【QCOM】クアルコムの株価と決算、配当

2019年5月23日

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クアルコム(QUALCOMM, Inc.)は携帯電話などで用いる半導体の大手メーカーです。

デジタル・ワイヤレス通信機器メーカーとして自社開発の符号分割多重接続(CDMA)と直交周波数分割多重接続(OFDMA)の知的財産をライセンス供与し、ロイヤリティ収益を得ています(工場を持たないファプレス企業として、生産はファウンドリーなどに委託)。

CDMAベースの集積回路、従業員や資産の移動をトラックするソフトウエア、ワイヤレス ・コンテンツ用ソフトウエアの生産も手掛けています。

2015年には英CSRを買収。2016年にNXP セミコンダクター の買収を発表。

2017年11月には、逆にブロードコムから買収提案を受けました。

(※2017年9月時点でクアルコムの地域別売上高を見ると、中国・香港が65.4%、韓国が15.9%を占めています)

このブロードコムによるクアルコム買収は実現しそうになったのですが、2018年3月にトランプ政権はクアルコム買収は安全保障上の懸念があると判断。3月14日にはブロードコムがクアルコム買収提案を取り下げました。

19年に入り、5Gでアップルよりも先手をうち、5Gの米携帯ではクアルコムが優勢になっています。

これが功を奏したのか、アップルは従来の訴訟合戦(知財紛争)を取りやめ、クアルコムとの和解を決断。

アイフォンに4Gの半導体を提供していたインテルは5G携帯から撤退したため、アップルはクアルコムから取り寄せることを決めました。

結局、アップルは同社と和解して、5G時代へのキャッチアップを急いだわけです。

クアルコムは、4/16~17に株価爆上げとなりました。

ただ、その後、5/22にカリフォルニア州で米連邦地裁がQCOMは反トラスト法(米国の独占禁止法)に違反したと判断。携帯向け半導体市場で優位的地位を用いて電話メーカーに高すぎる特許使用料を課したとみなされました。

その結果、かなり大きな株価下落が起きました。

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主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(出所はグーグルファイナンスなど)。

1/2株価 56.2
5/22株価 69.3
株価上昇率 23.3%
52週高値 90.3
52週安値 49.1
EPS 1.89
PER 36.58
配当(利回り) 2.48(3.57%)
時価総額(億$) 843
株式数(億) 12.2

株価推移(チャートと伸び率)

次に、クアルコムの株価の推移を見てみます。

青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線です。

その株価の推移を1年ごとに見てみましょう。

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は5/22)
QCOM 初値 最安 最高 終値 上昇率
2019 56.2 49.4 58.1 69.3 23%
2018 64.4 49.8 75.1 56.9 -12%
2017 65.9 49.6 68.9 64.0 -3%
2016 49.4 43.0 70.1 65.2 32%
2015 74.5 46.8 74.5 50.0 -33%
2014 73.6 69.3 81.6 74.3 1%
2013 63.6 59.4 74.3 74.3 17%
2012 55.8 53.6 68.6 61.9 11%
2011 49.9 46.4 59.6 54.7 10%
2010 46.7 32.0 50.0 49.5 6%
2009 35.9 32.8 48.5 46.3 29%
2008 38.2 29.2 56.4 35.8 -6%
★2:各年初から2019/5/22までの伸び率
19年~ 18年~ 17年~ 16年~ 15年~ 14年~
23% 8% 5% 40% -7% -6%
13年~ 12年~ 11年~ 10年~ 09年~ 08年~
9% 24% 39% 48% 93% 81%

配当利回りと配当性向

さらに、配当利回りを見てみます。

権利落ち日 1株配当 配当利回り 当日株価
2019/06/06 0.62 #N/A #N/A
2019/03/07 0.62 4.6% 54.0
2018/12/06 0.62 4.3% 57.1
2018/09/05 0.62 3.4% 70.9
2018/05/30 0.62 4.0% 58.4
2018/02/28 0.57 3.5% 65.0
2017/11/29 0.57 3.4% 66.5
2017/08/30 0.57 4.2% 52.1
2017/05/31 0.57 3.8% 57.3
2017/03/01 0.53 3.7% 57.0
2016/11/30 0.53 3.0% 68.1
2016/08/31 0.53 3.2% 63.1
2016/06/01 0.53 3.6% 54.8

配当性向の推移もモーニングスター(MS)社のデータで確認してみましょう。

★配当性向=1株当たり配当÷EPS×100〔純利益から配当金を支払っている割合〕

★MS社は非GAAPのEPSで配当性向を試算。GAAP基準のEPS試算〔=単純計算〕の箇所は筆者挿入。GAAP基準のEPS試算(=単純計算)の箇所は筆者挿入。

年/月 EPS 配当 配当性向
(GAAP) 単純計算 MS試算
2009/9 0.95 0.66 69.5 69.4
2010/9 1.96 0.72 36.7 36.7
2011/9 2.52 0.81 32.1 30
2012/9 3.51 0.93 26.5 30.2
2013/9 3.91 1.2 30.7 29.3
2014/9 4.65 1.54 33.1 35.4
2015/9 3.22 1.8 55.9 47.7
2016/9 3.81 2.02 53 57.4
2017/9 1.65 2.2 133.3 82.8
2018/9 -3.32 2.38 マイナス値 ?

