CSCO(シスコシステムズ)今後の見通し
シスコシステムズ(Cisco Systems, Inc./NASDAQ: CSCO)の今後の見通しを考えるために、まず金利と株価チャートの推移を確認し、次に直近の決算を見ていきます。
さらに、AIインフラ、ネットワーキング、セキュリティ、Splunkを含むオブザーバビリティ事業に加え、配当、自社株買い、フリーキャッシュフロー、財務状態まで整理します。2026年8月8日時点では、最新の発表済み決算は2026年5月13日のFY2026第3四半期(Q3)決算です。市場データでは次のFY2026 Q4決算は2026年8月12日の米国市場終了後が予定されており、記事更新時点ではまだ発表されていません。[1]
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は米10年国債利回り
※株価の成長率、前日比、52週高値・安値のほか、PER、時価総額、株式数、出来高などを更新します。リアルタイム表示ではないため、データソースによって一定の遅延が生じる場合があります。
2026年8月時点の株価・主要指標
2026年8月7日のCisco終値は121.43ドルでした。Google Finance表示ベースでは、時価総額は約4,786億ドル、過去12か月GAAP EPSは約3.00ドル、PERは約40.5倍、52週高値は130.37ドル、52週安値は65.75ドルです。四半期配当0.42ドルを4倍した現行年率換算配当1.68ドルに対する配当利回りは約1.38%です。[2]
| 指標 | 2026年8月7日時点 |
|---|---|
| 株価 | 121.43ドル |
| 時価総額 | 約4,786億ドル |
| GAAP EPS(TTM) | 約3.00ドル |
| PER | 約40.5倍 |
| 52週高値 | 130.37ドル |
| 52週安値 | 65.75ドル |
| 現行年率換算配当 | 1.68ドル |
| 配当利回り | 約1.38% |
現在のPERはGAAP EPSを基準とした値です。CiscoはSplunk買収に伴う無形資産償却などによってGAAP利益とNon-GAAP利益の差が比較的大きいため、PERだけでなく、Non-GAAP利益とフリーキャッシュフローも併せて見る必要があります。
直近決算:FY2026第3四半期
Ciscoは2026年5月13日(米国時間)の市場終了後にFY2026第3四半期決算を発表しました。対象期間は2026年4月25日までの3か月です。[3]
売上高は158.41億ドルで前年同期比12%増、GAAP純利益は33.73億ドル、GAAP希薄化後EPSは0.85ドルでした。Non-GAAP希薄化後EPSは1.06ドルです。旧記事が参照していた市場予想のEPS1.04ドル、売上高155.4億ドルに対して、いずれも上回りました。[3]
| FY2026 Q3 | 市場予想 | 結果 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 約155.4億ドル | 158.41億ドル | +12% |
| GAAP EPS | — | 0.85ドル | +37% |
| Non-GAAP EPS | 約1.04ドル | 1.06ドル | +10% |
| GAAP純利益 | — | 33.73億ドル | — |
| 営業CF | — | 37.57億ドル | -7% |
ネットワーキングが25%増収
FY2026 Q3の製品売上は前年同期比17%増でした。製品カテゴリー別では、最大部門のNetworkingが88.15億ドルで前年同期比25%増となり、全社成長を牽引しました。一方、Securityは前年同期比横ばい、Observabilityは3%増、Collaborationは1%減でした。[3]
受注面では、ハイパースケーラーを含む製品受注が前年同期比35%増、ハイパースケーラーを除いても19%増でした。Networking製品受注は50%超増加し、キャンパスネットワーキング受注は25%超、データセンタースイッチング受注は40%超増えたと会社は説明しています。[3]
AIインフラ受注見通しを90億ドルへ引き上げ
AIインフラが2026年度の最大の注目材料です。CiscoはFY2026 Q3までの累計で、ハイパースケーラー向けAIインフラ受注が53億ドルに達したと発表しました。これを受け、FY2026通期のAIインフラ受注見通しを従来の50億ドルから90億ドルへ、AIインフラ売上見通しを30億ドルから40億ドルへ引き上げています。[3]
ミニ解説:CiscoのAI関連需要は、GPUそのものではなく、AIデータセンター内で大量のデータを高速に移動させるスイッチ、ルーター、Silicon Oneなどのネットワーク基盤が中心です。AIサーバーの増加は、それらを接続するネットワーク投資の拡大につながります。
粗利益率には注意
FY2026 Q3のGAAP売上総利益率は63.6%で、前年同期の65.6%から低下しました。Non-GAAP売上総利益率は66.0%、Non-GAAP営業利益率は34.2%でした。売上と受注は強い一方、製品構成、部材費、関税などが利益率に与える影響は今後も確認が必要です。[3]
