BLK(ブラックロック)今後の見通し
【2026年8月更新】 本記事は、2026年7月15日発表のBlackRock(ブラックロック)2026年Q2決算、2026年7月22日に宣言された最新配当、2026年8月7日終値を反映して更新しました。2026年Q2末の運用資産残高(AUM)は過去最高の15.34兆ドル、調整後EPSは13.91ドル、四半期の総純流入は1,917億ドルでした。2026年上期の総純流入は過去最高の3,210億ドルに達しています。[1]
ブラックロック(BlackRock, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず金利と株価チャートの推移を参照し、次に直近の決算を確認します。
目標株価やPERに加え、AUM、資金流入、iShares、プライベート市場、Aladdin、配当、キャッシュフローなど、資産運用会社として重要な指標もあわせて整理します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、出来高などを確認します。リアルタイム表示ではないため、株価には遅延が生じる場合があります。
株価・PER・目標株価:現在の位置
2026年8月7日のBLK終値は1,136.39ドルでした。MarketWatch掲載値では、同日時点の時価総額は約1,836億ドル、実績PERは28.27倍、52週レンジは917.39~1,219.94ドルです。[2]
BlackRockは通期EPSガイダンスを通常示していないため、会社予想EPSを使った単純な予想PERは掲載していません。実績PERを見る際にも、2025年以降はGIP、Preqin、HPSの大型買収に伴う無形資産償却、条件付対価、統合費用などがGAAP利益へ影響している点に注意が必要です。
Investing.comの2026年8月時点の集計では、BLKの12カ月平均目標株価は1,313.50ドル、最高値は1,488ドル、最低値は1,190ドルでした。2026年8月7日終値1,136.39ドルと平均目標株価を比較すると、参考上昇余地は約15.6%です。[2]
ミニ解説
BlackRockの株価を見るときは、通常の事業会社以上に株式・債券市場の水準を意識する必要があります。相場上昇はAUMを押し上げ、運用手数料収入に追い風となります。一方、現在はGIP・Preqin・HPSを取り込んだことで、従来の上場株・債券・ETF中心の運用会社から、プライベート市場とデータ・テクノロジーを含む総合的な資産運用プラットフォームへ事業構成が変化しています。
直近決算
BlackRockは2026年7月15日(米国時間、市場開始前)に、2026年度第2四半期(2026年4~6月期)の決算を発表しました。記事旧版の「7月14日」は修正しています。[1]
| 2026年Q2 | 市場予想 | 結果 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 調整後EPS | 12.57ドル | 13.91ドル | +15% |
| 売上高 | 67.2億ドル | 70.84億ドル | +31% |
| GAAP EPS | — | 12.19ドル | +20% |
| AUM | — | 15.34兆ドル | 過去最高 |
| 総純流入 | — | 1,917億ドル | — |
| 調整後営業利益率 | — | 45.9% | 前年同期43.3% |
StreetInsider集計では、調整後EPS予想12.57ドルに対して実績13.91ドル、売上高予想67.2億ドルに対して実績70.8億ドルとなり、いずれも市場予想を上回りました。なお、LSEG集計のEPS予想は12.59ドルであり、予想値は集計機関によってわずかに異なります。[3]
2026年Q2の売上高は前年同期比31%増でした。市場上昇、オーガニックなベースフィー成長、HPS買収の寄与、パフォーマンス・フィーの増加、テクノロジーサービス・サブスクリプション収入の増加が寄与しました。[1]
GAAP営業利益は前年同期比42%増、調整後営業利益も39%増となりました。調整後営業利益率は45.9%となり、収益規模の拡大が利益成長にもつながっています。[1]
AUMは過去最高の15.34兆ドル
2026年6月末のAUMは15.34兆ドルとなり、2026年3月末の13.89兆ドルから約1.45兆ドル増加しました。[1]
ただし、この増加をすべて顧客からの資金流入とみなすことはできません。2026年Q2は市場価格上昇によるAUM増加が約1.28兆ドルと大きく、株式・債券市場の上昇がAUMを強く押し上げました。
一方で、顧客資金の動きも好調です。2026年Q2の総純流入は1,917億ドル、長期純流入は1,991億ドルでした。2026年上期の総純流入は過去最高の3,210億ドル、過去12カ月では8,680億ドルに達しました。[1]
決算のポイント:2026年Q2は「市場上昇によってAUMが増えた」だけではありません。ETF、アクティブ運用、プライベート市場などへの純流入も大きく、有機ベースフィー成長率も高水準でした。市場要因と顧客からの新規資金の双方が追い風となった四半期です。
企業概要
