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【BA】ボーイングの株価と決算、配当

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今回は、トランプ政権成立後、株価上昇が続いたボーイング社について整理してみます。

まず、主要指標を見ると、9/7時点のデータは以下の通りです(出所はグーグルファイナンスなど)。

  • 1/2株価 : 295.75
  • 9/7株価 : 349.28
  • 年初来の株価上昇率 : 18.10%
  • 52週高値 : 374.48
  • 52週安値 : 234.29
  • EPS(1株利益) : 14.38
  • PER(株価収益率) : 24.3
  • 配当利回り : 1.96%
  • 配当成長率(5年比) : 25.70%
  • 時価総額(億$) : 2007
  • 株式数(億) : 5.7

ボーイング社の株価チャート

次に、株価の推移を見てみます。

青線が株価推移。赤線が100日間の移動平均線です。

トランプ大統領誕生後、一気に伸び続け、2018年には米中貿易戦争が勃発し、株価の伸びが止まっています。

年ごとに株価の伸び率を見てみましょう。

★表1:2008年初から18年9月7日までの株価推移(※18年終値は9/7のデータ)

BA 初値 最安 最高 終値 上昇率
08~現在 87.6 29.4 371.6 349.3 298.7%
2018 295.8 296.7 371.6 349.3 18.1%
2017 156.3 157.0 297.9 294.9 88.7%
2016 141.4 108.4 157.8 155.7 10.1%
2015 131.1 125.5 158.3 144.6 10.3%
2014 136.0 118.3 144.4 130.0 -4.4%
2013 76.6 73.7 138.4 136.5 78.2%
2012 74.7 67.2 77.3 75.4 0.9%
2011 66.2 57.4 80.0 73.4 10.8%
2010 55.7 56.2 75.6 65.3 17.2%
2009 42.8 29.4 56.1 54.1 26.5%
2008 87.6 37.1 87.6 42.7 -51.3%

08年初から株を持ち続けていた場合、18年9月7日で4倍(298%増)になっています。

これを「09年初から持ち続けていた場合・・・、10年初から・・・」というふうに、数値化すると、表2の通りになります。

★表2:各年初から18年9月7日までの株価伸び率

18~ 17~ 16~ 15~ 14~
18.1% 123.5% 147.0% 166.4% 156.8%
13~ 12~ 11~ 10~ 09~
356.0% 367.6% 427.6% 527.1% 716.1%

サブプライムショックが起きた08年には株価が半分になったので、09年初から現在まで株を持ち始めた場合、8倍(716%増)にまで株価が上がっています。

ただ、今後は米中貿易戦争勃発の不安により、同じような伸びは期待できず、米朝関係が対話路線に変わったことにより、17年時のような有事に伴う軍事株の高値は起きにくくなっています。

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ボーイング社の決算と配当

『米国株四季報』やボーイング社HPなどで決算や配当の情報を整理してみます。

(売上と利益、資産と負債、資本とキャッシュフローの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)

売上高 純利益 EPS 配当
2015/3 22149 1336 1.87 0.91
2015/6 24543 1110 1.59 0.91
2015/9 25849 1704 2.47 0.91
2015/12 23573 1026 1.51 0.91
2016/3 22632 1219 1.83 1.09
2016/6 24755 -234 -0.37 1.09
2016/9 23898 2279 3.6 1.09
2016/12 23286 1631 2.59 1.09
2017/3 20976 1451 2.34 1.42
2017/6 22739 1761 2.89 1.42
2017/9 24309 1853 3.06 1.42
2017/12 25368 3132 5.18 1.42
2018/3 23382 2,477 4.15 1.71
2018/6 24258 2196 3.73 1.71

四半期決算と配当:2015~2018年

売上高 純利益 EPS 配当
2015/3 22149 1336 1.87 0.91
2015/6 24543 1110 1.59 0.91
2015/9 25849 1704 2.47 0.91
2015/12 23573 1026 1.51 0.91
2016/3 22632 1219 1.83 1.09
2016/6 24755 -234 -0.37 1.09
2016/9 23898 2279 3.6 1.09
2016/12 23286 1631 2.59 1.09
2017/3 20976 1451 2.34 1.42
2017/6 22739 1761 2.89 1.42
2017/9 24309 1853 3.06 1.42
2017/12 25368 3132 5.18 1.42
2018/3 23382 2,477 4.15 1.71

