XOM(エクソンモービル)今後の見通し
エクソンモービル(XOM:Exxon Mobil Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(XOM/CVX:エクソンモービルとシェブロンを比較)を参照
直近決算
XOM(エクソンモービル)は5月1日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.03$→結果1.16$
・売上高:予想812.4億$→結果851.4億$(前年同期比+2%)
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。
企業概要
エクソンモービル(Exxon Mobil Corporation, NYSE: XOM)は、世界最大級の総合エネルギー企業(いわゆる「スーパーメジャー」の一角)です。本社はテキサス州スプリング(ヒューストン北郊)にあり、同キャンパスはグローバル本社機能を担います。[1]
石油・天然ガスの探鉱・開発・生産(アップストリーム)から、精製・輸送・販売(エネルギー製品)、化学品(ケミカル製品)、潤滑油・高機能素材などのスペシャルティ製品までを一体運営しています。加えて、低炭素ソリューション(CCS、水素、アンモニア、バイオ燃料、リチウム、Proxxima™樹脂、炭素材料など)を成長分野として位置づけています。運営体制ではUpstream/Product Solutions/Low Carbon Solutionsの3事業会社を掲げますが、会計上の報告セグメントはUpstream/Energy Products/Chemical Products/Specialty Productsの4区分です。[2][3]
ブランドは「Exxon」「Esso」「Mobil」を使用。垂直統合による規模・技術・サプライチェーンの強みを背景に、北米・南米・欧州・アフリカ・中東・アジア太平洋で広く事業を展開しています。2025年通期の純利益は288.44億ドル、営業キャッシュフローは519.70億ドル、フリーキャッシュフローは261.31億ドルでした。2025年の株主還元は372億ドルで、内訳は配当172億ドル、自社株買い200億ドルです。[4]
主な事業領域
★アップストリーム(探査・開発・生産):ガイアナ、パーミアン、LNGなどの優良資産を中心に、原油・天然ガスを開発・生産します。2025年通期のUpstream利益は213.54億ドルでした。2025年の通期生産量は日量473.6万石油換算バレルで、40年超ぶりの高水準となりました。パーミアンは日量160万石油換算バレル、ガイアナは日量70万バレル超(グロス)となり、いずれも年間記録を更新しました。[5]
ガイアナ沖スタブローク鉱区では量産プロジェクトを段階的に拡大しています。2025年9月には7件目となる「Hammerhead」について最終投資決定(FID)を行い、2029年稼働・日量約15万バレルの想定能力と公表しました。これにより、スタブローク鉱区の総設備能力は日量150万バレル規模へ拡大する見通しです。[6]
★エネルギー製品(精製・供給・販売)/スペシャルティ:燃料、潤滑油、特殊製品等をグローバルに供給します。報告セグメント上はEnergy ProductsおよびSpecialty Productsに計上されます。2025年通期のEnergy Products利益は74.23億ドルで、前年比で33.90億ドル増となりました。Specialty Products利益は28.57億ドルで、高付加価値製品の販売が支えとなりました。[7]
★化学製品:オレフィン/アロマ、ポリマー等を提供します。報告セグメントはChemical Productsです。2025年通期のChemical Products利益は8.00億ドルで、業界マージンの悪化や中国化学コンプレックスの立ち上げ関連費用、減損関連項目などが重荷になりました。一方で、高付加価値製品の販売数量は記録的水準となりました。[8]
★低炭素ソリューション:CCS・水素・低炭素アンモニア・低炭素燃料・リチウムなどに投資しています。2025年4月時点の低排出投資計画では、2025〜2030年に最大300億ドルを掲げていましたが、2025年12月の2030計画更新では、2025〜2030年の低排出資本投資を約200億ドルとし、その約60%を第三者顧客の排出削減支援に向ける方針へ見直しました。[9]
直近のポートフォリオ動向(抜粋)