ブラックロック(BlackRock, Inc.:NYSE: BLK)は、世界最大級の資産運用会社です。個人投資家、機関投資家、年金基金、政府系ファンド、保険会社などに、株式・債券・マルチアセット・ETF・オルタナティブ投資など幅広い運用商品を提供しています。2025年末のAUMは14.04兆ドル、従業員数は約2万4,900人でした。世界30超の国に拠点を持ち、100超の国の顧客にサービスを提供しています。[4]
BlackRockは1988年に設立され、債券運用とリスク管理を出発点に拡大しました。2009年のBarclays Global Investors(BGI)買収によってETFブランドiSharesを取得し、世界有数のETF運用会社となりました。[4]
現在は、従来の公開市場運用に加え、GIPによるインフラ、HPSによるプライベートクレジット、Preqinによるプライベート市場データを取り込み、「公開市場+プライベート市場+テクノロジー」を組み合わせた事業モデルを構築しています。
資産運用
BlackRockの基本的な収益源は、顧客から預かった資産を運用して得る投資助言・管理手数料です。AUMが増えるほど手数料収入の基盤も拡大します。
2026年Q2の投資助言・管理手数料と証券貸借収益の合計は57.26億ドルでした。過去12カ月の有機ベースフィー成長率は10%となっています。[1]
ETF事業:iShares
BlackRockのETFブランドiSharesは、同社の資金流入を支える中心的な事業です。2025年に5兆ドルを超えたiSharesのETF AUMは、2026年6月末には6.246兆ドルまで拡大しました。[1]
2026年Q2のETF純流入は1,779億ドルでした。株式・債券ETFに加え、アクティブETFやデジタル資産関連商品など商品分野が広がっています。
一方、2026年Q2には機関投資家向け非ETFインデックス商品から415億ドルの純流出も発生しています。BlackRock全体の資金流入だけでなく、どの商品に資金が移動しているかを見る必要があります。
アクティブ運用
2026年Q2のアクティブ運用への純流入は533億ドルでした。低コストETFだけでなく、相対的に手数料率が高いアクティブ運用にも資金が入っている点は、収益性を見るうえでプラス材料です。[1]
AladdinとPreqin:テクノロジー・データ事業
BlackRockは資産運用だけでなく、リスク管理・ポートフォリオ管理基盤Aladdinを金融機関などに提供しています。
2026年Q2のテクノロジーサービス・サブスクリプション収入は5.66億ドルで前年同期比13%増、年間契約価値(ACV)は前年同期比15%増でした。[1]
BlackRockはプライベート市場データ企業Preqinの買収を2025年3月3日に完了しました。AladdinとPreqinを組み合わせることで、公開市場だけでなくプライベートエクイティ、プライベートクレジット、インフラ、不動産などのデータ・分析機能を強化しています。[5]
プライベートクレジット:HPS
BlackRockはHPS Investment Partnersの買収を2025年7月1日に完了しました。HPSの統合に伴ってPrivate Financing Solutions(PFS)を創設し、プライベートクレジットをBlackRockの主要な成長分野の一つに位置付けています。[5]
2026年6月末のプライベートクレジットAUMは1,509億ドル、2026年Q2の純流入は60億ドルでした。[1]
インフラ:Global Infrastructure Partners(GIP)
BlackRockはGlobal Infrastructure Partners(GIP)の買収を2024年10月1日に完了しました。電力、交通、デジタルインフラなど、長期資金を受け入れやすいインフラ投資をBlackRockの成長分野へ取り込んでいます。[5]
2026年6月末のインフラAUMは1,135億ドルでした。プライベートクレジットなどを含むBlackRockのプライベート市場AUM全体は3,291億ドルまで拡大しています。[1]
ミニ解説
従来のBlackRockは「巨大なETF・インデックス運用会社」という印象が強い企業でした。現在は、iShares=公開市場、GIP=インフラ、HPS=プライベートクレジット、Aladdin+Preqin=テクノロジー・データという複数の収益源を組み合わせる方向へ進んでいます。買収後の統合が成功すれば、AUMだけでなく平均手数料率や継続的なテクノロジー収入を押し上げる余地があります。
配当利回り・増配率・配当性向
BlackRockは2026年1月に四半期配当を5.21ドルから5.73ドルへ引き上げました。現在の四半期配当5.73ドルを4倍した年率換算配当は22.92ドルです。2025年の年間配当20.84ドルと比べると約10%高い水準です。[6]
2026年8月7日終値1,136.39ドルに対する参考配当利回りは約2.02%です。[2][6]
調整後配当性向
次回配当は2026年9月22日
BlackRockは2026年7月22日、次回の四半期配当を1株5.73ドルとすると発表しました。権利落ち日・基準日は2026年9月8日、支払日は2026年9月22日です。[6]
