BAC:バンクオブアメリカの配当推移

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【2026年2月更新】BAC配当の今後と将来性を徹底分析 | 安定性と株主還元の実態


【2026年2月更新】BAC配当の今後と将来性を徹底分析 | 安定性と株主還元の実態

「アメリカの銀行」の名を冠する巨大金融機関、Bank of America (BAC)。ウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイのポートフォリオでも大きな割合を占める同社の配当は、今後も安定的に成長を続けられるのか?直近決算(2025年Q4:2025年12月31日終了)を軸に、将来性を整理します。[1]

はじめに:この記事でわかること

BACは近年継続的に増配してきました。これからも増配が期待できるのか、以下のポイントで評価します。

  • BACの稼ぐ力:金利環境の変化にどう対応しているか?
  • 株主還元:配当と自社株買いのバランスは?
  • 会社の体力:不況に耐える財務基盤は万全か?
  • 他行との比較:業界内での立ち位置は?
  • 現状からの結論:配当の安定性と今後の見通しは?

結論として、BACの配当は「高い安定性と持続性」があり、着実なインカムを求める投資家にとって魅力的な選択肢であると評価します。


BAC配当分析サマリー(2025年Q4:2025年12月31日終了時点)

  • ここがポイント
    • 四半期配当は$0.28/株(2025年Q4、年換算$1.12)。[1]
    • 資本余力(CET1比率:Standardized)は11.4%(2025年Q4末)。[1]
    • 稼ぐ力(ROTCE)は14.0%(2025年Q4)。[1]
    • 配当性向は約28%(2025年通期:年間配当$1.08 ÷ 通期EPS$3.81)。[1]
    • 直近四半期(2025年Q4)は純利益$7.6bn総収入(純額)$28.4bnと、収益の底堅さを維持。[1]
  • 現状分析: 利益・資本・配当の3点セットがそろっており、配当の持続性は引き続き高いと判断します。2026年は5–7%のNII成長が見込まれ、増配余地も確保されています。[1]
注意: 本分析は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。過去の実績は将来の成果を保証しません。

1. BACの「稼ぐ力」:金利環境の変化と収益力

BACの収益は、金利の動向に大きく影響される純利息収入(NII)が柱です。ここでは、配当余力の土台となるPPNR(貸倒引当前純営業収益)純利益を俯瞰します。直近は2025年Q4(2025年12月31日終了)を最新として反映します。[1]

純利益・総収入・PPNR推移(2015–2025通期、単位:10億ドル)
期間 総収入 PPNR* 純利益 備考
2015(通期) $85.4 $32.5 $15.9
2016(通期) $83.7 $30.8 $17.9
2017(通期) $87.4 $33.0 $18.2
2018(通期) $91.2 $38.8 $28.1 税制改革効果
2019(通期) $91.2 $38.3 $27.4
2020(通期) $85.5 $30.0 $17.9 COVID-19影響
2021(通期) $89.1 $36.4 $32.0 引当金戻入益
2022(通期) $94.9 $36.2 $27.5 金利上昇効果
2023(通期) $98.6 $37.0 $26.5 高金利維持
2024(通期) $98.1 $35.0 $27.1 金利収入ピークアウト
2025(通期) $113.1 $43.0 $30.5 直近:2025年12月31日まで[1]
*PPNR:原則として「総収入 − 非金利費用」の考え方。2025年通期は総収入$113.1bn、非金利費用$70bn強より概算。[1]

この表からわかること: 2025年通期は純利益$30.5bn(前年比+13%)、総収入$113.1bn(前年比+7%)と、大幅な増収増益を達成しました。純利息収入(NII)の改善と堅調なトレーディング収入が牽引しています。[1]


2. 1株当たり利益と会社の稼ぐ力(ROE分析)

1株当たり指標と収益性比率(2015–2025通期)
年度 EPS ($) ROE (%) ROTCE* (%) 備考
2015 $1.31 6.4% 8.7%
2016 $1.50 7.2% 9.6%
2017 $1.56 7.3% 9.5%
2018 $2.61 11.0% 14.8% 税制改革効果
2019 $2.75 11.0% 15.0%
2020 $1.87 6.7% 9.0% COVID-19影響
2021 $3.57 12.1% 16.8% 引当金戻入益
2022 $3.19 10.3% 14.5%
2023 $3.08 9.2% 13.0%
2024 $2.99 8.8% 12.5%
2025 $3.81 10.6% 14.0% NII改善・トレーディング好調[1]
*ROTCE(有形普通株主資本利益率):銀行の「実質的な」資本効率を示す重要指標。2025年Q4は14.0%、2025年通期でも128bps改善(会社開示)。[1]

