VZ:ベライゾンの配当推移
ベライゾンコミュニケーションズ(Verizon Communications Inc.)の配当利回りと株価をチャート(直近90日間)で見てみます。
権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを測る指標)等も確認します。
配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート
年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等
年平均の配当利回りや配当成長率、配当性向、年間の一株配当、平均株価、通年EPSの推移を確認します。2026年は、2026年1月30日に宣言された四半期配当0.7075ドルと、2026年Q1決算後に引き上げられた調整後EPSガイダンス4.95〜4.99ドルをもとにした参考値です。[1][3]
| 年 | 配当 | 平均株価 概算 |
年EPS | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 平均利回り | 成長率 | 配当性向 | 年計 | |||
| 2026* | 約6.0% | 約4% | 約57% | 2.83 | 47.4 | 調整後 4.95〜4.99 |
| 2025 | 約6.4% | 2% | 67% | 2.735 | 42.3 | 4.06 |
| 2024 | 約6.5% | 2% | 65% | 2.685 | 41.2 | 4.14 |
| 2023 | 約7.2% | 2% | 96% | 2.635 | 36.4 | 2.75 |
| 2022 | 約5.6% | 2% | 51% | 2.585 | 46.4 | 5.06 |
| 2021 | 約4.6% | 2% | 48% | 2.535 | 55.3 | 5.32 |
| 2020 | 約4.3% | 3% | 58% | 2.485 | 57.8 | 4.30 |
| 2019 | 約4.2% | 2% | 52% | 2.42 | 58.1 | 4.65 |
| 2018 | 約4.6% | 2% | 63% | 2.37 | 52.1 | 3.76 |
| 2017 | 約4.8% | 2% | 32% | 2.32 | 48.2 | 7.36 |
| 2016 | 約4.4% | 2% | 71% | 2.27 | 51.4 | 3.21 |
| 2015 | 約4.7% | 4% | 51% | 2.22 | 47.2 | 4.37 |
| 2014 | 約4.4% | 3% | 88% | 2.14 | 48.6 | 2.42 |
| 2013 | 約4.3% | 3% | 52% | 2.08 | 48.7 | 4.00 |
| 2012 | 約4.8% | 3% | 652% | 2.02 | 42.0 | 0.31 |
| 2011 | 約5.4% | 3% | 231% | 1.96 | 36.6 | 0.85 |
| 2010 | 約6.5% | 3% | 212% | 1.91 | 29.5 | 0.90 |
| 2009 | 約6.5% | -3% | 108% | 1.86 | 28.5 | 1.72 |
| 2008 | 約5.9% | 16% | -249% | 1.92 | 32.6 | -0.77 |
* 2026年は、2026年5月7日時点の現行四半期配当0.7075ドルを年率換算し、2026年Q1決算後の調整後EPSガイダンス4.95〜4.99ドルをもとにした参考値です。
2026年最新動向:Q1決算・Frontier統合・ガイダンス引き上げ
【重要更新】ベライゾン(Verizon Communications, ティッカー:VZ)は、2026年1月30日に四半期配当を0.7075ドルとすることを発表しました。2025年後半の四半期配当0.69ドルからさらに引き上げられ、年率換算では2.83ドルとなります。2026年5月7日時点の株価約47.44ドルに対する配当利回りは約6.0%です。[1][2]
2026年Q1決算では、売上高が344億ドル、純利益が51億ドル、希薄化後EPSが1.20ドル、調整後EPSが1.28ドルとなりました。調整後EPSは前年同期比7.6%増で、2021年以来の高い四半期成長率とされています。[3]
また、2026年1月20日にFrontier Communicationsの買収が完了し、Verizonの決算には同日以降のFrontier業績が含まれています。買収によりファイバー事業の規模が拡大し、モバイルと固定回線を組み合わせたバンドル戦略をより広い地域で展開できるようになりました。[4]