2026年8月8日時点で実際に支払済みなのは、2026年3月24日と6月23日の2回、合計11.46ドル/株です。9月22日の5.73ドルは宣言済みですが、まだ支払日前であるため、支払済み配当とは分けて考える必要があります。
配当実績と配当性向
| 年 | 配当 | 平均株価 | GAAP EPS | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 平均利回り | 成長率 | 配当性向 | 年計 | |||
| 2025 | 2.04% | 2.2% | 59.0% | 20.84 | 1,019.31 | 35.31 |
| 2024 | 2.44% | 2.0% | 48.6% | 20.40 | 835.02 | 42.01 |
| 2023 | 3.08% | 2.5% | 54.8% | 20.00 | 649.24 | 36.51 |
| 2022 | 3.11% | 18.2% | 57.5% | 19.52 | 626.72 | 33.97 |
| 2021 | 2.19% | 13.8% | 43.2% | 16.52 | 753.79 | 38.22 |
| 2020 | 2.98% | 10.0% | 45.6% | 14.52 | 486.88 | 31.85 |
| 2019 | 3.48% | 9.2% | 46.4% | 13.20 | 379.51 | 28.43 |
| 2018 | 2.98% | 20.9% | 45.5% | 12.09 | 405.09 | 26.58 |
2025年は年間配当20.84ドルに対しGAAP EPSが35.31ドルだったため、GAAPベースの配当性向は約59%でした。一方、2025年の調整後EPSは48.09ドルであり、調整後ベースの配当性向は約43%です。[4]
2026年上期では、支払済み配当11.46ドルに対し、GAAP希薄化後EPSは26.25ドル、調整後EPSは26.45ドルでした。上期の配当性向はGAAPベースで約43.7%、調整後ベースで約43.3%です。[1][6]
2025年のGAAPベース59%からみると、2026年上期は利益成長により配当カバーが改善しています。現在の利益水準では、2026年に実施した約10%の増配後も配当負担は過度な水準ではありません。
主要財務指標
BlackRockの年次財務について、2018~2025年の推移を確認します。金額は百万ドルです。[7]
| 年度 | 売上高 | 営業CF | 営業CF マージン |
純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2018 | 14,198 | 3,075 | 22% | 4,305 |
| 2019 | 14,539 | 2,884 | 20% | 4,476 |
| 2020 | 16,205 | 3,743 | 23% | 4,932 |
| 2021 | 19,374 | 4,944 | 26% | 5,901 |
| 2022 | 17,873 | 4,956 | 28% | 5,178 |
| 2023 | 17,859 | 4,165 | 23% | 5,502 |
| 2024 | 20,407 | 4,956 | 24% | 6,369 |
| 2025 | 24,216 | 3,927 | 16% | 5,553 |
2025年の売上高は242.16億ドルへ増加しました。一方、GAAP営業CFは39.27億ドルで、2024年の49.56億ドルから減少しています。[7]
ただし、BlackRockのGAAPキャッシュフローには、連結対象投資ビークル(CIPs)の投資売買なども含まれます。会社が補助指標として開示したCIPsの影響を除く2025年営業CFは74.63億ドルでした。[7]
キャッシュフローを見る際の注意:BlackRockは資産運用会社であり、自社で連結する投資ビークルの資金移動がGAAPキャッシュフローへ大きく影響する場合があります。そのため、通常の製造業などと同じ感覚で「GAAP営業CFが減った=本業の現金創出力が同じだけ悪化した」と判断するのは適切ではありません。
キャッシュフロー詳細
| 年度 | 営業CF | 前年比 | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|---|
| 2018 | 3,075 | -22% | -808 | -2,765 |
| 2019 | 2,884 | -6% | -2,014 | -2,583 |
| 2020 | 3,743 | +30% | -254 | +244 |
| 2021 | 4,944 | +32% | -1,937 | -2,287 |
| 2022 | 4,956 | 0% | -1,130 | -5,442 |
| 2023 | 4,165 | -16% | -959 | -1,992 |
| 2024 | 4,956 | +19% | -3,004 | +2,236 |
| 2025 | 3,927 | -21% | -4,418 | -1,127 |
