LOW(ロウズ)今後の見通し
ロウズ(Lowe’s Companies, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず金利と株価チャートの推移を参照し、次に直近の決算、事業戦略、配当、キャッシュフロー、財務状況を確認します。
目標株価やPERなどの株価指標に加えて、住宅市場の動向、プロ顧客向け事業の拡大、2025年度に実施した大型M&A、長期増配の持続可能性もあわせて見ていきます。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比、52週高値・安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、出来高などを更新しています。リアルタイムではありませんが、株価は最大20分程度のディレイでフォローしています。
銘柄比較については関連記事(HD/LOW:ロウズ・カンパニーズとホームデポを比較)も参照してください。
直近決算
2026年8月7日時点で、ロウズの直近決算は2026年5月20日(米国時間)に発表された2026会計年度第1四半期(期末:2026年5月1日)です。決算リリースは米東部時間午前6時で、市場オープン前の発表でした。[1]
2026年度Q1:予想と結果
- 調整後EPS:予想2.97ドル → 結果3.03ドル
- GAAP EPS:2.90ドル
- 売上高:予想約229.7億ドル → 結果230.78億ドル
- 既存店売上高:前年同期比0.6%増
- オンライン売上:前年同期比15.5%増
調整後EPSと売上高はいずれも市場予想を上回りました。売上高は前年同期の209.30億ドルから10.3%増となりましたが、この増収には2025年度に買収したArtisan Design Group(ADG)とFoundation Building Materials(FBM)の連結効果も含まれています。[1][2]
純利益は2026年度Q1に16.28億ドルで、前年同期の16.41億ドルから小幅に減少しました。ADG・FBMの買収に伴う無形資産償却など9,600万ドルの税引前費用を除くと、調整後EPSは前年同期比3.8%増の3.03ドルとなります。[1]
Q1決算のポイント
- 既存店売上は4四半期連続でプラス。
- Pro、家電、オンライン、ホームサービスが成長を支えました。
- 一方、住宅取引の低迷や高金利により、大型DIY・大型リフォーム需要はなお弱い状態です。
- 買収したADG・FBMの売上寄与で総売上は大きく増えていますが、無形資産償却や利払い負担も増えています。
次回決算は2026年8月19日の予定
次回の2026会計年度第2四半期決算は、会社IRでは2026年8月19日に決算説明会を開催する予定となっています。説明会は米東部時間午前9時で、市場情報では決算発表は市場オープン前とされています。[3]
2026年8月7日時点の市場予想は、調整後EPSが約4.25ドル、売上高が約262.7億ドルです。予想値は決算発表日まで変動する可能性があります。[3]
2026年度通期ガイダンス
| 項目 | 2026年度会社予想 |
|---|---|
| 売上高 | 920億~940億ドル |
| 既存店売上高 | 横ばい~2%増 |
| 営業利益率 | 11.2~11.4% |
| 調整後営業利益率 | 11.6~11.8% |
| 純金利費用 | 約16億ドル |
| GAAP希薄化後EPS | 11.75~12.25ドル |
| 調整後希薄化後EPS | 12.25~12.75ドル |
| 設備投資 | 最大25億ドル |
会社は2026年度Q1決算時点で通期ガイダンスを据え置いています。売上高は前年から約7~9%増える見通しですが、既存店売上高は横ばい~2%増にとどまるため、売上成長のかなりの部分をADG・FBMの買収効果が占める構図です。[1]
企業概要
ロウズ・カンパニーズ(Lowe’s Companies, Inc.、NYSE: LOW)は、米国を代表するホームインプルーブメント企業です。本社はノースカロライナ州ムーアズビルにあり、2026年5月1日時点で米国内に1,759店舗を運営しています。小売販売面積は約1.96億平方フィートです。[4]
2025会計年度(2026年1月30日終了)の売上高は862.86億ドル、純利益は66.54億ドル、希薄化後EPSは11.85ドルでした。2026年度Q1は売上高230.78億ドル、純利益16.28億ドル、GAAP希薄化後EPS2.90ドルです。[5][1]
ホームインプルーブメント小売