CEO交代も重要な変化です。2025年10月6日、Hans VestbergからDan Schulman(元PayPal CEO)へCEOが交代しました。Schulmanは「顧客中心」「解約率低下」「コスト構造改革」「株主還元」を重視する姿勢を示しており、2026年Q1には第1四半期としては2013年以来となるポストペイド電話純増を達成しています。[5][3]
2025年通期業績ハイライト:増収・FCF改善
ベライゾンの2025年12月期通期実績は以下のとおりです。[6]
- 2025年通期売上高:138,190Mドル(前年134,788Mドルから2.5%増)
- 2025年通期GAAP EPS:4.06ドル
- 2025年通期調整後EPS:4.71ドル
- 2025年通期営業キャッシュフロー:37,100Mドル
- 2025年通期フリーキャッシュフロー:20,100Mドル
- 2025年通期設備投資:17,000Mドル
- 2025年通期配当支払額:概算で115億ドル前後
2025年は売上高・営業CF・フリーキャッシュフローのいずれも安定しており、配当の原資となるキャッシュ創出力は維持されました。一方で、通信業界全体の競争は激しく、Verizonは価格引き上げだけに頼るのではなく、顧客純増・解約率低下・固定回線との組み合わせを重視する局面に入っています。
2026年ガイダンス:調整後EPS見通しを引き上げ
2026年Q1決算後、Verizonは2026年通期の調整後EPS見通しを従来の4.90〜4.95ドルから4.95〜4.99ドルへ引き上げました。[3]
- 調整後EPS:4.95〜4.99ドル(前年比5〜6%成長)
- モビリティ+ブロードバンドサービス収益成長率:2〜3%
- 営業キャッシュフロー:375〜380億ドル
- 設備投資:160〜165億ドル
- フリーキャッシュフロー:215億ドル以上(前年比約7%以上成長)
- ポストペイド電話純増:75万〜100万件の上半分を見込む
- 自社株買い:2026年通期で少なくとも30億ドルを予定
2026年Q1のフリーキャッシュフローは38億ドルで、前年同期の36億ドルから4.0%増加しました。さらに、配当支払い29億ドルに対して自社株買い25億ドルも実施しており、株主還元を強化しながらも、年間FCF見通し215億ドル以上を維持しています。[3]
安定した配当の実績
Verizonの配当実績は、米国の主要通信企業として安定した軌跡を描いてきました。2008年の通期配当1.90〜1.92ドル前後から、2025年の2.735ドル、2026年現行年率の2.83ドルまで、おおむね右肩上がりで推移しています。[1]
リーマンショック(2008年)、欧州債務危機(2011〜2012年)、新型コロナウイルス(2020年)、インフレ・急速利上げ局面(2022年以降)といった局面を通じても、減配を避けながら緩やかな増配を続けてきました。
年平均の配当成長率はおおむね2〜3%程度で、派手さはありません。しかし、通信インフラという生活必需性の高いビジネスを背景に、「高配当+低成長+比較的安定したキャッシュフロー」という性格が明確です。
配当成長率の推移
長期的な配当成長のパターンを整理すると、おおむね以下のように区分できます。
- 2000年代後半:通信インフラ拡張期に伴うやや高めの増配率
- 2010〜2015年:4G展開とVodafone持分買い戻しの負担をこなしつつ、年率3%前後の増配を継続
- 2016〜2025年:5G投資を進めながら、年率2%前後の控えめな増配を継続
- 2026年:現行配当年率は2.83ドル。2026年Q1時点では、FCF拡大と自社株買い再開により、配当余力は改善傾向
Verizonは、増配率を高く見せるよりも、投資・負債管理・配当のバランスを重視してきた企業です。Frontier統合後も、配当成長率が急に高まるというより、FCF拡大を確認しながら緩やかな増配を続ける可能性が高いと考えられます。
配当利回りの安定性
Verizonの配当利回りは、過去10年以上にわたりおおむね4〜7%のレンジで推移してきました。2026年5月7日時点では約6.0%と、依然として高配当株としての水準にあります。[2]
- 米国10年債利回りに対して一定の上乗せ利回りがある
- REITや公益株と同様に、インカム投資家から注目されやすい
- 通信サービスは生活インフラに近く、景気後退局面でも需要が大きく崩れにくい
- ただし、金利上昇局面では高配当株全体のバリュエーションが圧迫されやすい
高利回りは魅力ですが、それだけで投資判断をするのは危険です。Verizonの場合、配当利回りと同時に、FCF、設備投資、負債削減、Frontier統合効果を確認する必要があります。