次回決算:FY2026 Q4は8月12日予定
2026年8月8日時点の市場データでは、CiscoのFY2026 Q4決算は2026年8月12日の米国市場終了後に予定されています。市場予想はNon-GAAP EPSが約1.17ドル、売上高が約168.3億ドルです。[1]
これはCisco自身がQ3決算時に示したQ4ガイダンスのほぼ中央に位置します。
| FY2026 Q4 | 会社ガイダンス | 市場予想 |
|---|---|---|
| 売上高 | 167~169億ドル | 約168.3億ドル |
| Non-GAAP EPS | 1.16~1.18ドル | 約1.17ドル |
| GAAP EPS | 0.80~0.85ドル | — |
| Non-GAAP売上総利益率 | 65.5~66.5% | — |
| Non-GAAP営業利益率 | 34.0~35.0% | — |
Q4では単に予想を上回るかどうかだけではなく、FY2027の売上・EPSガイダンス、AIインフラ受注、データセンターネットワーク需要、粗利益率、Securityの再成長が株価を左右する重要材料になります。
FY2026通期ガイダンス
FY2026 Q3決算時点でCiscoは、2026年度通期の売上高を628億~630億ドル、GAAP EPSを3.16~3.21ドル、Non-GAAP EPSを4.27~4.29ドルと予想しています。[3]
| FY2026通期 | 会社見通し |
|---|---|
| 売上高 | 628~630億ドル |
| GAAP EPS | 3.16~3.21ドル |
| Non-GAAP EPS | 4.27~4.29ドル |
| AIインフラ受注 | 約90億ドル |
| AIインフラ売上 | 約40億ドル |
企業概要
Cisco Systems, Inc.は、企業、政府機関、通信事業者、クラウド事業者などにネットワーク、セキュリティ、コラボレーション、オブザーバビリティ関連製品・サービスを提供する世界的なITインフラ企業です。
同社は1984年に設立され、インターネット普及期にルーターやスイッチで事業を拡大しました。現在では「ネットワーク機器メーカー」という枠を超え、ソフトウェア、サブスクリプション、セキュリティ、Splunkを中心とするデータ分析、AIデータセンター向けネットワークへ事業領域を広げています。[4]
Networking
NetworkingはCisco最大の製品分野です。スイッチ、ルーター、無線LAN、データセンターネットワーク、クラウド管理型ネットワークなどを提供しています。FY2025通期のNetworking売上高は283.04億ドルでした。[5]
FY2026 Q3には88.15億ドル、前年同期比25%増へ成長が加速しました。AIデータセンター投資だけでなく、企業のキャンパスネットワーク更新も追い風になっています。[3]
Security
Ciscoはゼロトラスト、SASE、クラウドセキュリティ、脅威検知、ID管理などを展開しています。FY2025通期のSecurity売上高は80.94億ドルでした。[5]
2024年3月にはSplunkの買収を完了し、セキュリティ分析、ログ管理、データ分析、オブザーバビリティを強化しました。[6]
ただし、FY2026 Q3のSecurity売上高は前年同期比横ばい、FY2026の9カ月累計では前年同期比2%減でした。Splunkを取得しただけでセキュリティ事業が自動的に高成長化するわけではなく、既存Cisco製品とのクロスセルやプラットフォーム統合が今後の焦点です。[3]
Collaboration
Webexを中心に、会議、通話、コンタクトセンター、各種コラボレーション端末を提供しています。FY2025通期のCollaboration売上高は41.54億ドルでした。[5]
Observability
Observabilityでは、アプリケーションやシステムの状態を把握・分析する製品を提供しています。Splunk取得によりログデータ分析やAI運用との連携が強化されました。FY2025通期のObservability売上高は10.55億ドルでした。[5]
FY2025通期業績はForm 10-K確定値へ修正
FY2025の数値には重要な注意点があります。Ciscoは2025年8月13日の決算発表後、サプライヤーとの法的紛争を解決したことに伴うGAAP費用を反映し、後日提出したForm 10-Kが当初の決算リリースを上書きしています。したがって、本記事ではForm 10-Kの確定値を使用します。[5]
| FY2025 | 旧記事 | Form 10-K確定値 |
|---|---|---|
| 売上高 | 567.41億ドル | 566.54億ドル |
| GAAP純利益 | 102.47億ドル | 101.80億ドル |
| GAAP希薄化後EPS | 2.55ドル | 2.55ドル |
| 営業CF | 142.24億ドル | 141.93億ドル |
| 設備投資 | 9.84億ドル | 9.05億ドル |
