【BA】ボーイングの株価と決算、配当

2019年5月24日

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ボーイングは、世界最大級の航空・宇宙メーカーです。

その部門は民間航空機と軍需分野(戦闘機や爆撃機、輸送機や空中給油機など)に二分されます。

17年にはグローバルサービス部門が分野横断的にサービス機能を統合し、部品交換や改修、アップグレード、データ分析や情報サービスの提供などを行うようになりました 。

地域別売上高は米国+カナダが46.7%、中国は13.6%、欧州が12.6%、中国以外のアジアが12%、中東が9.6%。

トランプ政権成立後、株価上昇が続きましたが、2018年には米中貿易戦争の勃発と米朝対話の開始(※軍事株は下落。BAの半分ぐらいは軍需)に伴い、株価が下落。

しかし、19年には米中対話が進み、株価が回復しました。

「よくなるのかな?」と思った矢先に、エチオピアで「ボーイング737MAX8」が3月10日に墜落。

737MAX8は18年10月にインドネシアでも墜落したので、その安全性が懸念され、株価が下落しました。

まだ航空の専門家はBAを見放しているわけではありませんが、すでに、欧州、中国、米国、カナダ等でこの機種の運航停止が決まっています。

(3/14時点で約50の国・地域。多くのMAX8を運航しているのはサウスウエスト社は、10日の声明で「MAX8に全面的な信頼を寄せている」と述べていました)

5月16日には「737MAX」のソフトウエア更新が完了し、操縦士が行った自動飛行制御システム対応といった追加情報を米連邦航空局に提出しています。

今後の株価が気になるBA社ですが、こうした趨勢を踏まえて、関連情報を整理してみます。

※ボーイングとトランプ政権

BAは実際にトランプ政権との関係は近く、17年3月には、トランプ大統領はボーイング社幹部(パトリック・シャナハン氏)を国防総省のナンバーツーに起用。ブルームバーグ(2017/3/17)は「既に緊密な同社と新政権の関係がさらに強まる」と述べ、シャナハン氏を「デニス・ムーレンバーグ最高経営責任者(CEO)の直属の部下」で「軍事、宇宙、民間航空機などの中核部門」において30年の経験を積んだ人材と評しています。マティス国防長官辞任後はシャナハン氏が後任に指名されました。

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主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(出所はグーグルファイナンスなど)

1/2株価 316.2
5/17株価 355
株価上昇率 12.3%
52週高値 446
52週安値 292.5
EPS 17.48
PER 20.31
配当(利回り) 8.22 (2.32%)
時価総額(億$) 1997
株式数(億) 5.6

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。

その株価の推移を1年ごとに見てみましょう

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は5/17)
BA 初値 最安 最高 終値 上昇率
2019 316.2 310.9 440.6 355 12%
2018 295.8 294.2 411.1 322.5 9%
2017 156.3 157 297.9 294.9 89%
2016 141.4 108.4 157.8 155.7 10%
2015 131.1 125.5 158.3 144.6 10%
2014 136 118.3 144.4 130 -4%
2013 76.6 73.7 138.4 136.5 78%
2012 74.7 67.2 77.3 75.4 1%
2011 66.2 57.4 80 73.4 11%
2010 55.7 56.2 75.6 65.3 17%
2009 42.8 29.4 56.1 54.1 26%
2008 87.6 37.1 87.6 42.7 -51%
★2:各年初から2019/5/17までの伸び率
19年~ 18年~ 17年~ 16年~ 15年~ 14年~
12% 20% 127% 151% 171% 161%
13年~ 12年~ 11年~ 10年~ 09年~ 08年~
363% 375% 436% 537% 729% 305%

配当利回りと配当性向

次に、配当利回りの推移を見てみます。

権利落ち日 1株配当 配当利回り 当日株価
2019/05/10 2.055 2.1% 354.7
2019/02/08 2.055 1.8% 404.9
2018/11/09 1.71 1.9% 369.3
2018/08/10 1.71 1.9% 339.41
2018/05/11 1.71 1.8% 342.46
2018/02/09 1.71 1.8% 332.83
2017/11/10 1.42 2.2% 260.85
2017/08/11 1.42 2.3% 234.88
2017/05/12 1.42 2.7% 183.25
2017/02/10 1.42 2.8% 166.23
2016/11/11 1.09 2.9% 148.52
2016/08/12 1.09 3.1% 133.1
2016/05/13 1.09 3.0% 132.12
2016/02/12 1.09 3.5% 108.63

さらに、配当金と配当性向の推移をモーニングスター(MS)社のデータで見てみます。

★配当性向=1株当たり配当÷EPS×100〔純利益から配当金を支払っている割合〕

★MS社は非GAAPのEPSで配当性向を試算。GAAP基準のEPS試算〔=単純計算〕の箇所は筆者挿入。

年/月 EPS 配当 配当性向
(GAAP) 単純計算 MS試算
2008/12 3.67 1.6 43.6 43.8
2009/12 1.84 1.68 91.3 89.8
2010/12 4.45 1.68 37.8 37.7
2011/12 5.34 1.68 31.5 33.2
2012/12 5.11 1.76 34.4 34.4
2013/12 5.96 1.94 32.6 33.7
2014/12 7.38 2.92 39.6 38.4
2015/12 7.44 3.64 48.9 43.6
2016/12 7.61 4.36 57.3 63.7
2017/12 13.43 5.68 42.3 49.4
2018/12 17.85 6.84 38.3 38.6

