BLK:ブラックロックの配当推移

配当,金融

BlackRock(BLK)配当投資・財務分析【2026年4月更新版】

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【2026年4月更新】主な変更点

  • 四半期配当:2026年は$5.73/株へ増配。年率換算は$22.92です。直近の権利落ち日は2026年3月5日、支払日は2026年3月24日でした。[1]
  • Q1 2026:AUM$13.89兆、GAAP EPS$14.06(調整後$12.53)、四半期の総純流入$130B、長期純流入$135.9B[2]
  • M&A:Preqin買収は2025/3/3に完了、HPS買収は2025/7/1に完了、GIP買収は2024/10/1に完了しています。[3][4][5]
  • 中期方針:Investor Day 2025で示した、有機ベースフィー成長5%以上調整後営業利益率45%以上の目線は維持されています。Q1 2026の調整後営業利益率は44.5%でした。[6][2]

ブラックロック(BLK)— 配当・財務の長期分析

  • 直近四半期配当:$5.73/株[1]
  • 2026年 年率換算配当:$22.92[1]
  • 2025年 EPS(GAAP):$35.31、調整後EPS:$48.09[7]
  • 2025年 売上高:$24.216B[7]
  • 2025年末 AUM$14.04T[7]
  • 2026年Q1 AUM$13.89T[2]
  • 2026年Q1 総純流入:$130B、過去12か月の総純流入:$744B[2]

※四半期配当・AUM・流入・四半期EPSは2026年Q1時点、年次は2025通期時点です。

配当利回りと株価(直近90日)

配当実績と配当性向(長期:2018–2025)

年平均配当利回り・増配率・配当性向(=1株配当÷EPS)・年計配当($)・平均株価・通年EPSを一覧化しています。2025年までを実績ベースで整理し、2026年は本文で年率換算のみ扱います。[7][8]

配当 平均株価 年EPS
平均利回り 成長率 配当性向 年計
2025 2.04% 2.2% 59.0% 20.84 1019.31 35.31
2024 2.44% 2.0% 48.6% 20.40 835.02 42.01
2023 3.08% 2.5% 54.8% 20.00 649.24 36.51
2022 3.11% 18.2% 57.5% 19.52 626.72 33.97
2021 2.19% 13.8% 43.2% 16.52 753.79 38.22
2020 2.98% 10.0% 45.6% 14.52 486.88 31.85
2019 3.48% 9.2% 46.4% 13.20 379.51 28.43
2018 2.98% 20.9% 45.5% 12.09 405.09 26.58

2026年の補足: 2026年1月に四半期配当が$5.21→$5.73へ引き上げられました。現在の年率換算配当は$22.92で、2025年実績配当に対して約10.0%の増配ペースです。[1]

用語解説(このセクション)
  • 配当性向:1株配当 ÷ EPS。高すぎると増配余地が小さくなりやすいです。
  • EPS(1株利益):当期純利益を発行株式数で割った利益指標です。
  • 平均利回り:年の平均株価に対する配当額の割合です。

主要財務指標(年次:2018–2025)

年度 収益($M) 営業CF($M) 同マージン(%) 純利益($M)
2018 14,198 3,075 22 4,305
2019 14,539 2,884 20 4,476
2020 16,205 3,743 23 4,932
2021 19,374 4,944 26 5,901
2022 17,873 4,956 28 5,178
2023 17,859 4,165 23 5,502
2024 20,407 4,956 24 6,369
2025 24,216 3,927 16 5,553

2025年は売上が$24.216Bへ大きく伸びた一方、GAAPの営業CFは$3.927Bへ低下しました。これはPreqin・HPS・GIPの取り込みに伴う構造変化や、連結対象投資ビークル(CIPs)の影響を含むためです。実態に近い「CIPs除き」の営業CFは2025年に$7.463Bでした。[7]

用語解説(このセクション)
  • 営業CF:本業から生み出す現金です。配当の源泉として重要です。
  • 営業CFマージン:収益に対する営業CFの割合です。高いほど現金創出効率がよいといえます。
  • CIPs:BlackRockが連結している投資ビークル。GAAPキャッシュフローを見づらくするため、補助的に「CIPs除き」も確認すると実態をつかみやすいです。

