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【BA】ボーイング株 1年トータルリターンは90%

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今回は、トランプ政権成立後、株価上昇が続いたボーイング社について整理してみます。

ボーイング社のここ1年間トータルリターンは89%です(2018/4/9  ブルームバーグHPを閲覧)

  • 株価52週レンジ:175.47 - 371.6
  • 1年トータルリターン:89.74%
  • 年初来リターン:11.61%
  • 株価収益率(PER) :27.55
  • 1年1株当り利益 (EPS) :11.84
  • 株価売上高倍率(PSR) :2.14
  • 直近配当利回り(税込):2.1%

ボーイング社の株価チャート

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まず、直近を見てみます。

3月下旬以降、米中貿易戦争勃発の不安により、株価が下がっています。

【3か月チャート】

ボーイング社(BA)はトランプ氏当選後、株価が上昇基調に乗りました。

【3年チャート】

果たして、これだけの大躍進が18年以降も続くのかどうかが気になります。

【長期チャート】

長期で見ると、17年以降、猛烈な株価上昇が起きたことが分かります。

ボーイング社の経営指標

『米国株四季報(2017年秋冬号/2018年春夏号)』で見ると、経営指標は以下の通りです。

【BAの経営指標:2012年~17年】

  売上高 純利益 EPS 1株配当
2012/12 81698 3900 5.11 1.76
2013/12 86623 4585 5.96 1.94
2014/12 90762 5446 7.38 2.92
2015/12 96114 5176 7.44 3.64
2016/12 94571 4895 7.61 4.36
2017/12 93392 8197 13.43 5.68

【BAの財務情報:2015~17年】

  15/12 16/12 17/12
総資産 94408 89997 92333
自己資本 6335 817 355
自己資本比率 6.71 0.91 0.38
有利子負債 9964 9952 11117
営業CF 9363 10499 13344
投資CF -1846 -3380 -2062
財務CF -7920 -9587 -11350
フリーCF 4187 7826 9743

ボーイング社はトランプ政権に近い?

2017年2月17日には、トランプ大統領はボーイング社787ドリームエアライナーのお披露目式典で演説しています。

  • 「雇用は、私が今、ここに立っている主な理由の一つだ。私は決してあなたがたを失望させない」
  • 「あなたがたはこの国に工場が返ってくる光景を見ている」
  • 「これが我々のマントラだ。「アメリカ製品を買え。アメリカ人を雇え」」

サウスカロライナ州の北チャールストンにある工場での式典にトランプ大統領と南カリフォルニア知事(ヘンリー・マクマスター氏)が呼ばれ、製造ライン等を視察後、3000人の聴衆(ボーイング社社員)に向け、製造業従事者に向けたメッセージを送りました。

ボーイング社HPには、式典でのボーイングCEOのデニース・ミュレンバーグ氏の発言が掲載されています。

  • 「ここボーイングのサウスカロライナで起きているのはアメリカの成功物語だ」
  • 「わずか数年で、わが社のチームは緑の土地を近代的な航空機工場に変えた。この工場は世界中に787エアラインを送り、アメリカに数千の雇用を支えている」

3月には、トランプ大統領がボーイング社幹部を国防総省のナンバーツーに起用する方針を発表したことが報じられました。

ブルームバーグ(2017/3/17)は「シャナハン氏は軍事、宇宙、民間航空機などの部門で30年の経験」と題した記事を公開し、「既に緊密な同社と新政権の関係がさらに強まる」と述べていました。

ボーイングのシニアバイスプレジデント、パトリック・シャナハン氏(54)が国防副長官に指名されたと、ホワイトハウスが16日の声明で発表した。上院に承認されれば、政権の方針の下、2年にわたってボーイング関連案件への関与を控えることが義務付けられる。

エンジニア出身のシャナハン氏に関しては「デニス・ムーレンバーグ最高経営責任者(CEO)の直属の部下」で「軍事、宇宙、民間航空機などの中核部門」において30年の経験を積んだ人材として紹介されています。

ボーイングの前途に米中貿易戦争の危機が迫る

2016年12月にトランプ氏が「ロッキード・マーティンのF35はとほうもない費用だ。この費用超過のため、私はボーイングに、競合機のF18スーパーホーネットの見積価格を出すことを求めた」(22日)とツィートしたことが注目され、新政権発足後、軍事予算の1割増という方針を受けて、ボーイング社の株価も上がり続けました。

