AVGO(ブロードコム)今後の見通し
ブロードコム(Broadcom Inc)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(QCOM/AVGO:クアルコムとブロードコムを比較)を参照
直近決算
6月5日(米国時間)にブロードコム(Broadcom Inc)は四半期決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.57$→結果1.6$
・売上高:予想149.5億$→結果149.2億$(前年同期比+25%)
★ガイダンス
《四半期》
・売上高:予想157.7億$→結果158~億$
・税引前利益は売上の66%
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました
企業概要
ブロードコム(Broadcom Inc)は情報通信技術を支える基盤となる半導体とインフラストラクチャソフトウェアを提供する世界的なリーディング企業です。
通信機器、データセンター、ネットワーキング、産業機器、自動車、スマートデバイスなど、幅広い分野で利用される半導体製品を提供。特に、データセンターやAIインフラを支えるネットワーキング分野において、圧倒的な市場シェアと技術力で他社との差別化を実現しています。
本社はカリフォルニア州パロアルトにあり、ファブレス企業として製品の設計・開発は自社で行い、製造は外部委託しています。
ハードウェア製品に連動するインフラストラクチャソフトウェアを提供することで、顧客は総合的なネットワークおよびITインフラのソリューションを単一ベンダーから調達でき、運用効率やコスト削減に貢献しています。
その社史は、1991年にヘンリ・サミュエリ教授とヘンリ・ニコラスの学生によって創業されたBroadcom Corporationに始まります。
2016年、ファブレス半導体大手のAvago TechnologiesがBroadcom Corporationを買収し、社名をBroadcom Inc.に変更。Avagoは、M&Aを繰り返して成長する戦略をとり、2018年にCA Technologies、2020年にシマンテックの法人向け事業を買収しソフトウェア事業を強化。そして2023年11月、クラウドと仮想化の巨人であるVMwareの買収を完了させ、世界有数のインフラ技術企業へと変貌を遂げました。
一方、米中貿易戦争の初期には、半導体技術流出を安全保障上の懸念から、米国政府の大統領令により、クアルコム(QCOM)の買収が阻止されたこともありました。
AVGOは中国市場での売上比率が高いため、米中関係の動向には注意が必要です。
その事業は以下の分野に分かれます。
★半導体ソリューション
データセンター、通信、エンタープライズ、組み込み向けに幅広い半導体製品を設計・提供。特に、AIデータセンターの膨大なGPUクラスターを接続する高速ネットワーキングチップ(イーサネットスイッチ、カスタムASICなど)で市場をリードしており、AIインフラの性能を左右する重要な役割を担っています。スマートフォン向けRF(高周波)部品やWi-Fiチップでも高いシェアを誇ります。
★インフラストラクチャソフトウェア
VMwareの買収により、この部門は飛躍的に拡大しました。企業のデータセンターやマルチクラウド環境を管理するための仮想化プラットフォーム(VMware Cloud Foundation、vSphereなど)が事業の中核となっています。これに、CAやシマンテックから引き継いだメインフレーム管理、サイバーセキュリティなどのソフトウェア群が加わり、企業のミッションクリティカルなITインフラを包括的にサポートしています。
AVGOは最新のプロセス技術を用いたチップ設計により、AI時代のデータセンターが必要とする超高速・低遅延のネットワーキングを実現。ソフトウェア部門では、企業のクラウド移行やデジタルトランスフォーメーションを支援するソリューションを提供し、ハードとソフトの両面からデジタル社会の基盤を支えています。
【出典】