キャッシュフロー詳細(年次:2018–2025)

年度 営業CF 成長率 投資CF 財務CF
2018 3,075 -22% -808 -2,765
2019 2,884 -6% -2,014 -2,583
2020 3,743 30% -254 244
2021 4,944 32% -1,937 -2,287
2022 4,956 0% -1,130 -5,442
2023 4,165 -16% -959 -1,992
2024 4,956 19% -3,004 2,236
2025 3,927 -21% -4,418 -1,127

2025年の投資CFは-$4.418Bでした。年次報告書では、その主因としてPreqin買収関連約$3.1BHPS関連約$369M有形固定資産投資$375Mが説明されています。したがって、2025年の投資CF悪化は本業悪化というより、買収と成長投資の色が強いです。[7][3][4]

用語解説(このセクション)
  • 投資CF:設備投資や買収など投資活動の現金収支です。マイナスは将来成長のための投資が多い状態を意味することがあります。
  • 財務CF:配当・自社株買い・借入返済など資本政策に関わる現金収支です。

バランスシート(年次:2018–2025)

年度 総資産 総負債 株主資本 自己資本率 負債比率
2018 159,573 126,033 32,374 20% 389%
2019 168,622 133,693 33,547 20% 399%
2020 176,982 139,326 35,283 20% 395%
2021 152,648 113,755 38,893 25% 292%
2022 117,628 78,843 38,785 33% 203%
2023 123,211 81,971 41,240 33% 199%
2024 138,615 89,260 47,495 34% 188%
2025 169,998 108,456 55,888 33% 194%

2025年末の総資産は$169.998B、BlackRock株主資本は$55.888Bでした。買収に伴って総資産も総負債も増えましたが、株主資本も拡大しています。運用会社としては、依然かなり厚い資本基盤です。[7]

用語解説(このセクション)
  • 自己資本率:総資産に占める株主資本の比率です。高いほど安全性の目安になります。
  • 負債比率:株主資本に対する負債の比率です。大きいほどレバレッジは高くなります。

投資家のためのBLK分析(2026年版)

① いまのブラックロックを一言で

ブラックロックは世界最大の資産運用会社です。2026年Q1末の運用資産残高(AUM)は$13.89兆で、2025年末の$14.04兆からは市場要因でやや低下しました。ただし、四半期の総純流入は$130B、長期純流入は$135.9Bと強く、iShares ETFは記録的な第1四半期フローでした。[2][7]

② どうやって稼いでいる?(収益の柱)

  • ベースフィー保有残高に対して毎年もらう基本手数料):AUMが増えるほど安定的に増えやすい収益です。
  • テクノロジー/データ収益AladdinPreqinなど、相場に左右されにくい定額型の収益です。2026年Q1のテクノロジーサービス・サブスクリプション収益は$530Mで、前年同期比22%増でした。[2][3]
  • パフォーマンス・フィー成績がよかった時の成功報酬):2026年Q1は$272Mで、private marketsを中心に前年同期比で増加しました。[2]
  • プライベート市場の手数料:2025年のPreqin買収、2025年のHPS買収、2024年のGIP買収で、プライベートクレジット・インフラ・データの比重が上がっています。[3][4][5]

③ 配当は安心?

2025年の配当性向は、GAAP EPSベースで59.0%です。一方、2025年の調整後EPS$48.09で見ると配当性向は43.3%に下がります。つまり、2025年の会計利益は買収関連の非現金項目などで押し下げられていますが、配当を無理している状態ではありません。[7]

また、2025年のGAAP営業CFは$3.927Bでしたが、CIPs除きでは$7.463Bです。配当支払・Subco distributionsは$3.347Bで、実態に近いCIPs除き営業CFベースなら、配当は十分にカバーされています。[7]

④ これからの伸びどころ(3本柱)

  1. プライベートクレジット:HPSの統合で拡大。収益率が高めで、フィーレートを押し上げやすいです。[4]
  2. インフラ投資:GIPの買収完了で、長期安定のインフラ資産が加わりました。[5]
  3. テクノロジー/データ:AladdinとPreqinの組み合わせは、相場に左右されにくい収益源として重要です。[3][6]