- パイオニア・ナチュラル・リソーシズ買収:2024年5月3日にクローズ。パーミアンで約140万ネットエーカー、推定資源160億BOEを確保し、非在来型の開発余地を拡大しました。2025年にはパーミアンの生産が通期で日量160万石油換算バレル、2025年Q4には日量180万石油換算バレルへ拡大しました。[10]
- デンベリー買収:2023年11月にクローズ。米国1,300マイル超のCO2パイプラインと複数の貯留サイトを取得し、CCS事業基盤を強化しました。2025年7月にはCF IndustriesのDonaldsonville施設からのCO2輸送・貯留を開始し、2026年1月時点では年間約900万トンのCO2が契約済みと説明されています。[11]
- ゴールデンパスLNG:ExxonMobilとQatarEnergyの合弁であるGolden Pass LNGは、2026年3月にTrain 1で初LNG生産を達成し、2026年4月に初出荷カーゴが出港しました。ExxonMobilは2026年Q1決算で、Golden Pass Train 1の初LNGにより米国LNG輸出能力を約5%押し上げると説明しています。[12]
- ロシア事業の撤退:2022年3月にサハリン1からの撤退方針を公表し、ロシアへの新規投資を行わない方針も示しました。[13]
業績・指標(“いつ時点”の明記)
- 2025年通期(公表日:2026年1月30日):純利益288.44億ドル、希薄化後EPS6.70ドル、営業キャッシュフロー519.70億ドル、フリーキャッシュフロー261.31億ドル、株主還元372億ドル。キャッシュ設備投資は290億ドルで、2026年のキャッシュ設備投資見通しは270億〜290億ドルです。[4]
- 2026年Q1(公表日:2026年5月1日):純利益41.83億ドル、希薄化後EPS1.00ドル。特殊要因を除く利益は48.89億ドル、特殊要因とタイミング影響を除く利益は87.72億ドルでした。営業キャッシュフローは87億ドル、証拠金差入れ等を除く営業キャッシュフローは138億ドル、フリーキャッシュフローは27億ドルでした。株主還元は92億ドルで、配当43億ドル、自社株買い49億ドルです。[14]
歴史と再編
同社の起源はロックフェラーのスタンダード・オイルに遡り、反トラスト法による分割後に「エクソン」「モービル」として発展、1999年に合併しExxonMobilとなりました。2020年代前半の企業変革で、事業会社(Upstream/Product Solutions/Low Carbon Solutions)を再編・集約し、コストと資本効率の改善を進めています。2025年末時点では、2019年比の構造的コスト削減が累計151億ドルに達し、2025年単年でも30億ドルを追加しました。[15]
低炭素への取り組み(例)
- CCS/CO2輸送・貯留:デンベリー買収により米国最大級のCO2パイプライン網を保有。2025年7月にはCF Industries向けの商業CCSが稼働し、同施設から年間最大約250万トンのCO2を輸送・貯留する契約を含みます。Linde、Nucor、NG3、Lake Charles Methanol II、AtmosClearなどとの契約も含め、2026年時点で年間約900万トンのCO2が契約済みです。[11]
- 水素・アンモニア:テキサス州ベイタウンの低炭素水素・アンモニア計画に関し、2025年5月に丸紅向け低炭素アンモニア 年25万トンの長期供給で基本合意しました。この合意は、ベイタウン施設の最終投資決定や規制承認、支援的な政策環境などを前提としています。[16]
- 低炭素データセンター:AI需要の拡大による電力需要増を背景に、同社はルイジアナ州・ミシシッピ州を候補地とする低炭素データセンター構想を検討しています。2026年1月時点では、2026年末までに初の低炭素データセンターについて最終投資判断を目指すと報じられています。[17]
ミニ解説
- 「事業会社」と「報告セグメント」:運営体制はUpstream/Product Solutions/Low Carbon Solutionsの三本柱。一方、SEC報告ではUpstream/Energy Products/Chemical Products/Specialty Productsの4区分で開示されます。名称が異なる点に注意が必要です。[2][3]
- ガイアナとパーミアンが成長ドライバー:2025年はパーミアンが日量160万BOE、ガイアナが日量70万バレル超(グロス)となり、どちらも過去最高を更新しました。Hammerheadまで含めると、ガイアナの増産余地はなお大きいです。[5][6]
- 低炭素投資は選別が強まった:2025年4月時点では最大300億ドルの低排出投資を掲げていましたが、2025年12月の2030計画更新では約200億ドルへ見直されました。CCS、水素、低炭素アンモニアは続ける一方、採算と政策支援をより重視する姿勢です。[9]
