CAT(キャタピラー)今後の見通し

ダウ30銘柄,株価•決算,資本財

キャタピラー(Caterpillar Inc)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(CATとDEを比較:キャタピラーとディア)を参照

直近決算

CAT(キャタピラー)は4月30日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想4.63$→結果5.54$
・売上高:予想164.9億$→結果174億$(前年同期比+22%)
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。

企業概要

キャタピラー(Caterpillar Inc.:NYSE: CAT)は、建設、鉱山、エネルギー、発電、輸送など幅広い分野で使われる重機・エンジン・発電設備・サービスを提供する世界最大級のメーカーです。本社はテキサス州アービングにあります。2022年にイリノイ州ディアフィールドからダラス・フォートワース地域へ本社を移転しました。2025年通期の売上高および収益は675.89億ドルで、同社史上最高となりました。[1][2]

製品は「頑丈さ」と「効率性」で知られ、機械の提供にとどまらず、メンテナンス、部品、デジタル監視(テレマティクス)、再生部品、金融までを束ねたライフサイクル支援で顧客の稼働率を高めています。世界の独立系ディーラーネットワークを通じて、約190カ国で製品・サービスを提供しており、ディーラーは約150社規模です。再生(リマン)事業「Cat Reman」により部品を再製品化し、コストと環境負荷の低減にも取り組んでいます。[3]

その事業は、2026年時点では3つの主要事業セグメント+金融で構成されています。なお、2026年3月の開示再編により、従来のEnergy & TransportationPower & Energyへ名称・区分が整理され、Rail部門はResource Industries側へ再分類されました。[4]

(1) 建設機械(Construction Industries):ブルドーザー、油圧ショベル、ホイールローダー、バックホー、路面機械などを扱います。インフラ、住宅、商業建設で使われ、堅牢性と稼働時間の長さが評価されています。2025年通期の同セグメント売上は250.60億ドルで、2024年通期比2%減でした。価格実現の悪化を主因にやや減少しましたが、2025年Q4には前年同期比で増収に転じています。[5]

(2) 資源産業(Resource Industries):超大型ダンプ、鉱山用ショベル、ドリル、ドラグライン等を扱います。過酷環境での耐久性と保守容易性が強みです。2011年のビュサイラス・インターナショナル買収により鉱山機械ラインアップを拡充しました。2025年通期のResource Industries売上は124.74億ドルで、2024年通期とほぼ横ばいでした。鉱山機械需要は資源価格、鉱山会社の投資計画、稼働中機の更新需要に左右されます。[6]

(3) Power & Energy(旧Energy & Transportationの再編後区分):ディーゼル・天然ガスエンジン、発電機、Solar®ガスタービン、産業用動力、油ガス向け機器、分散型発電などを扱います。2025年通期は同社の成長の中心で、データセンター向け発電需要、油ガス向けガスタービン・圧縮設備、産業用エンジンなどが伸びました。2025年Q4のPower & Energy売上は94.00億ドルで前年同期比23%増、特にPower Generationは32.38億ドルで前年同期比44%増でした。[7]

(4) 金融商品(Financial Products):販売金融、リース、延長保証などで機械の導入と運用を支援します。Cat Financialはディーラーと顧客の資金調達を支える役割を持ちます。2026年Q1のCat Financial収益は9.47億ドル、利益は1.44億ドルで、前年同期比ではそれぞれ10%増11%増でした。[8]

近年は、接続機(テレマティクス搭載機)のデータを使って稼働監視や予防保全を行う「Cat Digital」を強化しています。条件監視、遠隔解析、AI活用、部品需要予測により、ダウンタイムの低減と燃費最適化を図ります。さらに、鉱山向けでは自律運転トラック、建設現場向けではAI支援や遠隔操作などの技術を広げています。2026年時点では、AIデータセンター向け電力需要の拡大がPower & Energyの追い風にもなっています。[9]