四半期決算(予想と実値)

さらに、ロイターが調べた四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます(2019/5/5、売上単位は100万ドル)。

EPS:予想と結果

EPS予想 平均 上限 下限 期間
2020 5.53 6.23 4.44 1年
2019 4.18 4.25 4.09 1年
6-19 1.02 1.04 0.99 3カ月
EPS 予想 結果
3-19 0.70 0.77 0.07 9.91
12-18 1.09 1.20 0.11 10.14
9-18 0.83 0.90 0.07 8.84
6-18 0.71 0.75 0.04 5.95
3-18 0.70 0.80 0.10 14.74
12-17 0.91 0.98 0.07 7.99
9-17 0.81 0.92 0.11 13.37

売上高:予想と結果

売上予想 平均 上限 下限 期間
2020 23452 25006 21348 1年
2019 21020 21376 20800 1年
6-19 5449 5537 5372 3カ月
EPS 予想 結果
3-19 4800 4884 84 1.75
12-18 4897 4815 82 1.68
9-18 5526 5833 307 5.56
6-18 5188 5129 59 1.13
3-18 5186 5231 45 0.87
12-17 5927 6038 111 1.87
9-17 5802 5957 155 2.67

※決算予想では米国会計基準(GAAP)とは異なる「非GAAP基準」の数値が多用されています。これは各社が経営実態を踏まえて調整した数値です(売上とEPSの数値が後述のGAAP基準での数値と異なる場合は、非GAAP基準の数値)。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)

損益計算(売上、純利益等)

売上高 営業CF 同マージン 純利益
9-2008 11142 3558 31.9% 3160
9-2009 10416 7172 68.9% 1592
9-2010 10982 4076 37.1% 3247
9-2011 14957 4900 32.8% 4260
9-2012 19121 5998 31.4% 6109
9-2013 24866 8778 35.3% 6853
9-2014 26487 8887 33.6% 7967
9-2015 25281 5506 21.8% 5271
9-2016 23554 7632 32.4% 5705
9-2017 22291 5001 22.4% 2466
9-2018 22732 3895 17.1% -4864

EPSや営業利益率など

営業利益率 EPS DSO
2009/9 21.4 0.96 83.0
2010/9 29.9 1.96 23.7
2011/9 34.4 2.52 21.0
2012/9 29.7 3.51 23.3
2013/9 29.1 3.91 26.0
2014/9 28.5 4.65 30.8
2015/9 22.9 3.22 31.3
2016/9 27.6 3.81 32.3
2017/9 11.7 1.65 47.7
2018/9 3.3 -3.32 52.1

バランスシート

総資産 総負債 株主資本 自己資本率
9-2008 24712 6768 17944 72.6%
9-2009 27445 7129 20316 74.0%
9-2010 30572 9714 20858 68.2%
9-2011 36422 9450 26972 74.1%
9-2012 43012 9467 33545 78.0%
9-2013 45516 9429 36087 79.3%
9-2014 48574 9408 39166 80.6%
9-2015 50796 19382 31414 61.8%
9-2016 52359 20591 31768 60.7%
9-2017 65486 34740 30746 47.0%
9-2018 32686 31758 928 2.8%

さらに、重要指標を見てみます。

ROAとROEなど

ROA ROE 流動比率
単位 倍率
2009/9 6.1 8.3 4.47
2010/9 11.2 15.8 2.22
2011/9 12.7 17.8 2.7
2012/9 15.4 20.2 2.95
2013/9 15.5 19.7 3.75
2014/9 16.9 21.2 3.73
2015/9 10.6 14.9 3.62
2016/9 11.1 18.1 3.14
2017/9 4.2 7.9 4
2018/9 -9.9 -30.7 1.55

★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業が上げた利益を見る

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業が上げた利益を見る

★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る(表では資本が負債の何倍かを表記)

キャッシュフロー

営業CF 投資CF 財務CF フリーCF
9-2008 3558 -2819 -1307 2161
9-2009 7172 -5457 -833 6411
9-2010 4076 -839 -2405 3650
9-2011 4900 -4489 1518 4307
9-2012 5998 -6877 -757 4714
9-2013 8778 -1578 -4845 7734
9-2014 8887 -1639 -5480 7739
9-2015 5506 -3572 -2261 4778
9-2016 7632 -3488 -5754 7093
9-2017 5001 18463 5571 4311
9-2018 3895 4381 -31487 3111