| FCF | 132.40億ドル | 132.88億ドル |
| 配当支払額 | 65.28億ドル | 64.37億ドル |
FY2025の製品売上高は416.08億ドル、サービス売上高は150.46億ドルでした。製品別ではNetworkingが283.04億ドル、Securityが80.94億ドル、Collaborationが41.54億ドル、Observabilityが10.55億ドルです。[5]
市場シェア:AIデータセンターで競争環境が変化
旧記事ではIDCの2025年第4四半期データを用いて、Ciscoの世界イーサネットスイッチ市場シェアを27.6%、ルーター市場シェアを30.6%としていました。より新しい2026年第1四半期のIDCデータでは、Ciscoの世界イーサネットスイッチ売上は約45億ドル、シェアは29.3%、ルーター市場シェアは35.1%でした。[7]
一方、AI向けデータセンター市場だけを見ると競争環境は異なります。2026年Q1にはNVIDIAがデータセンター向けイーサネットスイッチ市場で21.5%のシェアを獲得し、Arista Networksも20.7%を占めました。Ciscoはネットワーク市場全体では依然として非常に大きな存在ですが、AIデータセンター領域ではNVIDIAやAristaとの競争が激しくなっています。[7]
ミニ解説:「Ciscoはスイッチ市場の約70%を占める」といった過去の数字を現在の市場全体へそのまま適用するのは適切ではありません。企業向けLAN、データセンター、AIネットワーク、ルーターなど、市場の定義によってシェアは大きく変わります。
配当と株主還元
Ciscoは2011年に配当を開始して以降、毎年増配を続けています。2026年2月には四半期配当を0.41ドルから0.42ドルへ引き上げました。FY2026 Q3決算時にも1株0.42ドルの配当を宣言し、2026年7月22日に支払いを行いました。2026年8月8日時点の最新の四半期配当は0.42ドルです。[8]
配当性向
FY2025に実際に支払対象となった年間1株配当は1.62ドルでした。FY2025のGAAP希薄化後EPS2.55ドルに対する配当性向は約64%です。[5]
一方、2026年8月時点の現行年率換算配当1.68ドルを、Google Finance表示の過去12か月GAAP EPS約3.00ドルで割ると、配当性向は約56%です。利益の回復によって、足元の配当負担率はFY2025より低下しています。[2]
なお、旧記事の「FY2025 EPS基準の配当性向約66%」は、FY2026時点の年率換算配当1.68ドルをFY2025 EPS2.55ドルで割った値です。年度実績同士を比較する場合は、FY2025の実配当1.62ドルを使う約64%のほうが適切です。
フリーキャッシュフローによる配当支払能力
Ciscoの配当を評価する場合、GAAP EPSだけでなく、営業キャッシュフローから設備投資を差し引いたフリーキャッシュフロー(FCF)を見ることが重要です。
FY2025:FCFは配当の約2.1倍
FY2025のForm 10-K確定値では、営業CFは141.93億ドル、設備投資は9.05億ドル、Ciscoが示すFCFは132.88億ドルでした。配当支払額は64.37億ドルで、FCFは配当を約2.06倍カバーしています。[5]
FY2026の9カ月累計
FY2026 Q3までの9カ月累計では、営業CFは87.91億ドル、設備投資は10.20億ドル、FCFは77.71億ドル、配当支払額は48.94億ドルでした。FCFによる配当カバーは約1.59倍です。[9]
| 期間 | 営業CF (M$) |
設備投資 (M$) |
FCF (M$) |
配当支払 (M$) |
FCF/配当 |
|---|---|---|---|---|---|
| FY2021 | 15,454 | 632 | 14,822 | 6,183 | 約2.4倍 |
| FY2022 | 13,226 | 1,212 | 12,014 | 6,224 | 約1.9倍 |
| FY2023 | 19,886 | 849 | 19,037 | 6,354 | 約3.0倍 |
| FY2024 | 10,880 | 670 | 10,210 | 6,409 | 約1.6倍 |
| FY2025 | 14,193 | 905 | 13,288 | 6,437 | 約2.1倍 |
| FY2026 9カ月 | 8,791 | 1,020 | 7,771 | 4,894 | 約1.6倍 |
FY2026の9カ月累計ではFCF配当カバー率がFY2025より低下していますが、配当支払額をなお上回っています。また、営業CFの減少には米国移行税に関する約23億ドルの最終支払いも影響しています。[9]
配当を見る際のポイント:CiscoはGAAP利益よりFCFが厚い企業です。Splunk関連の無形資産償却などでGAAP利益が抑えられる局面でも、FCFが配当を継続的に上回っているかを確認することで、配当安全性をより実態に近い形で評価できます。
自社株買い
