GILD(ギリアドサイエンシズ)今後の見通し

バイオ製薬&ゲノム,ヘルスケア

ギリアドサイエンシズ(Gilead Sciences, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(AMGNとGILDを比較:アムジェンとギリアドサイエンシズ)を参照

直近決算

ギリアドサイエンシズは2月12日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.71$→結果1.9$
・売上高:予想71.6億$→結果75.6億$(前年同期比+6%)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:予想7.54$→結果7.7~8.1$
・売上高:予想280億$→結果282~286億$
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。

企業概要

ギリアド・サイエンシズは抗ウイルス薬や抗がん剤、免疫調節剤などの研究開発、製造、商品化に従事し、世界有数のバイオ医薬品メーカーとして知られています。

1987年にカリフォルニア州で創業されて以来、

HIV、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)など、治療法が未確立だった感染症について、新薬開発で世界的なリーダーシップを発揮してきました。

その事業分野は以下の通りです。

■感染症治療薬:HIV治療薬分野で「Genvoya」(ゲンボイヤ)「Biktarvy」(ビクタルビ)やテノホビル/エムトリシタビンを含む併用療法を開発し、HIV治療における標準治療の一翼を担っています。

C型肝炎治療薬としては「Sovaldi(ゾバルディ)」「Harvoni(ハーボニー)」「Epclusa(エプクルサ)」など、革新的な治療法を確立してきました。

抗インフルエンザ薬「タミフル」の特許を保有しており(タミフルはロシュにライセンス供与)、幅広い感染症治療に対応する製品ポートフォリオを保有しています。

2020年には、米FDAがGileadの抗ウイルス薬「レムデシビル」を、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)対策として承認。

この出来事により、Gileadはパンデミックという危機に対応する医薬品製造企業として世界的に知名度を高めました。

■その他先端医薬品分野

がん治療や希少疾患、新興感染症に対する治療法の開発にも取り組んでいます。

近年は、肺疾患や心臓血管疾患、がん治療分野への進出も図っており、研究開発の幅を広げています。

2011年にCalistoga Pharmaceuticalsを買収して新たな治療候補を取り込み、2017年にはがん治療薬を開発するKite Pharmaを買収。M&Aを通じた事業拡大戦略が進められています。

GILDは売上高に比して高い割合のR&D投資を行い、次世代治療薬の候補を多数パイプラインに加えています。

また、臨床試験の迅速な展開と規制当局との密な連携により、新薬の承認をスムーズに進める体制を確立しています。

大学や研究機関、他のバイオテクノロジー企業との戦略的提携を通じ、外部の技術や知見を取り入れた共同研究にも積極的です。

北米だけでなく、欧州、アジア、ラテンアメリカなど各地域で事業展開を進め、現地保健当局との連携を強化しながら市場シェアの拡大を図っています。

戦略的提携とM&Aに関しては、2012年にPharmassetを買収し、C型肝炎治療薬「Sovaldi」および「Harvoni」を市場に投入。

2011年にCalistoga Pharmaceuticalsを買収して肺疾患や心血管疾患、がん治療分野に進出。

2017年にKite Pharma、2020年3月にはがん治療用モノクローナル抗体を手がけるForty Seven社の買収を発表しています。

【出典】

【事業構成】

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【地域別売上高】

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Posted by 南 一矢