MCD(マクドナルド)今後の見通し
マクドナルド(McDonald’s Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(MCDとYUMを比較:マクドナルドとヤムブランズ)を参照
直近決算
MCD(マクドナルド)は8月6日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想3.15$→結果3.19$
・売上高:予想67億$→結果68.4億$(前年同期比+5%)
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。
企業概要
マクドナルドは世界最大級のファストフードブランドです。統一された品質基準と効率的な店舗運営を強みとして、各国の市場に適応した戦略を展開しています。グローバル戦略は「Accelerating the Arches(ATA)」と、その柱であるM-C-D(Maximize Marketing/Commit to the Core/Double-down on the 4Ds=Digital・Delivery・Drive-Thru・Development)に整理されています[A1][A2]。
店舗数と展開地域:2024年末時点で、世界100以上の国で43,477店舗(前年41,822)に到達しました。米国13,557、中国本土6,820、日本2,989などが大きな構成比を占めます[A3]。また、会社公表文では「世界44,000超の拠点」との最新表現が用いられています[A4]。
マクドナルドは、①ハンバーガー・フライドポテト・ドリンクなどの定番商品、②地域ごとに開発されたローカルメニュー、③季節限定のプロモーションメニューといった多様な商品展開を行っています。2024年以降は「Best Burger」やチキン系(McCrispy など)の強化、価値訴求($5 Meal Deal や各国のバリューメニュー)をグローバルに推進しています[A5][A6]。
ビジネスモデル(フランチャイズ):マクドナルドの最大の特徴はフランチャイズ方式です。2024年末時点で全体の約95%がフランチャイズ店舗で、ロイヤルティや賃料収入が主要な収益源となります[A7]。セグメント別では、米国・国際直営市場(IOM)・国際ディベロップメンタル/ライセンシー(IDL)の3区分で運営され、各市場でフランチャイズ比率は高水準です[A8]。
デジタル・デリバリーの拡大:ロイヤルティ会員は60市場で拡大し、2024年に1億7,500万人(90日アクティブ)を公表、2027年に2億5,000万人を目標としています。2025年Q2時点では、ロイヤルティ会員によるTTM売上が約330億ドルに達しました[A9][A10]。モバイル注文の待ち時間を短縮する「Ready on Arrival」のグローバル展開も進み、主要6市場での導入を目指しています[A11]。
成長投資とフォーマット:2027年末までに5万店舗到達を目標に新規出店を加速中です[A12]。小型・高効率フォーマットの検証として飲料特化の「CosMc’s」を試験導入しましたが、2025年に単独ブランドとしての展開は終了し、得られた学びを活かした飲料メニューのテストを既存店舗で拡大しています[A13][A14]。
沿革:1940年にマクドナルド兄弟が米カリフォルニア州で創業。1954年にレイ・クロックが参入し、フランチャイズモデルを本格導入、効率的な「スピーディ・サービス・システム」を確立しました。1970年代には海外展開を加速し、日本では1971年に銀座で1号店が開店しました[A15][A16]。
最近の運営テーマ:①モバイルアプリによる注文・決済、②デリバリーの更なる拡充、③店舗・サプライの効率化(データ活用や自動化、オペレーションの標準化)。いずれも4Ds(Digital・Delivery・Drive-Thru・Development)に紐づき、価値訴求(Value)とメニューの核(Core)を組み合わせて地域ごとに最適化しています[A17]。
ミニ解説
・フランチャイズの収益:本部はロイヤルティや賃料が主な収入。店舗はオーナーが運営するため、拡大のスピードと収益の安定性が両立しやすい。
・M-C-D:Marketing(話題・価値訴求)×Core(ハンバーガー・チキンなど主力)×4Ds(デジタル・デリバリー・ドライブスルー・新規出店)。
・Ready on Arrival:来店直前の位置情報で注文を先行準備。待ち時間短縮と回転率向上を狙う取り組み。
【出典(脚注)】
- [A1] Accelerating the Arches(公式) リンク ↩
- [A2] Accelerating the Arches – Strategic Plan 2024(Best Burger、4Ds 等) PDF ↩
- [A3] Restaurants by Market 2024(年末店舗数:Total 43,477/US 13,557/China 6,820/Japan 2,989) PDF ↩
- [A4] 2025年Q2決算リリース(“over 44,000 locations”、95%フランチャイズ) PDF ↩
- [A5] Best Burger/チキン強化ほか(ATA計画) PDF ↩
- [A6] 2024通期ハイライト(価値訴求・システム売上など) IRページ ↩
- [A7] 2024年 10-K(約95%フランチャイズ) SEC 10-K ↩
- [A8] 国・セグメント別のフランチャイズ比率(補足表) PDF ↩
- [A9] 年次報告(ロイヤルティ1.75億人/60市場、2027年2.5億目標) 年次報告 ↩
- [A10] 2025年Q2決算(ロイヤルティTTM売上 約$33B) PDF ↩
- [A11] Digitizing the Arches(Ready on Arrival 概要) 公式記事/補足 Customer Experience Dive ↩
- [A12] 2027年末 5万店舗目標(年次報告) 年次報告 ↩
- [A13] CosMc’s単独ブランド終了(2025/5報道) Reuters/AP ↩
- [A14] 公式:CosMc’sの知見を既存店の飲料テストへ活用(2025/5) McDonald’s公式 ↩
- [A15] 公式ヒストリー(レイ・クロック参入など) History ↩
- [A16] 日本1号店(1971年・銀座)年表 日本マクドナルドHD ↩
- [A17] 4Dsを含む戦略枠組みの説明(公式) リンク ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
EPSと売上:予想:結果
【出典】