HD(ホームデポ)今後の見通し

ダウ30銘柄,株価•決算,消費財

ホームデポ(The Home Depot Inc)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


銘柄比較については関連記事(HD/LOW:ロウズカンパニーとホームデポを比較)を参照

直近決算

ホームデポは8月19日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想4.72$→結果4.68$
・売上高:予想454.4億$→結果453億$(前年同期比+5%)
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました。

企業概要

ホーム・デポ(The Home Depot, Inc., ティッカー:HD)は、ジョージア州アトランタに本社を置く、世界最大級のホームセンター小売業者です。現在は北米(米国・カナダ・メキシコ)に事業を集中し、2025年度第2四半期末(決算基準日:2025-08-03)時点で全世界の店舗数は2,353店(米国2,031/カナダ182/メキシコ140)。[1][5]

住宅改修(Home Improvement)およびDIY(Do It Yourself)市場で強固なポジションを持ち、「世界最大のホームインプルーブメント小売業者」であることを会社は明言しています。[2]

その事業は実店舗販売とオンライン販売が軸になっています。直近ではオムニチャネル強化が継続し、2024通期の期末付近ではEC関連の伸長が確認されています(参考)。[3]

店舗販売
米国、カナダ、メキシコを中心に約2,300超の大型倉庫型店舗を展開。建築資材、工具、住宅設備、園芸用品など、住宅改修・DIY関連商品を幅広く提供。効率的な在庫管理・調達と価格競争力でプロ顧客/DIY双方の需要に応えています。[2]

オンライン販売およびオムニチャネル
公式サイト/アプリと店舗の連携(BOPIS等)を強化。オンラインで注文し店舗で受け取る仕組みや円滑な返品・交換により、利便性を高めています。2024年通期終盤にはオンライン売上が前年同期比+9%の四半期(FY2024 Q4)が報告されています(参考指標)。[3]

付加価値サービス

  • 専門スタッフによるサポート:DIY初級者からプロまで、ニーズに合わせた助言・提案を実施。
  • ワークショップ:DIYに関する講座を開催し、顧客のスキル向上を支援。
  • 施工サービス:専門業者と連携したリフォーム・施工サービスを提供。
  • レンタルサービス:工具・機器のレンタルで初期負担を軽減。

HDは1978年、バーニー・マーカスとアーサー・ブランクによって設立。1979年にアトランタで最初の2店舗を開業し、1981年に上場しました。[6]

創業以来、豊富な品揃えと顧客サービス、効率的なサプライチェーンを武器に北米で店舗網を拡大。かつては北米以外でも展開を試みましたが、2012年には中国のビッグボックス型店舗をすべて閉鎖するなど、現在は北米集中の体制です。[7][2]

直近の戦略では、プロ顧客(Pro)向けの提供価値を強化。2024年には住宅専門工事業者向けディストリビューターのSRS Distribution(屋根材・造園・プール等の専門商材)を総企業価値約182.5億ドルで買収完了。さらに2025年9月には、SRS傘下でGMS Inc.(ドライウォール、天井材、軽量形鋼などの建材ディストリビューション)の買収を完了し、Pro向け供給網を拡充しました(いずれも現地開示ベース)。[4][8][9]

業績面では、2025年度第2四半期(公表日:2025-08-19)に純利益46億ドル(希薄化EPS $4.58/調整後$4.68)を計上。為替の逆風(約40bpの既存店売上押し下げ)に耐えつつ、プロ向け強化とオムニ投資を継続しています。[10][11]

ひとことで:ホーム・デポは北米集中×オムニチャネル×Pro強化が柱。SRSとGMSの連続買収で専門商材の直送力・在庫深度を高め、店舗・EC・配送を束ねた「現場まで届く」供給力を磨いています(2025年時点)。[4][8]

【注】(出典リンク)

  1. 店舗数(2025年度Q2期末:総数2,353店) → IR資料:Store Map Q2 FY2025(PDF)(確認日:2025-09-23)
  2. 会社概要(世界最大のホームインプルーブメント小売業者/北米展開の基本情報) → About Us(公式)(確認日:2025-09-23)
  3. EC・オムニの伸長(四半期の参考データ) → Digital Commerce 360(2025-04、FY2024 Q4動向)(確認日:2025-09-23)
  4. SRS買収完了(総EV約$18.25bn、2024-06-18) → IRリリース(確認日:2025-09-23)
  5. 店舗数(参照:Q1 FY2025時点の内訳) → IR資料:Store Map Q1 FY2025(PDF)(確認日:2025-09-23)
  6. 創業・初期史 → The Home Is Where Our Story Begins(公式)History of The Home Depot(PDF)(確認日:2025-09-23)
  7. 中国ビッグボックス店舗の閉鎖(2012-09-13) → IRリリース(確認日:2025-09-23)
  8. GMS買収の枠組み(SRSによる実行、FY2025内完了予定の告知) → IRリリース(2025-06-30)(確認日:2025-09-23)
  9. GMS買収完了の発表(SRS経由、総EV約$5.5bn、2025-09-04) → News(2025-09-04)(確認日:2025-09-23)
  10. 2025年度第2四半期 決算リリース(要旨) → ニュース(2025-08-19)(確認日:2025-09-23)
  11. 2025年度第2四半期 詳細PDF(調整後EPS、為替影響等) → Press Release PDF(確認日:2025-09-23)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