MA(マスターカード)今後の見通し
マスターカード(Mastercard Incorporated)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(VとMAを比較:ビザとマスターカードの株価·決算)を参照
直近決算
MA(マスターカード)は7月31日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想4.03$→結果4.15$
・売上高:予想79.3億$→結果81.3億$(前年同期比+16%)
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。
企業概要
マスターカード(Mastercard Incorporated、ティッカー:MA)は、VISAと並ぶ国際決済ネットワークの中核企業で、本社(グローバルHQ)は米国ニューヨーク州パーチェスにあります。決済ネットワークの運営に加え、サイバーセキュリティやデータ分析等の付加価値サービスも拡充しています(2024通期・2025年時点)。[1][2]
世界中で展開する決済ネットワークと多角的なサービスを背景に、以下の点で高い市場シェアと競争優位性を維持しています。2024通期の純売上高は282億ドル。収益構成は「国内アセスメント」「取引処理」「越境」「付加価値サービス(Cyber & Intelligence、Data & Services など)」から成り、越境・取引件数の増加が成長を牽引しています。[2]
2025年Q2(公表日:2025-07-31)時点では、現地通貨ベースで越境取扱高+15%、スイッチト取引件数+10%、GDV(総取扱高)も一段の拡大を示しました。[3]
最新のデジタル技術を導入し、オンライン決済やモバイル決済、フィンテック分野で革新的なサービスを展開。とりわけオンラインのワンクリック標準「Click to Pay」や、ネットワークトークナイゼーション基盤「MDES(Mastercard Digital Enablement Service)」の拡充で、加盟店・発行体・消費者の体験と安全性を高めています。[6][7]
また、Recorded Futureの買収(2024年12月完了)により脅威インテリジェンス領域を強化するなど、サイバー防御と不正対策を中核機能として取り込みました。[2][8]
その社史は、1966年に複数行が設立した「Interbank Card Association(ICA)」に遡ります。1979年に「MasterCard」ブランドへ刷新。2006年にニューヨーク証券取引所へ新規上場(IPO)し、今日に至るまでグローバルな決済エコシステムの中核を担っています。[4][5]
その事業は、主に決済ネットワークの運営と、それに関連するサービスの提供に集約されます(2024通期~2025年)。[2]
★決済ネットワーク
世界中の加盟店、金融機関、消費者を結ぶ基幹ネットワークで、リアルタイムに数十億件の取引を処理。国内アセスメント・取引処理・越境収入がコア収益源です。[2][3]
★決済カード事業
提携金融機関を通じて、クレジット・デビット・プリペイド等のカードを発行・利用可能に。ネットワークトークン(MDES)や非接触決済の普及でオンライン/実店舗の承認率と安全性を向上。[7]
★デジタル決済およびモバイルサービス
「Click to Pay」により、カード番号入力の省略・トークン化・生体認証等を組み合わせ、離脱抑止と不正抑止を両立。[6]
★付加価値サービス
データ分析・コンサル・ロイヤルティ、サイバー&不正対策(C&I)などを提供。Recorded Futureの統合で脅威インテリジェンスを強化。[2][8]
ひとことで:マスターカードは「ネットワーク×付加価値」の二層モデル。2025年は越境・取引件数が堅調、Click to PayとMDESでECの安全・利便を高め、Recorded Future統合でサイバー防御を一段強化しています。[3][6][8]
【注】(出典リンク)
- 本社所在地(Purchase, NY グローバルHQ) → Global Locations(公式)(確認日:2025-09-23) ↩
- 2024通期 10-K(純売上高$28.2bn、収益区分、Recorded Future買収完了の注記 等) → Form 10-K 2024(SEC) → 年次報告PDF(確認日:2025-09-23) ↩
- 2025年Q2決算(越境+15%、スイッチト取引+10%、GDV拡大) → Earnings Release PDF(2025-07-31) → ニュース(公式)(確認日:2025-09-23) ↩
- 沿革(ICA設立→MasterCardブランド) → Brand History(公式)(確認日:2025-09-23) ↩
- IPO(2006年5月、価格$39) → IRリリース(2006-05-24) → SEC 424B4 目論見書(確認日:2025-09-23) ↩
- Click to Pay(オンラインの標準化チェックアウト) → 製品ページ(個人向け) → 導入ページ(事業者向け)(確認日:2025-09-23) ↩
- MDES(ネットワークトークン化) → Mastercard Developers:MDES → MDES Digital Enablement(確認日:2025-09-23) ↩
- Recorded Futureの買収(脅威インテリジェンス強化) → Reuters(2024-09-12:発表) → (参考)統合言及/公式トピック(確認日:2025-09-23) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】