Ciscoは配当だけでなく自社株買いも株主還元の柱としています。FY2025のForm 10-K確定値では、自社株買いに59.95億ドル、配当に64.37億ドルを支出し、合計124.32億ドルを株主へ還元しました。[5]
FY2026 Q3までの9カ月累計でも、自社株買いに46.05億ドル、配当に48.94億ドルを支出しています。Q3単独では約13億ドルを使って約1,600万株を平均80.28ドルで買い戻しました。Q3終了時点の自社株買い承認残高は約96億ドルでした。[3][9]
財務分析:Splunk買収後のバランスシート
2024年3月のSplunk買収によりCiscoの債務は増えましたが、2026年4月25日時点でも現金・投資と営業CFの厚みがあります。
| 時点 | 総資産 (M$) |
総負債 (M$) |
株主資本 (M$) |
自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023末 | 101,852 | 57,499 | 44,353 | 約43.5% |
| FY2024末 | 124,413 | 77,993 | 46,420 | 約37.3% |
| FY2025末 | 122,291 | 75,448 | 46,843 | 約38.3% |
| FY2026 Q3末 | 125,546 | 76,685 | 48,861 | 約38.9% |
FY2026 Q3末の現金・現金同等物および投資は166.40億ドルでした。一方、短期債務は119.32億ドル、長期債務は193.71億ドルで、合計債務は313.03億ドルでした。[9]
FY2025末の合計債務は280.93億ドルだったため、FY2026 Q3末では債務が増えています。Splunk買収後の財務負担は無視できませんが、現金・投資166億ドルと大規模なFCFを持つことから、現時点では債務返済能力と株主還元能力の双方を継続的に確認する段階といえます。
RPOは434.62億ドル
FY2026 Q3末のRemaining Performance Obligations(RPO、残存履行義務)は434.62億ドルで、前年同期比4%増でした。RPOは、契約済みだがまだ売上として認識していない金額を示すため、サブスクリプション・サービス事業の将来売上の可視性を見るうえで重要な指標です。[9]
長期業績の推移
Ciscoは急成長企業というより、成熟したネットワーク事業から継続的にキャッシュを生み出しつつ、AI、セキュリティ、ソフトウェアへ事業構成を変えている企業です。
| 会計年度 | 売上高 (M$) |
営業CF (M$) |
純利益 (M$) |
GAAP EPS |
|---|---|---|---|---|
| FY2020 | 49,301 | 15,426 | 11,214 | 2.64 |
| FY2021 | 49,818 | 15,454 | 10,591 | 2.50 |
| FY2022 | 51,557 | 13,226 | 11,812 | 2.82 |
| FY2023 | 56,998 | 19,886 | 12,613 | 3.07 |
| FY2024 | 53,803 | 10,880 | 10,320 | 2.54 |
| FY2025 | 56,654 | 14,193 | 10,180 | 2.55 |
FY2020からFY2025までの売上高成長率は高くありません。しかし、AIデータセンター投資の拡大によってFY2026はNetworkingが再加速しており、この成長が一時的な更新需要にとどまるのか、新しい中期成長サイクルになるのかが重要です。
投資家向け分析:Ciscoの強み
- ネットワークの基盤性:クラウド、AI、サイバーセキュリティ、データセンターはいずれも高速で安定したネットワークを必要とします。
- AIインフラ需要:FY2026通期のハイパースケーラー向けAIインフラ受注見通しを90億ドルまで引き上げています。[3]
- Networkingの再加速:FY2026 Q3は前年同期比25%増でした。[3]
- Splunk:セキュリティ分析、データ分析、オブザーバビリティを強化し、ハードウェア以外の継続収益源を広げています。
- 厚いFCF:FY2025のFCFは132.88億ドルで、配当を約2.1倍カバーしました。[5]
- 配当+自社株買い:FY2025は約124億ドルを株主に還元しています。[5]
- RPO:FY2026 Q3末で434.62億ドルあり、将来売上の一定の可視性があります。[9]
投資リスク
- バリュエーション:2026年8月7日時点のGAAP PERは約40倍で、今後の成長期待を一定程度織り込んでいます。[2]
- AI期待の反動:AI受注見通しが90億ドルへ急増したため、FY2027のAI受注や売上ガイダンスが期待を下回る場合、株価への影響が大きくなる可能性があります。
- AIデータセンターの競争:NVIDIA、Arista Networksなどが急速にシェアを伸ばしています。[7]
- Securityの伸び悩み:FY2026 Q3は前年同期比横ばい、9カ月累計では2%減でした。Splunkとの統合効果を数字で示せるかが課題です。[3]