店舗とオンラインを組み合わせたオムニチャネル型の住宅関連小売が中核です。建材、工具、塗料、照明、床材、家電、設備機器、収納、ドア・窓、電材、園芸用品などを幅広く扱っています。
2026年度Q1の既存店売上高は0.6%増、オンライン売上高は15.5%増でした。会社は、Pro、家電、オンライン、ホームサービス、春商戦の実行力が売上を支えたと説明しています。[1]
Pro事業の強化
ロウズが近年特に力を入れているのが、建設・改修業者などのPro顧客です。大量購入、現場配送、与信、専門商材、デジタル見積もりなどを強化し、DIY顧客だけに依存しない売上構造を目指しています。
2025年6月には、住宅内装の設計・流通・施工を手掛けるArtisan Design Group(ADG)の買収を完了しました。さらに2025年10月には、乾式壁、天井材、金属フレーム、断熱材などを扱う専門建材流通会社Foundation Building Materials(FBM)の買収を完了しています。[6][7]
2025年度の事業買収によるキャッシュ支出は合計100.88億ドルに達しました。小売店舗中心だったロウズが、プロ向けの専門流通、内装設計、施工支援まで住宅関連支出の取り込み範囲を拡大していることがわかります。[5]
オムニチャネルとTotal Home戦略
ロウズは店舗、EC、アプリ、配送、店頭受け取り、ホームサービスなどを統合するTotal Home戦略を進めています。店舗を販売場所だけでなくフルフィルメント拠点として利用し、住宅の建設、修繕、リフォーム、メンテナンスまで幅広く取り込む方針です。
2026年度Q1にはオンライン売上が15.5%増となっており、住宅市場そのものが低迷しているなかでもデジタルチャネルは成長分野となっています。[1]
セグメント構成は買収後に変化
以前のロウズはRetail Home Improvementのみで事実上単一事業でしたが、2025年度のADG・FBM買収によって構造が変わりました。
2026年度Q1時点で、会社が報告セグメントとして開示しているのは「Retail Home Improvement」の1つです。一方、FBMにはCeilings and Wall Systems、Commercial Doors and Hardwareの2事業、ADGにはInterior Finishes事業があり、これら3つのオペレーティング・セグメントは規模要件を満たさないため「Other」としてまとめて表示されています。[8]
| 2026年度Q1 | 売上高 | 構成比 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| Retail Home Improvement | 213.24億ドル | 92.4% | 25.86億ドル |
| Other | 17.54億ドル | 7.6% | -0.32億ドル |
| 連結 | 230.78億ドル | 100% | 25.54億ドル |
買収事業はすでに2026年度Q1売上の7.6%を占めていますが、無形資産償却などもあり、Otherは同四半期に営業赤字でした。買収による売上拡大だけでなく、利益率改善が今後の重要な確認点です。[8]
北米事業の再整理
ロウズは米国の小売店舗網へ経営資源を集中してきました。メキシコ小売事業は2019年に撤退し、カナダ小売事業も2023年2月にSycamore Partnersへ売却しました。
ただし、FBMやADGなどの専門流通・施工事業ではカナダを含む拠点も保有しているため、「小売店舗は米国中心、Pro向け周辺事業は北米展開」という構造になっています。
ミニ解説
現在のロウズは「米国のホームセンター」だけで見ると実態を捉えにくくなっています。小売店舗、オンライン、ホームサービスに加え、ADG・FBMを通じて専門業者向けの流通・施工分野まで広げているためです。今後は買収事業が売上だけでなく利益にも貢献できるかが重要になります。
配当利回りと権利落ち日
ロウズは2026年5月29日、四半期配当を1株1.20ドルから1.25ドルへ約4%引き上げました。新しい1.25ドルの配当は2026年7月22日を基準日として、2026年8月5日に支払われています。[9]
現在の四半期配当1.25ドルを4倍した年率換算配当は5.00ドルです。2026年8月6日終値218.40ドルを用いると、年率換算の配当利回りは約2.29%となります。[10]
2026年度についてはQ1が1.20ドル、Q2以降を1.25ドルと仮定すると、会計年度ベースの年間配当は4.95ドルになる計算です。今後の配当は取締役会の決議が必要なため、4.95ドルは2026年8月7日時点の参考値です。