配当性向の持続可能性
Verizonの配当性向は、通信業界特有の会計要因により年によって変動します。2025年の年間配当2.735ドルをGAAP EPS 4.06ドルで割ると、配当性向は約67%です。一方、2026年の現行配当年率2.83ドルを調整後EPSガイダンス4.95〜4.99ドルで割ると、配当性向は約57%となります。[3][6]
通信企業では、減価償却費、スペクトラム取得、買収関連費用などにより、会計上の利益が大きく変動する年があります。そのため、配当の安全性を見る際は、EPSベースの配当性向だけでなく、フリーキャッシュフローに対する配当負担も重視すべきです。
2025年通期では、フリーキャッシュフロー20,100Mドルに対し、配当総額は概算で115億ドル前後でした。したがって、FCF配当カバーはおおむね1.7倍で、現行配当を維持する余力はあります。2026年はFCF215億ドル以上が見込まれているため、会社計画どおりなら配当カバーはさらに改善します。[3]
財務パフォーマンスと成長見通し
以下の表では、売上高、営業CF、純利益はMドル(百万ドル)単位、営業CFマージンは%単位で表示しています。2025年までは実績値、2026年はQ1実績および会社ガイダンスをもとにした参考水準です。[3][6]
主要財務指標の推移
| 年度 | 売上高 | 営業CF | 同マージン | 純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026 Q1 | 34,400 | 8,000 | 23 | 5,100 |
| 2026* | 143,000前後 | 37,500〜38,000 | 26前後 | — |
| 2025 | 138,190 | 37,100 | 27 | 17,610 |
| 2024 | 134,788 | 36,912 | 27 | 17,506 |
| 2023 | 133,974 | 37,475 | 28 | 11,614 |
| 2022 | 136,835 | 37,141 | 27 | 21,256 |
| 2021 | 133,613 | 39,539 | 30 | 22,065 |
| 2020 | 128,292 | 41,768 | 33 | 17,801 |
| 2019 | 131,868 | 35,746 | 27 | 19,265 |
| 2018 | 130,863 | 34,339 | 26 | 15,528 |
| 2017 | 126,034 | 24,318 | 19 | 30,101 |
| 2016 | 125,980 | 21,689 | 17 | 13,127 |
| 2015 | 131,620 | 39,027 | 30 | 17,879 |
| 2014 | 127,079 | 30,631 | 24 | 9,625 |
| 2013 | 120,550 | 38,818 | 32 | 11,497 |
| 2012 | 115,846 | 31,486 | 27 | 875 |
| 2011 | 110,875 | 29,780 | 27 | 2,404 |
| 2010 | 106,565 | 33,363 | 31 | 2,549 |
| 2009 | 107,808 | 31,390 | 29 | 4,894 |
| 2008 | 97,354 | 27,452 | 28 | -2,193 |
* 2026年は会社ガイダンスおよびQ1実績を踏まえた参考水準です。
収益性と効率性の安定
この長期データから見えてくるポイントは次のとおりです。
- 売上高は2008年の97,354Mドルから2025年の138,190Mドルへ拡大
- 営業CFマージンは20%台後半を中心に推移し、通信インフラ企業として高い現金創出力を維持
- 2020年のパンデミック期でも営業CFは増加
- 5G投資やスペクトラム取得で投資負担は重いが、営業CFは安定
- 2026年Q1は売上高344億ドル、調整後EBITDA134億ドル、調整後EPS1.28ドルと、ターンアラウンドの進捗を示す内容
Verizonは急成長銘柄ではありませんが、月額課金モデル、ネットワーク規模の経済、生活インフラ性を背景に、安定的なキャッシュフローを生み出しています。配当投資家にとっては、売上成長率よりも、FCFと負債水準の推移が重要です。
キャッシュフローの安定性
以下の表では、営業CF、投資CF、財務CFをMドル単位、営業CF成長率を%単位で表示しています。投資CFには設備投資やスペクトラム取得などが含まれます。[3][6]