四半期決算(予想と実値)

さらに、ロイターが調べた四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます(2019/4/30、売上単位は100万ドル)。

EPS:予想と結果

EPS予想 平均 上限 下限 期間
2020 22.65 27.47 16.8 1年
2019 15.42 18.63 11.85 1年
9-19 4.03 5.53 2.19 3カ月
6-19 1.84 2.51 0.6 3カ月
EPS 予想 結果
3-19 3.16 3.16 0.00 0.0
12-18 4.57 5.48 0.91 19.8
9-18 3.47 3.58 0.11 3.1
6-18 3.26 3.33 0.07 2.1
3-18 2.57 3.64 1.07 41.4
12-17 2.89 3.06 0.17 5.9
9-17 1.23 1.34 0.11 2.2

売上高:予想と結果

売上予想 平均 上限 下限 期間
2020 119513 127135 109892 1年
2019 101089 108783 92019 1年
9-19 26135 32819 20519 3カ月
6-19 19741 20735 18663 3カ月
売上 予想 結果
3-19 22983 22917 66 0.3
12-18 26868 28341 1473 5.5
9-18 23985 25146 1161 4.8
6-18 24043 24258 215 0.9
3-18 22256 23382 1126 5.1
12-17 24692 25368 676 2.7
9-17 23924 24309 385 1.6

※決算予想では米国会計基準(GAAP)とは異なる「非GAAP基準」の数値が多用されています。これは各社が経営実態を踏まえて調整した数値です(売上とEPSの数値が後述のGAAP基準での数値と異なる場合は、非GAAP基準の数値)。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(※本節の表は、BAのIR情報およびモーニングスター社の情報より作成)

損益計算(売上、純利益等)

売上高 営業CF 同マージン 純利益
2008/12 60909 -401 -0.7% 2672
2009/12 68281 5603 8.2% 1312
2010/12 64306 2952 4.6% 3307
2011/12 68735 4023 5.9% 4018
2012/12 81698 7508 9.2% 3903
2013/12 86623 8179 9.4% 4585
2014/12 90762 8858 9.8% 5446
2015/12 96114 9363 9.7% 5176
2016/12 94571 10499 11.1% 5034
2017/12 94005 13346 14.2% 8458
2018/12 101127 15322 15.2% 10460

※同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%以上あれば優良な数値。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや営業利益率など

営業利益率 EPS DSO
2008/12 6.5 3.67 34.0
2009/12 3.1 1.84 30.4
2010/12 7.7 4.45 31.8
2011/12 8.5 5.34 29.8
2012/12 7.4 5.11 23.9
2013/12 7.3 5.96 22.4
2014/12 7.9 7.38 25.7
2015/12 7.5 7.44 28.6
2016/12 5.9 7.61 30.5
2017/12 11 13.43 34.3
2018/12 11.9 17.85 24.7

※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。

バランスシート

総資産 総負債 株主資本 自己資本率
2008/12 53779 54921 -1142 -2.1%
2009/12 62053 59828 2225 3.6%
2010/12 68565 65799 2766 4.0%
2011/12 79986 76471 3515 4.4%
2012/12 88896 83029 5867 6.6%
2013/12 92663 77788 14875 16.1%
2014/12 99198 90533 8665 8.7%
2015/12 94408 88073 6335 6.7%
2016/12 89997 89180 817 0.9%
2017/12 112362 110706 1656 1.5%
2018/12 117359 117020 339 0.3%

さらに、重要指標を見てみます。

ROAとROEなど

ROA ROE 流動比率
単位 倍率
2008/12 4.7 69.3 0.84
2009/12 2.3 314.6 1.07
2010/12 5.1 135.2 1.15
2011/12 5.4 127.9 1.21
2012/12 4.6 83 1.27
2013/12 5 44.1 1.26
2014/12 5.7 46.2 1.2
2015/12 5.3 69 1.35
2016/12 5.3 136.8 1.25
2017/12 9 1398 1.15
2018/12 10 3012.4 1.08

★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業が上げた利益を見る

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業が上げた利益を見る

★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る(表では資本が負債の何倍かを表記)

キャッシュフロー

営業CF 投資CF 財務CF
2008/12 -401 1888 -5202
2009/12 5603 -3794 4094
2010/12 2952 -4831 -1962
2011/12 4023 2369 -1700
2012/12 7508 -3757 -3477
2013/12 8179 -5154 -4249
2014/12 8858 2467 -8593
2015/12 9363 -1846 -7920
2016/12 10499 -3378 -9587
2017/12 13346 -2058 -11350
2018/12 15322 -4621 -11722