通年決算:2008~2017年

売上高 営業利益 純利益 EPS
2008/12 60909 3946 2672 3.67
2009/12 68281 2120 1312 1.84
2010/12 64306 4858 3307 4.45
2011/12 68735 5670 4018 5.34
2012/12 81698 6127 3900 5.11
2013/12 86623 6403 4585 5.96
2014/12 90762 7265 5446 7.38
2015/12 96114 7234 5176 7.44
2016/12 94571 5597 4895 7.61
2017/12 93392 10123 8197 13.43

配当余力:2008~2017年

営業CF フリーCF 配当性向 配当
2008/12 -401 -2253 43.8 1.6
2009/12 5603 4417 89.8 1.68
2010/12 2952 1825 37.7 1.68
2011/12 4023 2310 33.2 1.68
2012/12 7508 5798 34.4 1.76
2013/12 8179 5941 33.7 1.94
2014/12 8858 6622 38.4 2.92
2015/12 9363 6913 43.6 3.64
2016/12 10499 7886 63.7 4.36
2017/12 13344 11474 49.4 5.68

利益率など:2008~2017年

粗利率 営業利益率 ROA ROE
2008/12 17.3 6.5 4.74 69.31
2009/12 17.2 3.1 2.27 314.63
2010/12 19.6 7.6 5.06 135.15
2011/12 18.9 8.2 5.41 127.94
2012/12 16.1 7.5 4.61 82.97
2013/12 15.5 7.4 5.04 44.14
2014/12 15.5 8 5.67 46.22
2015/12 14.7 7.5 5.34 68.96
2016/12 14.6 5.9 5.31 136.8
2017/12 18.6 10.8 8.98 -

財務情報:2013~2017年

総資産 総負債 株主資本 自己資本率
2013/12 92663 77788 14875 16.1%
2014/12 99198 90533 8665 8.7%
2015/12 94408 88073 6335 6.7%
2016/12 89997 89180 817 0.9%
2017/12 92333 91978 355 0.4%

自己資本率は低めです。

流動資産と流動負債などの数値も見てみます。

流動資産 流動負債 非流動資産 非流動負債
2013/12 65074 51486 27589 26302
2014/12 67785 56717 31413 33816
2015/12 68234 50412 26174 37661
2016/12 62488 50134 27509 39046
2017/12 65161 56269 27172 35709

キャッシュフロー:2013~2017年

営業CF 投資CF 財務CF フリーCF
2013/12 8179 -5154 -4249 5941
2014/12 8858 2467 -8593 6622
2015/12 9363 -1846 -7920 6913
2016/12 10499 -3380 -9587 7886
2017/12 13344 -2062 -11350 11474

ボーイング社はトランプ政権に近い?

2017年2月17日には、トランプ大統領はボーイング社787ドリームエアライナーのお披露目式典で演説しています。

  • 「雇用は、私が今、ここに立っている主な理由の一つだ。私は決してあなたがたを失望させない」
  • 「あなたがたはこの国に工場が返ってくる光景を見ている」
  • 「これが我々のマントラだ。「アメリカ製品を買え。アメリカ人を雇え」」

サウスカロライナ州の北チャールストンにある工場での式典にトランプ大統領と南カリフォルニア知事(ヘンリー・マクマスター氏)が呼ばれ、製造ライン等を視察後、3000人の聴衆(ボーイング社社員)に向け、製造業従事者に向けたメッセージを送りました。

ボーイング社HPには、式典でのボーイングCEOのデニース・ミュレンバーグ氏の発言が掲載されています。

  • 「ここボーイングのサウスカロライナで起きているのはアメリカの成功物語だ」
  • 「わずか数年で、わが社のチームは緑の土地を近代的な航空機工場に変えた。この工場は世界中に787エアラインを送り、アメリカに数千の雇用を支えている」

3月には、トランプ大統領がボーイング社幹部を国防総省のナンバーツーに起用する方針を発表したことが報じられました。

ブルームバーグ(2017/3/17)は「シャナハン氏は軍事、宇宙、民間航空機などの部門で30年の経験」と題した記事を公開し、「既に緊密な同社と新政権の関係がさらに強まる」と述べていました。