| 年度 | 営業CF | 成長率 | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|---|
| 2026 Q1 | 8,000 | 3 | — | — |
| 2026* | 37,500〜38,000 | 約1〜2 | — | — |
| 2025 | 37,100 | 1 | -17,000 | -18,000 |
| 2024 | 36,912 | -2 | -18,674 | -17,100 |
| 2023 | 37,475 | 1 | -23,432 | -14,657 |
| 2022 | 37,141 | -6 | -28,662 | -8,529 |
| 2021 | 39,539 | -5 | -67,153 | 8,277 |
| 2020 | 41,768 | 17 | -23,512 | 1,325 |
| 2019 | 35,746 | 4 | -17,581 | -18,164 |
| 2018 | 34,339 | 41 | -17,934 | -15,377 |
| 2017 | 24,318 | 12 | -18,456 | -6,151 |
| 2016 | 21,689 | -44 | -9,874 | -13,376 |
| 2015 | 39,027 | 27 | -30,043 | -15,112 |
| 2014 | 30,631 | -21 | -15,856 | -57,705 |
| 2013 | 38,818 | 23 | -14,833 | 26,450 |
| 2012 | 31,486 | 6 | -20,502 | -21,253 |
| 2011 | 29,780 | -11 | -17,250 | -5,836 |
| 2010 | 33,363 | 6 | -15,054 | -13,650 |
| 2009 | 31,390 | 14 | -23,156 | -16,007 |
| 2008 | 27,452 | 2 | -31,474 | 12,651 |
* 2026年は会社ガイダンスをもとにした参考水準です。
営業CFはリーマンショック、パンデミック、金利上昇局面を通じても安定しており、毎年300億ドル台後半の営業キャッシュフローを生む事業基盤があります。一方で、投資CFは5G、スペクトラム、ファイバー投資により大きくマイナスとなる年があり、特に2021年のCバンド取得では投資CFが大きく膨らみました。
2026年Q1は、営業CF80億ドル、設備投資42億ドル、FCF38億ドルでした。通期では営業CF375〜380億ドル、設備投資160〜165億ドル、FCF215億ドル以上が見込まれており、会社計画どおりなら配当・自社株買い・負債管理を同時に進める余地があります。[3]
負債水準と資本構成
以下の表では、総資産、総負債、株主資本をMドル単位、自己資本比率・負債比率を%単位で表示しています。2025年までは年次データ、2026年Q1は会社が開示した負債関連指標を併記します。[3][6]
| 年度 | 総資産 | 総負債 | 株主資本 | 自己資本率 | 負債比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026 Q1 | — | 無担保債務 142,500 |
— | — | Net debt / EBITDA 2.6倍 |
| 2025 | 388,300 | 282,000 | 106,300 | 27 | 265 |
| 2024 | 384,711 | 284,136 | 100,575 | 26 | 283 |
| 2023 | 380,255 | 286,456 | 93,799 | 25 | 305 |
| 2022 | 379,680 | 287,217 | 92,463 | 24 | 311 |
| 2021 | 366,596 | 283,396 | 83,200 | 23 | 341 |
| 2020 | 316,481 | 247,209 | 67,842 | 21 | 364 |
| 2019 | 291,727 | 228,892 | 61,395 | 21 | 373 |
| 2018 | 264,829 | 210,119 | 53,145 | 20 | 395 |
| 2017 | 257,143 | 212,456 | 43,096 | 17 | 493 |
| 2016 | 244,180 | 220,148 | 22,524 | 9 | 977 |
| 2015 | 244,175 | 226,333 | 16,428 | 7 | 1,378 |
| 2014 | 232,616 | 218,940 | 12,298 | 5 | 1,780 |
