MA(マスターカード)今後の見通し

株価•決算,金融

マスターカード(Mastercard Incorporated)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(VとMAを比較:ビザとマスターカードの株価·決算)を参照

直近決算

MA(マスターカード)は4月30日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想4.41$→結果4.6$
・売上高:予想82.6億$→結果84億$(前年同期比+15%)
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。

企業概要

マスターカード(Mastercard Incorporated、ティッカー:MA)は、VISAと並ぶ国際決済ネットワークの中核企業で、本社(グローバルHQ)は米国ニューヨーク州パーチェスにあります。決済ネットワークの運営に加え、サイバーセキュリティ、不正検知、データ分析、認証、コンサルティング等の付加価値サービスも拡充しています。2025年Form 10-Kでは、収益を大きくPayment networkValue-added services and solutions(VASS)の2区分で説明しています。[1]

世界中で展開する決済ネットワークと多角的なサービスを背景に、以下の点で高い市場シェアと競争優位性を維持しています。2025年通期の純売上高は327.91億ドルで、2024年通期の281.67億ドルから16%増でした。収益構成は、Payment networkが194.76億ドル、Value-added services and solutionsが133.15億ドルです。越境取扱高、スイッチト取引件数、付加価値サービスの拡大が成長を牽引しています。[2]

2026年1–3月期(Q1、発表日:2026年4月30日)では、純売上高は83.98億ドルで前年同期比16%増、為替中立ベースで12%増でした。純利益は38.82億ドル、希薄化後EPSは4.35ドル、調整後希薄化後EPSは4.60ドルでした。事業指標では、現地通貨ベースでGDV(総取扱高)+7%越境取扱高+13%スイッチト取引件数+9%となっています。[3]

最新のデジタル技術を導入し、オンライン決済、モバイル決済、フィンテック、AIエージェントによる商取引、ステーブルコインなどの分野でサービスを展開しています。とりわけオンラインのワンクリック標準「Click to Pay」や、ネットワークトークナイゼーション基盤「MDES(Mastercard Digital Enablement Service)」の拡充で、加盟店・発行体・消費者の体験と安全性を高めています。2026年Q1には、AIエージェントによる商取引を支えるMastercard Agent Payにも言及し、次世代のデジタル決済領域を広げています。[4]

また、Recorded Futureの買収(2024年12月完了)により脅威インテリジェンス領域を強化するなど、サイバー防御と不正対策を中核機能として取り込みました。2025年Form 10-Kでは、Recorded Futureを通じてグローバルな脅威インテリジェンスサービスを提供することにより、サイバー犯罪関連規制などへの対応範囲が広がることもリスク要因として示されています。[5]

その社史は、1966年に複数の銀行が設立した「Interbank Card Association(ICA)」に遡ります。1979年に「MasterCard」ブランドへ刷新。2006年にニューヨーク証券取引所へ新規上場(IPO)し、今日に至るまでグローバルな決済エコシステムの中核を担っています。[6]

その事業は、主に決済ネットワークの運営と、それに関連するサービスの提供に集約されます(2025年通期〜2026年Q1)。[2]

決済ネットワーク
世界中の加盟店、金融機関、消費者を結ぶ基幹ネットワークで、リアルタイムに大量の取引を処理します。国内アセスメント、越境アセスメント、取引処理アセスメント、その他ネットワークアセスメントがコア収益源です。2025年通期のPayment network純売上高は194.76億ドルで、前年比12%増でした。2026年Q1のPayment network純売上高は49.48億ドルで、前年比12%増、為替中立ベースで8%増でした。[2][3]

決済カード事業
提携金融機関を通じて、クレジット・デビット・プリペイド等のカードを発行・利用可能にします。2026年3月31日時点で、同社顧客は37億枚のMastercardおよびMaestroブランドのカードを発行していました。ネットワークトークン(MDES)や非接触決済の普及で、オンライン/実店舗の承認率と安全性を向上させています。[3][4]

デジタル決済およびモバイルサービス
「Click to Pay」により、カード番号入力の省略・トークン化・生体認証等を組み合わせ、離脱抑止と不正抑止を両立します。加えて、2026年3月にはステーブルコイン・インフラ企業BVNKを最大18億ドル(3億ドルの条件付支払いを含む)で買収する最終合意を発表しました。取引は規制当局の承認等を条件に、2026年末までの完了が見込まれています。これは、法定通貨レールとオンチェーン決済をつなぐ能力を強化する動きです。[7]

付加価値サービス
データ分析・コンサルティング・ロイヤルティ、サイバー&不正対策、デジタル認証、ビジネスインサイト、消費者獲得・エンゲージメント支援などを提供します。2025年通期のValue-added services and solutions純売上高は133.15億ドルで、前年比23%増、為替中立ベースで21%増でした。2026年Q1の同純売上高は34.50億ドルで、前年比22%増、為替中立ベースで18%増となり、全社純売上高の約41%を占めています。[8]

ひとことで:マスターカードは「ネットワーク×付加価値」の二層モデルです。2026年Q1は、GDV・越境・取引件数がすべて増加し、VASSも二桁成長を維持しました。Click to PayとMDESでECの安全・利便性を高め、Recorded Futureでサイバー防御を強化し、BVNK買収でステーブルコイン決済への対応も進めています。[3][5][7]

【注】(出典リンク)

  1. 本社所在地・事業概要・収益区分 → Mastercard Global LocationsMastercard 2025 Form 10-K(確認日:2026-05-10)
  2. 2025年通期純売上高・Payment network/VASS・主要ドライバー → Mastercard 2025 Form 10-KFY2025 Q4/通期決算案内(確認日:2026-05-10)
  3. 2026年Q1決算・GDV・越境取扱高・スイッチト取引件数・発行カード数・株主還元 → Mastercard 2026 Q1 Earnings Release PDFMastercard Earnings Review Q1 2026(確認日:2026-05-10)
  4. Click to Pay・MDES・Agent Pay → Mastercard Click to PayMastercard Developers: MDESMastercard 2026 Q1 Earnings Release PDF(確認日:2026-05-10)
  5. Recorded Future買収・脅威インテリジェンス・サイバー規制リスク → Recorded Future: Mastercardによる買収発表Reuters: Recorded Future買収Mastercard 2025 Form 10-K(確認日:2026-05-10)
  6. 沿革・ICA設立・MasterCardブランド・IPO → Mastercard Brand HistoryMastercard IPOリリース(確認日:2026-05-10)
  7. BVNK買収・ステーブルコイン決済インフラ → Mastercard: BVNK買収発表Reuters: BVNK買収(確認日:2026-05-10)
  8. VASS成長・セキュリティ/デジタル認証/データ分析・VASS比率 → Mastercard 2025 Form 10-KMastercard 2026 Q1 Earnings Presentation(確認日:2026-05-10)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