MU(マイクロンテクノロジー)今後の見通し
マイクロンテクノロジー(Micron Technology, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
直近決算
MU(マイクロンテクノロジー)は9月23日(米国時間)に決算を発表しました。
(※半導体製造大手)
★業績
《四半期》
・EPS:予想2.77$→結果3.03$
・売上高:予想111.1億$→結果113.2億$(前年同期比+46%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想3.05$→結果3.6~3.9$
・売上高:予想119.1億$→結果122~128億$
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。
企業概要
マイクロン・テクノロジー(Micron Technology, Inc./NASDAQ: MU)は、DRAM・NAND・NORなどの半導体メモリーと関連ソリューションを提供する大手企業です。クラウド/AIデータセンター、モバイル、PC、産業・車載など幅広いエンド市場に供給しています。[1]
子会社・拠点を通じ、米国・日本(広島)・台湾・シンガポール・マレーシア・中国・インドなどに製造体制を構築。パッケージ&テストや先端HBMの後工程能力も強化しています。[2][3]
主要ブランドは「Micron」「Crucial」で、Ballistixは2022年に終息しています。[4]
その事業は4つの事業ユニットに区分されます(報告セグメント:CNBU=コンピューティング&ネットワーク、MBU=モバイル、SBU=ストレージ、EBU=組込み)。[1]
★DRAM/HBM:サーバー、AIアクセラレータ、PC/モバイル、車載向け。2024年2月にHBM3Eの量産を開始、2025年はHBM出荷が四半期で約+50%連続増となり、データセンター向け売上の牽引役に。1β(ワン・ベータ)量産に続き、1γ(ワン・ガンマ)DRAMのサンプル出荷も開始しています。[5][6]
★NAND(SSD含む):クライアント/データセンターSSD、モバイルストレージなど。第9世代3D NANDに基づくSSDの量産を2024年に開始し、2025年はPCIe Gen6対応SSDやQLC大容量SSDポートフォリオを拡充。[7][8]
★NOR・特殊メモリ:産業・車載・宇宙向けなど特殊用途に対応。[1]
★製品ソリューション:モジュール/SSDなどシステムレベル提案とカスタマイズを展開。[1]
最新業績と動向(2025年):AI需要の加速を背景にDRAM(HBM含む)が過去最高を更新。2025年度Q3は過去最高売上、HBM売上が前期比約+50%増を記録。データセンター売上は前年比で倍増し、HBM顧客はGPU・ASICの複数プラットフォームに拡大しています。[6][9]
技術・製造のトピック:DRAMはEUVを使わない1βへ移行後、1γへ進展。NANDは第9世代ノード量産により性能・電力効率を改善。製造・R&Dの大型投資(米アイダホ/ニューヨーク/バージニア)により、先端DRAMやHBMの内製・後工程能力を強化します(総額約2,000億ドル計画)。[7][3]
規制リスク:中国のサイバースペース管理局(CAC)は2023年5月、重要情報インフラ分野におけるMicron製品の新規調達を制限する決定を公表。地政学・輸出管理を含む政策動向は引き続き注視点です。[10]
ミニ解説
- 何が変わったか:ゲーミング向けBallistix終息でリテールはCrucialへ集約。一方でHBM3E量産と1γDRAMでデータセンター需要にフルコミット。NANDは第9世代へ世代交代し、PCIe Gen6や超大容量QLCなどAI時代のストレージに照準。
- 投資家目線:短期はHBMの歩留まり・増産が利益ドライバー。中期は1γ・次世代HBM(HBM4)と米国内製造投資の立ち上げがテーマ。
【注】(出典リンク)
- 事業概要・セグメント(CNBU/MBU/SBU/EBU) → Form 10-K(2024年通期)(確認日:2025-09-25) ↩
- 製造・拠点(Boise, 広島, 台湾, シンガポール, マレーシア, 西安, インド・グジャラート等) → Corporate Profile(Locations)(確認日:2025-09-25) ↩
- 米国内投資とHBM後工程の能力強化(Idaho/NY/Virginia、総額約$200B計画) → U.S. Expansion → IRニュース(2025-06-12)(確認日:2025-09-25) ↩
- Crucial Ballistixの終息(EOL) → Tom’s Hardware(2022-02-16)(確認日:2025-09-25) ↩
- HBM3Eの量産開始 → IRニュース(2024-02-26)(確認日:2025-09-25) ↩
- 1γ(1-gamma)DRAMのサンプル出荷開始、Q3 2025業績でHBM伸長 → IRニュース(2025-02-25) → Q3 2025決算リリース(確認日:2025-09-25) ↩
- 第9世代3D NAND採用SSDの量産開始 → IRニュース(2024-07-30)(確認日:2025-09-25) ↩
- PCIe Gen6対応のデータセンターSSDや大容量QLCの展開(参考) → Tom’s Hardware(2025-07-30)(確認日:2025-09-25) ↩
- Q3 2025:過去最高売上、HBM売上約+50%連続増 → IRニュース(2025-06-25)(確認日:2025-09-25) ↩
- 中国CACによる重要インフラ向け調達制限 → Reuters(2023-05-22)(確認日:2025-09-25) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
EPSと売上:予想:結果
【出典】