| 2013 | 274,098 | 178,682 | 38,836 | 14 | 460 |
| 2012 | 225,222 | 139,689 | 33,157 | 15 | 421 |
| 2011 | 230,461 | 144,553 | 35,970 | 16 | 402 |
| 2010 | 220,005 | 133,093 | 38,569 | 18 | 345 |
| 2009 | 226,907 | 142,764 | 41,382 | 18 | 345 |
| 2008 | 202,352 | 123,447 | 41,706 | 21 | 296 |
2013〜2015年に負債比率が一時的に非常に高くなったのは、Vodafoneが保有していたVerizon Wireless持分の買い戻しを実施した影響が大きいです。その後は利益の内部留保と負債削減により、自己資本比率は20%台後半まで回復してきました。
2026年Q1末の総無担保債務は1425億ドル、ネット無担保債務は1301億ドルでした。Frontier買収に伴い、2025年末から債務は増えていますが、会社は買収完了後にFrontier債務の約半分を返済し、2026年末までにFrontier債務の大部分を返済する見通しを示しています。[3]
2026年前後の成長戦略と中期見通し
Frontier統合・5G・FWA・企業向けソリューション
新CEOのDan Schulmanの下で、Verizonの成長戦略は大きな転換期を迎えています。[5]
- Frontier統合:ファイバー資産を拡大し、モバイルと固定回線のバンドル戦略を強化
- FWA(固定無線アクセス):2026年Q1には固定無線アクセス純増214,000件を獲得
- ファイバーブロードバンド:2026年Q1にはファイバー純増127,000件を獲得
- ブロードバンド接続数:FWAとファイバーを合わせた接続数は2026年Q1時点で約1,680万件
- 5Gモバイル:Cバンドやミリ波を活用し、通信品質と容量を強化
- 企業向け5G/プライベートネットワーク:工場、物流、公共、医療などでのユースケース拡大を狙う
- コスト構造改革:プロモーション費用、オペレーション、顧客対応プロセスを見直し、解約率低下と収益性改善を狙う
2026年Q1では、ポストペイド電話純増55,000件を記録し、第1四半期としては2013年以来初めてプラスとなりました。これは、Schulman体制が掲げる「顧客中心」「解約率低下」「健全な顧客獲得」の初期成果と見ることができます。[3]
収益性向上と資本効率化
5G投資のピークアウトとFrontier統合効果により、2020年代後半にかけては以下のような構図が想定されます。
- 設備投資は2026年に160〜165億ドルへ抑制される見込み
- スペクトラム取得に伴う特大投資は一巡
- Frontier統合によるファイバー資産の収益化とクロスセル効果
- FCF拡大により、配当・自社株買い・負債削減を同時に進める余地
- 2026年Q1には25億ドルの自社株買いを実施し、通期で少なくとも30億ドルを予定
2026年Q1時点では、Verizonの投資ストーリーは単なる高配当株から、「高配当+FCF改善+自社株買い再開+Frontier統合」へ変わりつつあります。ただし、Frontier統合が計画どおり進まない場合、債務負担や統合コストが株主還元の制約になる可能性があります。
まとめ:長期配当投資家にとってのVerizon
総合すると、Verizonは次のような性格を持つ銘柄と整理できます。
- 2026年5月7日時点で約6.0%の高配当利回り
- 長期にわたる安定配当と緩やかな増配実績
- 景気や物価のショックに対して相対的に強いディフェンシブ性
- Frontier統合・FWA・ファイバー・企業向けソリューションによる成長オプション
- 2026年Q1決算で調整後EPSガイダンスを引き上げ
- FCF215億ドル以上の見通しにより、配当カバーと自社株買い余力が改善
- 一方で、売上・利益の伸びは低〜中一桁成長にとどまりやすい成熟企業
- Frontier統合リスク、ワイヤレス競争、依然として大きい負債残高には注意が必要
Verizonは「キャピタルゲインで大きく狙う成長株」ではなく、「高配当・安定配当を軸にインカムリターンを狙う守備的銘柄」として位置づけるのが自然です。2025年後半からのCEO交代と2026年1月のFrontier買収完了は、この銘柄に久しぶりの変化をもたらしました。2026年Q1決算では、その変化が数字にも表れ始めています。
よくある質問
Verizonの配当はどれくらい安全ですか?