その後、意外にも、4月18日に、同社はエンジニア数百名の追加削減を行うことを決めました。

産経BIZによれば、ボーイング社では17年に入ってからすでに1500人の機械工と305人のエンジニア等が希望退職に応じており、この上に追加で人員削減が行われました。

その理由には「航空機の売上げ減少」が挙げられ、同社が「ここ1年以上、新規採用を抑制し」、「全社従業員数は2016年3月末と比べて7.6%減の14万6962人になった」ことが指摘されています。

(出所:ボーイング、エンジニア数百人追加削減 航空機売り上げ減少 - SankeiBiz(サンケイビズ)

最近のニュースでは、ボーイング社がアラブ首長国連邦との間で巨額の取引を成立させたことが報じられています(CNN日本語版「ボーイングとエアバス、共に巨額契約発表 総額8.7兆円」2017.11.16)。

  •  米ボーイング社は15日、中東アラブ首長国連邦(UAE)を拠点にする航空会社「フライ・ドバイ」から短距離用旅客機「737マックス」計175機の発注を受けたと発表。
  •  エミレーツ航空の姉妹企業であるフライ・ドバイはさらに、50機を追加注文する選択肢も持つ。ボーイングによると、中東の航空会社による単一通路型の旅客機発注では過去最大規模。
  •  計225機の契約総額は額面通りの価格では270億米ドル(約3兆510億円)。フライ・ドバイは機材調達をこれまでボーイングに大きく頼ってきた。
  •  ボーイングはフライ・ドバイとの商談成立前にドバイのエミレーツ航空から40機の注文獲得にも成功した。契約額は150億ドル相当。

(※エアバスは「インディゴ・パートナーズ」に旅客機「A320ネオ」を計430機売却する取引を成立させた)

訪中にあたり、トランプ氏は11月9日にボーイングは中国から旅客機300機を受注したと発表(その中身は狭胴型機260機、広胴型機40機)しました。

ただ、ブルームバーグは、関係者は「370億ドル(約4兆2000億円、大口購入に通常適用される割引を考慮しない)相当の購入注文は、締結済みの契約が主体」であり、「今回の合意は主に、2013年に成立した既存の契約でカバーされる航空機が対象」になると解説していました。

中国の奥凱航空(オッケー航空)が11月22日にボーイング「787-9」(ドリームライナー)5機を受注しています(14億ドル=約1560億円)。オッケー航空はこれを契機にワイドボディ機市場に進出し、5機を北京発の大陸間路線に投入します。

人民日報によれば、オッケー航空はボーイング機を約20機保有。国内外で約100路線を運航し、70数都市に就航しているそうです(〔ボーイングと奥凱航空「ドリームライナー」5機を契約〕人民網日本語版 2017/11/24)

そのほか、11月19日には、ボーイングは英国のダブリンに本社を置く航空機リース会社のアヴァロンとの契約を成立させています(フライチーム「ボーイング、アヴァロンと737 MAXの75機契約を確定 MAX 10が20機」11/21)。

  • ボーイングはアヴァロンとボーイング737 MAXを75機発注、契約を確定。
  • その内訳は、737-8-MAXが55機、737-10-MAXが20機。オプションで737-8-MAXが20機分の購入。
  • パリ・エアショーでカタログ価格110億ドルの契約として発表され、確定した。

18年以降は、米中貿易戦争が起き、ボーイングの航空機に中国からの関税がかけられるのではないかと不安視されています。

ただ、中国が米国への対抗措置とした米航空機への関税案では、一定範囲の重量の航空機に25%の関税をかけることになっていました。

その重量で言えば、ボーイング737型機の中で生産終了が近い機種が該当とされるようです。

ブルームバーグHP(2018年4月5日)は、JPモルガン・チェースのアナリスト、セス・サイフマン氏の発言を紹介しています。

「中国が示した案はボーイングに対する大きな打撃を避けるために注意深く調整されており、米政権へのメッセージとして意図された面がより強いように思える」

今後、米中関税戦争がどうなるか、注視が必要です。

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