ROE(自己資本利益率)とROTCEの重要性

ROE(Return on Equity)は、銀行業界で重視される収益性指標の一つです。株主が投資した資本に対して、どれだけ効率的に利益を生み出しているかを示します。

ROE = 純利益 ÷ 平均株主資本 × 100

ROTCE(Return on Tangible Common Equity)は、ROEから無形資産(のれん等)を除いた、より実質的な資本効率を示す指標です。

ROTCE = 純利益 ÷ 有形普通株主資本 × 100

ROEの評価基準(銀行業界の目安):

  • 15%以上:非常に優秀(トップクラス)
  • 10-15%:良好(業界平均以上)
  • 8-10%:普通(業界平均程度)
  • 8%未満:改善の余地あり

この表からわかること:
2025年はEPS $3.81(前年比+19%)と大幅増益を達成しました。ROTCE14.0%に改善し、大手銀行として「良好」な水準を維持しています。[1]


3. 株主還元(配当と自社株買い)

近年の配当実績と増配状況

BACは安定的な増配を継続しており、直近(2025年Q4)は$0.28/株の四半期配当が確認できます。2026年Q1も同額の$0.28/株が発表されています。[2]

近年の四半期別配当実績(直近:2026年Q1)
四半期 配当/株 ($) 前年同期比増配率
Q3 2023 $0.24 +9.1%
Q4 2023 $0.24 +9.1%
Q1 2024 $0.24 +9.1%
Q2 2024 $0.24 +9.1%
Q3 2024 $0.26 +8.3%
Q4 2024 $0.26 +8.3%
Q1 2025 $0.26 +8.3%
Q2 2025 $0.26 +8.3%
Q3 2025 $0.28 +7.7%
Q4 2025 $0.28 +7.7%
Q1 2026 $0.28 +7.7%

配当性向の長期推移

配当実績と配当性向(2015-2025年通期)
期間 配当性向 EPS ($) 配当($) 増配率
2015(通期) 15.3% $1.31 $0.20 +300%
2016(通期) 18.7% $1.50 $0.28 +37.5%
2017(通期) 30.8% $1.56 $0.48 +72.7%
2018(通期) 23.0% $2.61 $0.60 +25.0%
2019(通期) 26.2% $2.75 $0.72 +20.0%
2020(通期) 38.5% $1.87 $0.72 0.0%
2021(通期) 22.1% $3.57 $0.79 +9.7%
2022(通期) 26.3% $3.19 $0.84 +6.3%
2023(通期) 30.5% $3.08 $0.94 +11.9%
2024(通期) 33.2% $2.99 $1.00 +6.4%
2025(通期) 約28.3% $3.81 $1.08 +8.0%

この表からわかること:
重要なのは配当性向で、2025年は約28%と余裕のある水準です。EPS成長(+19%)が配当増(+8%)を大きく上回ったため、配当性向は前年の33%から改善しました。[1]

総株主還元(配当+自社株買い)

総株主還元実績(単位:10億ドル)
年度 総還元性向 (%) 純利益 配当総額 自社株買い 総還元額
2018 92.5% $28.1 $6.4 $19.6 $26.0
2019 111.3% $27.4 $7.5 $23.1 $30.6
2020 43.0% $17.9 $7.7 $0.0 $7.7
2021 99.4% $32.0 $7.1 $24.8 $31.9
2022 65.1% $27.5 $7.8 $10.1 $17.9
2023 64.5% $26.5 $8.5 $8.6 $17.1
2024 69.9% $27.1 $8.4 $9.0 $17.4
2025 98.4% $30.5 $8.4 $21.6 $30.0

この表からわかること:
2025年は総還元額が$30.0bn(前年比+41%)に急増しました。[1] Q4単独では$8.4bn(配当$2.1bn+自社株買い$6.3bn)を還元しています。2025年8月には$40bnの新たな自社株買い枠が承認されており、2026年も積極的な還元が期待されます。[3]


4. 会社の体力(健全性)は大丈夫か?

指標 2023年末 2024年末 2025年Q3末 2025年Q4末 規制要求 超過幅
CET1比率(Standardized) 11.9% 11.8% 11.8% 11.4%[1] 10.0%–10.2% +1.2pp以上

銀行の健全性を示す最重要指標であるCET1比率は、2025年Q4末時点で11.4%です。Q3の11.8%から0.4pp低下しましたが、これは主に税関連エクイティ投資の会計方法変更による一時的な影響(約12bp)と、積極的な自社株買い($6.3bn)によるものです。[4]

規制が要求する水準(2026年1月以降は10.2%)を十分に上回っており、予期せぬ経済ショックに対する耐性と安定配当の裏付けは維持されています。[3]


