【QCOM】クアルコムの株価と決算、配当

2019年11月6日

広告

クアルコム(QUALCOMM, Inc.)は携帯電話などで用いる半導体の大手メーカーです。

デジタル・ワイヤレス通信機器メーカーとして、携帯向けの符号分割多重接続(CDMA)方式の技術を開発し、それをライセンス供与し、ロイヤリティ収益を得ています(工場を持たないファプレス企業として、生産はファウンドリーなどに委託)。

直交周波数分割多重接続(OFDMA)方式やスマートフォン向け画像処理にも強みがあります。

現在、先進国における5G、新興国における4Gの高速データ通信に焦点を当てています。

2018年9月時点の事業別売上高は以下の通り。

  • QCT(クアルコムCDMAテクノロジー):76%
  • QTL(クアルコムテクノロジーライセンス):22.7%
  • その他:1.7%

地域別売上高は、中国が66.6%、韓国が14%、米国が2.6%、その他が16.7%。

2015年には英CSRを買収。2017年11月にはAVGO(ブロードコム)から買収提案を受けました。

AVGOによるクアルコム買収は実現しそうになったのですが、2018年3月にトランプ政権はクアルコム買収は安全保障上の懸念があると判断。AVGOは提案を取り下げました。

19年に入り、5GでAAPLよりも先手をうち、5Gの米携帯ではクアルコムが優勢になっています。

これが功を奏したのか、AAPLは従来の訴訟合戦(知財紛争)を取りやめ、クアルコムとの和解を決断。

アイフォンに4Gの半導体を提供していたインテルは5G携帯から撤退したため、AAPLはクアルコムから取り寄せることを決めました。

結局、AAPLは同社と和解して、5G時代へのキャッチアップを急いだわけです。

クアルコムは、4/16~17に株価爆上げとなりました。

ただ、その後、5/22にカリフォルニア州で米連邦地裁がQCOMは反トラスト法(米国の独占禁止法)に違反したと判断。

携帯向け半導体市場で優位的地位を用いて電話メーカーに高すぎる特許使用料を課したとみなされ、大きな株価下落が起きました。

広告

主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(指標と株価はgooglefinance関数から取得。配当利回り〔税込〕のみブルームバーグ)

1/2株価 56.2
11/1株価 83.6
株価上昇率 48.72%
52週高値 90.3
52週安値 49.1
EPS -3.03
PER #N/A
配当利回り 2.97%
時価総額(億$) 1016
株式数(億) 12.2

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。

株価の推移を1年ごとに見てみましょう

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は11/1)
QCOM 初値 終値 上昇率
2019 56.2 83.6 49%
2018 64.4 56.9 -12%
2017 65.9 64 -3%
2016 49.4 65.2 32%
2015 74.5 50 -33%
2014 73.6 74.3 1%
2013 63.6 74.3 17%
2012 55.8 61.9 11%
2011 49.9 54.7 10%
2010 46.7 49.5 6%
2009 35.9 46.3 29%
2008 38.2 35.8 -6%
★2:各年初から19/11/1までの伸び率
19年~ 18年~ 17年~ 16年~
49% 30% 27% 69%
15年~ 14年~ 13年~ 12年~
12% 14% 31% 50%
11年~ 10年~ 09年~ 08年~
68% 79% 133% 119%

配当利回りと配当性向

さらに、配当利回りを見てみます。

権利落ち日 配当 利回り 株価
2019/12/05 0.62 #N/A #N/A
2019/09/12 0.62 3.14% 79.1
2019/06/06 0.62 3.67% 67.6
2019/03/07 0.62 4.59% 54
2018/12/06 0.62 4.25% 57.1
2018/09/05 0.62 3.36% 70.9
2018/05/30 0.62 3.99% 58.4
2018/02/28 0.57 3.51% 65
2017/11/29 0.57 3.37% 66.5
2017/08/30 0.57 4.22% 52.1
2017/05/31 0.57 3.77% 57.3
2017/03/01 0.53 3.72% 57

配当性向の推移もモーニングスター(MS)社のデータで確認してみましょう。

★配当性向=1株当たり配当÷EPS×100〔純利益から配当金を支払っている割合〕

★単純計算=EPS÷1株配当。MS試算=モーニングスター社の試算値

年/月 EPS 配当 配当性向
(GAAP) 単純計算 MS試算
09/9 0.95 0.66 69.5 69.4
10/9 1.96 0.72 36.7 36.7
11/9 2.52 0.81 32.1 30
12/9 3.51 0.93 26.5 30.2
13/9 3.91 1.2 30.7 29.3
14/9 4.65 1.54 33.1 35.4
15/9 3.22 1.8 55.9 47.7
16/9 3.81 2.02 53.0 57.4
17/9 1.65 2.2 133.3 82.8
18/9 -3.32 2.38 -71.7
19/9
20/9      