2026年5月7日時点の現行年率配当は2.83ドルです。2026年調整後EPSガイダンス4.95〜4.99ドルに対する配当性向は約57%で、EPSベースでは一定の余裕があります。さらに、2026年通期のFCF見通しは215億ドル以上で、年間配当総額を十分に上回る見込みです。現時点で直ちに減配リスクが高いとは見にくい一方、Frontier統合コストや競争激化により、増配ペースが抑制される可能性はあります。
CEO交代は配当にどう影響しますか?
Dan Schulman体制では、顧客獲得、解約率低下、コスト構造改革、自社株買い再開が重視されています。2026年Q1時点では、配当を維持しながら25億ドルの自社株買いも実施しており、株主還元はむしろ強化されています。ただし、配当の持続性は最終的にFCFと負債管理に依存します。
Frontier買収のメリットとリスクは?
メリットは、ファイバー資産の拡大により、モバイルと固定回線のバンドル戦略を広げられる点です。FWAとファイバーを合わせたブロードバンド接続数は2026年Q1時点で約1,680万件に達しています。一方、リスクは買収に伴う債務増加、統合コスト、旧Frontier地域のネットワーク改善負担です。2026年Q1末のネット無担保債務は1301億ドルで、負債管理は引き続き重要です。
他の高配当株と比べた場合の魅力度は?
Verizonの配当利回りは約6.0%と高く、REITや公益株と比較しても魅力的な水準です。ただし、通信業界は設備投資と競争が重い業界であり、単純に利回りだけで比較するのは適切ではありません。Verizonの魅力は、配当利回りに加えて、FCF改善、自社株買い、Frontier統合による中期的な収益改善余地がある点です。
【注】(出典リンク)
- 配当履歴・2026年配当 → 一次情報:Verizon「Dividend History」(確認日:2026-05-07)↩
- 株価・配当利回り → 参考情報:Google Finance「VZ:NYSE」 → Investing.com「Verizon Dividends」(確認日:2026-05-07)↩
- 2026年Q1決算・ガイダンス・FCF・債務・自社株買い → 一次情報:Verizon「1Q 2026 Earnings Release」 → Verizon「1Q26 Earnings Presentation」(確認日:2026-05-07)↩
- Frontier買収完了 → 一次情報:Verizon「Introducing Frontier, a Verizon Company」 → Verizon「Verizon and Frontier Receive All Required Regulatory Approvals」(確認日:2026-05-07)↩
- CEO交代 → 一次情報:Verizon「Verizon Announces CEO Transition」(確認日:2026-05-07)↩
- 2025年通期財務データ・長期財務データ → 一次情報:Verizon「Financial Reporting」 → SEC EDGAR「Verizon Communications Inc. 10-K」(確認日:2026-05-07)↩
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ミニ解説:2026年5月時点のVerizonは、従来の「高配当だが成長力に乏しい通信株」という見方から、やや変化しつつあります。2026年Q1では調整後EPSガイダンスが引き上げられ、FCF見通しも215億ドル以上に据え置かれました。配当だけでなく、自社株買いと負債管理を同時に進められるかが、今後の株価評価を左右します。