最近の業績・見通し:2025年通期の売上高および収益は675.89億ドルで、2024年通期の647.81億ドルから4%増となりました。2025年通期の営業利益率は16.5%、調整後営業利益率は17.2%、希薄化後EPSは18.81ドル、調整後EPSは19.06ドルでした。2025年通期のエンタープライズ営業キャッシュフローは117億ドルで、自己株買いに52億ドル、配当に27億ドルを投じました。[2]

2026年Q1の売上高および収益は174.15億ドルで、前年同期比22%増でした。営業利益率は17.7%、調整後営業利益率は18.0%、希薄化後EPSは5.47ドル、調整後EPSは5.54ドルでした。2026年Q1のエンタープライズ営業キャッシュフローは19億ドルで、同四半期に自己株買い50億ドル、配当7億ドルを実施しました。会社側は2026年Q1時点で、受注残が過去最高水準にあると説明しています。[10]

社史トピック:1925年、ホルト社とベスト・トラクター社が合併して誕生しました。第二次大戦後のインフラ需要を背景に国際展開を進め、1960年代以降は欧州・アジア・南米へ拡大しました。2011年のビュサイラス買収で鉱山機械を強化し、2022年に本社をアービングへ移転しました。2025年には創業100周年を迎え、2025年5月にはジョセフ・E・クリード氏がCEOに就任、2026年4月には取締役会議長も兼務しました。[11][6][1]

ひとこと解説
「総合力」が収益源:ハード(機械)+サービス(部品・MRO)+デジタル+金融の組み合わせで、景気循環に左右されにくい収益構造を志向しています。
Power & Energyの存在感:2025年は建設機械や鉱山機械よりも、発電・油ガス・産業用エンジンが全社成長を支えました。特にデータセンター向け発電需要は注目点です。
リマン(再生):稼働中機の再生部品でコスト、CO₂、リードタイムを圧縮する取り組みです。
投資家が見るべき点:建設機械の循環、鉱山投資、Power & Energyの受注残、関税による製造コスト、ディーラー在庫、営業キャッシュフロー、株主還元の持続性です。

【注】(出典リンク)

  1. 本社移転・企業概要 → Caterpillar to Relocate Global HeadquartersReuters:Caterpillar to move headquarters to Texas(確認日:2026-05-10)
  2. 2025年通期業績・売上・EPS・営業CF・株主還元 → Caterpillar Reports Fourth-Quarter and Full-Year 2025 ResultsCaterpillar 2025 Form 10-K(確認日:2026-05-10)
  3. 提供国・ディーラーネットワーク・Cat Reman → Caterpillar At a GlanceCat Reman(確認日:2026-05-10)
  4. 事業セグメント再編・Power & Energy・Rail再分類 → Caterpillar SEC FilingsPower & Energy Investor Presentation 2026(確認日:2026-05-10)
  5. Construction Industries売上・建設機械事業 → Caterpillar 2025 Form 10-KCaterpillar FY2025 Results(確認日:2026-05-10)
  6. Resource Industries・ビュサイラス買収 → Caterpillar 2025 Form 10-KCaterpillar Completes Acquisition of Bucyrus(確認日:2026-05-10)
  7. Power & Energy売上・発電・油ガス・データセンター需要 → Caterpillar FY2025 ResultsPower & Energy Investor Presentation 2026(確認日:2026-05-10)
  8. Cat Financial・2026年Q1金融事業 → Cat Financial Announces First-Quarter 2026 ResultsCat Financial(確認日:2026-05-10)
  9. Cat Digital・AI・稼働監視 → Future of AI at CaterpillarCaterpillar Innovation(確認日:2026-05-10)
  10. 2026年Q1業績・営業利益率・EPS・営業CF・株主還元 → Caterpillar Reports First-Quarter 2026 ResultsCaterpillar Quarterly Results(確認日:2026-05-10)
  11. CEO交代・Joe CreedのCEO就任・会長就任 → Joe Creed Elected as Caterpillar’s Next CEOJoe Creed Elected Chairman of the Board(確認日:2026-05-10)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