5. 投資家が注意すべきリスク

  • 金利低下リスク: 利下げ局面では、収益の柱である純利息収入(NII)が圧迫される可能性があります。ただし、経営陣は2026年に5–7%のNII成長を見込んでおり、固定金利資産の再価格付けによる恩恵が見込まれます。[1]
  • 規制の動向: バーゼル規制(いわゆるBasel III endgame)の最終化に伴い、資本要件が変動する可能性があります。FRBの姿勢は「資本中立的」とされていますが、監視が必要です。[4]
  • 消費者信用リスク: 消費者向け貸出の比重が大きく、景気悪化が深刻化すると与信コスト(引当)が増加する可能性があります。ただし、2025年Q4のクレジットカード延滞率(90日超)は1.27%と前年の1.35%から改善しています。[4]
  • クレジットカード金利上限の議論: 政策提案としてカード金利に上限を設ける動きがあり、実現すれば収益に影響を与える可能性があります。[4]

6. 競合他行との比較分析(参考)

利回りは株価で日々変動するため、このセクションでは配当の持続性に直結しやすい「資本(CET1)」と「資本効率(ROTCE)」を軸に、位置づけを確認します。BACの直近値は2025年Q4(2025年12月31日終了)です。[1]

銀行 配当利回り(参考) 配当性向(参考) ROTCE(直近/参考) CET1比率(直近/参考)
JPM —(株価で変動)
BAC 約2.1%(株価で変動) 約28%(2025年通期)[1] 14.0%(2025年Q4)[1] 11.4%(2025年Q4末)[1]
WFC —(株価で変動)
C —(株価で変動)

この表からわかること:
BACは、資本(CET1)に十分な余力を持ちつつ、ROTCE 14.0%と「良好」な水準にあります。配当は「高水準」よりも「持続性」を優先して確認したい銘柄のため、利益(EPS)→ 配当性向 → 資本(CET1)の順にチェックしていくと、判断がブレにくくなります。[1]


7. 結論と投資判断

Bank of Americaの配当は、「高い安定性と持続性」があり、特に着実なインカムゲインを重視する長期投資家にとって、ポートフォリオの安定性を高める選択肢であると評価します。

  • 定量的根拠: 2025年Q4時点で四半期配当$0.28/株、配当性向約28%(2025年通期)、CET1比率11.4%と、配当の安全性を支える要素がそろっています。EPS成長(+19%)が配当成長(+8%)を大きく上回り、増配余地も確保されています。[1]
  • 定性的根拠: 全米に広がる顧客基盤と、景気循環を前提にしたリスク管理が、収益の急ブレを抑えやすい構造です。経営陣は2026年について「米国経済に強気」との見方を示しています。[4]

投資上の留意点:
BACは安定性が魅力ですが、金利動向やクレジットカード規制の政策リスクには注意が必要です。2026年は5–7%のNII成長が見込まれており、増配余地は十分と考えられます。配当を"伸ばす力"の源泉がどこにあるか(金利環境・費用構造・与信コスト)を定期的に点検することで、長期の納得感が上がります。

免責事項

本レポートは、公開情報に基づく分析であり、投資助言を構成するものではありません。投資判断は投資家自身の責任において行ってください。本レポートの作成にあたっては正確性を期していますが、その内容の正確性、完全性を保証するものではありません。

主要な情報源と更新履歴

  • 直近反映: 2025年Q4(2025年12月31日終了)の決算開示(2026年1月14日発表)。[1]
  • 次回更新目安: 2026年Q1決算開示後(2026年4月中旬)。

最終更新日: 2026年2月6日(JST)

ミニ解説: 銀行株の配当は「(1)EPSの稼ぐ力」「(2)配当性向」「(3)CET1など資本規制」の3点セットで見ると、判断が速くなります。BACは2025年Q4で、EPS成長19%、配当性向28%、CET1 11.4%と3点がバランス良くそろっています。[1]

【注】(出典リンク)

  1. 2025年Q4・通期決算(主要指標・配当/株・CET1・ROTCE・EPS・純利益・収入) → Bank of America Investor Relations(Q4 2025 Earnings)CNBC(2026-01-14) (確認日:2026-02-06)
  2. 2026年Q1配当宣言($0.28/株、支払日2026年3月27日) → Markets Daily(2026-02-04) (確認日:2026-02-06)
  3. 2025年ストレステスト結果・増配発表・$40bn自社株買い枠承認 → Bank of America Newsroom(2025-07) (確認日:2026-02-06)
  4. Q4 2025決算発表会・アナリスト報告(CET1変動要因・2026年見通し・リスク要因) → Benzinga(2026-01-14)Investing.com(2026-01-14) (確認日:2026-02-06)



Posted by 南 一矢