C3AI 今後の見通し
シースリーエーアイ(C3.ai Inc)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
直近決算
5月28日(米国時間)にシースリーエーアイ(C3.ai Inc)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想-0.16$→結果-0.2$
・売上高:予想1.09億$→結果1.09億$(前年同期比+8%)
★ガイダンス
《通年》
・売上高:予想4.66億$→結果4.48億$
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました
企業概要
シースリーエーアイ(C3.ai, NYSE: AI)は、企業向けのAIプラットフォームと業務アプリケーション群をサブスクリプション中心のモデルで提供するソフトウェア企業です。創業者はトム・シーベル氏(Siebel Systems創業者)。同社はGE Vernova分離などとは無関係で、独立の上場会社として運営されています。2025年4月期(FY2025)の売上高は3.89億ドル、うちサブスクリプション収入は3.28億ドル(構成比84%)でした。[1]
製品面では、従来の「C3 AI Platform」に加え、生成AI/エージェントを中核とする「C3 Agentic AI Platform」および「C3 Generative AI」を前面に打ち出し、自然言語対話での検索・分析・ワークフロー実行を、既存の予測・最適化アプリ群と統合して提供しています(2025年時点)。[2][3]
プラットフォームは、予知保全、不正検知、センサーネットワークの健全化、サプライチェーン最適化、エネルギー管理、AML、需要予測、顧客エンゲージメントなど、多用途に対応する100超(130超)のエンタープライズAIアプリを用意し、各業界のデジタルトランスフォーメーションを支援します。[4][5]
競合がひしめく企業向けAI市場では、C3.aiは「モデル駆動型アーキテクチャ」(業務・データ・MLパイプラインを抽象化して構成する設計)を採用し、開発・展開の効率化を差別化要素としています。[6]
(補足:PCのOS統合のような一極集中に単純類推するのではなく、用途・データ資産・体制に応じた選定が実務的です。)
開発効率に関しては、同社サイトで公開されている第三者SIの比較レポートで、AWSネイティブ比で最大26倍、Azureネイティブ比で最大18倍の開発スピード改善が示されたとされています(出所はいずれもC3.ai経由の公開資料)。[7][8]
経営陣は2025年9月に体制変更があり、CEOはStephen Ehikian氏、トム・シーベル氏はエグゼクティブ・チェアマンに移行しました(2025年9月3日発表)。[9]
導入先・パートナーの公開事例として、米空軍の整備・保全領域(契約上限4.5億ドルへ増額、期間は2029年10月まで)[10]、エネルギー大手Baker Hughes(提携を2028年6月まで更新・拡大)[11]、Shellのアセット監視・予知保全[12]、3Mのデジタル変革基盤[13]などがあります。2025年8月には、ブラジル送電最大手Eletrobrasが送電網の監視・障害対応高度化で採用を発表しました。[14]
用語ミニ解説
- サブスクリプション:買い切りではなく継続課金(年額・月額)。ITコストが平準化しやすい。[1]
- モデル駆動型アーキテクチャ:業務オブジェクト/データ関係/ML処理をモデルで定義し、基盤クラウドに依存しない抽象層で開発・保守を容易化。[6]
- 生成AI/エージェント:社内外データを検索(RAG等)・要約し、ワークフロー実行まで支援するAIコンポーネント群。[2][3]
- 予知保全:設備故障の兆候を早期検知し、計画的メンテで稼働率と安全性を高める手法。Shellの大規模展開例あり。[12]
【注】(出典リンク)
- FY2025決算(売上$389M、サブスク$327.6M=84%) → C3.ai決算リリース → Nasdaq転載(確認日:2025-10-02) ↩ ↩
- C3 Agentic AI Platform(生成AI/エージェント中核) → 製品ページ(確認日:2025-10-02) ↩ ↩
- C3 Generative AI(自然言語での分析・実行) → 製品ページ(確認日:2025-10-02) ↩ ↩
- アプリ群(用途一覧) → C3 AI Applications(確認日:2025-10-02) ↩
- トップページの記載(130超のアプリ提供) → C3.ai公式(確認日:2025-10-02) ↩
- モデル駆動型アーキテクチャの説明 → 解説ページ → 用語集(確認日:2025-10-02) ↩ ↩
- AWS比「26倍」レポート → C3.ai掲載ページ(確認日:2025-10-02) ↩
- Azure比「18倍」レポート → C3.ai掲載ページ → PDF(確認日:2025-10-02) ↩
- CEO交代(2025/9/3発表) → C3.aiプレス → Leadership(確認日:2025-10-02) ↩
- 米空軍RSO契約上限引き上げ($450M、~2029/10) → C3.aiプレス → GovConWire(確認日:2025-10-02) ↩
- Baker Hughesとの提携更新(~2028/6) → C3.aiプレス → IR(確認日:2025-10-02) ↩
- Shellの予知保全(大規模展開の一次情報) → C3.aiニュース → C3.aiブログ(確認日:2025-10-02) ↩ ↩
- 3Mのデジタル変革(2018年契約) → C3.aiニュース → Reuters(確認日:2025-10-02) ↩
- Eletrobrasが送電網でC3 AI採用(2025/8/18) → Reuters(確認日:2025-10-02) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】