MAR(マリオット)今後の見通し
マリオットインターナショナル(Marriott International Inc)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
直近決算
MAR(マリオット)は5月6日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想2.64$→結果2.72$
・売上高:予想65.6億$→結果66.5億$(前年同期比+6%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想3.05$→結果2.99~3.06$
《通年》
・EPS:予想11.57$→結果11.38~11.63$
★出所
・IRプレスリリース
・streetinsider
企業概要
マリオット(Marriott International, Inc.)は、ホテル業界を代表するグローバル企業です。
同社は自社で施設を所有・賃借する事業も一部ありますが、基本は「持たない経営(アセットライト)」です。すなわち、フランチャイズ/運営受託/ライセンスを中心に展開し、ブランド戦略、販売網、ロイヤリティプログラムに経営資源を集中することで、高い資本効率を目指しています。2025年通期の年次報告書でも、所有・賃借物件は宿泊施設全体の1%未満とされています。[1]
北米を中心に、欧州、中東・アフリカ、アジア太平洋など全世界で事業を展開しています。2026年3月末時点では、146の国・地域で、9,900軒超/約179.6万室のホテルシステムを擁する規模に拡大しています。[2]
ロイヤリティプログラム「Marriott Bonvoy」も会員基盤が拡大を続けており、2026年3月末時点で約2億8,300万人に達しています。2025年末時点では約2億7,100万人だったため、2026年に入っても会員増加が続いていることが分かります。[2][3]
マリオットは、所有・運営・フランチャイズ・ライセンスを組み合わせながら、ラグジュアリーから長期滞在型、ミッドスケールまで、多様な宿泊体験を提供しています。
さらに、2016年のスターウッド・ホテル&リゾーツ買収でブランドポートフォリオを大幅に拡充しました。2023年にはCity Express買収でアフォーダブル・ミッドスケール領域に参入し、2025年にはライフスタイルブランドcitizenMの買収を完了しました。これにより、上位価格帯だけでなく、ミッドスケールやセレクトサービス型の需要にも対応しやすい体制を整えています。[4][5][6]
その事業は以下のセグメント/市場に対応しています。
(注)会計上の報告セグメントは、2026年3月末時点のForm 10-Qでは「U.S. & Canada/EMEA/Greater China/APEC(中国除くアジア太平洋)」の4区分です。CALA(カリブ海・中南米)は単独の報告セグメントではなく、「Unallocated corporate and other」に含まれます。本稿では、読者がブランドと市場をイメージしやすいよう、従来の表現を活かしつつ説明しています。[7]
かつて使われていた「7,500以上の施設」という表現は、現在は古くなっています。2026年3月末時点では、マリオットの世界規模は9,900軒超/約179.6万室です。[2]
その事業は以下の3つの市場区分で異なるニーズに柔軟に対応しています。
(1) 北米フルサービス事業:米国とカナダでラグジュアリーおよびプレミアムブランドのホテルを運営・フランチャイズ展開。
主なブランドは「JWマリオット」「マリオット・ホテル」「シェラトン」「ウェスティン」「ルネッサンス」「ル・メリディアン」「オートグラフ コレクション」「デルタ ホテル」「ゲイロード ホテルズ」「トリビュート ポートフォリオ」などです。
これらのブランドは、上質なサービスと高級感を提供し、ビジネスから余暇旅行まで幅広い需要に応えています。ラグジュアリー系では、ザ・リッツ・カールトン/セントレジス/W/エディション/ザ・ラグジュアリーコレクション/JWマリオット/ブルガリ ホテルズ&リゾーツなどが代表的です。[8]
(2) 北米限定サービス事業:米国とカナダで、価格帯と機能を絞った効率的なホテルを運営・フランチャイズ展開。
主なブランドは「コートヤード」「レジデンス・イン」「フェアフィールド・イン&スイーツ」「スプリングヒル・スイーツ」「タウンプレース・スイーツ」「エレメント」「アロフト」「モクシー」「フォーポイント」などです。加えて、アフォーダブル・ミッドスケールのCity Express by Marriott、長期滞在型のStudioResなども拡大しています。[5][8]
これらは、コストパフォーマンス、利便性、長期滞在への対応力を重視するビジネス旅行、家族旅行、出張・工事・医療・大学関連の滞在需要に適しています。
(3) 国際事業:北米以外の地域で、各国・地域の需要に合わせてホテルを展開。
主なブランドは「JWマリオット」「セントレジス」「エディション」「W」「ザ・リッツ・カールトン」「マリオット」「ウェスティン」「フォーポインツ」「アロフト」「ACホテル」「プロテア」「エレメント」「モクシー」などです。各地の文化や市場環境に合わせて、新築、コンバージョン、リノベーションを柔軟に組み合わせています。
2026年3月末時点で、マリオットの開発パイプラインは4,107物件/約61.8万室に達し、過去最高水準となっています。そのうち約43%が建設中で、パイプライン客室の半分超は国際市場にあります。これは、北米だけでなく、EMEA、APEC、Greater Chinaなどの地域が今後の成長を支える構図を示しています。[2]
1927年に創業したマリオットは、2016年に同業のStarwood Hotels & Resortsを買収しました。これにより、ウェスティン、シェラトン、W、セントレジス、ルメリディアン、アロフト、エレメントなどのスターウッド系ブランドが加わり、世界最大級のホテルグループとしての地位を固めました。[4]
買収後、マリオットは30以上のブランドを展開する企業グループとなりました。さらに、City ExpressやcitizenMの取り込みにより、ミッドスケール、長期滞在、セレクトサービス、ライフスタイル型ホテルの選択肢も広がっています。[5][6][8]
現在のマリオットは、単にホテル数を増やすだけでなく、オーナー向けのフランチャイズ・運営受託モデル、デジタル販売、Marriott Bonvoy、共同ブランドカード、コンバージョン案件を組み合わせることで、資本負担を抑えながら成長するビジネスモデルを強化しています。2026年通期見通しでは、会社側は年末時点のネット客室数成長率を4.5%~5.0%と見込んでおり、引き続きアセットライト型の拡大が中心です。[2]
ミニ解説:マリオットを見るうえで重要なのは、ホテルを大量に所有する不動産会社というより、ブランド、予約網、運営ノウハウ、ロイヤリティ会員基盤を提供するプラットフォーム型のホテル企業として理解することです。景気や旅行需要の影響は受けますが、アセットライト型であるため、ホテル所有型企業に比べると資本効率を高めやすい点が特徴です。
【注】(出典リンク)
- アセットライト/所有・賃借物件1%未満 → Marriott International 2025 Annual Report(確認日:2026-05-10) ↩
- 2026年Q1規模・Bonvoy会員数・開発パイプライン・2026年見通し → Marriott International Reports First Quarter 2026 Results(確認日:2026-05-10) ↩
- 2025年末Bonvoy会員数・2025年通期業績 → Marriott International Reports Fourth Quarter and Full Year 2025 Results(確認日:2026-05-10) ↩
- スターウッド買収 → Marriott IR Starwood Combination Information(確認日:2026-05-10) ↩
- City Express買収完了 → Marriott International Expands in the Affordable Midscale Segment(確認日:2026-05-10) ↩
- citizenM買収完了 → Marriott International Completes Acquisition of citizenM Brand(確認日:2026-05-10) ↩
- 報告セグメント区分 → Marriott International Form 10-Q 2026年Q1(SEC)(確認日:2026-05-10) ↩
- ブランド一覧・ブランド分類 → Marriott Bonvoy Hotel Brands → Marriott Hotel Development Brands(確認日:2026-05-10) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】