- 粗利益率:FY2026 Q3のGAAP粗利益率は前年同期から低下しました。
- Splunk統合:買収後の無形資産償却、債務、統合コストがGAAP利益を圧迫します。
- IT投資の景気敏感性:企業のネットワーク更新やデータセンター投資は、景気、金利、企業収益に左右されます。
- 関税・サプライチェーン:部材コストや関税はハードウェア事業の利益率を押し下げる可能性があります。
まとめ:2026年8月時点のCisco
Ciscoは「成熟したネットワーク機器会社」という従来の姿から、AIネットワーク、セキュリティ、Splunkを含むデータ分析・オブザーバビリティ、サブスクリプション収益を組み合わせるインフラ企業へ変化しています。
FY2026 Q3は売上高158.41億ドル、前年同期比12%増、Networkingは25%増となりました。さらにFY2026のAIインフラ受注見通しを90億ドルへ引き上げたことで、AIがCiscoの再成長を支える可能性が強まっています。[3]
一方、Securityの売上成長はまだ弱く、AIデータセンター向けスイッチ市場ではNVIDIAやAristaとの競争も激化しています。株価も2026年8月7日時点で121.43ドル、GAAP PER約40.5倍まで上昇しており、以前のCiscoのような低PERの成熟テック株とは評価のされ方が変わっています。[2][7]
配当面では四半期0.42ドル、現行年率換算1.68ドル、利回り約1.38%です。FY2025のFCFは配当の約2.1倍、FY2026の9カ月累計でも約1.6倍をカバーしており、現時点では通常配当を支えるキャッシュ創出力があります。[5][9]
投資判断のポイント:今後の評価を左右するのは、①FY2027の売上・EPS見通し、②AIインフラ受注がFY2027も伸びるか、③Networkingの二桁成長が継続するか、④Security・Splunkの成長が再加速するか、⑤粗利益率、⑥FCFと配当・自社株買いのバランスです。
特に2026年8月12日予定のFY2026 Q4決算では、過去四半期の実績以上にFY2027ガイダンスが重要になります。
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について市場予想と結果の推移を確認します。
売上高とEPSについて、アナリスト平均予想と企業発表値を比較します。単位はEPSがドル、売上高が100万ドルです。
免責事項
本記事は公開情報に基づいて財務データを整理・分析したものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。Ciscoの業績や株価は、AI投資サイクル、IT需要、競争、買収統合、為替、関税、サプライチェーン、金利などによって変動する可能性があります。本記事の最新情報の確認日は2026年8月8日です。
【注】(出典リンク)
- 次回FY2026 Q4決算予定・市場予想 → Google Finance「CSCO」 → MarketBeat「Cisco Q4 FY2026 Earnings」(確認日:2026-08-08) ↩
- 2026年8月7日株価・時価総額・PER・EPS・52週高安・配当利回り → Google Finance「Cisco Systems / NASDAQ: CSCO」(確認日:2026-08-08) ↩
- FY2026 Q3決算・Networking・AIインフラ受注・Q4/FY2026ガイダンス・株主還元 → Cisco「Reports Third Quarter Earnings」 → Cisco Quarterly Results(確認日:2026-08-08) ↩
- Cisco設立・沿革 → Cisco Newsroom「Cisco Celebrates 25 Years」(確認日:2026-08-08) ↩
- FY2025 Form 10-K確定値・製品別売上・営業CF・設備投資・FCF・配当・自社株買い → SEC EDGAR「Cisco FY2025 Form 10-K」 → Cisco Annual Reports(確認日:2026-08-08) ↩
- Splunk買収完了 → Cisco Newsroom「Cisco Completes Acquisition of Splunk」(確認日:2026-08-08) ↩
- 2026年Q1イーサネットスイッチ・ルーター市場シェア → IDC「1Q26 Ethernet Switch and Router Market」(確認日:2026-08-08) ↩
- 2026年増配・最新四半期配当0.42ドル → Cisco FY2026 Q2 Earnings → Cisco FY2026 Q3 Earnings → Cisco Dividends and Splits(確認日:2026-08-08) ↩
- FY2026 Q3 Form 10-Q・9カ月CF・配当・自社株買い・債務・現金投資・RPO → SEC EDGAR「Cisco FY2026 Q3 Form 10-Q」(確認日:2026-08-08) ↩