年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等
年平均の配当利回り、配当成長率、配当性向、年間1株配当、平均株価、EPSの推移を確認します。
平均株価は暦年ベース、配当とEPSはロウズの会計年度ベースを中心に整理しているため、期間が完全には一致しません。2026年の株価欄は年平均ではなく、2026年8月6日終値を参考値として使用しています。[11]
| 年 | 配当 | 平均株価等 | 年EPS | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 利回り | 成長率 | 配当性向 | 年計($) | |||
| 2026E | 約2.29%* | 約4% | 約41%* | 4.95* 現行年率5.00 |
218.40* | 12.00* GAAP予想中央値 |
| 2025 | 2.03% | 4% | 40% | 4.75 | 234.54 | 11.85 |
| 2024 | 1.95% | 5% | 37% | 4.55 | 233.31 | 12.23 |
| 2023 | 2.20% | 21% | 33% | 4.35 | 198.10 | 13.20 |
| 2022 | 1.84% | 32% | 31% | 3.60 | 201.30 | 11.85 |
| 2021 | 1.35% | 24% | 36% | 2.80 | 207.10 | 7.75 |
| 2020 | 1.62% | 9% | 41% | 2.25 | 139.00 | 5.49 |
| 2019 | 1.90% | 11% | 73% | 2.06 | 108.60 | 2.84 |
| 2018 | 1.93% | 17% | 45% | 1.85 | 95.90 | 4.09 |
| 2017 | 1.93% | 19% | 46% | 1.58 | 81.70 | 3.47 |
| 2016 | 1.79% | 24% | 49% | 1.33 | 74.20 | 2.73 |
| 2015 | 1.49% | 23% | 39% | 1.07 | 71.70 | 2.71 |
| 2014 | 1.64% | 24% | 41% | 0.87 | 53.00 | 2.14 |
| 2013 | 1.59% | 13% | 41% | 0.70 | 44.10 | 1.69 |
| 2012 | 2.04% | 17% | 43% | 0.62 | 30.40 | 1.43 |
| 2011 | 2.25% | 26% | 37% | 0.53 | 23.60 | 1.42 |
| 2010 | 1.81% | 17% | 35% | 0.42 | 23.20 | 1.21 |
| 2009 | 1.76% | 6% | 24% | 0.36 | 20.40 | 1.49 |
| 2008 | 1.52% | 17% | 18% | 0.34 | 22.40 | 1.86 |
*2026Eの利回りは2026年8月6日終値218.40ドルと現行四半期配当1.25ドルの年率換算5.00ドルから算出。年間配当4.95ドルは、2026年度Q1の1.20ドルと、それ以降1.25ドルが継続すると仮定した参考値です。EPSは2026年度GAAP EPSガイダンス11.75~12.25ドルの中央値12.00ドルを使用しています。
半世紀を超える長期増配実績
ロウズは1961年の上場以降、毎四半期現金配当を支払っており、長期にわたって増配を続けている代表的な米国企業です。会社自身は2026年5月の発表で「25年以上連続増配を行うDividend Aristocrat」と説明しています。一方、外部の長期配当データでは50年以上の連続増配企業として扱われています。集計の起点や定義によって連続年数の表記に差があるため、本稿では特定の年数を断定せず「半世紀超の長期増配実績」と整理します。[9][12]
2025年5月には四半期配当を1.15ドルから1.20ドルへ引き上げ、2026年5月にはさらに1.25ドルへ増配しました。近年の増配率は2022~2023年の大幅増配期より低下していますが、M&Aへの投資と債務削減を進めるなかでも増配を継続しています。
配当性向は40%前後
2025年度はGAAP EPS11.85ドルに対して年間配当4.75ドルで、配当性向は約40%でした。
2026年度について、年間配当を4.95ドル、GAAP EPS会社予想の中央値を12.00ドルとすると、配当性向は約41%です。現在の年率換算配当5.00ドルで計算しても約42%であり、利益ベースではなお一定の余裕があります。