【注】(出典リンク)
- 本社所在地(Spring, TX本社キャンパス) → ExxonMobil公式:Houston Campus → Contact Us Directory(確認日:2026-05-10) ↩
- 事業会社(Upstream/Product Solutions/Low Carbon Solutions)の説明 → ExxonMobil公式:Business divisions → 2030計画更新(確認日:2026-05-10) ↩
- 報告セグメント(Upstream/Energy Products/Chemical Products/Specialty Products) → Form 10-K(2025年通期・HTML) → Annual Reports(確認日:2026-05-10) ↩
- 2025年通期業績・営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー・株主還元・設備投資 → ExxonMobil 2025年通期決算 → IR掲載:2025 Results(確認日:2026-05-10) ↩
- 2025年通期Upstream利益・生産量・パーミアン/ガイアナ実績 → ExxonMobil 2025年通期決算 → IR掲載:2025 Results(確認日:2026-05-10) ↩
- ガイアナ第7案件「Hammerhead」FID(2025年9月、日量約15万bpd、2029年稼働見込み) → ExxonMobil公式リリース → Reuters(確認日:2026-05-10) ↩
- Energy Products/Specialty Productsの2025年通期利益 → ExxonMobil 2025年通期決算(確認日:2026-05-10) ↩
- Chemical Productsの2025年通期利益・販売数量 → ExxonMobil 2025年通期決算(確認日:2026-05-10) ↩
- 低排出投資計画(2025年4月時点の最大300億ドル、2025年12月更新後の約200億ドル) → Advancing Climate Solutions Executive Summary → 2030計画更新(確認日:2026-05-10) ↩
- Pioneer Natural Resources買収完了・パーミアン資産 → ExxonMobil公式リリース → ExxonMobil 2025年通期決算(確認日:2026-05-10) ↩
- Denbury買収・CO2パイプライン網・商業CCS稼働・契約済みCO2量 → ExxonMobil: Denbury買収完了 → Growing Low Carbon Solutions → Reuters: CF Industries CCS(確認日:2026-05-10) ↩
- Golden Pass LNG Train 1初LNG生産・初出荷・2026年Q1決算での説明 → Golden Pass LNG: First LNG Production → Golden Pass LNG: First Export Cargo → ExxonMobil 2026年Q1決算(確認日:2026-05-10) ↩
- サハリン1撤退方針の公表(2022年3月1日) → ExxonMobil公式リリース(確認日:2026-05-10) ↩
- 2026年Q1業績・営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー・株主還元 → ExxonMobil 2026年Q1決算 → SEC Exhibit 99.1(確認日:2026-05-10) ↩
- 歴史・組織再編・構造的コスト削減 → ExxonMobil Business divisions → ExxonMobil 2025年通期決算(確認日:2026-05-10) ↩
- ベイタウン水素計画と低炭素アンモニアの長期供給(丸紅) → ExxonMobil Low Carbon Solutions News → Marubeni発表 → Reuters(確認日:2026-05-10) ↩
- 低炭素データセンター構想・2026年末までのFID目標 → Growing Low Carbon Solutions → Reuters: CCS/低炭素データセンター(確認日:2026-05-10) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】