四半期決算(2019予想など)

さらに、ロイターが調べた四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。

(※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載)。

EPS:予想と結果

予想 11/1 1月前 2月前
Y:2020 4.2 4.21 4.26
Y:2019 3.47 3.47 3.48
Q:19/12 0.84 0.85 0.84
Q:19/9 0.7 0.7 0.71
EPS 予想 結果
19/6 0.75 0.8 0.05 6.7
19/3 0.7 0.77 0.07 10.0
18/12 1.09 1.2 0.11 10.1
18/9 0.83 0.9 0.07 8.4
18/6 0.71 0.75 0.04 5.6
18/3 0.7 0.8 0.1 14.3

売上高:予想と結果

予想 11/1 1月前 2月前
Y:2020 21820 21850 23822
Y:2019 19300 19300 20400
Q:19/12 4880 4890 5660
Q:19/9 4700 4700 5078
売上 予想 結果
19/6 5112 4894 84 4.3
19/3 4800 4884 84 1.8
18/12 4897 4815 -82 -1.7
18/9 5526 5833 307 5.6
18/6 5188 5629 441 8.5
18/3 5186 5231 45 0.9

決算予想と結果では米国会計基準(GAAP)とは違う「非GAAP基準」の数値(各社が経営実態を踏まえて調整した数値)が多用されています。そのため、本節の売上とEPSは次節のGAAP基準の値と同じになるとは限りません。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。

損益計算(売上、純利益等

QCOM 売上高 営業CF 同マージン 純利益
08/9 11142 3558 32% 3160
09/9 10387 7172 69% 1592
10/9 10982 4076 37% 3247
11/9 14957 4900 33% 4260
12/9 19121 5998 31% 6109
13/9 24866 8778 35% 6853
14/9 26487 8887 34% 7967
15/9 25281 5506 22% 5271
16/9 23554 7632 32% 5705
17/9 22291 5001 22% 2466
18/9 22732 3895 17% -4864

*同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや営業利益率など

QCOM SG(%) EPS DSO
08/9 26% 1.9 ?
09/9 -7% 0.95 83.0
10/9 6% 1.96 23.7
11/9 36% 2.52 21.0
12/9 28% 3.51 23.0
13/9 30% 3.91 25.6
14/9 7% 4.65 30.5
15/9 -5% 3.22 31.1
16/9 -7% 3.81 32.0
17/9 -5% 1.65 47.2
18/9 2% -3.32 51.6
19/9 0% 0 0.0

※SG(セールスグロース):売上高成長率(前年度比)

※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。

バランスシート

QCOM 総資産 総負債 株主資本 自己資本率
08/9 24712 6768 17944 73%
09/9 27445 7129 20316 74%
10/9 30572 9714 20858 68%
11/9 36422 9450 26972 74%
12/9 43012 9467 33545 78%
13/9 45516 9429 36087 79%
14/9 48574 9408 39166 81%
15/9 50796 19382 31414 62%
16/9 52359 20591 31768 61%
17/9 65486 34740 30746 47%
18/9 32686 31758 928 3%
       

ROAとROEなど

QCOM ROA ROE 流動比率
08/9 13% 18% 487%
09/9 6% 8% 447%
10/9 11% 16% 222%
11/9 12% 16% 270%
12/9 14% 18% 295%
13/9 15% 19% 375%
14/9 16% 20% 373%
15/9 10% 17% 362%
16/9 11% 18% 314%
17/9 4% 8% 400%
18/9 -15% -524% 155%
     

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合

★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合

★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る指標

キャッシュフロー

QCOM 営業CF 投資CF 財務CF
08/9 3558 -2819 -1307
09/9 7172 -5457 -833
10/9 4076 -839 -2405
11/9 4900 -4489 1518
12/9 5998 -6877 -757
13/9 8778 -1578 -4845
14/9 8887 -1639 -5480
15/9 5506 -3572 -2261
16/9 7632 -3488 -5754
17/9 5001 18463 5571
18/9 3895 4381 -31487