また、調整後EPSガイダンスの中央値12.50ドルに対する現行年率配当5.00ドルの配当性向は約40%です。買収関連の無形資産償却を含むGAAPと、それを除いた調整後EPSの双方を確認するのが適切です。[1]
配当の持続可能性:キャッシュフローから確認
配当の安全性を見る場合、EPSだけでなく営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローも重要です。
2025年度のキャッシュフロー
- 営業CF:98.64億ドル
- 設備投資:22.13億ドル
- フリーCF:76.51億ドル
- 配当支払額:26.36億ドル
2025年度はFCF76.51億ドルに対して配当支払額が26.36億ドルだったため、FCFは配当の約2.9倍ありました。現金創出力だけを見ると、配当余力は比較的大きい状態です。[5]
2026年度Q1
- 営業CF:33.50億ドル
- 設備投資:5.21億ドル
- フリーCF:約28.29億ドル
- 配当支払額:6.74億ドル
2026年度Q1では、営業CFは配当の約5.0倍、FCFは配当の約4.2倍でした。四半期ごとの運転資本変動があるため単純比較はできませんが、少なくとも直近の現金創出力だけを理由に配当削減を警戒する状態ではありません。[13]
財務パフォーマンスと成長見通し
以下は売上高、営業CF、純利益の長期推移です。単位は百万ドル(M$)です。
| 年度 | 売上高 | 営業CF | 営業CF マージン |
純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026 Q1 | 23,078 | 3,350 | 14.5% | 1,628 |
| 2026E | 92,000~94,000 | — | — | — |
| 2025 | 86,286 | 9,864 | 11.4% | 6,654 |
| 2024 | 83,674 | 9,625 | 11.5% | 6,957 |
| 2023 | 86,377 | 8,140 | 9.4% | 7,726 |
| 2022 | 97,059 | 8,589 | 8.8% | 6,437 |
| 2021 | 96,250 | 10,113 | 10.5% | 8,442 |
| 2020 | 89,597 | 11,049 | 12.3% | 5,835 |
| 2019 | 72,148 | 4,296 | 6.0% | 4,281 |
| 2018 | 71,309 | 6,193 | 8.7% | 2,314 |
| 2017 | 68,619 | 5,065 | 7.4% | 3,447 |
| 2016 | 65,017 | 5,617 | 8.6% | 3,093 |
| 2015 | 59,074 | 4,784 | 8.1% | 2,546 |
| 2014 | 56,223 | 4,929 | 8.8% | 2,698 |
| 2013 | 53,417 | 4,111 | 7.7% | 2,286 |
| 2012 | 50,521 | 3,762 | 7.4% | 1,959 |
| 2011 | 50,208 | 4,349 | 8.7% | 1,839 |
| 2010 | 48,815 | 3,852 | 7.9% | 2,010 |
| 2009 | 47,220 | 4,054 | 8.6% | 1,783 |
| 2008 | 48,230 | 4,122 | 8.5% | 2,195 |
2026年度Q1:買収効果で総売上は大きく増加
2026年度Q1の総売上高は230.78億ドルで、前年同期比10.3%増でした。しかし既存店売上高は0.6%増にとどまっています。
つまり、現在のロウズを見る際には「連結売上の増加」と「既存事業の成長」を分けて考える必要があります。ADG・FBMの買収効果による増収は大きい一方、米国のホームインプルーブメント市場そのものはまだ本格回復とは言いにくい状況です。[1]
住宅市場の回復が中期的な鍵
ロウズは住宅市場への感応度が高い企業です。住宅売買が増えると、新居への引っ越しに伴う家電、塗装、床材、設備、リフォームなどの需要が発生しやすくなります。
逆に、高い住宅ローン金利や住宅価格の高止まりによって住宅取引件数が低迷すると、大型DIYや大型リフォームへの支出が抑えられます。2026年度Q1でも会社は住宅市場環境を厳しいと評価する一方、Pro、オンライン、家電、ホームサービスの成長によって影響を補っています。[1]
財務構造:大型買収後のデレバレッジが焦点