ボーイングのシニアバイスプレジデント、パトリック・シャナハン氏(54)が国防副長官に指名されたと、ホワイトハウスが16日の声明で発表した。上院に承認されれば、政権の方針の下、2年にわたってボーイング関連案件への関与を控えることが義務付けられる。

エンジニア出身のシャナハン氏に関しては「デニス・ムーレンバーグ最高経営責任者(CEO)の直属の部下」で「軍事、宇宙、民間航空機などの中核部門」において30年の経験を積んだ人材として紹介されています。

ボーイングの前途に米中貿易戦争の危機が迫る

2016年12月にトランプ氏が「ロッキード・マーティンのF35はとほうもない費用だ。この費用超過のため、私はボーイングに、競合機のF18スーパーホーネットの見積価格を出すことを求めた」(22日)とツィートしたことが注目され、新政権発足後、軍事予算の1割増という方針を受けて、ボーイング社の株価も上がり続けました。

しかし、その後、意外にも、4月18日に、同社はエンジニア数百名の追加削減を行うことを決めました。

産経BIZによれば、ボーイング社では17年に入ってからすでに1500人の機械工と305人のエンジニア等が希望退職に応じており、この上に追加で人員削減が行われました。

その理由には「航空機の売上げ減少」が挙げられ、同社が「ここ1年以上、新規採用を抑制し」、「全社従業員数は2016年3月末と比べて7.6%減の14万6962人になった」ことが指摘されています。

(出所:ボーイング、エンジニア数百人追加削減 航空機売り上げ減少 - SankeiBiz(サンケイビズ)

その後、ボーイング社はアラブ首長国連邦との間で巨額の取引を成立させました(CNN日本語版「ボーイングとエアバス、共に巨額契約発表 総額8.7兆円」2017.11.16)。

  •  米ボーイング社は15日、中東アラブ首長国連邦(UAE)を拠点にする航空会社「フライ・ドバイ」から短距離用旅客機「737マックス」計175機の発注を受けたと発表。
  •  エミレーツ航空の姉妹企業であるフライ・ドバイはさらに、50機を追加注文する選択肢も持つ。ボーイングによると、中東の航空会社による単一通路型の旅客機発注では過去最大規模。
  •  計225機の契約総額は額面通りの価格では270億米ドル(約3兆510億円)。フライ・ドバイは機材調達をこれまでボーイングに大きく頼ってきた。
  •  ボーイングはフライ・ドバイとの商談成立前にドバイのエミレーツ航空から40機の注文獲得にも成功した。契約額は150億ドル相当。

さらに、訪中にあたり、トランプ氏は11月9日にボーイングは中国から旅客機300機を受注したと発表(その中身は狭胴型機260機、広胴型機40機)しました。

(※ブルームバーグは、関係者は「370億ドル(約4兆2000億円、大口購入に通常適用される割引を考慮しない)相当の購入注文は、締結済みの契約が主体」であり、「今回の合意は主に、2013年に成立した既存の契約でカバーされる航空機が対象」になると解説。中国の奥凱航空(オッケー航空)が11月22日にボーイング「787-9」(ドリームライナー)5機を受注)

そのほか、11月19日に、ボーイングは英国のダブリンに本社を置く航空機リース会社のアヴァロンとの契約を成立させています(フライチーム「ボーイング、アヴァロンと737 MAXの75機契約を確定 MAX 10が20機」11/21)。

  • ボーイングはアヴァロンとボーイング737 MAXを75機発注、契約を確定。
  • その内訳は、737-8-MAXが55機、737-10-MAXが20機。オプションで737-8-MAXが20機分の購入。
  • パリ・エアショーでカタログ価格110億ドルの契約として発表され、確定した。

17年にはめでたい話が続き、株価がどんどん上がったわけですが、18年にはボーイングの航空機に中国からの関税がかけられるのではないかと不安視されています。

7月と8月に分けて二段階の制裁関税が発動され、米中の貿易戦争が本格化したからです。

このバトルはボーイングの株価を直撃するので、今後の展開には注意が必要です。

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