでも余裕は大きくない:2025年の配当支払額5.398Bドルに対し、会社提示のFCFは5.5Bドルで、ほぼ同水準でした。
  • 2026年上半期の移行コスト:Ground SaverやAmazonボリューム縮小に伴う過渡的なコストが利益を圧迫する可能性があります。
  • 貿易政策の影響:関税やデミニミス除外が中国から米国向け貨物や国際小口貨物に影響し得ます。
  • 大手顧客依存からの脱却リスク:最大顧客からの取扱量削減後、中小企業・B2B・ヘルスケアで十分に代替できるかが鍵です。
  • 労働コスト・労使関係:物流業は人件費の影響を受けやすく、労働コスト上昇はマージンの制約になります。
投資家へのポイント:UPSは、2026年5月時点で約6.6%の高配当利回りを持つ一方、配当性向は高く、2025年のFCFカバーにも大きな余裕はありません。ただし、会社は2026年通期について売上高約89.7Bドル、調整後営業マージン約9.6%、設備投資約3.0Bドル、配当支払額約5.4Bドルという見通しを維持しています。UPSは「高配当だが変革途上の物流株」として、2026年Q2以降に本当に売上・営業利益成長へ戻れるかを確認しながら判断する銘柄です。[4]

よくある質問

UPSの配当はどれくらい安全ですか?

UPSの配当は、2025年のGAAP EPSベースでは配当性向100%と高い水準でした。ただし、Non-GAAP調整後EPSは7.16ドルで年間配当6.56ドルを上回っており、一時的な変革コストを除けば利益ベースではおおむねカバーされていました。キャッシュフロー面では、2025年の会社提示FCF5.5Bドルに対して配当支払額は5.398Bドルで、ほぼ同水準です。[3]

短期的な減配リスクが高いとは言いにくいものの、配当の安全マージンは厚くありません。2026年Q2以降に、会社が見込む売上成長・営業利益成長・マージン改善が実現するかを確認する必要があります。

2025年の変革プログラムの成果はどうでしたか?

2025年には、Network Reconfiguration & Efficiency Reimaginedにより約3.5Bドルの前年比コスト削減を達成しました。また、Frigo-TransとAHGの買収により、ヘルスケア物流のポートフォリオを拡大しました。一方、Ground Saverへの移行や最大顧客からの取扱量削減は、2025年の利益を圧迫しました。[3]

現在の配当利回りは持続可能ですか?

2026年5月7日時点の配当利回りは約6.6%で、UPSの過去平均よりかなり高い水準です。これは高いインカム魅力を示す一方、市場が業績回復や配当余力に一定の不安を織り込んでいるとも解釈できます。現行配当1.64ドルは2026年6月支払い分でも維持されていますが、今後の増配余地は、2026年のFCF改善とAmazon依存脱却の進捗次第です。[1][2]

ミニ解説:UPSは「高利回りだから安全」と単純に判断する銘柄ではありません。2025年の配当はEPS・FCFの両面で余裕が薄く、2026年も配当は据え置きです。一方、変革プログラムと低収益ボリューム削減が成功すれば、2026年後半以降にFCFカバーが改善する可能性があります。配当投資では、利回りだけでなく、Q2以降の営業マージンとFCFの回復を確認することが重要です。

免責事項
本記事は、公表されている財務データや会社開示資料をもとにUPSの配当・財務状況を整理したものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任と判断により行ってください。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。出典については本文末の「【注】(出典リンク)」をご参照ください。

【注】(出典リンク)

  1. 配当履歴・2026年5月配当発表 → 一次情報:UPS「UPS Announces Quarterly Dividend」(2026年5月6日)UPS Investors「Dividends」(確認日:2026-05-07)
  2. 株価・配当利回り → 参考情報:Google Finance「UPS:NYSE」StockAnalysis「UPS Dividend」(確認日:2026-05-07)
  3. 2025年Form 10-K・通期業績・CF・BS・変革プログラム・ヘルスケア物流 → 一次情報:SEC EDGAR「UPS Form 10-K for the year ended Dec. 31, 2025」UPS「4Q 2025 Earnings and 2026 Guidance」(確認日:2026-05-07)
  4. 2026年Q1決算・セグメント別業績・2026年ガイダンス → 一次情報:UPS「UPS Releases 1Q 2026 Earnings」UPS Investors「Financial Results」(確認日:2026-05-07)



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Posted by 南 一矢