ロウズは長年、自社株買いを積極的に行ってきたため、株主資本がマイナスとなっています。このため、一般企業のように自己資本比率だけで財務安全性を評価するのは適切ではありません。
2026年5月1日時点の総資産は549.41億ドル、総負債は642.11億ドル、株主資本はマイナス92.70億ドルでした。長期債務は流動部分を除いて367.51億ドルあります。[14]
2025年度にはADG・FBMの買収資金などを背景に69.74億ドルの債務を新規発行しました。2026年度Q1には23.76億ドルの債務返済を行っています。[5][13]
会社は2026年度Q1末の調整後Debt/EBITDARを3.1倍と説明し、2027年半ばまでに2.75倍へ戻すことを目標としています。したがって、現在は積極的な自社株買いを続ける局面というより、M&A後のデレバレッジを重視する局面と見ることができます。[15]
自社株買いは大幅に縮小
2024年度には約40.53億ドルの自社株買いを行いましたが、2025年度は2.11億ドルまで大幅に減少しました。2026年度Q1の自社株買いは3.63億ドルです。[5][13]
株主還元を停止したわけではなく、配当は増配していますが、買収資金の返済を優先するために資本配分の重点が変わっています。
財務面で見るポイント
- 配当は営業CF・FCFで十分にカバーされています。
- 一方、ADG・FBM買収により有利子負債と利払い負担は増えました。
- 今後はDebt/EBITDARが3.1倍から2.75倍へ低下するかを確認したいところです。
- 債務削減が順調なら、将来的に自社株買いを再び拡大できる余地があります。
今後の見通し
ロウズの中期的な投資判断では、次の点が重要です。
- 住宅市場:住宅ローン金利低下や住宅取引回復がDIY・大型リフォーム需要につながるか。
- 既存店売上:2026年度会社予想の横ばい~2%増を達成できるか。
- Pro:DIYより安定しやすい専門業者向け売上を継続的に伸ばせるか。
- ADG・FBM:買収による売上拡大だけでなく、Otherセグメントを黒字化できるか。
- オンライン:2026年度Q1の15.5%増という高い成長率を維持できるか。
- 利益率:買収関連償却、物流、関税、仕入れコストを吸収しながら営業利益率を維持できるか。
- 負債:2027年半ばまでに調整後Debt/EBITDARを2.75倍へ下げられるか。
- 配当:配当性向40%前後と強いFCFを背景に長期増配を維持できるか。
まとめ:ロウズの投資価値
ロウズは、現在の配当利回りだけを見ると約2%台であり、一般的な「高配当株」ではありません。一方で、長期にわたる増配、強いキャッシュフロー、全米規模の店舗網、Pro・オンライン・ホームサービスへの展開を組み合わせて評価できる配当成長株です。
2025年度にはADGとFBMを買収し、従来のDIY・ホームセンター中心の事業から、プロ向け専門流通・内装施工まで対象市場を広げました。2026年度Q1ではこの買収効果により総売上高が10.3%増えています。
一方、既存店売上高は0.6%増にとどまり、米国住宅市場そのものはまだ厳しい状態です。また、大型M&Aによって債務と無形資産償却が増えているため、今後は「売上成長」だけではなく、買収事業の利益率と債務削減を確認する必要があります。
配当については2026年5月に1株1.25ドルへ増配され、2026年8月6日終値ベースの年率換算利回りは約2.29%です。配当性向は40%前後、2025年度FCFは配当支払額の約2.9倍あり、現時点では配当の持続可能性に大きな問題は見えません。
ミニ解説:LOWは「高い利回りを今すぐ受け取る銘柄」よりも、長期増配+住宅市場回復+Pro事業拡大を狙う銘柄と考えるほうが実態に近いでしょう。現在は住宅市場低迷と大型買収後の負債が株価の重しですが、住宅需要が回復し、ADG・FBMの収益性が改善すれば利益成長の余地があります。
よくある質問
ロウズの配当削減リスクは高いですか?
2026年8月7日時点では高いとは考えにくい状況です。2026年度予想ベースの配当性向は40%前後で、2025年度FCFも配当支払額を約2.9倍カバーしています。ただし、大型買収後の負債が増えているため、今後はFCFと債務削減の進捗をあわせて見る必要があります。
なぜ株主資本がマイナスなのですか?
主因は長年にわたる大規模な自社株買いです。株主資本がマイナスだから直ちに経営危機という意味ではありません。ロウズの場合は、営業CF、FCF、債務、利払い負担、Debt/EBITDARなどをあわせて評価する必要があります。
Total Home戦略とは何ですか?