2025年の投資CFはマイナス44.18億ドルでした。CIPsの影響を除いた投資CFは約マイナス45.31億ドルで、Preqin買収、HPS関連支出、投資商品の純購入、有形固定資産投資などが主な要因です。[7]
したがって2025年の投資CF悪化は、通常の設備投資が急増したというより、BlackRockがプライベート市場・データ事業を拡大するために大型投資を行った影響が大きいと考えられます。
バランスシート
| 年度 | 総資産 | 総負債 | BlackRock 株主資本 |
自己資本率 | 負債比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018 | 159,573 | 126,033 | 32,374 | 20% | 389% |
| 2019 | 168,622 | 133,693 | 33,547 | 20% | 399% |
| 2020 | 176,982 | 139,326 | 35,283 | 20% | 395% |
| 2021 | 152,648 | 113,755 | 38,893 | 25% | 292% |
| 2022 | 117,628 | 78,843 | 38,785 | 33% | 203% |
| 2023 | 123,211 | 81,971 | 41,240 | 33% | 199% |
| 2024 | 138,615 | 89,260 | 47,495 | 34% | 188% |
| 2025 | 169,998 | 108,456 | 55,888 | 33% | 194% |
2025年末の総資産は1,699.98億ドル、総負債は1,084.56億ドル、BlackRock株主資本は558.88億ドルでした。買収に伴い、のれんや無形資産などが増加し、総資産と総負債の双方が拡大しています。[7]
なお、BlackRockのGAAP総資産・総負債には、分別管理された顧客資産と対応する負債、CIPsなども含まれます。通常の一般事業会社と単純に自己資本率や負債比率だけを比較するのは適切ではありません。
成長を見るための重要KPI
有機ベースフィー成長率
BlackRockは2025年Investor Dayで、景気・相場循環を通じて有機ベースフィー成長率5%以上を目指す方針を示しています。2026年Q2は8%、過去12カ月では10%となり、現時点では目標を上回っています。[8][1]
調整後営業利益率
会社が中期的な目線として重視する調整後営業利益率は45%以上です。2026年Q2は45.9%、2026年上期は45.2%でした。[8][1]
長期純流入
2026年Q2の長期純流入は1,991億ドル、2026年上期では3,350億ドルでした。AUMは市場変動でも動くため、BlackRock自身が新たな顧客資金をどれだけ獲得しているかを見るには、長期純流入が重要です。[1]
プライベート市場AUM
2026年6月末のプライベート市場AUMは3,291億ドルです。GIP、HPSの買収効果が今後どれだけAUM、資金流入、手数料収入へつながるかが成長性を左右します。[1]
テクノロジー収入
2026年Q2のテクノロジーサービス・サブスクリプション収入は前年同期比13%増、ACVは15%増でした。AladdinとPreqinは、市場価格に直接連動するAUM以外の継続収益を増やすうえで重要です。[1]
自社株買いも拡大
2026年Q2にBlackRockは4.5億ドルの自社株買いを実施しました。さらに会社は、今後の四半期ベースの自社株買い計画を5.5億ドルへ引き上げています。[1]
配当だけでなく自社株買いも株主還元の一部です。ただし、GIP・Preqin・HPSの大型買収に伴って発行株式数や買収関連費用も増えているため、単純な自社株買い額だけでなく、希薄化後株式数の推移も確認する必要があります。
BlackRockの主な投資リスク
相場下落でAUMが減るリスク
BlackRockの収益はAUMと密接に関連します。2026年Q2はAUMが前四半期比約1.45兆ドル増えましたが、このうち約1.28兆ドルを市場価格の上昇が占めました。上昇相場では大きな追い風となる一方、世界的な株安・債券安では逆方向に作用します。
手数料率低下
低コストのETFやインデックス商品への資金移動はAUM拡大には有利ですが、平均的な手数料率を押し下げる可能性があります。このためBlackRockは、アクティブ運用、プライベート市場、Aladdin・Preqinなど相対的に収益性の高い分野を拡大しています。
大型買収の統合リスク
2024~2025年にGIP、Preqin、HPSという大型案件を相次いで完了しました。これらを顧客獲得、クロスセル、利益率改善へつなげられるかが重要です。統合が計画どおり進まない場合、買収価格に見合う収益成長を実現できないリスクがあります。[5]
GAAP EPSと調整後EPSの差
2025年のGAAP EPSは35.31ドルだった一方、調整後EPSは48.09ドルでした。2026年Q2もGAAP EPS12.19ドルに対し調整後EPS13.91ドルとなっています。買収関連の償却や条件付対価などを除く調整後利益は事業の基礎的な収益力を見るうえで有用ですが、GAAPと非GAAPの双方を確認する必要があります。[1][4]
資金流入の偏り
