LMT(ロッキードマーチン) 今後の見通し

株価•決算,資本財,軍事株

ロッキードマーチン(Lockheed Martin Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(LMTとRTXを比較:ロッキードマーチンとレイセオンテクノロジーズ)を参照

直近決算

7月22日(米国時間)にロッキードマーチンは決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想6.54$→結果1.46$
・売上高:予想185.8億$→結果182億$(前年同期比+1%)
(*EPSが悪いのはトルコやカナダ向けヘリコプター事業での損失と米空軍の次世代空優越性(NGAD)プログラムでの固定資産の減損処理等が原因)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:予想27.46$→結果21.7~22$
・売上高:予想744億$→結果737.5~747.5億$
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました

企業概要

ロッキード・マーチンはアメリカを代表する防衛・航空宇宙企業です(本社はメリーランド州ベセスダ)。[1]

1995年にロッキード社とマーチン・マリエッタ社が合併して誕生し、政府や国際機関向けに航空機、ミサイル、宇宙システム、防衛システム、サイバー・情報システムなどを提供しています。

LMTは、F-35ライトニングIIなどをはじめとする高性能装備の開発実績を持ち、防衛産業全般においてトップクラスの技術力と信頼性を築いてきました。2024年通期の純売上の約73%は米国政府向け、またF-35関連が全社売上の約26%を占める中核プログラムです。[1]

同社の事業は以下の4ビジネスエリア(報告セグメント)で構成されます。[1]

Aeronautics(航空):F-35、F-16、C-130Jなどの航空機プログラム。設計・製造・近代化・サステインメントを提供。

Missiles and Fire Control(ミサイル&ファイアコントロール):各種誘導兵器、ミサイル防衛、センサー、火器管制ソリューション。

Rotary and Mission Systems(回転翼&ミッションシステム):シコルスキー(S-70/ブラックホーク等)を含む回転翼機、統合戦闘システム、指揮統制、サイバー、防衛IT。

Space(スペース):衛星・地上システム、ミサイル防衛の宇宙要素、深宇宙探査向けプログラム等。

近年の主要トピックとして、2015年にシコルスキー・エアクラフトの買収を完了し、ヘリコプター事業をRMSに編入しました。[2] 一方、ロケットエンジン大手Aerojet Rocketdyneの買収計画は規制当局の差止提訴を受けて2022年に合意解消となっています(買収完了はしていません)。[3]


ミニ解説

  • 売上の性質:米国政府依存度が高く(2024年に73%)、プログラム長期契約とサステインメントが収益を下支え。[1]
  • F-35の位置づけ:単一プログラムとして最大級(2024年に売上構成26%)。量産・近代化・維持整備まで含めた長期案件。[1]

【注】(出典リンク)

  1. 会社案内・セグメント・売上構成(2024年) → Lockheed Martin Annual Report / Corporate Information & Business Areas(PDF)Company overview(補助)(確認日:2025-09-24)
  2. シコルスキー買収完了(2015年) → Form 8-K抜粋:Sikorsky買収完了の記載買収発表リリース(2015/7/20)(確認日:2025-09-24)
  3. Aerojet Rocketdyne買収の合意解消(2022年2月) → Reuters:ロッキード、Aerojet買収を終了(2022/2/13)(確認日:2025-09-24)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