単に店舗でDIY用品を販売するのではなく、新築、修繕、改装、内装施工、ホームサービス、プロ向け建材流通など、住宅に関連する支出全体を取り込む戦略です。ADGとFBMの買収はその戦略を大きく進めるものです。
金利が下がればロウズの業績は改善しますか?
一般には追い風になりやすいと考えられます。住宅ローン金利の低下によって住宅取引が増えれば、引っ越しやリフォームに関連する支出が増える可能性があります。ただし、金利だけでなく住宅価格、雇用、消費者心理なども影響します。
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について市場予想と実績を確認します。
売上高とEPSについて、アナリスト平均予想と会社発表を比較します。単位はEPSがドル、売上高が100万ドルです。
直近の2026年度Q1は、調整後EPSが予想2.97ドルに対して3.03ドル、売上高が予想約229.7億ドルに対して230.78億ドルとなり、双方とも市場予想を上回りました。次回Q2決算は2026年8月19日の予定で、2026年8月7日時点の市場予想は調整後EPS約4.25ドル、売上高約262.7億ドルです。[2][3]
※本記事は2026年8月7日時点で確認できる公開情報をもとに作成したものであり、特定銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。業績予想、決算予定日、アナリスト予想、配当、株価などはその後変更される可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。
【注】(出典リンク)
- 2026年度Q1業績・既存店売上・オンライン売上・通期ガイダンス → Lowe’s Reports First Quarter 2026 Sales and Earnings Results → Lowe’s Q1 2026 Earnings Release(SEC)(確認日:2026-08-07) ↩
- 2026年度Q1市場予想・決算サプライズ → Reuters:Lowe’s Q1 2026 → Investing.com:LOW Earnings(確認日:2026-08-07) ↩
- 次回2026年度Q2決算日・発表タイミング・市場予想 → Lowe’s Events & Presentations → Investing.com:Q2予想 → MarketBeat:Q2 2026 Earnings(確認日:2026-08-07) ↩
- 店舗数・販売面積・企業概要 → Lowe’s Q1 FY2026 Earnings Release → Lowe’s Investor Relations(確認日:2026-08-07) ↩
- 2025年度業績・キャッシュフロー・買収支出・自社株買い → Lowe’s 2025 Annual Report → Lowe’s Q4/FY2025 Earnings Release(確認日:2026-08-07) ↩
- ADG買収完了・Pro向け内装設計/流通/施工事業 → Lowe’s Completes Acquisition of Artisan Design Group(確認日:2026-08-07) ↩
- FBM買収完了・専門建材流通事業 → Lowe’s Completes Acquisition of Foundation Building Materials → Reuters:FBM買収(確認日:2026-08-07) ↩
- 2026年度Q1セグメント構成・Retail Home Improvement・Other → Lowe’s Form 10-Q(2026年度Q1、SEC)(確認日:2026-08-07) ↩
- 2026年5月増配・四半期配当1.25ドル・支払日 → Lowe’s Announces Increase in Quarterly Cash Dividend to $1.25(確認日:2026-08-07) ↩
- 2026年8月6日株価・配当利回り算定 → MarketWatch LOW → Yahoo Finance LOW(2026年8月6日終値218.40ドル、現行年率配当5.00ドルから当サイト算出、確認日:2026-08-07) ↩
- 平均株価・長期株価データ → Macrotrends:Lowe’s Stock Price History → Lowe’s Annual Reports(確認日:2026-08-07) ↩
- 長期連続増配・Dividend Aristocrat → Lowe’s 2026 Dividend Increase → Kiplinger:Lowe’s Dividend Growth History(確認日:2026-08-07) ↩
- 2026年度Q1営業CF・CAPEX・配当・自社株買い・債務返済 → Lowe’s Q1 FY2026 Earnings Release → Lowe’s Form 10-Q(2026年度Q1、SEC)(確認日:2026-08-07) ↩
- 2026年5月1日時点の総資産・総負債・株主資本・債務 → Lowe’s Form 10-Q(Balance Sheet)(確認日:2026-08-07) ↩
- 調整後Debt/EBITDAR 3.1倍・2027年半ば2.75倍目標 → Lowe’s Q1 FY2026 Earnings Call Transcript(確認日:2026-08-07) ↩

