CRWD(クラウドストライク)今後の見通し

SaaS(クラウド+サブスク),サイバーセキュリティ,情報技術

クラウドストライク・ホールディングス(CrowdStrike Holdings)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(CRWD/ZS:クラウドストライクとズィースケーラーの比較)を参照

2024年11月27日(米国時間)にクラウドストライク(Crowdstrike Holdings Inc)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.81$→結果0.93$
・売上高:予想9.83億$→結果10.1億$(前年同期比+29%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想0.86$→結果0.84~0.86$
・売上高:予想103億$→結果10.29~10.35億$
《通年》
・EPS:予想3.64$→結果3.74~3.76$
・売上高:予想39億$→結果39.24~39.3億$
★出所
IRプレスリリース
・予想値はyahoo financeを参照しました

企業概要

クラウドストライクは最先端の技術と革新的なプラットフォームで世界中の企業や組織のセキュリティを強化し、サイバー脅威から守ることを目指しています(2011年に設立)。

同社は、クラウドを基盤としたセキュリティプラットフォーム「Falcon」を提供。

企業や政府機関のネットワーク、エンドポイント、クラウド環境に対するサイバー攻撃の検知、予防、対応を支援しています。

セキュリティの枠をクラウドに拡大することで、従来は対応が困難な高度な脅威に対して、迅速かつ柔軟な対応を試みています。

顧客企業同士で脅威情報を共有できる仕組みを構築して全体の防御力を向上させ、グローバルなサイバーセキュリティエコシステムの発展に寄与しています。

クラウドストライクは、従来のオンプレミス型セキュリティから、クラウドを通じた次世代セキュリティへとシフトする市場環境の中で、急速に成長しています。

(2024年はセキュリティエラーが起き、株価が急落しましたが、その後、持ち直しました)

主な事業内容は以下の通りです。

(1) Falconプラットフォーム:中核となるセキュリティプラットフォーム

企業内のあらゆるエンドポイント(PC、サーバー、仮想環境、IoTデバイスなど)からデータを収集し、クラウド上でその全情報を分析するシステムです。

収集したデータを基に、脅威ハンティングやリアルタイムの脅威検知、インシデント対応を自動化し、顧客のセキュリティ態勢を常に最新の状態に保ちます。

顧客数が増加すればデータベースが豊かになり、より多様な脅威に対抗できるようになります。

Falconプラットフォームは、クラウドストライクの提供する様々なセキュリティサービスの基盤となっており、その高度な分析能力とリアルタイム性により、顧客のセキュリティ対策を大幅に向上させます。

(2) サイバー脅威インテリジェンスと脅威情報の共有

顧客企業で実際に発生したハッキング事例などを分析し、その結果をクラウド上で他の顧客とも共有できる仕組みを構築。

企業は他社の経験から学び、未知の脅威に対しても迅速に対応することが可能になります。

脅威インテリジェンスと情報共有を通じて、顧客企業間の連携を強化し、サイバー攻撃に対する防御力を高めています。

(3) サブスクリプションモデル(SaaS:Software as a Service)のセキュリティサービス:継続的なサービス提供

顧客は定期的な料金を支払うことで、常に最新のセキュリティサービスを利用できます。

このモデルにより顧客との長期的な関係を構築し、安定的な成長を実現しています。

(4) AI搭載エンドポイント保護:高度な脅威検知

AIを搭載したエンドポイント保護技術を提供し、未知のマルウェアやサイバー攻撃を迅速に検知。

蓄積されたデータベースを活用し、攻撃が発生した場合でも「侵入後の迅速な検知と対処」を実現するため、従来の「侵入前検知→ブロック」ではカバーしきれない脅威にも対応可能です。

AI技術を積極的に導入しています。

クラウドストライクは、北米、欧州、アジア、南米、中東、アフリカなど、世界各地にサービスを提供しています。

先進国のみならず、新興市場においてもそのセキュリティプラットフォームの普及に注力しており、グローバルなセキュリティエコシステムが形成されています。

顧客企業の規模や業種に合わせた柔軟なプラットフォーム提供を行い、利用者が増えるほどデータベースが充実し、全体としての防御力が向上する仕組みを確立しています。

リモートワークの普及など、2020年以降の市場環境の変化にも対応し、次世代のネットセキュリティ企業としての地位を確立しています。

【出典】

(※以下、サブスク=サブスクリプション/PS=プロフェッショナルサービス)

【事業構成】

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【地域別売上高】
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Posted by 南 一矢