2026年Q2はETFへの純流入が1,779億ドルと非常に強い一方、機関投資家向け非ETFインデックスからは415億ドルが流出しました。総純流入だけを見るのではなく、ETF、アクティブ、プライベート市場などの商品構成を確認する必要があります。
規制・政策リスク
BlackRockはETF、年金、プライベート市場、デジタル資産、金融テクノロジーなど幅広い分野を扱っており、各国の金融規制、投資商品規制、資本市場政策の影響を受けます。事業規模が世界最大級であること自体が、規制当局や政治から注目されやすい要因でもあります。
まとめ:BlackRockの今後をどう見るか
2026年Q2のBlackRockは、AUMが過去最高の15.34兆ドル、売上高が70.84億ドル、GAAP EPSが12.19ドル、調整後EPSが13.91ドルとなりました。2026年上期の総純流入は過去最高の3,210億ドルで、過去12カ月では8,680億ドルに達しています。[1]
最大の強みは、世界最大級のAUMだけではありません。iShares ETFのAUMは2026年6月末に6.246兆ドルへ拡大し、さらにGIP、HPS、Preqinの取り込みによってインフラ、プライベートクレジット、データ・テクノロジーへ収益源を広げています。
2026年Q2の有機ベースフィー成長率は8%、調整後営業利益率は45.9%で、会社が景気・相場循環を通じた目標として掲げる5%以上、45%以上をともに上回りました。[1][8]
配当についても、2026年の四半期配当は5.21ドルから5.73ドルへ約10%増配され、年率換算配当は22.92ドルです。2026年上期の調整後EPSに対する支払済み配当の比率は約43%で、現時点では配当を支える利益余力もあります。[1][6]
一方、2026年8月7日終値1,136.39ドルでは実績PERが28.27倍、参考配当利回りが約2.02%です。低PER・高配当を理由に保有する銘柄ではなく、今後のAUM拡大、資金流入、プライベート市場、テクノロジー収入、利益率成長を評価して投資するタイプの銘柄といえます。[2]
投資判断のポイント:BlackRockを見る際は、①AUM、②長期純流入、③有機ベースフィー成長率、④調整後営業利益率、⑤ETFとアクティブ運用の資金フロー、⑥プライベート市場AUM、⑦Aladdin・Preqinのテクノロジー収入、⑧配当性向を継続的に確認することが重要です。現在の最大のテーマは、GIP・Preqin・HPSへの大型投資を継続的な高収益成長へ転換できるかどうかです。
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比較します。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
EPSと売上:予想と結果
※本記事は投資判断の参考として財務データを整理・分析したものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっては、ご自身の判断と責任のもとで行ってください。
数値は公表資料などをもとに整理していますが、四捨五入やGAAP/非GAAPの調整、AUMの分類などにより表示値が異なる場合があります。
【注】(出典リンク)
- 2026年Q2決算・AUM・純流入・iShares・プライベート市場・利益率・自社株買い → 一次情報:BlackRock「Reports Second Quarter 2026 Results」 → BlackRock Q2 2026 Earnings Release(確認日:2026-08-08) ↩
- 2026年8月7日株価・PER・配当利回り・52週レンジ・目標株価 → MarketWatch「BLK」 → Investing.com「BLK Consensus Estimates」(確認日:2026-08-08) ↩
- 2026年Q2市場予想 → StreetInsider(2026年7月15日) → Reuters/LSEG Earnings Summary(確認日:2026-08-08) ↩
- 2025年通期業績・AUM・従業員・事業概要・EPS・財務データ → 一次情報:BlackRock 2025 Form 10-K(SEC) → BlackRock Annual Reports(確認日:2026-08-08) ↩
- GIP・Preqin・HPSの買収完了 → 一次情報:GIP買収完了 → Preqin買収完了 → HPS買収完了(確認日:2026-08-08) ↩
- 2026年配当・最新の9月配当日程 → 一次情報:BlackRock Dividend History → BlackRock 2026年7月22日配当発表(確認日:2026-08-08) ↩
- 2018~2025年の配当・年次財務・キャッシュフロー・バランスシート → 一次情報:BlackRock Annual Reports → 補助:Macrotrends BLK Stock Price History(確認日:2026-08-08) ↩
- 有機ベースフィー成長率・調整後営業利益率などの中期目標 → 一次情報:BlackRock 2025 Investor Day(確認日:2026-08-08) ↩