会社は中期目標として、有機ベースフィー成長率 5%以上調整後営業利益率 45%以上を掲げています。2026年Q1の有機ベースフィー成長は四半期ベースで8%、過去12か月ベースで10%、調整後営業利益率は44.5%でした。[2][6]

⑤ 何に注意する?(主なリスク)

  • 手数料の下押し圧力:低コストETFが増えると平均手数料は下がりやすいです。そのため、BlackRockは私募・インフラ・テックで補う戦略を取っています。[6]
  • 相場変動:AUMと成功報酬は市場の上下に影響されます。2026年Q1にAUMが年末比でやや減ったのも、この影響です。[2][7]
  • 統合リスク:Preqin・HPS・GIPを実際に利益成長へつなげられるかは、まだ検証が続く段階です。[3][4][5]
  • 規制・政策リスク:ETF、ESG、プライベート市場、テクノロジーなど、監督・規制の方向性が変わる可能性があります。

⑥ 見ておくと安心な数字(KPI)

  1. 有機ベースフィー成長率:会社目標の5%以上を超えているか。2026年Q1の四半期ベースは8%でした。[2][6]
  2. 調整後営業利益率:目標は45%以上。2026年Q1は44.5%でした。[2][6]
  3. 長期フロー:長期資金の純流入がプラスかどうか。2026年Q1は$135.9Bでした。[2]
  4. AUMミックス:ETF・オルタナティブ・テクノロジーの比率がどう変わるか。HPSやGIPの取り込みで、private marketsの比率は上がりやすいです。[4][5]
  5. 配当カバー:GAAPよりも、必要に応じてCIPs除きの営業CFも確認すると実態をつかみやすいです。[7]

用語ミニ解説

  • AUM:預かっている資産の合計です。大きいほど手数料収入は安定しやすいです。
  • 長期フロー:長期運用向けファンドへの資金の出入りです。年金や積立資金が多く、比較的粘り強い指標です。
  • ベースフィー:残高にかかる基本手数料です。
  • 調整後営業利益率:一時要因を除いた本業の利益率です。
  • オルタ:株・債券以外の投資資産です。private credit、インフラ、不動産などが含まれます。
  • FCF:自由に使える現金です。配当や自社株買いの原資になります。

まとめ

BLKは、いまもなお「安定配当×構造成長」という投資仮説が成り立ちやすい会社です。2025年は売上が$24.216Bまで伸び、2026年Q1も収益 $6.698BGAAP EPS $14.06と強いスタートを切りました。配当も2026年に$5.73/四半期へ引き上げられています。[1][2][7]

一方で、今後の評価を左右するのは、有機ベースフィー成長率5%以上調整後営業利益率45%以上を、M&A後の体制でも維持できるかです。Preqin・HPS・GIPの3つが単なる大型買収で終わるのか、それともBlackRockの収益構造を一段強くするのか。そこが、2026年以降の最大の見どころです。[3][4][5][6]

【注】(出典リンク)

  1. 配当履歴・2026年の増配 → BlackRock Dividend History2025 Form 10-K(1月15日の$5.73配当承認を含む)(確認日:2026-04-16)
  2. 2026年Q1決算(AUM・流入・EPS・利益率) → Q1 2026 Earnings Release(PDF)Q1 2026 Earnings Presentation(PDF)(確認日:2026-04-16)
  3. Preqin買収完了 → BlackRock Completes Preqin Acquisition2025 Form 10-K(買収金額・会計影響)(確認日:2026-04-16)
  4. HPS買収完了 → BlackRock Completes Acquisition of HPS Investment PartnersQ1 2026 Earnings Release(HPS関連手数料)(確認日:2026-04-16)
  5. GIP買収完了 → BlackRock Completes Acquisition of Global Infrastructure Partners(確認日:2026-04-16)
  6. Investor Day 2025の中期目標 → 2025 Investor DayInvestor Day 2025 Presentation(PDF)(確認日:2026-04-16)
  7. 2025年通期業績・年次財務・配当支払・BS → Q4 2025 Earnings Release(PDF)2025 Form 10-K(PDF)(確認日:2026-04-16)
  8. 長期系列データ(平均株価・長期比較の補完) → Macrotrends BLK Stock Price HistoryMacrotrends BLK Financial Statements(確認日:2026-04-16)

Posted by 南 一矢